詩人:どるとる | [投票][編集] |
愛されているから
誰かの拳が僕の過ちを正してくれる
愛されているから
誰かの手のひらが僕の涙をそっと包み込んでくれる
痛みで届く愛と優しさで届く愛が
いつも僕らを支えてくれるんだ
本当の愛なんてものがこの世界にあるなら
それはきっととてもちっぽけなもので
誰かがくれる いつもの何気ないその一言が
僕に愛を教えてくれていたこと
今 遅ればせながら気付いたよ
愛されていること
確かめるにはぶたれた頬を触ってごらん
愛されているなら
叱られたあとに 出来たての夕飯のようにあたたかい
愛はただ優しいだけじゃ足りないよ
時には人の痛みも教えなければね
僕が思う愛と君が思う愛は違う愛だ
それでも愛には違いないんだ
大切なのは愛を誤解しないことだよ
子をぶたない親にははたして愛はあるのかなあ
愛は痛いものの筈なのに
街を行き交う人の中
それぞれの瞳の中
映る世界はすれ違う
同じ世界が映るのに
心が違えば
見え方も無数にある
だから、時に人は愛のあり方を見失う
そして愛の在処を探すようにさまよう
本当に愛してくれる人は何処に
本当の愛なんてものがこの世界にあるなら
それはきっととてもちっぽけなもので
誰かがくれる いつもの何気ないその一言が
僕に愛を教えてくれていたこと
今 遅ればせながら気付いたよ。
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ちょっと泣いたらまた笑いたくなる
ちょっと笑ったらまた泣きたくなる
繰り返す時の魔法で僕らはまた出会って
そしてお尻を向けて誰かとさよならする
エンドレスラブストーリー
終わらないものなんかないのがこの世界
だけど終わらないものがひとつあっても
いいじゃない いいじゃない
好きかもしれない もしかしたら
嫌いなとこもある それさえ好きだよ
南から吹いてきた春の風 桜を咲かせる
僕にも春はやってくるかなあ ねえ。
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どうして涙を僕らは流すんだろう
悲しいときうれしいとき感動したとき
涙があふれ出して頬を伝う川が
晴れぬ気持ちを何処かにはこんでいく
涙を流せる生き物は数少ないけれど
きっと涙を流せなくても心がその代わりを果たすだろう
ウミガメは 卵を生むとき涙を流す
何故だろう それは痛み以外の何かを
感じているからだろう 言葉にならない
喜びが涙になる
夕日の色が綺麗に見えるのは
心が澄んでいるからだ 生きている 今僕は生きている
願うことはただそれだけでいい
悲しみは果てまで
続くけれど
それなら悲しみの果てまで行こう
そして笑おう
人様の暮らしから遠く離れた青く広がる空のように
波立つ海のように。
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夕日の色が綺麗に見えるのは
心が澄みきっているからだ
ほら 見えないものも見えるんだ
たくさんの人が歩く街を見渡せば
人の心の汚れが際立ってる
こうして耳をすましてみれば
誰かを傷つける人の言葉が聴こえるんだ
生きていくただそれだけで
耳を塞ぎたくなるような
目を伏せたくなるような現実がある
隣り合うように
寄り添い合うように
今日と昨日が
抱き寄せ合って
明日がそこに生まれる
流れる人波の中 心は置き去りのまま
人は何処へ行くのか
心を持たずに明日へは行けない
だから僕はただ心に忠実でありたい
だから僕はただ心に面と向き合いたい
心に心を重ねて
あらゆるすべてと
手を交わしたい。
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弱さは強さの中にあるのです
強さは弱さの中にもあるのです
硬い石をたたき割るように
力に頼った強さもいいけれど
どうかそれだけを強さと呼ばないで
どうかそれだけに頼りきらないで
厳しさの中に隠した優しさのように
厳しさの中に灯る深い愛のように
ねえ 賢い人は 心に拳をぶつけてる
過ち犯す そんな自分を戒めて
おまえは 正義のふりした悪だと言える
きれいごとやおべんちゃらでごまかされた
世の中にある 陳腐な正しさを笑う
私は道化師 おまえも道化師
おどけたふりして 泣いている
ふざけたふりして 嘆いている
涙を笑顔に隠してる。
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ねえ 目を凝らしてよ
闇の中に何が見える
ねえ 耳を傾けてよ
無音の中に何が聴こえますか
人の中に人はいて
