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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[614] コタツムリ
詩人:どるとる [投票][編集]


冬はもっぱらコタツムリだよ
コタツから離れられない
まるで僕はカタツムリかヤドカリみたい
コタツが貝殻で僕がナメクジみたいなやつのほうで

コタツムリは今日も
冬の寒い毎日を
ただ甘えながら
暮らしてる

外は北風がびゅーびゅー吹いている
しもやけになるのはごめんだね

コタツムリ二匹
コタツムリなのは僕だけじゃないはずだ
隣には同じようにこの憎々しいくらいの寒さに怒りを隠せない君も同じだろう
だけれど寒くなかったらこんなに近くにいれないよね

互いの吐き出す吐息もふれるほど近く
互いの心臓の鼓動も聴こえるほど近く
なるのは幸せなことだろう

コタツムリ 今日も
二人は コタツの貝殻でコタツに入りながらみかんを食い漫画を読みテレビも観る
二人は冬の寒さを互いの愛と体温でコタツの熱よりもお熱い温度に上昇していく

ああ コタツムリがに匹僕の部屋にいる
時折 足と足がふれる そのたび 向かい合わせる顔 頬を赤らませている
けっして寒さのせいじゃない
だって君といるとこんなにあたたかいから

寒くなくなって
冬が終わったなら
僕らはコタツから這い出てまた二足歩行で猿になる
それまではコタツムリとして生きていこう
長い長い冬の時間を寒くも楽しく過ごして行こう
お茶がさめるよ
早く 飲まなくちゃ
猫舌の君のことだから
すぐには飲めないだろう
僕がさましてあげるよ
なんて おのろけボーイミーツガール
二人は今日もコタツムリ
二人は明日もコタツムリ

この冬が終わるまで
あの霜がおりたとき
二人はコタツの中身を寄せ合いあたたまる

僕は君を愛してるよ…
私もよ

なんて 小さなコタツの中 言い交わされる
冬の日の恋物語
もう そんな歳でもないけど言いたいんだ

この秘密の二人の隠れ家でなら言えるんだ

僕ら互いにもっぱら寒いのが苦手なコタツムリ。

2009/11/29 (Sun)

[615] 今日にさよならを
詩人:どるとる [投票][編集]


あたりまえなことだけど今日1日はもう
通り過ぎたら
ほんのくだらない
一場面でさえ戻らない
1秒でさえ戻らないのです

日が暮れて 切なくなって
時間よ止まれと願っても今日にさよならをしたなら
もう 誰も帰れない

あたりまえなことなのに
今さらって感じなのに
ねえ 考えてもみて
それって悲しいこと
だけれど仕方ないこと
だからこそさよならするとき 流れる時間のひとつひとつに涙が止まらないのかな

やさしい気持ちでさよならしたいけど
今日にさよならをしてしまったらやっぱり泣かずにはいられないのです
やっぱり胸が苦しくなるのです

僕らは
ひとりひとりが
瞬間で消える時間を積み重ねて やがて流れ星のようにさ
流れきったらもうふたたび流れることはない
ただ簡単な話
でもなんて切ない話

今日も泣いてしまうよ
それなのにふれられているうちには気づけない
今日の大切さ
さよならするときなぜこうも悲しくなるほど目が覚める?

ああ

今日にさよなら
バイバイ
ありがとう
楽しかった
それでも
言わなくちゃ
それでも
さよならしなくちゃ

僕は生きられない
日々、1秒ごとに天に命を捧げなくては
僕は僕でいられない

そんなことわかってるはずなのに
流れる涙
悲しむ僕
わかってるからこそさ そうさ
流れる涙
悲しむ涙

今日にさよならを…
僕はあふれる涙をぬぐいながら今笑うよ
嘘でも さよならを
僕は運命に言わされてるのかもしれない
でも言うんだよ
今日にさよならと…
今日にさよならと…

言葉にしなくても
終わりは始まりを生み明日という世界を広げるから
また新しい物語を何度でもそこに生み出すから

今日にさよなら
合図でもなければ明日の呼び出し音でもない
ただその言葉が自分の中で何度もループする

今日にさよならをせざるを負えないとき。

2009/11/29 (Sun)

[616] はじまりの光
詩人:どるとる [投票][編集]


