詩人:どるとる | [投票][編集] |
私は実態のあるものでもあって
私は影のような朧気なものでもある
私はなんの価値もない偽物でもあり
見方によれば値段もつけられぬ価値ある代物かもしれない
私は鳥のように空を飛ぶことはできなくても
私は獣のように大地を駆けるすべを知る
僕はここにいるよ
でもどこにも存在しない
最初から何もなく
いつの間にか名を持ち
私は僕と名乗った
でもそれさえ僕を証明する迄には及ばず
ただまほろばのように さまようだけの日々を 死に物狂いで暮らすけど
僕は何者なのだとか
僕はどこから来たのか
確かなことはわからないまま それでも私は僕をつづける
私の存在は時間を定められている
でもいつ時間が来るのかそれはわからない
私は輝く宝石のようでもあり
私は時に道端に落ちている空き缶や吸い殻のように価値のないゴミにもなる
私は私の確固たる意味を知らず私は私の正体さえわからず
カゲロウのように儚く揺れる
僕はここにいるよ
でもどこにも存在しない
最初から何もなく
いつの間にか名を持ち
私は僕と名乗った
でもそれさえ僕を証明する迄には及ばず
ただまほろばのように さまようだけの日々を 死に物狂いで暮らすけど
僕は何者なのだとか
僕はどこから来たのか
確かなことはわからないまま それでも私は僕をつづける
僕がいることも
もしかしたら嘘なのかもしれない
終わりまで僕は僕で
言い換えれば僕でしかなく
それ以上でもそれ以下でもないから
そう夢幻のように 漂う 酸素で満ちた海の中 死に物狂いで泳げども
あなたは何様なのか
僕は一体誰なのか
確信に至るまではいたらず 不確かなままでも僕をつづける
無傷じゃいられない
無事じゃいられない
だけれど生きるのさ
言葉にできぬ思いも全て
まほろばのようにさまようだけの日々にいつか 光が灯るようにと願いは屋根よりずっと高く浮かぶ。
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あなたの声がきこえる この世で唯一素直に 耳をかせる声
不意に世界の風向きが変わる 君の笑顔は僕の乾いた心を動かす
夜が 朝へと 変わり
扉の向こうは 冬の様相 世界は白に染まる
凍えた心を とかすようにあたたかな 君の声 部屋に届くゆるやかな陽射し
君の声と僕の声が 重なり 連なり 音を立てるメロディ ここに
必要以上の言葉はいらない ただそばにいるだけで全て伝わる
「ありがとう」も「愛してる」もなくても存在全てが命の証
見つめる先に感じてるお日さまのような
まなざし ここにある
あなたと手を繋ぐとき伝わるぬくもりの中に何かに気づくよ
微熱のように 覚めない夢のなか 君のおはようひとつで 1日は動きだす
すれ違い 時に離れた淋しさに気づくとき
背中合わせの夜の向こう
知らなかった君の顔や仕草に 聞き慣れたその声 僕は吸い込まれるように恋をした
君の瞳と僕の瞳が 重なり ぶつかって 知らない明日を築く いつか
当たり前なことがこんなに嬉しいのは何でだろう 二人で色んな事してみたい
色んな場所に行ってみたい 笑うときも泣くときも こんなふうにありふれた場面が君の存在に縁取られ
特別な時間に変わってく 色あざやかに
凍えた心を とかすようにあたたかな 君の声 部屋に届くゆるやかな陽射し
君の声と僕の声が 重なり 連なり 音を立てるメロディ ここに
知らなかった君の顔や仕草に 聞き慣れたその声 僕は吸い込まれるように恋をした
君の瞳と僕の瞳が 重なり ぶつかって 知らない明日を築く いつか
大事なことは いつだって 忘れそうな程簡単なことだから
僕らは当たり前なことでも見失わないようにまなざし配って
誰かを想うんだよ
あなたのためを思って
あなただけを思って。
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誰かを 傷つける人がいるよ
誰かを 愛し慈しむ人と同じ世界で
何かを守り思いやる人がいるよ
何かを 傷つけ 壊す人と同じ人なのに
どうして 人は こんなに優しくなれない
ただ良いこと悪いこと その区別がせめて曖昧でなければ
この世界で当たり前とされてること
その基準さえ曖昧だから 僕らは時に正しいことにも牙を剥き 逆らうように 向かい風に抗う
