詩人:どるとる | [投票][編集] |
名前のない誰かが名前のない場所に名前のない種を蒔きました
名前のない人が育て名前のない愛情を注ぎ名前のない憤りを抱きました
時に傷つけ 時に愛しあって 名前のない花は名前を名づけられました
その名前と共にあなたは今生きている
あなたはあなたであって
あなたは他の誰でもない人で
何者でもない 名もなき存在で
それでもそれだけに尊くて
それでいて愛しくて 名前のないぬくもりに抱きしめられてる
ほんとうは愛には 名前なんかいらない
名もない愛に今日もおまえは生かされてる
名前のない誰かにとりあえずつけた名前はお粗末で呼ぶことさえ恥ずかしい
嘗て「悪魔」と名付けられた子供がいたけれど 親に心はあったのでしょうか
時に雨に濡れ 時に陽射しに焼かれ 今日までなんとか歩いてきました
そんな当たり前なことを誇りに思え
あなたはあなたであることを
自分でわかっているのですか
あなたがあなたであるように
僕が僕であるようにそれは違えなく
紛れもないたったひとつの真実
「生きている」それ以上何があろう?
完璧な愛なんてあろうはずもない だけど 不器用なりに愛すべき人と向き合う日々を生きよう
あなたはあなたであって
あなたは他の誰でもない人で
何者でもない 名もなき存在で
それでもそれだけに尊くて
それでいて愛しくて 名前のないぬくもりに抱きしめられてる
ほんとうは愛には 名前なんかいらない
名もない愛に今日もおまえは生かされてる。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
かげろうのように
朧気な命を
抱きしめるようにして僕ら生きている
どんなふうに歩いていけばいいのか
わからない時 人はただ空を見上げる
ここにうまれて 良かったことが
生きる悲しみを 上手く隠してくれる
負った傷跡なんかもこれで見えないね
痛みも流せればいいのに。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
咲かせてごらん
嘘偽りでもいいから
うれしそうに
泣いてみてごらん
流れる街並みの速さにふと置き去りにされそうになる
「美しいだけの花などありふれてる」そう言って君は泣いた
悲しみは 悲しみのままで
喜びは喜びのままで
ただ淀みなく続いてゆく世界に
どこまで私は世界から遠ざかってゆくのか
化け物のように
牙をむいてごらん
空っぽのコップに
時間を満たす
流れる雨は 何を流す為に降るんだろう
「世界はただありのままを映す」
異変を望むのは心の醜さの現れか
痛みを残したままのいつかのさよなら
花が花であるようにそこにはなんの普遍性もない
そんな果てもない退屈を僕はいつまで抱えて生きるの
時々焦ったように生き急ぐ僕らを空は
笑ってる 人の気も知らないで
悲しみは 悲しみのままで
喜びは喜びのままで
ただ淀みなく続いてゆく世界に
どこまで私は世界から遠ざかってゆくのか。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
一歳にも満たない幼児を虐待して
あげくの果てに殺めた親の記事が
新聞を賑わせているような世の中に
僕らは生きているんだね
胸くそわるい事ばかりさ
冷めきった顔で 道に立てば
赤信号 そのまま飛び出せば楽になれる気がして
でもやっぱりやめる
愛なんてものが見えるなら それはどこにあるというんだろう
見えないままの愛なんて幻と同じさ そうあざ笑っていた
あなたがおしえてくれた人のぬくもり
誰かを愛すること そして誰かに愛されること
それが愛ならば きっと間違いじゃない
愛を知らずに生きてきた僕こそが幻だとわかったんだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
何度でも 絶え間なく 積み重ねてゆく
ナイアガラの流れの如く なだれ落ちる
感情の渦の中へ 水は粒子状の光の弾
貫くのは己の弱さ
とりあえず正しさには逆らわない
そんなヒーローに憧れていたんだ
何度でも 絶え間なく挑み叩き伏されて
ナイアガラの流れの如く 一瞬の煌めき
一瞬で闇の中へ すべての抵抗を遮り
ジ・エンドを送りつける。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
悪魔のように囁いて
天使のように囀り
回る地球の上に胡座をかいて座る
僕の中に 君の中に流れる血潮が代わりに答えるだろう
すべての音たちが眠りに着き
すべての光たちが闇に帰る
その時、僕は見えない嘴をそっと開き
誰も聴いたことのない歌声でどんな真実よりも透き通った歌を歌うだろう
そしてその歌声は
いつかあなたの心に届くんだ
どうか深く深く愛されるように
今はただ願うだけしか出来ないけれど
