詩人:どるとる | [投票][編集] |
好きだと言ってみたり
わがままに突き放したり
僕はなんて勝手なんだろうか
自分が寂しいときにはそばにいてほしいくせに
君が寂しいときにはそばにいてやれないよ
何も出来ないけどただありふれた言葉で埋められない
傷跡に寄り添いたい
だけど今日もまたほんの小さなすれ違いで君を傷つけてしまう
「僕は君がわからない
君も僕がわからない」だけどわからないものほど
人はわかろうとする
そこに光はあるのだろう
鈍い光だけど 足元くらいは照らしてる
愛してると言ったきり
続かないそのあとの会話
口笛吹いてごまかしたきのうがある
愛は嘘なんかじゃないのになぜだろう
君のまっすぐな目を見ると目をそらしたくなる
君にしてあげられること探すけど見つからなくて
出口のない夜
あとになって思うよ どうして僕は君を傷つけたんだろう
「僕は君をわかりたい
そして僕のこともわかってほしい」
だからわからない君のこともわかりたい
嘘でもいいんだよ
その代わり これ以上涙を流させないで
下手くそだけど 確かな足取りで進む
大切な人の涙を見ることが一番
胸にずしりと重くのしかかるね
わかってるはずなのに
わからないはずはないのに
「僕は君がわからない
君も僕がわからない」だけどわからないものほど
人はわかろうとする
そこに光はあるのだろう
鈍い光だけど 足元くらいは照らしてる
「わからない」が 「わかりたい」に変わる
それだけで君のわからないがわかる。
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この胸の痛み 君のせいさ
君のことを思うとなぜか
胸がキュンとしめつけられるよ
君の声がする それだけで もう
言葉にならないくらいうれしいんだ
ひとつひとつのしぐさや表情
ただ見てるだけで幸せな気持ちになるんだ
好きなのに 好きだということがわからない
こんな気持ちと向き合えず 素直になれない
そんな自分がたまらなく嫌いだった
ちょっと昔の僕は紛れもなく 恋わずらいでした
花びらをちぎって占う
好きとか嫌いとかまだわからない ただ人の真似する
心は知っていた気がするこの気持ちの名前を
好きだと認めることが恥ずかしくて
でも次第にその恥ずかしさが愛しくなった
好きなのに 好きだと言葉に出来なくて
普段はおしゃべりな君も好きな人の前では無口になる
そんな自分が いつも悔しかった
少年の日の思い出 ほほを染めてた 片思いの恋
好きなのに 好きだということがわからない
こんな気持ちと向き合えず 素直になれない
そんな自分がたまらなく嫌いだった
ちょっと昔の僕は紛れもなく 恋わずらいでした
そんな君も今は ほかの誰かと結婚して
幸せに暮らしてるのかなあ
そうだといいなあ
人の幸せを願えるようになった僕は
もう紛れもなく大人だった。
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この世界はあるものだけが 存在することを許されてる世界
何ひとつ無いよ あるものだけで賄われている無駄なものはない
たとえばきのうの惨劇
たとえばガラスが落下するような様に
重ねてる 命の末路
僕らは痛いほどに知っているのさ
始まりを重ねて終わりを重ねて
またひとつ夜が明けて朝になる
そこには人の意思は少しも介在しないよ
神様は架空のまま想像の中で微笑む
振り向けば 長く伸びた道 はるか昔の営みがそこにはある
何ひとつ無いよ ありえないものなんかは息をする事も出来ない
ああ 右脳は眠れ 左脳が導き出した答えに従おう
計算出来ぬ 命の不思議
僕らは今、目の前にしているのさ
一分一秒が重なって人の一生になる
またひとつ どこかで誰かの産声が上がる
そこにはあたたかなぬくもりがあるよ
神様のいない世界でも奇跡は起こるよ
始まりを重ねて終わりを重ねて
またひとつ夜が明けて朝になる
そこには人の意思は少しも介在しないよ
神様は架空のまま想像の中で微笑む
乳飲み子は 母の胸に抱かれて
ただ なんの企みもなく笑う その様を
僕らは迷わず愛と呼ぶ。
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何も描かれていない
真っ白な画用紙のような心に
「自分」というものを思うままに描いてみる
描いた自分は 鏡を通して見た僕とは
少しも似てない 想像の域を出ていない
ああ 僕は誰なんだろう
わからない わからないけれど
僕は僕だと 言ってみる
世界は 嘘で出来ているから
本当のことを言っても誰も信じない
きれいすぎる僕の嘘は 忽ち煙たがられ
ひとり取り残されたようになった僕は
空を見上げて 悲惨だと 呟くのだ
空っぽの水槽に
見えない魚を泳がせるように
「無いもの」をあるかのように語っている
花瓶が花瓶である為に花を生けるように
人が人である為に人らしく生きる
ああ 滑稽な形をしている
誰もが道化のふりをしながら
嘘を本当と 言っている
青ざめたからだを血で真っ赤に染めて
生きてるよって歌っていこうか
重ね続けたやさしい嘘がいつか
本当になる日まで僕は何も愛せない
世界を見つめて 哀れだと 嘆くのさ
繰り返される 朝と夜の中
繰り返される 朝と夜の中
時計はただ 回り続けて
季節はページをめくるかのように
過ぎ去って行って そして僕は気づくよ
「こうしていること」に意味なんか 何ひとつ無いことを
だからとりあえず運命に弄ばれてみる
世界は 嘘で出来ているから
本当のことを言っても誰も信じない
きれいすぎる僕の嘘は 忽ち煙たがられ
ひとり取り残されたようになった僕は
