詩人:どるとる | [投票][編集] |
心が静かに
黙り込むとき
私の中に
さざ波が押し寄せて
僕の言いたいことを
なんとなくさざ波が
僕の代わりに
こたえてくれる
ざあざあと
ざあざあと
潮が満ちてゆく
なんにもない
誰もいない夜の海辺に独り佇んで波の音を聴いている
そして いつの間にかこの胸を満たす名前のない感情
私を包み込むやわらかな光
世界は涙でいっぱい
夕暮れどき
千切れ雲追いかける
何ひとつ僕を邪魔するものはない
ただ、風が僕に言うんだ
「君は弱くなんてないよ」と
雨なんて降ってない
それなのに心は
ずぶぬれだよ
なぜだかわかるかい?
言葉じゃ伝わらない
伝えきれない
ささいな感情の揺れ
そんな気持ちを
空はわかっているように
世界は夢でいっぱい。
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僕はひとりぼっち
右を向いても左を向いても
誰も僕を愛してくれる人はいないさ
僕はひとりぼっち
愛が何かわからないからね
愛されているのかがうまくわからない
何かが崩れそうな バラバラに砕けそうな
そんな夜には ただ誰かに傍にいてほしい
素直になれない心はただ 誰かの優しさに背を向ける
強がるばかりで 自分でも首をかしげてしまうんだよ
ねえ 愛ってなんだろう
とりあえず僕をひとりにしないで
唯一繋がれたこの手を離さないで
僕は寂しがりなんだ
でもそのくせすぐ意地っ張りになってムキになる
僕は弱虫なんです
涙を見せまいと心に嘘ついて必死に本心を隠すピエロ
何かをなくしたような 奪われたような
そんな 気持ちになったなら傍においで
当たり前な話だけどもさあ
人は誰もひとりじゃ生きられないのです
ひとりぼっちで生きていると言うやつは
愛されていることに気付けない馬鹿者さ
耳に痛い尖った誰かの叱咤が 君の心を本当に守ってる
本当に守ってるのはそんな周りの人たちの惜しみない愛だ。
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若さはただ 空回りしたまま
僕のこれからを熱い太陽が
焼き焦がして
狂おしい陽射しの降る午後に
汗はこの肌をまっすぐ伝って
素直になれない僕を急かしてる
この胸に抱えたまだ青い果実のように
君にこの思い伝えられぬまま
明日は昨日と今日のあいだでさまよってる
夏の中に 光るいくつもの笑顔や涙が
新しい物語を連れてきて 回る万華鏡
キラキラ 水しぶき踊って
少しだけ頼りない僕に降る湿った雨だよ。
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笑っている泣いている
若さを言い訳にはしゃいでいる
少しだけ 遊びすぎた 夏の午後に
何ひとつ変わらないままの街並みを
見つめて その向こうにあるものを
未来を僕は見つめていたんだ
未来の先の未来を見据えている
君の瞳に映るすべてを照らすように
誰かが遠くからエールを送るだろう
手紙を出すなら何も言わずただ笑おう
言葉にならない気持ちが散らかっている
いくつ言葉を紡いだってわからない
わからないものはまだ依然として
ここにあるよ 誰にでも同じだ
青い青い空の中に浮かんだ雲
その白さに重ねているいつかの僕
今はすっかり汚れてしまったスニーカー
今より大切な未来はないんだよ
遠くを眺めるより ねえ今を見つめなさい
足元にある小さな小石にも躓くようじゃ
未来まで歩いて行けるわけもないよ
今はただ今をしっかりと生きることさ
踏み出した地面に
腰をおろして
そこに咲いた
いくつもの
花を眺めて
「きれいだな」と想う心忘れないでね
未来の先の未来を見据えている
君の瞳に映るすべてを照らすように
誰かが遠くからエールを送るだろう
手紙を出すなら何も言わずただ笑おう
言葉にならない気持ちが散らかっている
大人になろうとする心がひどく苦しがる
それでも、うれしい悲鳴をあげている。
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目を閉じて 途端に広がる暗闇に
恐れてばかりの心を捨て去るには
どうすればいいんだろう 教えてよ
大人へとなっていくはずの心が
穴があいた風船のように
すぐに諦める負け上手になったよ
散歩の途中で土手で見つけた
名も知らぬ雑草に僕は今の僕の姿重ねた
前に進むことだけがすべてというなら
立ち止まってばかりいる僕は
弱虫なんだろうか
結果を出すことだけがすべてならば
この世界では結果の出せない人は
役立たずなんだろうか
そんな事を考えながら 暮れゆく空をひとり眺めていた
耳をふさいで 途端に遮られる音の
隙間にかすかに聴こえる音
それは僕の心が動いているあかしだ
嘘や言い訳もうまくなったよ
でもそのぶん正しいことを出来ない自分がなぜかたまらなく恥ずかしい
帰り道 なんとなく立ち寄った公園
見つめた先にはいつでも変わらなくきれいな夕空があった
見た目だけきれいな花が美しいなら
名前だけの美しさに何の魅力がある
美しさとはなんだ
そこら中にたくさん生えてる雑草にも
きっと隠れた美しさがあるはずだよ
それは、見た目からじゃわからない
街を埋め尽くすほどに途絶えない人の流れ
その中に少しでも人を思う気持ちや優しさなんてものがあるならば
傷つく人を見過ごさないで
涙流す人を見捨てないで
前に進むことだけがすべてというなら
立ち止まってばかりいる僕は
弱虫なんだろうか
結果を出すことだけがすべてならば
この世界では結果の出せない人は
役立たずなんだろうか
そんな事を考えながら 暮れゆく空をひとり眺めていた
知らず知らず 雑草の力強さをあざ笑ってた僕に気付いた
だから僕は少しだけ汚れてみるんだ。