ありがとうや愛してるという やさしいうたが 当たり前にきこえる世界で 僕はただそれに感謝できる人でありたい
憎しみなんて 知らなくていい
憎悪の代わりになるものを 探すなら 優しさで返したい
おかえりなさいやただいまが 日常的に聞こえる場所で 人はただそれに見合う言葉を持っていればいい
羨ましさや疎ましさなど邪魔くさい
見返りを求めるくらいなら 本当は 何も求めないし要らない
やさしいうた 人は重ねて 連ねて たどり着いたなんの変哲もない今日という日に
少しの悲しみと少しの喜びを見つけられればいい
馬鹿だろうと誰かを思えることで僕は人となる
この世界で 当たり前と決めつけられてること 誰が決めたのか 生き方も歩き方も人それぞれ 人の生き様を笑ったら 人でなし
ありがとうや愛してるという やさしいうたが 当たり前にきこえる世界で 僕はただそれに感謝できる人でありたい
憎しみなんて 知らなくていい
憎悪の代わりになるものを 探すなら 優しさで返したい
やさしいうた 人は重ねて 連ねて たどり着いたなんの変哲もない今日という日に
少しの悲しみと少しの喜びを見つけられればいい
馬鹿だろうと誰かを思えることで僕は人となる
やさしいうたをうたえる人となる。
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誰かを想うこと
誰かを気遣えること
誰かの傍にいること
簡単なことじゃない
君にしか僕にしかできないことだってあるさ
僕だけの 君だけの
虹を探しに行こう
悲しみの雨上がりに
どこかに咲いている
僕だけに 君だけに
見つけられる
七色の虹を二人で
今すぐ探しに行こう
手を強く むすんで
誰かのためになりたい
誰かの支えになりたい
誰かの役に立ちたい
できることじゃない
君だから僕だからできることもあるんだよ
この世界にただ一つ
愛を探しに行こう
涙の雨上がりのあと
笑いあえる 誰かを
僕だけを 君だけを
愛してくれる
青空に浮かぶ虹のような人に出会いに
僕だけの 君だけの
虹を探しに行こう
悲しみの雨上がりに
どこかに咲いている
僕だけに 君だけに
見つけられる
七色の虹を二人で
今すぐ探しに行こう
ひとりじゃないから
きっと君にも僕にも
見つけられる虹があるよ すぐ傍に。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
言葉にならない 想いがこの胸に 生まれた
歌にも物語にもできない想いがあるんだ
夢から覚めたら全て
夢だった なんて
そんな恋は嫌だ
だからあなたの手を離さないように
僕はこの想いを
君に伝えるために
言葉にするんだ
愛してるよ 好きだよ 当たり前なことだけど 届けたいよ伝えたいよ 意味はないのさ
抱きしめたいよ もっと側にいたいよ
当たり前なことだけど今僕を 苦しめる想いの棘 抜いてくれよ
言葉にしなくても 伝わる愛があるなら。
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見えない傷がある
目を閉じてはじめて
わかる痛みもある
心につく傷もある
知らないこと
見えないこと
違う人と壁で隔てて
背を向ける時もある
それでも、少しずつ
近づき 寄り添い
分かりあい ゆずりあう そんな気持ちを持ちたい
時間をかけてでも
君のわからないを
僕はわかりたいんだ
涙を流しながらでも
僕のわからないを
君にわかってほしい
人生をかけてでも
君の切なさや淋しさに気づきたい
格好悪くても
僕の痛みや苦しみに
心を傾けてほしい
聞こえない 音や
見えない 景色に
目や耳を こらしたりすましてみる
そんな努力も必要で
そんな頑張りが必要で 言いたいことはいつもきっと君も僕もだいたい同じだから
たったひとつだけ
わかっていよう
見たくない傷や
背を向けてはじめて
わかることもある
だからすれ違う
知らないふり
見えないふり
わかるはずもないと匙を投げ逃げた僕
それでも、一歩ずつ 向きあい 互いの傷を見つめあい さぐりあう そんな姿勢で 生きたい
全てをかけてでも
君のありがたいを
僕は返したいんだ
傷をつくりながらでも
僕と同じ思い出を 君にも刻んでほしい
こんなに愛してる
僅か百ほどの短い一生だけれど
柄じゃなくたって
不器用でも 僕なりの一生懸命君に見せたい
時間をかけてでも