行かないでよ
行かないでよ
僕のかけがえのない1日よ
まだお別れなんてしたくないのさ

思い出はいつまででも
大切にするからさ
なんてすぐ忘れてしまうくせに何を言ってるんだろう僕は

夕暮れに目がしみて涙が止まらない
ねえ これも 君との別れを惜しむ悲しみから流れる涙だよ
ほら よく見てみて

いくつもの歌をつくったって
全てはいずれ消え去ってしまう歌
だから消えてもいいように書くのかな
違う 消えるから書くんだ かけがえのない歌を

形あるものは全て
時間の果てで消える
それをはかなく思うのはなんでなんだろうか
わからないまま
涙が止まらない

それを今君に伝えても…

わからないものは
わからないまま
僕の中で消えたのです
跡形もなく
ほら 闇にのまれて

さよなら もう行かなくちゃいけないんだろう
引き留めやしないさ
ほら 行けよ 行けよ
さっきは嫌がってたのになんでだろう
さよならがまぶしく見えた

さよならの向こう側の光
ほらそれは新しいはじまりの光
ほらまばゆく僕ら包んでる。

2009/11/29 (Sun)

[617] 逃避行
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昨日のことは全て嘘だと思ってくれてかまわない
いつもそうなのさ
伝えたい気持ちは本題からそれて争いを生んでしまう

もしも 今すぐ 君に言えるならば
ごめんだけじゃ足りなすぎるから
せめて降り積もる雪のように降り続く時間のほんのわずかでも君と本当の気持ちを語らいたい

君を世界でいちばん愛してるのに
なぜだろう愛していれば愛しているほどに傷つけあってしまうんだよ

去りゆこうとしている夜の途中で流れるお星さまにさえ願ってしまうよ

誰よりも何よりも
愛すべき人よ
なぜにそこまで
美しいのか
いつまでも
僕らはメルヘンの世界と現実の境でさまようへんてこな恋人

ふたりの逃避行は続く 続く 明日の向こう側までも。

2009/11/29 (Sun)

[618] ラブソングという名の愛の歌
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枕に顔をうずめて泣く夜はいちばんこの世界で愛してる人をかぎりなく思う夜
思いはあふれすぎて海原を広げてしまうくらい

一途な思いとは世界でただひとりの人だけを思うことをいうんだろう
僕が君を愛するように誰かもまた今日誰かを思っている

まだつぼみのままの恋も花が咲いた恋もあるだろう

だけれど僕は誰よりも君を思っている
今すぐ抱きしめたいよ
でも愛し合えば愛し合うほどに心に生まれる愚かな余裕

もしも ゆるされるなら君ひとりだけを僕だけが独り占めしてみたい

ラブソングというにはちょっと程遠い
かっこつかない
どこかつくった人に似てる不器用な言葉散りばめられた愛の歌

届けたいのは世界でひとりだけ
そう 君だけです

どうか 君も枕に顔うずめ泣くような悲しい夜は僕の歌を思い出してね
君のためなら精一杯死ぬ気で歌うから
どうかお星さまに願うよりも先に僕の存在を思い出して
そして いつだって呼んでください

僕は君の必要なときにだけ夜の隙間からそっとあらわれるから
こんなふたりの関係
それでも愛はたしかに光ってる
ほら いつのまにか君も僕を愛してしまう

そんな気持ちが君の心のつぼみをひらかせたんだよ
僕らは今日も寄り添いながら夢を見る

口ずさむのは僕がつくったこんな愛の歌
ここまで気に入ってもらえるとは思わなかったよ

生まれ変わっても歌えるような歌だわ
君はそう言って僕にキスした。

2009/11/29 (Sun)

[619] 生きるために生きている
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生まれたからには生きてゆくしかない
途中でさ投げ出すなんて僕にはとても出来ないのさ
いつでもいつでも

ルールに支配された世界
少しでもルールに反せば笛が鳴り退場になる

生まれた意味なんて
まるでその理由なんて
誰にもわからないだろう
だから僕は僕で決めてやるんだ
僕は生きるためにただ生きている
夢も何も それ以外ないさ 理由なんてただそれだけ

悲しいと思うかい?
でもね人はみんな
夢をもち何かに向かってるという考えはやめたほうがいい

今日も夢なしの日々が続くよ
ただ生きるために生きている日々を
腐らせないように守って 保って 守って
生きるのも想うよりずっとつらいんだ
生きている人にしかわからない
生きているから僕にはわかるんだ そのつらさと悲しみが

