詩人:どるとる | [投票][編集] |
そっと咲いている花にもあるんだよ
誰かを思う君の心映したような
ひなげしの花がいつもの道に咲いてる
泥だらけになるのも構いもせずに
誰かのために傷つくことも厭わず
走れる人は自分が偉いなんて思わない
ただその人に笑っていてほしいってそれだけです
帰り道足元に伸びた影を見つめてたら
僕が俯くと影も同じように俯いた
僕の本当の気持ちがあふれ出したよ
たとえば優しさや愛なんてものが
この世界に当たり前にあったなら
きっと今みたいに誰かのことを思う気持ちをこんなにも噛みしめることはできないね
そして気づくといつも僕一人だけが悲しいように
思ってる僕がわがままに誰かを羨む
だけどそれはその誰かも誰かを羨んでいる
泥だらけになるのも構いもせずに
誰かのために傷つくことも厭わず
走れる人は自分が偉いなんて思わない
ただその人に笑っていてほしいってそれだけです
ただ誰もが同じスタートラインに立っていて
今という空を見上げている
その瞳に映るものはこの世界の汚さではなく
きっとその汚さの中に光り輝く きれいな人の心
ひなげしのような人を思いやる心。
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暗闇に手を伸ばして
実態のないものをつかむ
透明なコップに見えない時が満たされてゆく
溢れ出すまで
たとえばそのコップに穴が空いていてくれるなら
水は永遠にたまらないのに
そんなことを考えてしまうよ
たとえば君があと数ヶ月の命だとしたら
それまでの短い時間をどう過ごすだろう
わからないが積み重なってゆくだけさ
最後に見る光は誰を照らすのだろうか
今はただ 泡のように消えていく
時を遠く見届けている
無音と暗闇の中
生まれるのは光に代わる何か
何もかも許されたい
何もかも許してほしい
いつか消える自分の運命を見つめてる
わけもなく ただなんとなく
生きている今を憎む人の心には
僕とは違う絶望が巣くってる
たとえばすべての人の命に差があるなら
僕の命は消えたら意味が無くなるのかな
胸に杭を打たれる思いさ 時が経つほどに
この心は言い知れぬ不安に満たされる
遠くの空で一羽の鳥が飛び立った
羽根を休めていたんだね
僕も行こう そろそろ行こう
新しいあしたを見つけに行こう。
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名もない今日の中
名もない朝や夜が
たったひとつの命の前を通り過ぎてく
今日はひとつなのに
いくつもの悲しみが
いくつもの寂しさが
通り過ぎてく
うれしいも悲しいもない ただ空っぽな頭で
ふと思った 「死にたいなあ」
そんないい加減な気持ちじゃないはず
それなのに 僕は限りなく汚れていく
名もない人ごみの中
人が集まれば
名前などつけられよう筈もない
あなたもひとり僕もひとり
誰もひとり 寂しさを必死に押し殺してる
笑ったり 泣いたりすることさえ疲れたから
終電間近の電車に飛び乗って
なんとなく窓の外の過ぎ行く景色を見てた
いつの間にかほほを伝う涙が心を洗った
そしてやっぱりたどり着くのは
どうして僕は
なんのために僕は
生きているのか
そんなことで
うれしいも悲しいもない ただ空っぽな頭で
ふと思った 「死にたいなあ」
そんないい加減な気持ちじゃないはず
それなのに 僕は限りなく汚れていく
でもそのシミは僕が刻んできた足跡のひとつだ。
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めくられていく季節の頁
桜が咲くのは春だから
葉が色づくのは秋だから
白く染まるのは冬だから
緑が繁るのは夏だから
窓から見える景色は日々変わりゆくものさ
だけど僕は何も変わらない
僕はいつまでも僕だから
終わりゆくものが終わって
始まるべきものが始まって
またなつかしい風が街並みを包む
昨日続きで今日が始まって
今日の続きであしたが始まる
当然そこにはもう会えない人や
もう見ることのかなわない景色もある
だけれどそれでいいんだ
時は止まっているものじゃなく流れてくものだから
だって僕も君も破り捨てられるカレンダーの中に並んだ数字です
遠ざかる誰かの背中に見えたよ
涙が流れるのは悲しいからだけじゃない
うれしいときだってこの頬を伝うよ
憎しみの中にも愛しさが隠れている
一概にすべてを決めつけられない
何かをなくしながら生きてるようでも
代わりに何かを手にしているんだ
「死にたい」というのは「生きたい」っていうことの裏返しなんだって気づいてるかい?