君のわからないを
僕はわかりたいんだ
涙を流しながらでも
僕のわからないを
君にわかってほしい
人生をかけてでも
君の切なさや淋しさに気づきたい
格好悪くても
僕の痛みや苦しみに
心を傾けてほしい
涙の話があるのです
聞いてくれるならば
話します 語ります
人生の終わりまで
涙の話があるでしょう
聞かせてください
聞きます 聞きたい
この命果てるまで。
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泥にまみれ欲にまみれ 油にまみれ
僕は生きる 君は生きる 皆さん生きる
流行りに染まり 愛欲に染まり 悪に染まり
嘘をついて 本音隠して 建て前ぶら下げて
月の夜に 蝙蝠が羽を広げて 飛んでくのを見たとして 僕は何をそこで思うのでしょう
全く意味のない繰り返し 続けて連ねて 築いてく
今日も僕はピエロのように お客さんに愛想振りまいて 拍手と喝采の中
膝をついて 胡座かいて 踏み絵蹴飛ばす
神に逆らい 風に逆らい 法に逆らい
水に溺れ 我に溺れ 人は驕れる
道化師のように 聖者のようにまたはそう
いつもの街いつもの通り見慣れてしまって飽きてしまった神も仏もない所詮 この世は
心は逆さまのまま 滑稽に お利口な自分を演じる
今日も僕は 詐欺師のように自分を騙し拐かして 愛と平和を謳いながら
逆さまの 自分が 鏡に映るよ 月明かりが照らしているのは 夜のほんの一部分
僕やあなたの闇には光はあたらないまま誰かが知らない場所で 涙を流すのもまるでエンディングロールの彼方。
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意味のないことだ
生きていることなんて
わざわざ悲しみを
背負うようなもんだ
太陽に焦がされて
月明かりに照らされて
浮かび上がる君の姿
恥さえ映すだろう
変わり映えしない
日々の連なり
窓の外に
浮かんでる
雲に憧れてる始末
僕は限りなく
透明でいたい
明日なんて来なくてもいい いっそこのまま今日に
閉じこもっていたい
笑えなくてもいいから 何もおもしろいことなんてなくていい
夢の残り香 愛の吸い殻
いつか ここにあった暮らしでさえ 何を残しても意味はない
きれいごと並べて励ましても だれそれの暮らしに裏書きされて 僕は僕であったことさえ まるで無意味みたいじゃないか
だから僕の心は無色透明。
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戯れ言をひとつ
テーブルに並べ
夢から覚めたあと
君は微睡みながら
回る時の音を
遠くにきいていた
ここは何も 許さず
僕も君もただ身近にある掟を 正しいものと疑いもせずに
泡沫のように消えてく儚い夢を 両手に抱きしめて
静かに明けていく夜の彼方に 輝く朝を描いていたけど
それは全て跡形もなく崩れ落ちた 灰皿の上の吸いがらみたく
回りだす 時計の針が 脈絡のない 沢山の命を切り刻みながら
肉と骨を断つように ありとあらゆる概念をはらんだままで
僕が見た夢と君が見た夢を 重ね合わせて 折り紙を折るように 同じ時間を歩んでも君と僕とで違いを見いだすように どこかで僕だけの特別を持っていたいんだ
ただ。
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なんの価値もない言霊だけが 部屋にあふれる
どんな書物を用いても 何ひとつ紐解くことはできない
僕は無意味で だけど意味深な 輝くゴミ屑
この丸い地球の片隅
抱いた概念を 僕はなんのためらいもなく
全てだと 謳いたい
愛も邪悪もひとつに混ざり合って 所謂ひとつのメロディに変わる
君はまばたきひとつせず聞き入り 答えを問い直すこともしなかった
だから僕は つい抱きしめてしまう
愛の歌は憎しみの歌
憎しみの歌は愛の歌
狂った歌は正気の沙汰
正気の沙汰は狂った歌
わからないようで
理解のある
僕が聞いた
あのメロディ
なんの価値もないようで 価値ある一瞬を
僕らは 築き上げてゆく ただそれだけが
僕は無能で 無価値で 裏を返せば希少で
愛も邪悪もひとつに混ざり合って 所謂ひとつのメロディに変わる
君はまばたきひとつせず聞き入り 答えを問い直すこともしなかった
だから僕は つい息継ぎを忘れる。