詩人:どるとる | [投票][編集] |
目に見えないものを 心に映している
あなたの笑顔 誰かの涙 今日あった出来事 そのひとつひとつに形がある
触れないけれど
ちゃんとここにあるってわかるんだ
命の重さを量っても
答えなんか出ないけれど あなたがその答え
笑っていることや
何気なくしていることが 生きているということの答えなら
僕は あなたを愛すだけで
あなたに僕が 愛されるだけで
あなたの中で僕は紛れもない真実になる
自分の存在を 曖昧に感じたときは
すぐそばで 笑う人の優しさに 答えを見つけなさい
本当のことは いつも暗い闇の中 探し続けても わからないものも世の中にはたくさんあるけれど
僕が 生きていると強く思うだけで
僕は ここにいて そしてあなたに
そばにいてほしいと思われることで
僕の存在はより明確になるんだ
生きているということの答えは無限にあるよ
例えば 生きているということが あやふやになったときは
胸に手をあてて鼓動を聞いてごらん
それを疑ってしまったらもう 何も信じられないよ
だから答えは いつも見えないだけで
心に映している
目に見えないものを
心に映している
そんなふうに思えたら何かが変わるかな
とりあえず痛みも覚悟して歩き出してごらん
生きるということは悲しみも含めて そういうもののはずだから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
ただいまの声が 聞こえたら なんだか心がやさしくなる
おかえりなさいの声が 聞こえたら 今日はそれだけで幸せ
ただいまと言える人がいつもいること
おかえりなさいと言ってくれる人がそばにいること
それだけできっと十分幸せなんだろう
今日もたくさんの人のそれぞれの帰り道
子供が帰りを待つ お父さんの帰り道
優しいお母さんが待つ 子供の帰り道
疲れた顔で 腹減ったって 言いながらひとり 家路を歩く僕の帰り道
いろんな人の帰り道がある
いろんな今日を過ごしたあとの
涙も笑顔もひとつに混ざり合って
何も言いっこなしさ
ただ言う言葉はひとつだけ
待ちかねたあの人にはただいま
ずっと誰かを待っていた人にはおかえりを届けるんだよ
さみしくてもね切なくてもね
ひとりにひとつ与えられた命が
ドアを開けて 帰ってくる
それを誰かが 待っている
ただいまおかえり その繰り返し
明日もあさっても変わらないように
あなたの帰りを待つ誰かに無事をしらせて
そして確かにおかえりなさいを受け取って
そして誰かを待っているあなたがいるなら
誰かの帰りに とびきりのおかえりを届けて
当たり前な暮らしの中 当たり前に聞こえる
その他愛ない挨拶が
どんな時代でもどんな世界でも 人と人が折り重なり生きるかぎり 変わりませんように
そして今日も僕は届けるんだ
あなたにただいま おかえりを言うのはあなた。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
雨粒の一粒に
昨日の涙を重ねてみる
映画のワンシーン
よくあるシチュエーションだ
悲しい嬉しい楽しいきりもなくそれの繰り返し
僕の住む街に
今日も知らないうちに夜がやってきたのに 気づかないあいだに誰もみんな目を閉じて
ほら寂しさに背を向けて 悲しいのは嫌だよと自分の弱さまで隠してしまうんだ
カーテンの外はもう物語の端っこ
空には少しの星と瞼の裏に浮かぶは銀河鉄道の走るきれいな夜
ゆっくり ゆったり
流れていくこの夜は
愛に満ちた幸せをはらんで
僕の声君の声 ほんの小さな不安でさえ
包み込んで 時のかけらを 拾い集めて
笑う人の傍ら
僕も笑うのさ
声も出ぬほどに悲しい世界 だけれどたまに出会う喜び
ドアの外は 明けていく夜 浮かぶ涙に 登る朝日 ゆらりゆらゆら揺れる陽射しの中
今だけは許されている気がするこの心はスローモーション
開け放された時間が流れ込む 今日は心なしか世界が優しい
今だけは愛されている気がする この心はスローモーション。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
脈絡のないことだ
あらすじのない日々だ
僕は全く意味がない
無意味なことが続く
ゴミ箱の中の現実
散らかった頭の中
心はがらんどう
僕は笑えない笑えない
時計が進む 針は止まったまま 大事なことだけはわからない
見上げた空は ただ青くて若葉の僕はいちいち嬉しいことがあると笑った いちいち悲しいことがあると泣いた
だけれど最近じゃあまり感情を表に出さない
今日から笑ってみるよ
夕日がきれいだったから
今日から優しくなるよ
あなたを好きになったから
心の汚れはぜんぶ
きれいに落ちて
素直になれた
もう大丈夫そうだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
ぐうぜん 君が生まれて
ぐうぜん あなたが私の子供で
ぐうぜん あなたが私の親で
悲しいことや 嬉しいこと
不平不満胸に隠した文句 それはお互い様さ
