詩人:どるとる | [投票][編集] |
猫は伸びをして
あくびする
路地裏の影に
明かりが灯った
水銀灯に照らされた細い道 羽虫が飛ぶ
幸せなど 多分
わからない
しかも曖昧
哀しみもおんなじさ
路地裏に訪れるのは
いつもと違う朝
路地裏に訪れるのは
いつもと違う夜
誰かの暮らしの端っこでひっそりと続く夢物語
ここには きっと
誰かが忘れた
靴の片方が
落ちているのでしょう
ここにはいつしか
誰かが忘れた
本当の幸せが
あるんだよ
曲がり角の先には駄菓子屋
めったに客の来ない店の奥でうたた寝するおばあちゃん
家と家の境から
のぞく青い空
鳥が羽を休めてる
僕も伸びをして
あくびする。
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ああ 言葉にならない
気持ちになったとき
人は深い深い感嘆の溜息を吐くんだね
ああ 本を読み終えた時に似た 気持ちさ
何もかもを悟ったような 気持ちさ
何かの始まり 或いは終わり
誰かの始まり 或いは終わり
ほら見てごらん 路地裏 屋根の上赤く燃える空 もうじき 日が落ちる
うれしいときは 素直にうれしいって言いなよ
悲しいときは 嘘をつかずに 悲しいって言いなよ
見た目よりずっと脆くてか弱い
君の心は まるでびいどろ すぐにひび割れる
寂しいときは 素直に 寂しいって 言いなよ
辛いときは ねえ 辛いって 誰かを頼りなよ
時には優しさに
寄りかかり
弱い部分を見せて
傷跡に さわらせて
心 さらけ出して。
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そんなの無理って
言うけれど
本当に本気で
向き合ってるかい
人はね本気になったら強いんだよ
「叶わない夢などない」とまでは言わないけど
走りつづける人にだけ見える明日があるのは本当だよ
人は長い長い道を
生まれてから
死ぬまでずっと
走りつづけるランナー。
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空からの贈り物
それは君という命
もう街並みは
春の色に染まって
並木通りには
桜が咲いてるね
花びらで埋め尽くされた道には
誰かの新しいスタートラインが引かれてる
何も言わずに 君はただ笑った
僕はその時なんとなくうれしくなった
空からの贈り物
それは君という命
ぎゅっとその胸に抱きしめて
愛してるってささやくんだ。
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嘘をつくことに
慣れてしまっている
周りにも自分にも
嘘をつくことを
なんとも思わない
僕がついた嘘で
傷ついてる誰かが居るならば
その人の傷跡に 深く深くお辞儀をするよ
雨の中で かたつむりが二匹 雨宿りするように 屋根の草に隠れてる
嘘の中にある 本当を 見せて 話して 教えて 伝えて 届けて
そしていつかついた嘘の数だけ 誰かを愛して 抱きしめて
嘘を本当に変えたい
僕の中に咲いてる
嘘という花が
花粉をばらまくと
心は馬鹿になって
誰かを傷つける
正しさなんてものには今も昔も 変わらず定義なんてなくて
ただその人の信じる正しさが本物になりすましてる
傘を開いたら 落ちてくる雨粒が 傘の上から降り注ぎ はみ出した肩先を濡らした
どうしても 免れない悲しみがあるんだね
胸の奥にしまってる 寂しさを お願い 聞かせて 少しずつでいいからさ
そしてやがて いつか嘘は嘘だとばれて 本当のことだけがそこに残るから
嘘は嘘でしかなくて 本当は本当でしかなくて だから隠した痛みをさらけ出して
嘘の中にある 本当を 見せて 話して 教えて 伝えて 届けて
そしていつかついた嘘の数だけ 誰かを愛して 抱きしめて
嘘が本当になる日まで。
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自分の悪を 他人の心に映してる
他人の悪が 自分の心に映るように
自分の善を 他人の心は映してる
他人の善が 自分の心に映るように
他人様の良さは 美しく映るのに
どうして悪は醜く歪んで見えるのか
人は人の姿を映す鏡なのさ
良さだけじゃなく
悪いところも映るよ
時折その鏡が 曇って見えるのは
信じたくない誰かの悪が映っているから
だけどそれを嘘だと言ってしまえば
他人の心に映る僕の姿さえ嘘になる
自分の悪と 他人の悪を見比べれば
ほらね寸分の違いもないことがわかる
自分の悪や善も他人の悪や善も
同じように そこにあるんだから
鏡に映った 僕の姿は君の心にどう映っているのだろう
人は人の姿の向こうにある心を
見つめながらその人の悪や善を
知らず知らず鏡に映してるんだね
