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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[5388] あざやか
詩人:どるとる [投票][編集]


見えないものの輪郭をなぞるもの
透明を染めるのはなんだろう

聴こえない音を 聞き取れるもの
それは心でしかわからないもの

ふれているのに ふれていない
感覚じゃなく感触でもなく心だけに伝わるもの

わかるかな 指先にチクリ 針で刺したように生まれる赤い鮮血のようなものでかすかでも確かに伝わる痛み

形を持たないものの形はどこにある
正体のないものの名前はどこにある

わからないすべてをわかろうとして
解き明かした答えはどこかちぐはぐで

目を閉じた時の暗闇にさえ 形はある
でも、それは人が押し付けた想像にしか過ぎない

あざやかな感覚が 心の中に広がってく
見えないものにも聴こえないものにも
それぞれの色や形がある

知りたいときは 痛みさえも 受け入れてごらんよ
幸せさえも痛々しい
喜びさえも禍々しい

わかるかな 指先にチクリ 針で刺したように生まれる赤い鮮血のようなものでかすかでも確かに伝わる痛み

あざやかな感覚が 心の中に広がってく
見えないものにも聴こえないものにも
それぞれの色や形がある

見えない聴こえないその向こうにある世界
そこに行きたいのさ。

2014/05/25 (Sun)

[5389] ふらふら
詩人:どるとる [投票][編集]


深緑に染まる道
夕暮れ 手を振る帰り道
誰かの影が 揺れている
少しだけ悲しくて
少しだけうれしくて

あなたと手をつないで歩けば
どんな 悲しみの中でも笑ってられるよ。

2014/05/25 (Sun)

[5390] 涙のあしあと
詩人:どるとる [投票][編集]


涙はどこに流れていくんだろう
流れたそのあとはどこに行くんだろう

とりあえず悲しいから泣いているけど
とりあえずうれしいから泣いているけど

涙のあとを追いかけて
僕は走ってゆく

涙が歩いてきたんだね ここまで僕を
迎えに来てくれたんだね ありがとう

涙のあしあとが明日の笑顔まで
続いているよ 悲しみの雨上がりに虹が出るよ

そしてまた僕の頬を濡らすために
涙はここに帰ってくるんだよ

涙よおかえり。

2014/05/26 (Mon)

[5391] 終わらない歌
詩人:どるとる [投票][編集]


ゆっくりと流れる時を眺めていました
移ろいゆく時の渦を見つめていました

僕の目の前にはいつでも
絶えず落ち続ける砂時計があって
その砂時計と人は否が応でも向き合うのです

悲しみも喜びも いずれひとつになって
重なり合って 同じ場所に消えていく

僕らの行き先なんて最初から知れている
終わらないものなんて何ひとつない
この世界でも 大切なものを僕らは たくさん手に入れるよ

永遠はなくても終わらないものがある

雫が垂れて 落ちる様に似ているんだ
人が生まれ そして死に絶える様は

僕の頭の中で 回り続けるもうひとつの世界
理想と現実の狭間に立ち尽くしたまま
届かないものにさえ手を伸ばす日々

憎しみも愛しさももとを正せば
誰かを思うこと 出発地点は同じだ

僕らの命に違いなんてあってたまるか
僕らはそれぞれが違う今を生きている
そんな当たり前を笑うなら あなたの心はたちまち腐り果てる

終わりがあるからこそ生きる意味がある

ゆらり ゆらり こぼれ落ちた涙に歌うよ
ねえ 大丈夫さ 明けない夜なんてない
あなたはそれをよく知っているはずだ

僕らの行き先なんて最初から知れている
終わらないものなんて何ひとつない
この世界でも 大切なものを僕らは たくさん手に入れるよ

永遠はなくても終わらないものがある

おしまいのその先にも始まりはあるさ。

2014/05/28 (Wed)

[5392] 悪気のない正しさ
詩人:どるとる [投票][編集]


本当の中の嘘が見えるかい?
嘘の中にある本当が見えるかい?

世の中、嘘ばかりつく大人になるなよと
教わってきた筈なのにみんな嘘つきだ

愛想笑いを嘘と呼ばず
お世辞も嘘と呼ばず
「大人の事情」っていう都合のいい
言葉で片付ける大人に僕はなりたくはなかった

本当のことをいつもいつでも話したい
本当の顔をいつもいつでも浮かべたい

悲しけりゃ泣いて
嬉しけりゃ笑って
腹が立てば怒って そんなふうに自分の気持ちに正直に生きたいだけなのに
世の中はそんな正しさこそ「間違い」というのです

でも僕はそんな気持ちは
悪気のない正しさだと思う

心の中の汚れが見えるかい?
目をいくら凝らしたって見えないよ

人の悪口をこそこそ話す声が
聞こえるかい?やかましいもんだ

世の中、正しいことがすべてだというけど
正しさって一概には言えない みんなそれぞれ違うから

煽てて 持ち上げて
たまには 心ないことも言って
目上の人の機嫌をとり続ける 大人ほど情けねえもんはない

建て前より本音で人と向き合いたい
だけど本音を隠したいときもあるよ

正しいことを正しいと言うのは
間違ったことを間違ってると言うのは
きれいごとだろうか?余計なお世話だろうか
間違っている世の中に足りないのは きっと当たり前なこと

情けや心より 人の目を気にし過ぎて
あるはずもない荷物を抱えているよ

本当の自分でいたい 素直になりたい
いつしか作った自分じゃない自分

悲しけりゃ泣いて
嬉しけりゃ笑って
腹が立てば怒って そんなふうに自分の気持ちに正直に生きたいだけなのに
世の中はそんな正しさこそ「間違い」というのです

でも僕はそんな気持ちは
悪気のない正しさだと思う。

2014/05/28 (Wed)