誰にも みんなあるものだ
例えばあなたが 誰かの大切な人なら
勝手に死なないで
案外悲しむ人がいる
ぐうぜん この星に生まれて
ぐうぜん 僕は男や女で
ぐうぜん 無口やお喋りで
ぐうぜん 本や音楽を好み
ぐうぜん 今あなたは笑ったり泣いたりしている
いくつものぐうぜんが重なって いつの間にかそのぐうぜんの積み重ねがやがて
大切なひつぜんに変わる
つまらないぐうぜんの産物の僕らは
ぐうぜん 命に終わりがあって
ぐうぜん いつか死ぬだろう
だけどそれだけはわかることだから ひつぜんなんだね
ぐうぜんとぐうぜんが重なり合って 連なって いつかおしまいに繋がるまで
僕らはまだ終わらないぐうぜんの中
ひつぜんとなるべき愛や心を探す
ぐうぜん 欠伸をしているように
ぐうぜん 屁をこいているように
深い意味はなく これといったわけもなく
僕らはぐうぜん ここにいて
ただ目の前にある
今日を仕方なしに
生きている
それさえぐうぜん
すべてはぐうぜん
楽しいも悲しいも
嬉しいも卑しいも
ぐうぜん そうなっただけなんだ
そして僕はまた扉を開く その先にある
新しい ぐうぜんに手を伸ばして
ぐうぜんでも幸せになれたらいいなと思うから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
耳の聴こえない人は 音の代わりに景色を聞く
目の見えない人は景色の代わりに音を見る
たくさんの人の顔の中
たくさんの足音がする
その中に 愛はあるか 優しさはあるだろうか
目の見えない誰かの世界にも
耳の聴こえない誰かの世界にも
ハンデを持った人たちも僕らと同じように生きれるか
笑ったり泣いたりすることが
僕らにはまるで当たり前のよう
だけれどもしかしたら何気なくすれ違う人が
目の見えない人や耳の聴こえない人かもしれない現実がある
大事なものが見えないような
誰かの泣き声が聴こえないような
そんな世界に何の価値がある?
頭じゃ割り切れない計算できない心を学ぶ
僕は迷いもなくそう言える
きれいごとだなんて言わないで
当たり前なことを一番めんどくさがる僕らさ
当たり前なことを一番煙たがる世の中さ
目の見えない人には見えている 誰かの声の奥の本当が
耳の聴こえない人には聴こえている 誰かの表情の裏の邪悪が
大事なものや大切なこと 生きる上で本当に必要不可欠なもの
わかっていながら素直な人ほど傷つける 知っていながら無垢なものを殴る蹴る そんな世の中に生まれた僕らの瞳には
多分見えないものがあり聴こえない音すらあるのです
目を閉じて 耳を塞いだような 世界には
僕らの心がそこにある だから目や耳のつかえぬあなたには
見えない聴こえない代わりに 見えるものがある 聴こえるものがある
耳をすましても目をこらしても 見えない聴こえないものばかりだ
大切なものって 大事なことって一体なんだろう?
心があなたに問いかけます。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
空が青いのは いつからなんだろう
青い果実のよう まだ熟すまえの昼下がり
空が赤いのは 空が泣きはらしたから
熟したトマトのよう 完熟の夕暮れ
空が暗いのは 空が目を閉じたから
そして空が見る夢の中 星をみつける
悲しいことも 嬉しいことも 痛い思いも
優しいぬくもりも
全て 明日に 運ばれてゆくからね
空が青い理由を たずねることもなく
色鮮やかに 色を変える 空の心を 気遣うように僕はいつかこの命を空に帰すから
それまではあなたの目の届く場所で 泣いたり笑ったりするよ
いくら 考えてもわからないことや
どんなに探しても見つからない何かを
追いかけて行くように 多分この旅に意味などないことくらい僕もわかっているから
ただ空のように 時には青く時には赤く染まるのさ
悲しみ喜び痛み憎しみ哀れみ妬み僻み
邪魔なものもだいぶあるけれど まだもう少し旅は続く
空の心で 歩いていく
空の心で 生きていく。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕は何も言わない
当たり前なことは
ただ風の中に
消えていくだけ
僕は何も聞かない
他人の声に
耳を貸せるほど
余裕じゃない
卵は半熟 僕は未熟
フライパンの上は
とても熱い
すぐに大人になるさ
視界は良好 試合は全敗
シャングリラ ビルの森の樹となれ
聖書さえ燃えるゴミさ
だから何も言わない
無駄なことは
ただ海の底に
沈んでゆくだけ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
人を殴るときには 手のひらで叩くんだ
叩いた人の痛みと叩かれた人の痛みが同じだから
重なり合う日々の中優しさが生まれる
あなたを思う誰かの心がうかがえる
あなたを思いながら
僕は手をあげることもあるんだ
だけどそれがたまにおかしなことになる
だから誰かを叩くときにはその拳に心を込めなさい
心を込めない拳はただの暴力。