いつでも心のすぐ傍にいるから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
空があかね色に染まる頃には
僕はいつもの帰り道を歩いているだろう
「どうしていつも生きているんだろう」
そんな悲しい問いかけを背負って生きる
他人は誰も自分のことで忙しい
人の傷跡など見向きもしない 冷酷な街並みは今日も 僕らを巧みに見放す
孤独の影が伸びていく 僕の足元に
容易く死にたくなる
でもそういう人ほど寂しがりやなんだね
ほんとは孤独なんて嫌で嫌で だけど居場所がないだけでさ
今日も寂しさに身をふるわせながら
たった一人 強く生きてる人がいる
誰も同じだなんてつまらない言葉で
解決したつもりでいるのは誰ですか
「一体何のための人生なんだろう」
それがわからなくなったのはいつからだ
他人はただ自分が良ければそれでいい
思うほど人は優しくはなく 時に憎しみを抱くほど冷淡で 心の有無に疑いを抱く
孤独の影を振り払うのは人の温もりだ
あなたが好きだとただそれだけでいい
いつも誰かの優しさを探してる
いつも何か足りない日々を生きてる
あらゆることに耐えて
今日もただ一人
それでも生きてる君がいる
きっと孤独に望んでなる人なんかいない
少しだけ人より 出来がわるいだけさ
それより ねえ日がもうじき沈んでいく
孤独の影が伸びていく 僕の足元に
容易く死にたくなる
でもそういう人ほど寂しがりやなんだね
ほんとは孤独なんて嫌で嫌で だけど居場所がないだけでさ
今日も寂しさに身をふるわせながら
たった一人 強く生きてる人がいる
懸命に生きている今がある。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
今日も積み重ねる
時間の積み木
重ね合わせて
つなぎ合わせる
まるでパズルのようだ
噛み合わない歯車を無理やり 重ね合わせてもむなしいだけさ
ただ僕はこの世界の杜撰な不始末に言い知れない怒りを拭えず
またひとつ時間の積み木に今日という積み木が積み上がるだけ
色も素っ気もない感情がただ頭の中でいつまでも回り続ける
日々供給されてく時間は押し売りも甚だしい
僕は一体どれだけ犠牲をはらって生きていけばいいですか
今日も見上げる空はこんなに青いのに
心はどこか晴れとは言い難くてさ
息を吸うだけで疲れ果ててしまうよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
ゆれるように そこにいて
ほころぶようにほくそ笑む
愛しい人よ 今日も疑う余地もないほどに
僕はあなたを愛してる
あなたは僕を愛してる
たった一度の 時間の中で いくつもの悲しみや喜びを抱えて
今日もあなたは自分が思うよりずっと器用に生きてる
「何も出来なくてごめんね」っていうあなたの口癖に
僕は何も言い返せなかった
あなたに出来ること
ずっと探してたんだ
でも どうしてだろうあなたのくれた愛に 見合うものが見つからないよ
たまらなくなって泣き出した僕をあなたは 何も言わずに抱きしめたんだ
愛なんて目には見えなくて
だからこそ雲をつかむみたいに
手探りで 傷つけたり詰ったりしながら
答えなんてありもしないものを
二人でずっと死ぬまで
悩んだり 迷ったり落ち込んだりもして
少しずつ ほんとにちょっとずつ
見えてくるものを 僕らは臆面もなく愛と呼ぶんだろう
それはまるで遠く揺れるかげろう
哀れむようになぐさめて
讃えるみたいにして茶化す
そんな時ほど嫌というほど自分の弱さを垣間見る
僕はあなたを傷つける
あなたも僕を傷つける
けっして完璧じゃない二人はいつも出来損ないの愛情表現で
見えないままの未来や漠然とした不安にものの見事に打ちひしがれながら
「ごめんね」とか「ありがとう」という言葉を酷使しながら傷を舐めあう
絵に描いたような幸せをずっと望んでた
でも どうしてだろう 追いかけるほどに遠ざかるばかりさ
時折 自分の弱さをあぶり出されてあなたを傷つける自分がとてつもなく嫌いになる
愛なんてきれいごとの塊で
ほんとは傷だらけの粗悪品さ
それでもその傷のひとつひとつを
愛せる人だけに 見えるものがある
だから 僕は絶え間なく探してく
答えのない ましてや形のない愛を
そして いつのまにかそうやって大事にしてきたものが愛なんだと知るだろう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
笑っている泣いている
言葉が心を持ったように
隠してもわかるんだよ
なんとなく 目を閉じれば
あなたが見えるんだ
言の葉 唇にそっとのせて
息を吹きかけ あなたの心まで
届けるように いつも誰かの為を思いながら
あなたの傷に私の傷を重ねてみる
そこに 答えはあるんだ。