[5393] 青春なんて大げさだけどそんなもんだろう
詩人:どるとる [投票][編集]


振り返れば ほら
長い道のりだった
僕が歩いてきた
足跡が見える

辿ってきた道は
振り返ればあっという間で
だけど考えりゃとても長い道のりだった
いろんなことがあったもんだな

悲しいこともあった
嬉しいこともあった
時には腹を立てて
殴り合ったあの夜

青春なんて言っちまえば
大げさだけど そんなもんだろう

馬鹿みたいに笑いあえば
喧嘩してたことなんて忘れちまって

みんな手をつないで肩を寄せ合って
若さだけを武器に今を精一杯楽しんでた。

2014/05/31 (Sat)

[5394] 思い出といっしょに
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夕暮れ、電車乗り継いで懐かしい街に来たんだよ

ずい分この街も
変わってしまった
あの店ももうない
あの歩道橋ももうない
時の流れの残酷さを知る

誰かが言ってたんだ
「思い出は胸の中に
しまっておけばいつまでも壊れない」
そういうもんだって

だけど僕は 目に見えるものだけがすべてだって どうしても思ってしまうんだよ
だってあまりに思い出は綺麗すぎるから

振り返ることをやめてしまったら
無かったことになってしまいそうで
こわいんだ 悲しいんだ

だから僕は振り返ることをおそれずに思い出といっしょに歳をとる

昼下がり、近所の路地裏 そこにある時間は永遠

僕の知ってる街とは違う街のようだね
こんな寂れた街はやだと 出て行ったあいつを責めることは僕にはできない

誰かが言ってたんだ
「思い出ばかりにとらわれてたら今を生きれない」
だから忘れることも大事だ

だけど僕は無理に忘れなくても 思い出は思い出のままで
胸の片隅にそっと残しておくのが いいと思うんだ

たまに振り返って 懐かしく思う
悲しかったり 恥ずかしかったり
そんなふうに時の流れを感じながら

生きていくっていうのもわるくはない
思い出が色あせるように僕も色あせてく

ホコリ被ったように浮かぶシミさえ生きてきた証に変えて
ほら、歩いてこう

だけど僕は 目に見えるものだけがすべてだって どうしても思ってしまうんだよ
だってあまりに思い出は綺麗すぎるから

振り返ることをやめてしまったら
無かったことになってしまいそうで
こわいんだ 悲しいんだ

だから僕は振り返ることをおそれずに思い出といっしょに歳をとる。

2014/05/31 (Sat)

[5395] 暮らしのそばに
詩人:どるとる [投票][編集]


夜も朝も どこにでも あるよ
涙や笑顔が 人の暮らしのそばにあるよ

幸せだなって思うことは最近あるかい
僕はね なんだか当たり前なことが
幸せだなって思う時があるんだ

こんなふうに 寝たり 食べたり 遊んだりしてさ
そんなことが 当たり前になっていたけど
気づいたら そんな当たり前なことを一番幸せに思ってる

僕らはちゃんと 知っているんだよ
なにが本当の幸せなのかを

ほら今日もあなたに僕は

2014/05/31 (Sat)

[5396] 結婚
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僕は昔、子供だったころ 結婚なんてしないと思った
だってお父さんとお母さんを見てたら
毎日毎日顔を合わすたび 喧嘩ばかりしていたから

仲がわるいのにどうして結婚したんだろう
あの頃の僕にはわからなかったよ

だけどたまに見せるお父さんの柄にもない優しさが
お母さんのたまに見せるお父さんへの気遣いが
二人の心をしっかりとつないでいたことに気づいたら

結婚することもわるくはないかなと思ったりしたんだ

いざ自分が大人になって 好きな人と結婚したときに
なかなかうまくいかないもんだと知らしめられた気がする
喧嘩することで互いの見えない心の内を探っていたんだ

ぶつかり合わなけりゃわからないことも
たくさんあるんだ だから無駄な遠慮なんかしないよ

だけど愛するって決めたからには その人をなにがあっても守りたいって思うから
時には感情的になっても 結局は最後は仲直りしてさ
寂しいよって言いながら 抱き合うさ

結婚する ってただそれだけの行為には
きっと途方もない意味があってさ

してみなけりゃわからないことだって数えきれないくらいあるんだよ

だから今日も僕は君に言うのさ
「僕は君を愛してるからね。これだけは曲げないよ。だから君も僕を愛してください」

これが僕にできる精一杯の愛し方
あの頃のお父さんとお母さんのように僕も喧嘩するけど
限りなく僕は君を 君は僕を愛してる

それだけはわかる。

2014/05/31 (Sat)

[5397] 夢のまた夢
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宇宙の闇に浮かぶ
天体を観るように
未来を観ていました

僕のちっぽけな想像で作り上げた望遠鏡から眺めてた未来はとてもまぶしかった

あの頃、僕が見ていた夢は
叶うはずもないような大きすぎる夢で
だけど子供の夢なんてそれくらいでいい

お父さんとお母さんは笑って言ってくれたけど 「夢のまた夢」って思っていたのかな

だけど僕が見ていた夢は幻なんかじゃなくて
夢は手が届かなくても夢なんだってことに気づいたら
少し楽になれた

だから僕は今もたまに見上げるよ
あの頃見ていた未来を 遠くから。

2014/05/31 (Sat)
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