生きるだけでもう夢や理想だとか言ってられない
だから毎日生きるためだけに全て費やしてしまうよ

夢をもって走る人の気がしれないよ
僕は。

2009/11/29 (Sun)

[620] 自分以外の全てはたまねぎなのだ
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規則正しく 礼儀正しく 生きてみてもそれはなんか自分じゃない気がする
やっぱり自分っていうのは どこか他人から嫌われてさ わがままな自分なんだと思う
帰りの電車の中 窓の外に目をやれば今にも落ちてきそうな大きな月が見えた
いつでもあの月に憧れてばかり

夢という夢は持たないことにしているんだ
どうせ願ったって叶いっこないからね

焦りと不安を隠せないまま何度でも何度でも変わらなく日々は続くというのに

何も変わらないまま
僕はずっと僕のままで生きている
それはいけないことだろうか
いつまでもなま温かい何かにすがってさ
甘えてばかり
まだまだおしゃぶりがはなせないでちゅか
僕の中のもうひとりの自分が皮肉るように言った

もう 何もかも捨てて
人間社会から逃げて
そんなことしたって悲しいだけなのに

そうだ 昔習ったろう
困ったときは
自分以外の全てを野菜に変えろって
だから 僕を責めるおまえも 僕を見下す貴様もみんなみんな野菜だ、特に僕の嫌いなたまねぎだ
お笑いだね こりゃ傑作中の傑作だ

なんて ひねくれているんだろう 僕は
でも そうするしかないのです
だから 少しくらい許してほしいのさ

自分以外の全ては
たまねぎなのだ
だから 何もこわくないのだ
ほらたまねぎがなんか言っているよ
見方を変えれば世の中なんて八百屋も同じ
ほらみんな野菜なんだ
だからこわくないんだ
いい方法 教えてくれてありがとう お母さん
こんなとこで役に立つとはねなんとも驚きだ

誰かが僕に望む
規則正しくとか
礼儀正しくとか
できそうにないが
せめて 人間らしく
悪いことは悪い
良いことは良い
そんな概念は持ち続けているから
はみ出し者でもさ
見捨てないでほしい

野菜の被り物をそっと脱いで微笑んだ君にだけはこんな素直な気持ち伝えられるから 僕は幸せ
君だけが僕を認めた。

2009/11/30 (Mon)

[621] 涙あり笑いありのこの世界で
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道端に落ちてないかな
あわよくばお手ごろな幸せは
目を凝らし耳をそばだて僕は探したよ 一日中街ん中
でも何も見つからなくてさ
ただ涙が流れただけだった

人知れず僕という人間はとても悲しいのです
君にもまだ見せていない僕がわんさかいるんだよ

わざわざ説明するまでもないけど人の心の奥には誰にも見せられない大きな大きな悲しみがある

心にぽっかりあいてしまった この穴
愛だけで 優しさだけでたやすく埋まるものか

だけれど君の存在はいつでも谷底に落ちる間際で僕を救うのです 絶妙なタイミングで涙さえ笑顔に変えてしまう

これが魔法といわずしてなんと呼ぶかしら
いつのまにか道端探していた幸せがほら目の前にありました
僕はいつだってこの上ない幸せと顔を向き合わしていたのだね
それを想うと恥ずかしい

涙のあとを追っかけて ついて行こうとした
だけれどその先にはなにもないのよと君が僕を引き止めた
僕はただ涙を見送ってまた次頑張ろうとこの物語のページをめくり続けることを選んだ

君のその笑顔
君のそのぬくもり
君のそのやさしさ
君のその心
全てが僕の味方する

口笛 吹き鳴らして
何気ないふりして君と手を握り照れ隠しに空を見上げれば
君も僕の手を握り返した

涙が流れて笑顔がふきこぼれて花びらこぼれたら
きっとまた新しい気持ちで朝迎えられる

悲しみだけじゃ
悲しいだけでしょ
喜びだけじゃ
つまらないでしょ
だからこそのスパイス
それを抑えるお砂糖
ちょうどいいぬるま湯の中で今日も甘くも苦い一日をおくっている

涙あり笑いありの
考えようによったら映画みたいなこの世界で誰もが誰も自分という名前の映画をいいものにしようとメガホンとって監督してるの
時々偉ぶるし
時々居眠りする
自分のことなのに
おかしいね

そして生きた数だけテイクアクション!

