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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[5820] 種を蒔くネジを巻く
詩人:どるとる [投票][編集]


ネジを巻かなくちゃ
止まってしまった
時計をもう一度
動かすために

種を蒔かなくちゃ
枯れてしまった
花をもう一度
咲かせるために

甘い果実、収穫の時期を逃して
熟して 地面に落ちてつぶれてしまった

誰も そのことを知らない

種を蒔く ネジを蒔く
虹のおとずれを 待ち望みながら

僕は君を 君は僕を

邪な目で 汚してしまうよ すぐに

いくつもの歌といくつもの音楽に
無数の本で 埋もれた日々に

思い出は ただ 何も言わず僕を見つめたまま ただ見届けている
今はまだ この命はなんの光も帯びぬまま
アスファルトに 絶えず打つ雨も同じ
たくさんの雨粒の中のたったひとつ

いつかはみ出せるかなあ
芸術のように 常識をぶち破って

僕は君に 君は僕に
懐かしい歌を歌うだろう

いつか歌ってた あの歌が再びこの部屋を瑠璃色に染める

そして再び
種を蒔き ネジを巻けば
やがて動き出す
夜明けも近い。

2014/09/17 (Wed)

[5821] けんかのあとで
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少し言い過ぎたかな
けんかのあとでいつも気づくんだ
寂しくなってやっと気づくんだ
君は何も悪くないと

眠れない夜には 話をしよう
途切れないように会話を続けよう

冷めない愛なんてないことを僕は知った

何度でも何度でもすれ違っていけばいい
そしてそのたびに仲直りすればいい

何度でも何度でも 喧嘩をすればいい
そしてお互いの大切さに気づけばいい

けんかのあとで離れたときに胸の中に生まれる
寂しさに素直になれればいい。

2014/09/18 (Thu)

[5822] 夜明けを知らない人
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僕は思ったんだよ
どこまでもわがままになれたらと

終わらないものなんて何ひとつない世界で
永遠を願う僕らは
恥ずべき生き物さ

尻尾だけ残して
逃げ去る 蜥蜴のように
僕は 大切なものを引き替えにして
新しい朝を 迎えた

ぱらぱらと捲る
私小説の中で続く
私利私欲を辿る
蹂躙する物語

僕も恥の多い
人生を送ってきました
文豪は僕を見て
お前も私と同じ
穴の狢と笑う

ない袖は振れない
何もない空っぽの小宇宙

夜明けを知らない人は叫ぶだろう
自分のつくったいかさまな物語の中で
悲しみと喜びが交差するこの世界で

魂ごと汚れた
僕は誰も愛せない
何ひとつ 手にすることもしないまま
空っぽの中で満たされている

見上げれば銀河を
走る 鉄道がある
それさえ幻と
僕は知っている

僕は あなたみたいに命の手綱を手放せないけど
ああ いつかあなたと同じ闇の中で
後悔に苦しむんだろうか

神は言ったよ
「そんなものあなたの都合のいい解釈、私には無関係の世界」

だから狂ってしまうのさ 無防備な命は

僕も恥の多い
人生を送ってきました
文豪は僕を見て
お前も私と同じ
穴の狢と笑う

僕は あなたみたいに命の手綱を手放せないけど
ああ いつかあなたと同じ闇の中で
後悔に苦しむんだろうか

そして ペンを
置くんだろうか
死という 形の
影を 遺して。

2014/09/20 (Sat)

[5823] まどろみ
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どうしたものかと
首を傾げる天才は
愛の前じゃ形無しさ

蛇が のた打ってる
ただの土曜日に
ただのお茶を飲む

食道を熱く滑る
ただの2時半

僕は無様で ただしいこともままならず
ずっと終わらない思い出の中に佇んだ

夕暮れの中に そっと心を置き去りにして
誰かの優しさを枕にして 寝ころんでいる

深いまどろみの中に心を浸している。

2014/09/20 (Sat)

[5824] 私の影
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いつまでも 終わらない夕暮れの中を
たった一人きりで歩いた
寂しさなどはもうとうに通り過ぎて
笑顔はもう長いこと浮かべてない

何も無かったように跡形もなく
影すら残さずに消えてく 消えていく

ねえ命には 影なんてものさえないから
消えてもわからない
体はただの入れ物なんだよ 体の中に本当の自分が満ちている

だから私が消えたら私はどこにもいないよ
ここにいる私さえ私じゃないかもしれない

大人へとなる道を辿って来たけれど
大人って いつからそう呼ぶのかな
姿形は変わるけど心は見えない
ただ日ごと変わる私が人の目に映る

何ひとつ遮るもののない場所で
遠くで明かりが揺れて未来がはみ出した

ねえ私の命はこの世界にたったひとつ
そんなこと誰も同じなのに気付かないで通り過ぎる 大切なことをいくらでも見失う

だから私が私だというあかしは多分ずっと見つからない
私自身でさえ私が私だという自信さえ持てずにいるから

ただ走ったよ 息が切れるまで
空っぽのからだをもっと 私で満たしたくて 私は私をさがした

ねえ命には 影なんてものさえないから
消えてもわからない
体はただの入れ物なんだよ 体の中に本当の自分が満ちている

だから私が消えたら私はどこにもいないよ
ここにいる私さえ私じゃないかもしれない

誰も私じゃないのかもしれない。

2014/09/20 (Sat)

[5825] あざやか
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葉っぱを染める
色は見えないものさえも染めてくれるかなあ
たとえば死にゆく季節も
たとえば散りゆく命も
夕暮れが燃えている
空を燃やしているよ 焼け焦げたような夜
目を閉じるように眠るように逝く誰かの終わり