人の悪を見た時に目を反らしたくなるのは
そこに自分の悪さえも見てしまうからだ
あふれる人混みの中に紛れれば
自分が何者かわからなくなることがある
ほらそんなときは心に映る大好きな人を真っ先に 思い出すんだ
人は人の姿を映す鏡なのさ
良さだけじゃなく
悪いところも映るよ
時折その鏡が 曇って見えるのは
信じたくない誰かの悪が映っているから
人は人の姿の向こうにある心を
見つめながらその人の悪や善を
知らず知らず鏡に映してるんだね
人の悪を見た時に目を反らしたくなるのは
そこに自分の悪さえも見てしまうからだ
他人の弱さを非難するなら
自分の弱さも非難しなさい
おまえが指を差して非難しているのは
他人でもありおまえ自身でもあるから。
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思い出すよ君の横顔に はじめて口づけをした日のことを
あの日は青い空がどこまでも広がっていた
庭先で風に揺れてい春の花
日だまりに寄りかかり好きだよとささやいた
なんてことのないことが幸せだったってことに 今さら気づかされて 何度君の名前を呼んでも
返らないあの声 戻らないあの笑顔
何故だろう 今でもあなたのことがだれよりも好きだよ。
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歌を歌おう 誰かの為に
歌を歌おう 誰かのことを思って
ラララ 届かない明日に手を伸ばして
夜空に光るアルタイルに手をかざしてみる
何もかもが わからなくなったときには
思い出してよ いつか歌ってた今の僕を
闇にのみこまれて 心見失った夜には
名前呼んでよ いつか見上げた 星の名を
言葉を紡いで 糸車を手繰り寄せて今日を引き寄せる
見え透いた嘘などは見えないよ 見えない
ラララ 聴こえない星のまたたきに耳すまして
ペダルを漕いで行くのさ あの空まで
悲しみはこのほほに
星屑のように降るけれど
何もかもが わからなくなったときには
思い出してよ いつか歌ってた今の僕を
闇にのみこまれて 心見失った夜には
名前呼んでよ いつか見上げた 星の名を。
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くるり くるり 渦を巻く 星たちの形この手のひらに落ちて
生きてるって 熱を持って 教えてくれるよ この星にこだまする産声 それはさながら夜明けのよう
ああ 言葉を紡いで 何を築こうというのか
わからない わからない わからない何も
ただ僕は歌うだけさ
悲しみも喜びも
手のひらに落ちた流れ星 それは命
歌うだろう 愛しておくれなんて言わないけれど
潤んだ瞳で 小さな手で 僕の大きな拳に触れるだろう
だから、僕はあるはずもない愛を描くよ
そして君の頬に頬摺りするのさ。
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硯で墨をするように 時の流れに削られていく
命を抱きしめながら人は生きる
手のひらを広げてごらん いくつもの線が伸びているだろう
生命線を確かめてもいつまで生きれるのかわからない
この道はどこまで続いているのか
空を見上げて 風に歌った
僕の命を取り巻くように巡り回る
季節の中で 何かが変わってゆくものと
いつまでも変わらぬ何かと向き合いながら 時に目を反らして
今、生きているという 痛みや喜びを世界というフィルターに重ねて見つめてる
僕など生まれなければすべては嘘なのに
ねえ ここにいる僕には紛れもなくこの世界がすべてなんだ
絵を描くのと同じように イメージを形にしてみたら
思いもない 明日がそこに見えました
胸に手をあててごらん 聴こえる鼓動が おまえのすべてだ
寝ても覚めても わからないものはわからないまま
何かをなくしては何かを手に入れて また何かをなくす
すべての人の命を 取り巻くように
続く世界の片隅で 小さく息づく命が
今日も何処かしらで 泣いたり笑ったりする そんな有り様を フィルターは 事細かに映し出している
僕が生きようが死のうが関係なく 多分この世界は明日も誰かの中で愛すべき世界のまま そこにある
そんな 「当たり前」を今日も僕は疑っている
どうしようもなく生まれるんだ
「どうして、僕はなんの迷いもなく僕でいられる?」
「どうして、僕は生きている?ここにいるのさ?」
僕の命を取り巻くように巡り回る
季節の中で 何かが変わってゆくものと
いつまでも変わらぬ何かと向き合いながら 時に目を反らして
今、生きているという 痛みや喜びを世界というフィルターに重ねて見つめてる
僕など生まれなければすべては嘘なのに
ねえ ここにいる僕には紛れもなくこの世界がすべてなんだ。