詩人:どるとる | [投票][編集] |
たとえば 路地裏の影
たとえば 夜明け前の静けさ
たとえば ふとしたときにわき上がる思い
たとえば 夕暮れ時のアトリエ
或いは 図工室
たとえば 硝子工房の夜
たとえば 牧場の朝
たとえば 大好きな人と交わすただいまとおかえり
たとえば 出したラブレター
たとえば 短編映画のつまらない場面
そんな そんな いろんな景色や場所や
色やかたちや たくさんの感情の中にある
感性だよ
大切にしよう いつか誰かが言っていたんだ
絵を描くような 1から何かをつくるような
想像力と創意工夫が生み出す新しい光
この世界を 明日、照らす光
感性だよ。
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目が見えない人は どうやってまっすぐ歩くのだろう
耳が聴こえない人は どうやって 会話をするのだろう
光や音のない世界でも 僕らと
同じように日が沈みそして夜が明ける
変わらないよ
そう言って 僕より少し 不自由な人は笑うのです
指でさわって ここにいるって教える
不意打ちみたいに 口づけで あいさつ
雨の音や 鳥のさえずり 川のせせらぎ
当たり前みたいに思うような すべてに
君は全神経を集めてる ステキだね
一見 意味のなさそうなものでも 案外意味深だ
見たこともない世界や聴いたこともない世界がある
きっと僕などにはわからないことが
君の世界にはあるのだろうなあ
大好きだよ
そう言う君に僕は同じ言葉を 言うのです
線路をつなげていくよ 今日から明日へ
その上を走るのは 二人乗りの鈍行列車
パンの耳みたいなものだ なくても困らない
だけど 僕はなくちゃ困るなあ だって君が好きだから
そんな皮肉さえも君なら笑ってくれる
駄目な僕のすべてを 許してね 不器用なとこはお互い様
なんて具合に 明日もどうぞよろしく
指でさわって ここにいるって教える
不意打ちみたいに 口づけで あいさつ
雨の音や 鳥のさえずり 川のせせらぎ
当たり前みたいに思うような すべてに
君は全神経を集めてる ステキだね。
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心は びいどろ
硝子で出来てる
簡単に ひびが
入る脆い代物です
悲しい日には
雨が降る
うれしい日には
晴れやかな顔
ほらね 心の景色をそのまま映す
心は びいどろ
硝子で出来てる
君が見ている世界は
僕が見ている世界
同じさ 変わらない
誰かが 僕を映す鏡なら
僕は誰かを映す鏡です
互いに心を 映し出しながら 向き合う世界
粉々に飛び散ったような星が 暮らす世界
たったひとつの細胞から 分裂した物語
枝分かれして やがて 同じ空にたどり着く
心は びいどろ
硝子で出来てる
君が見ている世界は
僕が見ている世界
同じさ 変わらない
世界は びいどろ
硝子で出来てる
どこまで行っても
同じ景色が続くだけ
でも
昨日と今日や明日は変わらないけれど
日付が違うだけで違うだろう でも同じ世界の続きからの物語。
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夜は果てへと 果てへと伸びていく
闇を広げて 広げてゆくんです
それは夜が 朝をめざして歩いているから
どこまで行くのか
どこから来たのか
わからない
連れて行こう 悲しみも 消えない痛みも
引き連れて行こう
伝えきれない言葉も さよならの意味も
すべてがすべて 意味があるわけじゃない
それでも すべてがすべてに光を持たせてる
それはきっと 僕らが生きているということを 肯定してる
夜はまるで そんな僕らの 命を運ぶ箱船
夜はまるで そんな僕らを 哀れむまなざし。
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真っ暗な夜はまるで深い海の底のよう
呼吸してる車たちが列をなしている
その姿はまるで群れをなす魚のよう
泡の代わりに 排気ガスを吐き出して
汚していく こんなにも美しい世界を
誰かの 帰り道 心は空っぽがらんどう
ふと何気なく 優しい誰かの笑顔を思い出す
胸の片隅咲いた花 それは長い間
忘れてた気持ち
手を伸ばしてる 届かない空 見えないものをつかまえるのは心さ
今だけは 忘れられるよ
この胸の中刻まれている傷跡も こぼれた涙も
誰かの 思い出 澄みきった青い空に
とけていく もう出会えない人のぬくもりを思い出す
確かなようで不確かなものを人は見つめている
夢を見ている 長い夢を それはまるで どこまでも終わらない物語
多くを語らず無口なままの僕を取り残して 夜は明けてく
夜はまるで 涙をせき止めておくためのつっかえぼうさ
手を伸ばしてる 届かない空 見えないものをつかまえるのは心さ
今だけは 忘れられるよ
この胸の中刻まれている傷跡も こぼれた涙も