最後のページにたどり着いてしまっただけだ
何ひとつ おかしなことはないしこわがる必要もないのに
なぜだろうこんなにも当たり前が痛いよ
泣きすぎて 目を腫らした朝
ただ、肌の温かさを求める者だけが
勝ち得た時間 命の燃える様を 見えない色が
染めていく あざやかに

空白を埋める
アリバイが僕を証明する でも今ひとつ曖昧だ
たとえば手のひらの感触も
たとえば傷跡の痛みも
季節が移ろうのを
ただ眺めているよ 神様の気分で達観
耳をすましたのは君の声がきこえるような気がしたからだ

死ぬならば 冬よりも春を選ぶだろう
だけど僕らにはその時を選ぶ権利すらない
なぜだろう こんなにも当たり前が苦しくて
涙が止まらない 反面うれしい
ああそれでも僕らには行き先はひとつ
明日という時間 誰かが幸せそうに笑う様を 指先でなぞればひとつに繋がる

歩き出したのとおんなじ 場所に戻って来る
見覚えのある景色の中 そうやって何度でも僕は気づく

最後のページにたどり着いてしまっただけだ
何ひとつ おかしなことはないしこわがる必要もないのに
なぜだろうこんなにも当たり前が痛いよ
泣きすぎて 目を腫らした朝
ただ、肌の温かさを求める者だけが
勝ち得た時間 優しさがほら 何色にもなれない僕を
染めていく あざやかに

どうしても 埋まらない傷に
寄り添うようにしみていく。

2014/09/20 (Sat)

[5826] 指先に灯る
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上辺だけの優しさで満たされている
ただ今日は ひたすら誰かを羨んで
隣の庭ばかりを 覗き込む哀れな日々

立ち並ぶ夢の幻影がありきたりな街に
溶けて踊ってる

なんて眩しい 魅惑的な景色なんだ
僕は大切なことさえ忘れてた

小さな ぬくもりも
冬の寒さの中では
何よりありがたい
尖った心にしみるよ

人は独りでは生きられないことも本当は
痛いほど知っている
寂しさの中では
指先に灯るほどの熱さえも愛しいんだなあ

かくかくしかじかありまして逃げ道を走る
今日も暮れてく街に 夜が押し寄せてくる
光という光を集めながら 喰らうように

どうしてだろう 愛というものは飼い慣らせない 代物だ

憂うつと退屈の狭間にただよえば
見える景色などたかがしれている

どんな誰でもいい
優しさがあれば きっと雨も心地いい
傘なんていらないよ

人は 道に迷った時、道をたずねる人を探すだろう
道なんてない人生も
一人で生きるのと二人で生きるのとではわけが違うのさ

立ち尽くす 孤独の中に 僕は何を見つめている
燃えている夕暮れの赤い色に ほほを染めながら 流れ落ちる涙だけは素直に
心を露わにしてる

小さな ぬくもりも
冬の寒さの中では
何よりありがたい
尖った心にしみるよ

人は独りでは生きられないことも本当は
痛いほど知っている
寂しさの中では
指先に灯るほどの熱さえも愛しいんだなあ。

2014/09/20 (Sat)

[5827] 耳を澄ますこと目を凝らすこと
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大切な音や声を
ひろうために
耳をすまそうとする僕は僕の中には
どれだけいるかなあ

見逃してる景色や場面をそのままにしてる
僕は目を凝らすことに躊躇してないかなあ

何も見えていないよ
節穴の目じゃ
何もきこえてないよ
肝心なことは
何ひとつわかってない

君が見てる世界は
ほんの一端に過ぎず
君が知ってる事実は
ほんの一部に過ぎず

だから、すべてを見通した目をしている
だから、すべてを知り尽くした顔をしてる

そんな愚かな君は君の中にいないかい

ふわふわとただよう音が 声が
ちぎれてはつながって 歌になる

耳を澄ますこと
目を凝らすこと
本当に出来てるなら
君の目の前の世界がけして上出来だとはいえないはずだよ

君が見てる世界は
ほんの一端に過ぎず
君が知ってる事実は
ほんの一部に過ぎず

だから、すべてを見通した目をしている
だから、すべてを知り尽くした顔をしてる

そんな愚かな君は君の中にいないかい。

2014/09/20 (Sat)

[5828] 残像
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何か残して
消えていく命
飛行機が
残した影のように

僕の生きたあかしを
その足跡をなぞるようにまた最初から
はじまる旅路がある

ここから見えるもの
そしてきこえるもの
探しにゆこう
いつの日にか

僕はどうせいつか
灰になって しまうさ
ならば最後の最後まで大人気なく悪あがき

みんなどうせいつか
跡形もなくなってしまうさ
ならば燃え尽きるまで 性懲りもなく悪戯しよう

コインをはじいて
杖の倒れたほうへ
運任せの旅が
またはじまる

あとにはただ僕の影だけが揺れてる。

2014/09/20 (Sat)

[5829] スター
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星に祈りを 捧げて
すべての人の幸せを願う

君はどうして自分の幸せを願わないんだろう

いつも人のことばかり思っている
優しい君は 自分より真っ先に他人の心配をする

優しすぎるんだよ
いつも傷だらけじゃないか
神様はいないよ
だから君は報われない
少し汚くたっていいじゃないか
嘘ばかりのこの世界の中で美しくいようとすれば
バカを見るだけなのに

君はあくまで誰かを照らそうとするスター

闇の中に 浮かぶ小さな名もないスター

僕だけは 見てるよ
僕だけは 知ってるよ
君がどんなに素敵なのかを
君がどんなに優しいのかを

そして僕と幸せを半分こしよう
貸し借りはなしだ。

2014/09/21 (Sun)
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