詩人:どるとる | [投票][編集] |
ただ静けさだけが
街を包む そんな夜
僕は目を閉じたまま
朝を目指して歩く
知らない間にたどり着く
時の重みを抱いて
刻まれる針の音だけがこの胸の心音と重なる
あなたの夜と僕の夜は同じ夜なのにすれ違う
黙ったままでも
悲しみが誰かの胸の中に生まれてる
眠れなくても
誰も置き去りにされずに必ず同じ朝にたどり着く
ああ ただ静けさだけが
街を包む そんな夜
急ぐこともなく
ゆっくり 明けていく
そんな夜 そんな夜
ほんの少しの切なさを残したまま
昨日に何か置き去りにしたままで
目覚めてく街
そしてまたはじまる今日です。
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さいきんは 票も少なくなって
感想もなくなって ぼくはさびしいよ
さびしくて ティッシュ箱から 意味もなくティッシュを出してはもどして 繰り返してる
さいきんぼくは
さいきんぼくは
少しブルーなの
さいきんぼくは
さいきんぼくは
あの世に行きたいの
地獄に落ちるなら
せめてきれいな地獄
血の池は イチゴジュースの池
ラララ ラララ。
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イグアナ カメレオン
爬虫類のペットを買う
タランチュラ ヘビ 深海魚
人が好まないペットを買う
彼女は嫌がり部屋にも近づかない
それでもペットを買うのよ
それでもペットを買うのよ
愚痴を聞いてもらうのよ
名前はマリリン
名前だけはきれい
名前だけはきれい。
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夜を照らす 明かりに代わるもの
僕は知っている
形のないぬくもりや優しさに
照らされてる 守られてる いつも
まなざしの雨 降り注ぐ この部屋で
君がくれるその笑顔は光にも似て まぶしくて
目を伏せた。
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弓のごとく ぴんと張る 強がりでなく勇気で
僕は進む 荒波をこえて
空のごとく 晴れ渡った青にからだを染めて
ただあるがまま広がっている
私という名の私になってまた私に変わる
その私も新しい朝の中私に変わるだろう
羽根もないし 尾鰭もないし ただ歩く足があるだけ
その足で私は行く
行け また私になるため
また私になるため。
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ただ一面 青く染まった空が ひまわり畑の上に 果てしなく広がっている
夏を待っていました
暑さを知らない少年が
あぜ道を駈けてゆく
真っ黒に焼けた肌と
白く残ったシャツのあと
駆け抜けた日々絵日記の中に閉じ込めた少年の夏
虫取り網を手に 麦わら帽子の君が あなたの胸の中にもいるさ
思い出してごらん
瞼閉じたら 誰の胸の中にもそんな少年がいるから
忘れていた 多忙な日々に隠れて 見えなかったいつかの青い空
夕焼け空と蝉しぐれ
麦茶の氷が鳴る どこかに置き忘れた時間
溶けてしまいそうな程暑くて長い夏の坂道
過ぎてしまえばまるで夢の中の出来事のような夏は幻
自転車に乗って 走り抜けて行く在りし日の君があなたに微笑みかけている
窓を開け鳴り止まぬ 蝉しぐれの彼方に浮かぶそんな夏の思い出
夏の思い出。
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僕らはそっと繋いでた手を離して
画面の端に消えてく
つまらないラブストーリーの登場人物さ
木の葉の雨の降る
並木道を歩けば
少し肌寒い秋風が頬をくすぐるだろう
互いの見えない暮らしの向こう側
君は幸せにやってるだろうか
ため息ばかりが心の窓ガラス曇らせる
イチョウ色鮮やかに 染まる季節なのに
僕らの恋は 色あせてくばかりで悲しい
たとえばもっと優しい言葉知っていたら
僕らはもう少し この手を繋いでいられたのかな
秋風が さらった木の葉 偶然が連れてきたつかの間のロマンス
僕らはずっと見つめているんだ
何も映ってない画面を
他人のふりで泣いたりしている
映画館までの道のりを埋め尽くしてる
木の葉の絨毯 もうすぐ冬が来るね
そしたらこの手はかじかんでしまうよ
手袋やコートで寒さ凌いでも
心だけは着込むことは出来ないね
子供でさえも謝ることを知ってるのに
大人の僕らはつまらない意地を張ってる
会えない日々を編み物のように紡いで
募ってく寂しさを全部さらけ出してしまえたら
ふゅるり 木枯らしが空気をふるわせる 僕は独りぼっちさ
イチョウ色鮮やかに 染まる季節なのに
僕らの恋は 色あせてくばかりで悲しい
たとえばもっと優しい言葉知っていたら
僕らはもう少し この手を繋いでいられたのかな
秋風が さらった木の葉 偶然が連れてきたつかの間のロマンス。
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僕らは誰一人
選べない運命を
背負って
生まれて来たんだね
虐待する親のもとに生まれた子や
戦争が続く国に生まれた子供は
逆らえない運命に導かれて生まれたんだろう
だけどねそれをかわいそうだと言っても
きっとその子供たちは笑顔にはならないだろう
だからせめて 生まれてきたことを
周りが 間違いじゃなかったんだと
抱きしめてあげることが大事なんだ
いくつもの いくつもの窓に映る
人の暮らしの中 そっとのぞき込めばほら
知らなかった 悲しい今が揺れてるだろう
安易にその景色を 非難しても
何一つ変わらないからね やっぱりその窓を見てる僕らが
出来ることを することが一番大切なんだ。
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おまえは落ちてる
吸い殻や空き缶と
何ら変わりない
そんなことを言う
親に心はありますか血の通わない言葉は
ただ人を傷つけるだけさ
たったひとつの命を携えて
たったひとつの世界で 物語を書き進めてゆくように生きる
僕らは時計のよう
それぞれが
定められた時の中で
生きている
カチカチと進め
命の終わりまで
てくてくと歩け
命かがやかせて
自分の命は自分自身で生きてると謳え。