昨日続きで今日が始まって
今日の続きであしたが始まる
当然そこにはもう会えない人や
もう見ることのかなわない景色もある
だけれどそれでいいんだ
時は止まっているものじゃなく流れてくものだから
だって僕も君も破り捨てられるカレンダーの中に並んだ数字です
そうさ僕も君も 終わりゆく この世界というカレンダーに刻まれた命です。
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そのからだを 燃やすみたいに
包んでるぬくもりは生きていることを確かに教えている
それさえ疑ってしまうなら何を信じて
自分の存在を肯定すればいいのか
何もない週末に ふとベランダから庭に目をやれば
いつか蒔いたひまわりの花が咲いていた
青空の中で笑うように揺れていた
傷跡の上に傷跡を重ねてく
まだ治らないうちから傷跡は増えていく
下手くそな慰めはいらないと強がって
意地を張ってた僕は気づけば独りだった
そして剥がれたかさぶたの下からのぞいた涙が心を陽にさらした
暗闇に手を伸ばすみたいに
何かおっかないことに飛び込んでいく勇気が僕にはあるか
傷つくことを恐れているばかりじゃ
何も手に入れられないことを知ってる
当たり前のように目の前にある世界が
昨日までだと知ってしまったとき
僕ははたして笑っていられるだろうか
ねえ教えてよ
今日という日が明日という日を
追い越していく 追い抜いてゆく
でもまだ僕の中では今日は完結してなくて
もどかしさを残したままの昨日がある
なんとなく歩いてきた日々の途中に大事な何かを置いてきた気がする
「生きる痛み」と闘いながら
僕は何を探しているんだろう
いつも今ひとつ足りないような
歯抜けの思いで
傷跡の上に傷跡を重ねてく
まだ治らないうちから傷跡は増えていく
下手くそな慰めはいらないと強がって
意地を張ってた僕は気づけば独りだった
そして剥がれたかさぶたの下からのぞいた涙が心を陽にさらした。
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ああ 見えないものにも羽根があって
勝手気ままに空を飛ぶ 空を飛ぶ
ああ 無意識の中をただようわがままが
鳥になって 空を飛ぶ 空を飛ぶ
悲しいよと鳴く人に僕は本当に悲しいのかと聞いてみる
羽根は所詮 飾り物の張りぼてさ
空を飛んだような自由になった気になってるだけだよ
人より少し遅れて間違い探しをしよう。
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言葉は凶器にもなってしまうんだね
人を傷つけることも出来てしまうよ
考えもせずただ振り回させば
関係のない人まで傷ついてしまうんだ
もう何もわからない
だけれどただひとつの明日を見つめてる
ああ毒薬のように 何かを終わらせるためにそれはあるのかなあ
蜜のような甘い匂いにさそわれて僕の命はまっすぐ死へと向かってゆく
口笛のような戯れに口ずさむような
そんなつまらない人生じゃないのです
地平に咲いた一輪の朝陽におはよう
度重なる雨の洗礼に君は傘を開くよ
忘れ去られた日々の様々を 遠く近く見つめながら暮らしてる
昔、誰かが食べた禁断の木の実の味は多分人生に似て複雑な味だ
進んでるようで戻ってく君と僕が向かう先は空より高い雲の上の世界だよ
目を焼くほどに 夕陽があまりにまぶしくてしばらく
俯いてたらいつの間にかあたりは真っ暗け
自分の涙も見えない
ああ毒薬のように 何かを終わらせるためにそれはあるのかなあ
蜜のような甘い匂いにさそわれて僕の命はまっすぐ死へと向かってゆく
それでも不思議と痛みはやわらかい。
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今日よりも明日は
君のことが
好きであるように
今日よりも明日は
たくさん笑えますように
腕振り歩いていくなら元気いっぱい野を駆け回れ
そんな君の姿を誰かが支えにして
新しい一歩を踏み出すんだ
寂しいとき悲しいとき
名前を呼んでごらん
優しい人の名前を大声で
モア もう一度生きるために
君は少し遠回りをして
たまには不器用におどけながら
人生という名のワインディングロードを歩いてる途中。
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お皿の上に 涙を乗せて
泣きながら君は食べる
跡形も無くなったら今度はね
大好きな喜びを笑いながら食べる
生きていくことはさながら食事のよう
食べ合わせに気をつけてね
どこからともなく運ばれてくる朝や夜に
僕は出されたメシを今度は胃袋にはこんでゆく。
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わけもなく泣きたくなる
そんなときがある
そんなときには悲しいのにうれしいんだ
だって生きてることを確かにするには
悲しみを感じることが皮肉にも一番手っ取り早いから
ああ 声を押し殺して泣いている
君の背中が泣いている
どうしてこんなにも悲しいんだ
だけど悲しいときほど僕は生きている
いつものあの夕空がどうしてこんなに
こんなにもきれいに見えるんだろう
心までだいだいに染まる染まってゆく
街明かりともる帰り道
俯いて歩いてる君は独り
さっきはまだ遠かったのに夕闇が迫ってる
何もわからないまま子供のように
ただなすがまま積み上げてたよ
時間という積み木を
ああ 生きていることが悲しくて
でもうれしくて
ごちゃ混ぜの気持ちだ
ああどうしてこんなにも人の優しさが心に染み渡ってゆくんだろう
独りじゃないとわからせてくれたのは強がって傷つけてた君だった
本当に僕を思う人は僕のすぐ傍にいた
どうしてこんなにも悲しいんだ
だけど悲しいときほど僕は生きている
いつものあの夕空がどうしてこんなに
こんなにもきれいに見えるんだろう
心までだいだいに染まる染まってゆく。