その中でほかの人と重ならないよう紛れないようにそれぞれの色に染まるのに
「自分」という色には染まれない僕らはまるでカメレオン
好奇心だけは人一倍強いその長い舌で
ありとあらゆる新しいものを蠅をつかむがごとく引き寄せて
あなたはすぐに廃れる流行りに心を奪われている
ねえ 心を落ち着かせてよ
静寂の中に身を置いて
見えるはずのないものや聴こえるはずもないものに駆け寄れ
人の中に人はいて
その中でほかの人と重ならないよう紛れないようにそれぞれの色に染まるのに
「自分」という色には染まれない僕らはまるでカメレオン
好奇心だけは人一倍強いその長い舌で
ありとあらゆる新しいものを蠅をつかむがごとく引き寄せて
あなたはすぐに廃れる流行りに心を奪われている
「自分」でいようとすればするほど
自分からかけ離れてく僕らがいるよ。
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目を閉じて
耳をすまして
形あるものじゃなく
形のないものの
輪郭をなぞるように
見えない指先で
明日をなぞれば
ほら少しずつ
闇は晴れてく
何もかもわからないまま
少年はやがて坂道を登りきり
大人へと変わってゆく
内なるものへ 手紙を出そう
かけがえのない時を生きてる
僕らにはまだ手の届かない世界
未来は未来の中
明日は明日の中
そして答えは
風の中に。
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僕らは人混みに隠れて悪さを働く
嘘をついて何を隠そうとするのか
道端に落ちていた潰れた空き缶に
今の自分の姿を重ねていました
帰り道、すっかり暗くなった街並み
なんとなく寄ってみた公園
風に揺れるブランコ
期待と不安が渦巻いてる
押し寄せては引いてゆく時代の荒波に
さらわれていく小さな貝殻のような未来
誰が悪いのでもなくただ悪が蔓延ってる
人を責めるなら自分の悪をまず責めるんだ
きりもなく繰り返される日々の交々
カレンダーはめくられていく
絶え間なく明日へ明日へと
僕らを急かすように
今日がやって来て
気づけば明日になる
そしていつかこの物語も終わるかなあ
暮れていく空のかなたで沈んでいく夕日
なんでだろう涙がほほを流れていくよ
確かなものなんて何ひとつない世界で
たったひとつ確かなもの それは今を生きる自分さ
今を生きる自分さ。
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学業を教えてくれるのは学校だけれど
心を教えてくれるのは誰もいないんだよ
でもね人の中で生きていくうちに傷ついたりもするけど大切なことがわかる
頭のわるい僕にはわからないこともあるけど
きっとね本当にわかっていなきゃいけないことは心が知っているから
人にとって一番の先生は自分以外のすべての人だ
時には痛みをもって僕に愛を教えてくれるから
好きになったり嫌いになったり
忙しない日々の中で先生はまた僕に大切なことを教えてくれる
僕にとって一番の理解者は自分自身だろう
だけれど駄目な自分を叱ってくれるのは自分じゃない
過ち繰り返す僕に拳骨をくれるあなたの愛に
僕は今まで気づけなかったよ
誰より僕は愛されていたんだね
誰より僕は愛されているんだね。
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深い海の中に潜るように
孤独の闇に身を浸して
人混み 夜の中 果てしない闇が
誰かの幸せさえ覆い隠して 何も見えない
僕らの目に見えるものは
ごくわずかなもので
それ以外はすべて
いくら目を凝らしてもわからない
だから目を閉じて心を通して 見つめるんだ
目の見えない人はどうやって 闇の中で光を見つけるのか
耳の聴こえない人は
どうやって無音の中で愛を聞き取るの
大事なことは
きっと目や耳が
どうだとか
そんな事ではなくて
本当に見つめるべきものが
見えないんだとしたら どんなに
目が良くたって意味は無いんだよ
目の前にある惨たらしい現実に
一粒の涙が流れるのなら その涙に寄り添うことが優しさ
心に迷いが生じたときは
頭に頼らず心を働かせるんだ
そして暗闇や無音の向こうに何かが見えてくる 聴こえてくる
それが答えだよ
僕らの目に見えるものは
ごくわずかなもので
それ以外はすべて
いくら目を凝らしてもわからない
だから目を閉じて心を通して 見つめるんだ
本当に見つめるべきものが
見えないんだとしたら どんなに
目が良くたって意味は無いんだよ
目の前にある惨たらしい現実に
一粒の涙が流れるのなら その涙に寄り添うことが優しさ
誰かが抱えてるその傷跡に 寄り添うことが愛だよ。