まだ見れずにいる夢の続きを。
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想像してる イメージの水面に浮かべた
小さな舟 沈まずに行けるか明日まで
何もない 今日の中に
或いは その深淵に
あるはずの 光に今
手を伸ばして つかまえる
幸せは 触れられるものではなくて
ましてや つかまえておくことも出来ない
だけど 感じることは出来る
たとえば ここからでも見える景色
当たり前に そこにある 広すぎる空の青
その中に にじんでる 痕跡
ひこうき雲みたいに
影だけを残して消える
続いていく 物語には名前など無いのさ
今日もまためくるページ まだ白紙のまま
くだらない 会話の中で
見つけた 言葉の間合いに
隠れている 痛みに今
迷わずに 歩み寄る
幸せは 誰かがくれるものではなくて
きっと 追いかけるものだって知ってる
だけど 空っぽの世界にも生まれる
たとえば 通り過ぎる人たちの後ろ姿
気づかないくらいの小さな命の悲鳴
その声は 宛もなくさまよう
渡り鳥のように 行くべき場所を知りながら立ち止まる
今僕を この世界を
縛りつける わがままな掟に 逆らって
少しだけ 道を引き返す
なくした 何かを 取り戻すように
幸せは 触れられるものではなくて
ましてや つかまえておくことも出来ない
だけど 感じることは出来る
たとえば ここからでも見える景色
当たり前に そこにある 広すぎる空の青
その中に にじんでる 痕跡
ひこうき雲みたいに
影だけを残して消える
画用紙いっぱいに広がる世界
本当は掟など無いのさ
この世界には題名なんて 都合のいいものはついていないから。
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過ぎ去った昨日の景色の中に
傷跡が見えるようさ
見えないものだと人は笑うだろう
聴こえないだけで無いものと思い込む馬鹿者め
あらゆる概念の中で
唯一 存在することを許されている
「心」という見えざる思想は単なるまやかしか
まだ 消えない まだまだ消えない
後悔という残留思念 悪あがきした若さの影
幽霊みたいに 行ったり来たりしてる
胸の中 いろんな感情が喧嘩している
生きているだけで忙しい
忘れたというのは全部嘘で
今までのすべての痛みを覚えている。
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なんとなく 思うんだ 生きていることは
当たり前だ でもその当たり前の中には
きっと特別な光がある そう思うんだ
窓の外 通り過ぎてく 季節が また
移り変わる その時 僕は またひとつ歳をとる
そして 色あせてく
痛みのない 傷を抱いた 心は声に出せない悲しみを唄う
「すべては今日という日のために」
そんな 今日にたどり着くために 僕は生きていこうと思う
なんとなく 見つめてる 眺めているんだ
遠い国の戦争や 無益ないじめの実態を
相変わらずの世界だなあ ため息が止まらない
見えない 景色を探す
聴こえない 音を探す
僕は 名ばかりの旅人
いつか 灰に成り代わる
名前のない 感情が僕を突き動かす 心のゼンマイを回す
「生きていて良かった」とか
「生まれて良かった」
すべてはそんな気持ちに到達するためにあるんだと思う
またページをめくる 雨が朝を濡らして
踏み出した 一歩が
たとえ小さくても
そこからはじまる物語
痛みのない 傷を抱いた 心は声に出せない悲しみを唄う
「すべては今日という日のために」
そんな 今日にたどり着くために 僕は生きていこうと思う。
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それぞれの帰り道
どこまでも どこまでもついてくる
アスファルトに影法師 涙に濡れている
帰りたくないよとためらった右手も
いつの間にか それが当たり前みたいに
分かれ道 あなたに手を振った
今日もまたあなたのために 帰り道が
家までまっすぐに伸びている だから
家に帰ろう 笑顔を連れて帰るから涙も
置いていかないさ
ほら ふいに見上げた空に あかね雲 ひとつ 浮かんでいる
昨日の痛みを残したままで
いつまでも いつまでもうずいている
傷跡に 誰かの優しさが痛いくらいしみる
公園のブランコが風に揺れていた
砂場には誰かがつくった砂の城
取り残されたようなシャベルとバケツ
今日もまた あなたの心まで赤く染める
夕日が静かにあなたの瞳の中で沈んでく
家に帰ろう ただいまを言うよ だからおかえりを聞かせて
「人は最後はどこへ帰るんだろう」
僕はあなたの待つ家に帰りたい
今日もまたあなたのために 帰り道が
家までまっすぐに伸びている だから
家に帰ろう 笑顔を連れて帰るから涙も
置いていかないさ
ほら ふいに見上げた空に あかね雲 ひとつ 浮かんでいる。