2009/11/30 (Mon)

[622] 蝶々結びとお母さん
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昔お母さんに教えてもらった蝶々結び
今は簡単にできるよ
ものの数秒もかからずにね
でもあの頃はできなくて何度も泣いて
八つ当たりしてよくあなたに怒られたね

今はもういない
母のあの声が
大人になった僕の
心に絶え間なく聞こえている

それはまるで夢幻
されどあなたの声は僕をあの日にかえすのさ

蝶々結び できたよ
ほら すごいでしょ
できなかったことができる それも大人になったあかし
蝶々結びとお母さん
玄関 出かけるとき
すぐに できるよ
あなたのおかげだよ

それでもあなたはもういない
何を言いたくても
あなたにはもう感謝も皮肉も言えないね
張り合いがないこともそうだけれどいちばん悲しいのはね
お母さん
あなたのその姿を瞳にうつせないこと

あなたの部屋にはただ片づけられた殺風景なむなしさがあるだけで
夕陽が差し込んだ部屋
オレンジがかって
思い出さえ片づけられてしまったみたい
ほら 僕の目には涙…

何度も何度も季節は過ぎたよ
そのたびあなたが僕の中から少しずつ遠くなる気がして時間が経つのがとても悲しかった

あなたの記憶が僕の中から抜け落ちてゆくようで
蝶々結びも忘れてしまいそうでこわかったよ
大好きだったから
いや ちがうね
大好きだから 今も…

昔お母さんに教えてもらった蝶々結び
今は簡単にできるよ
ものの数秒もかからずにね
でもあの頃はできなくて何度も泣いて
八つ当たりしてよくあなたに怒られたね

今はもういない
母のあの声が
大人になった僕の
心に絶え間なく聞こえている

涙の向こう かすかに見えたあなたの好きだった夕焼け空がほら 今 見えてるよ
あなたにも見せたい

蝶々結びはきっと僕とあなたをつなぐ結び目でもある
記憶がほどけないかぎり僕の中のあなたはずっとずっと死なない

あの夕陽のようにいつまでもすぐ傍にいてくれる。

2009/11/30 (Mon)

[623] 現在という名の未来
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この先何が起こっても
この先何が待ってても
いつでもそこには未来
数秒後も未来なんだよ

とりあえず夢を見よう
どんな夢を見ればいい
とりあえず夢を見よう
どんなふうに見ようか

未来はいつでも僕を迷路に誘い込み
不安やら焦りやらを僕の中に植え込み
僕はそれにいつもしてやられてる
まるでゲームのボスキャラのように節目節目で大きな出来事が僕を待ち受けてる
これからも生きていれば何度でもその波にのまれることだろう

一口に未来といっても
いつの未来だかわからない
僕にとっては大げさな話抜きで一秒後でさえ未来なんだから

時間が回る 目が回るくらい せわしないくらい
くるくる くるくる
地球も回る 猫の手もかりたいくらい 忙しくね

その中で僕はいつも未来と対面している
たとえちゃえばもう目と鼻の先よりも近くに未来がある状態

唇と唇がふれあうほどの距離に未来はある
ほら 未来はいつもものすごいスピードで生まれてる
工場のベルトコンベアーなんて問題じゃないくらい
その生産性は世界一

無限に 際限なく
未来は光よりも音よりも早く生まれている
ひとつの未来が生まれるまえからいくつものいくつもの未来がもう出来上がってる

だから
過去もそのときは
未来だし
今も過去からすれば
未来だし
今があるから明日は未来だし

いつでも未来は
人が生きるところに存在している

未来の中でしか
未来の中でしか
僕らは生きれない

過去は未来をつくるための未来
この世界はいくつもの未来でできてる

未来の集合体

いつだって未来なのさ
寝ても覚めてもいうまでもなくそこは現在(いま)という名の未来
未来はいつまでも未来なのさ

忘れないで時間が進むんじゃない
僕らが古くなったんじゃない
僕らが進んでるんだ
未来は階段だよ
未来は雲だよ
僕らが進むから時間も動くのさ。

2009/11/30 (Mon)
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