詩人:どるとる | [投票][編集] |
常夜灯が光る
夜の彼方此方に
散らばる
悲しみ喜び
アパートの切れかかった明かりが
明滅して まるで今の僕の姿重ねていた
とりあえずさよなら
何もかもにさよなら
グッバイ グッバイ
花はもう散ったのさ
果報は寝て待て
目覚めたら全部夢
グッバイ グッバイ
時計の針が 回る
画用紙のシミ
道端の吸い殻
ああ 似ているね
どことなく
常夜灯が光る
夜の彼方此方に
見え隠れする
幸せのような
雑魚は雑魚寝で。
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生きている それだけでなんとなく
幸せに思えるんだよ 大きく息を吸ったら大きく吐き出してつま先から踏み出す未来
繰り返される日々の交々 眼前を覆い尽くす空の青
悩みは 迷いは 消え失せて 今はただ目の前の幸せに笑う
行ったり来たりをするだけの日々 命は燃やされて
焦げついたぶんだけ残された時間は削れて いつの間にか彼方に終わりが見えている
笑っている モノクロの部屋の中
並べられた卑屈に また卑屈を積み上げて 崩れたらまたやり直し きりがない
遊びつづける日々の色々
足元から崩れ落ちる天の裁き
言葉は言葉に成らず ばらばらに砕け散って阿呆は笑う
泣いたり笑ったりするだけの日々 幸せは口笛の矛先に消える
歩ききったぶんだけ 何かが またひとつ僕から離れてって いつの間にか僕は終わりを受け入れられている
行ったり来たりをするだけの日々 命は燃やされて
焦げついたぶんだけ残された時間は削れて いつの間にか彼方に終わりが見えている
繰り返される日々の交々 眼前を覆い尽くす空の青
鏡のように心に映ってる。
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春を待っている 坂道は 遠く私を見下ろしている
青い空に白い雲を描いた 水彩画のような
当たり前な風景の中に 大切なものがいくつも見える
それは光瞬く景色
固く閉じた蕾のように 僕も春を待っている
何もかもが 止まって見えるよ
流れる時の欠片 一分一秒が陽射しに照らされ ひとつひとつが輝いている春待ち坂
夢を見ている 微睡みの中で 縁側日向ぼっこ
適当に描いた 景色のようなのに どこかわかっていたように
それは魔法のよう
描かれた世界がそのまま僕らの全てになる
何もかもが 特別に見えるよ
ただありふれた景色の向こう 見えるもの聴こえるもの 光を放つ 春待ち坂
何もかもが 止まって見えるよ
流れる時の欠片 一分一秒が陽射しに照らされ ひとつひとつが輝いている春待ち坂。
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見てごらん日が暮れる 誰かの声がする
「さよならまた明日ね」
歩道橋から見ていた
沈む夕日 きれいだね
悲しみは悲しいまま
苦しみは苦しいまま
何ひとつ変わらないのに何ひとつ変わらないのが またいい
幸せも変わらないから
痛みを残したままで
空は暮れゆく
ポケットに押し込んだ涙
きらり 光って
時のレールを 走ってゆく列車が
今日という駅を通り過ぎて
明日を目指し走ってく
僕は明日には行けない 明日の僕には会えない
ここでさよならさ。
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心の中に雨が降っている それぞれの
雨音がステップ刻んでる
それは何かを奪うように 何かを手渡すように
雨音がする
アンブレラひとつ
持って行くよ
君の心まで
君の涙まで
ラララって歌えば
ほら 雨の中でも
笑っていられる
その瞳の奥の奥
映っている世界は
君を見事にだましてる
きれいな嘘偽り それでもいいとあなたは優しく笑う
水たまり 雨粒跳ねて 君のズボンの裾を濡らす シミは痛みに似て 容易には落ちない
雨合羽ひとつ
持って行くよ
笑顔たずさえて
全速力で
ラララって笑えば
どんな景色の中でもほら 君は大丈夫
見えているもの聴こえているもの
全てが本物である証などないけれど
本物以上に いや本物と見紛う程の夢の中楽しく生きよう
心地よい雨に濡れて
僕は悲しみさえ
笑って 歌うのさ
ラララって歌えば
ほら 雨の中でも
笑っていられる
その瞳の奥の奥
映っている世界は
君を見事にだましてる
きれいな嘘偽り それでもいいとあなたは優しく笑う。
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夜の中 朝の中 僕の中 君の中
ポケットの中 瞼の中 胸の中
切なさの中 悲しみの中 喜びの中 手のひらの中 足の裏の
その中に ある
どんな場所 どんな人のそばにもあるよ
どんな景色の どんな音や色の中にでも
その中に その中に
見えない闇の向こう
聴こえない
渦巻きの向こうに
浜辺に打ち寄せる
白い貝殻のような
きれいな小さな何かが宝物のように光っているのを僕は知っている。
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見えますか あの歩道橋から 見えますか
沈む夕日が
暮らしを 支える 優しい手のひら ぬくもりは伝わってますか
川の流れは時の流れに似て 穏やかなときもあれば はげしいときもある
ほら見てごらん 河川敷に 悲しみが浮かんでる
だけど喜び はその悲しみに負ぶさるようにあるのさ
その闇の中から見えるかい 光を取り戻したら 笑える隙を見つけて 夢から目覚めた君とキスをするのだ。
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見えているものだけでは ないよ
この世界には 見えないものもあるよ
そんな「当たり前」を 知っているなら
見えないものともうまく付き合って行けるはずだ
夏の終わり まだ蒸し暑い昼下がり
アスファルトに 散らばる蝉の抜け殻
瞼の裏に まだ焼き付いているんだ
まるであなたのよう 胸の片隅白く横たわるうつせみ
窓の外には たくさんの音が
たくさんの景色があふれているよ
知ろうとしなければわからないものも
知りたくなければ目を閉じることも出来る
耳をふさいでも 聞こえてくるのさ
あなたのあの声 あなたのあの言葉
記憶の奥底にまだ咲いている
まるで日焼けの痕のように傷を残す うつせみ
風鈴の音がしていた
僕は窓辺で その音が遠ざかるのをただ
聞いていた ただ聞いていた
夏の終わり まだ蒸し暑い昼下がり
アスファルトに 散らばる蝉の抜け殻
瞼の裏に まだ焼き付いているんだ
まるであなたのよう 胸の片隅白く横たわるうつせみ。
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目を閉じてごらん
畳の上 カーテンの隙間から差し込む光
意識の狭間に 忍び込む ただ無邪気な白
隠した幼さが 素直な自分を遠ざけても
いつしか 離れた手はまた 繋がるだろう
出会いの数だけ別れの数があるのなら
別れの数だけ 出会いの数があるのだろう
悲しいことより辛いことよりも
嬉しいことや楽しいことを考えて生きていきたい
今は 憎しみに ふるえているがいい
いつか、完全な白に染まるまで
僕は引かれた線からはみ出したままで
少し わがままに幼さを謳いながら
透けた空に融ける
透けた空に融ける。