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すべてのものが真新しかった頃
僕らは目に映るものがすべて鮮やかで
敵なんかひとりもいなかったよ
世界は今よりずっと美しかった
だけど時々孤独が僕を包み込んで
帰り道、僕から家を遠ざけた
「自分」というものがわからなくて
「他人」というものはもっとわからなくて
ただひとつだけ 真っ白なシャツのように
曇りのない瞳で見つめた世界には
大げさなほど美しすぎる未来が視界の果てに揺れていた
たとえば愛も夢も何もかも曖昧で
誉められりゃうれしくて叱られりゃ悲しくて
単純な心を 抱きながらも傷つきやすい
硝子の心で いろんなものを見つめてた
はじめて親に逆らったあの夜は
夜が明けるまで長く感じたよ
あの日、見た朝焼けを僕はまだ覚えてる
どんな人のことを大人と呼ぶのか
どんな人のことを子供と呼ぶのか
あの頃の僕らの世界にはたくさんの不思議があった
汚れない心で見つめた世界には
嘘やまやかしなんてなく 正しいことがすべてなんだと思っていたんだ
そして気付いたものはいつしか生まれたあらゆる「矛盾」の中で
僕はもがき苦しみながらも ひとつひとつの矛盾に素直に向き合う無垢な少年だった
「自分」というものがわからなくて
「他人」というものはもっとわからなくて
ただひとつだけ 真っ白なシャツのように
曇りのない瞳で見つめた世界には
大げさなほど美しすぎる未来が視界の果てに揺れていた
「自分」よりも他人のことを優先して
考えることの出来る人を目指していた
それなのに裏切られることのほうが多くて次第に 僕は人を信じられなくなったよ
それでも、傷つくことをわかっていて
僕は大人よりも人間でいることを選んだ
人を憎むことよりも愛することを選んだ。
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夜の中にも 夜はあるのさ
人の悲しみが 一人一人違うように
朝の中にも 朝があるのさ
笑顔だけを背負うことは出来ないよ
瞳の中に ただはてしなく広がる闇が
見上げる誰もをその圧倒的な全身で
包み込んでしまうよ 覆い尽くしてしまう
僕は勝手気ままに夜を行く 一粒の星になる
涙の中にも 涙はあるんだ
始まりの先にまた終わりがあるように
笑顔の中にも
笑顔があるんだ
でも見ようとして見れるものじゃない
頭の中で 描く闇には形なんて無い
そうさ形のないものに形を与えるのは
僕らの心だよ 僕らの気持ちだよ
見えているものを音として
聴こえているものを光とすれば
まだわからないものがわかるだろうか
この世界に 今新しい夜明けがおとずれる
瞳の中に ただはてしなく広がる闇が
見上げる誰もをその圧倒的な全身で
包み込んでしまうよ 覆い尽くしてしまう
僕は勝手気ままに夜を行く 一粒の星になる。
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この胸を つらぬいて
深い傷跡をつける
悲しみにそっと僕は話しかけてみる
ねえおまえは僕が死ぬまで
ずっとどこまでも僕の隣にいるのかって
なんてことのない景色の中に滲んでる
なんてことのない夕暮れが今日はなぜかいつもよりきれいで
悲しみを知ってまたひとつ人は
強くなっていくよ
他人の痛みを知るから はじめて人の痛みに気がつけるよ
うねるようなこのめくるめく時代の中で
どれだけ変わらないでいられるかが
これからの僕たちの課題だね
人波に消えていく君の小さな足音
やがて誰も知らない未来へと遠ざかる
14歳の君がいたよ。
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瞼をそっと閉じてごらん何が見える
何も見えない
何も聴こえない
余計なものは何ひとつない夜だ
僕の瞳に 灯っている明かりはとくとくと脈打って
僕に教えてくれる
生きてること
当たり前だなんて笑わないで
たとえばこの世界に朝が来なければ
闇なんてそれ程恐くなんてない
たとえばこの世界に夜しかなかったら
光はどれだけ有り難いんだろう
目を開けば当たり前にそこに朝があり
怯えてた夜でさえも必ずあたたかな陽射しが君を照らす
世界に光を届けてくれる。
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お母さんが子供の手をにぎって
生まれてきてくれてありがとうって
ささやくような仕種に光を見るんだよ
ちゃんと血の通った手のひらじゃないと
叩いても抱きしめても意味は無いのです
「ただいま」って言うときも
「おかえり」って言うときも
お母さんの手のひらは遠くからでも
わかるほどに大きくて僕をいつでも
優しくあたたかく包み込んでいる
愛してるって言わなくても
わざわざ言葉にしなくてもね
愛なんて伝わるんじゃないかなあ
愛なんてさ 言葉じゃ伝えきれないから
そんな時は何も言わずに肌にふれるんだ
仲良く寄り添うときも
背中合わせで喧嘩したときだって
あなたは僕のことを心配してくれる
何より僕のからだを気遣ってくれるよ
大事な気持ちは心を伝って届いてる
ほんとは素直にありがとうって言いたいよ
恥ずかしがらずに胸の奥に隠した気持ちを吐き出したいな
疲れたようにしわくちゃのあなたの年老いた手のひら
見つめながら僕は思うよ
今まで迷惑かけてきたからこれ以上迷惑はかけちゃいけないって
「ただいま」って言うときも
「おかえり」って言うときも
お母さんの手のひらは遠くからでも
わかるほどに大きくて僕をいつでも
優しくあたたかく包み込んでいる
世界でただひとりの僕のお母さん
大人になった今でも僕を守っている。