空を見上げて 悲惨だと 呟くのだ
青ざめたからだを血で真っ赤に染めて
生きてるよって歌っていこうか
重ね続けたやさしい嘘がいつか
本当になる日まで僕は何も愛せない
世界を見つめて 哀れだと 嘆くのさ
それがすべてだと 自分にわからせる為に。
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夜の闇を 泳ぐ魚になって
僕は白い泡を吐き出すよ
少し狭い路地をくぐり抜けたら
途端になぜかわけもなく切なくなる
思い出してしまったのかな 今日の日の痛み
見えない何かをべつの何かに重ねて見ているよ
聞こえない何かをべつの何かに置き換えて聞いている
見えるものや聞こえるものだけがすべてであるはずのこの世界で唯一光るものを僕は知っている
夢の終わりか 意識を取り戻して
僕は朝の扉を開けるよ
一杯の珈琲を飲み干したら
なんとなく幸せは手のひらの上に
思い出すまえに 忘れてしまえ いつか抱いた傷跡
ふれられぬ何かをつかむのは心の役目
「無いもの」を「ある」と思うのはそう感じるから
まるで目も耳もない魚のよう 人の心の小さな揺らぎの中でそっと息づく命 闇をやさしく照らす光
そろり そろり 意識と無意識の境を行き交う 名前のない魚は今日もあなたに
見えない景色や聞こえない音色を届けてくれる
見えない何かをべつの何かに重ねて見ているよ
聞こえない何かをべつの何かに置き換えて聞いている
見えるものや聞こえるものだけがすべてであるはずのこの世界で唯一光るものを僕は知っている
だから、この世界に無いものほど大切なものはない。
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誰かさんが言っていたよ
花も人も生きとし生けるものは
みんな生きるべくして生きてるって
それならこんなちっぽけな僕にも
意味があるのかなあ なんて思ったんだよ
ほんのささやかな 喜びがひとつあればいい
あとはただなるようになっていくだろう
両手でも抱えきれやしないほどの光を集めて
僕は 生きてるって輝いていたいよ
花畑みたいだね 同じ花の中にそれぞれ違う花が 折り重なるように 咲いている
「やさしさ」って言葉を忘れて
人を思いやることをしない病んだ世界の中で
私だけは 僕だけは 変わらずばか正直で
困った人や 迷える人に手を差し伸べよう
光はきっとその手の中に 生まれるんだって
どこかで僕らは 知っているんだろう
雑踏に紛れる足音の中にある小さな希望
そんな光に僕は未来をそっとあずけた
ほんのささやかな 喜びがひとつあればいい
あとはただなるようになっていくだろう
両手でも抱えきれやしないほどの光を集めて
僕は 生きてるって輝いていたいよ
止むことのない雨に濡れながらもあたたかな光の中で笑うように 咲いていたいよ。
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楽しいだけの絵本を子供に読ませてはいけないよ
血に染まってない絵本を子供に読ませてはいけないよ
命が 関わらない 絵本を子供に読み聞かせてはいけないよ
死体を見て「恐い」と思う気持ちや
「気持ち悪い」と思う気持ちを
抱かせながら 教え込みながら
小さな体躯のおまえを少しずつ ねじ曲げてやる
他人の痛みは 己の痛みをもって 知りなさい
光を求めるなら暗闇の中を歩く 勇気を持ちなさい
手を振り 歩いていこう
血の流れる様を 隠そうとする世の中を許すな
本当に子供たちが学ぶべきは
お利口な勉学ではなくて 計算出来ない心や魂のかたち
愉快なだけの物語を子供に見せてはいけないよ
世界には戦争もいじめもあるって 嘘をつかずに
親が自分の声でちゃんと世の中の有り様を話さなきゃ
どうして人が人を殺めてはいけないのか
殺めたとこで得られるものはない
そういうことも わからせなきゃ
正しさだけを 信じようとする 人に育てないで
他人の痛みは 己の痛みを通してでしかわからない
傷の深さや罪の重さ軽さで全てを決めるな
血の雨に濡れながら 行こう
きれいごとまみれの世の中を 鼻で笑え
光の中はさそがしあったかいだろう
だが、ぬるま湯から出てたまには
冷たい風に からだを晒せよ
あって 困るようなものでなければ
ずっとそのまま 我が身となれ
だけどいつしか生まれた「それ」は親不知のように
やがて、あなたをもどかしさで包むよ
だから さよならをしよう そのあまい心に
手を振り 歩いていこう
血の流れる様を 隠そうとする世の中を許すな
本当に子供たちが学ぶべきは
お利口な勉学ではなくて 計算出来ない心や魂のかたち
血の雨に濡れながら 行こう
きれいごとまみれの世の中を 鼻で笑え
光の中はさそがしあったかいだろう
だが、ぬるま湯から出てたまには
冷たい風に からだを晒せよ。
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人は未来へ 向かって歩いていく そんな生き物だ
いつも前を向いて 空を見上げて 生きられない
でもなるべく前を向くように努力している
口笛を吹き鳴らすのは
おどけたように意味もなく笑うのは
どうにもならない今を ごまかしたいからに他ならないけど
それをただ 「逃げ」なんて言わないでほしい
ひとつだけ 未来に持っていけるものが
あるとしたらそれは小さな小さな箱ひとつ
夢という名前の見えないものをたくさん詰め込んだ 未来という名前の箱
開けるのは まだだよ
鍵をかけておこう
叶わなかったときのために「諦め」という保険をかけて
地団駄を踏んだり
子供みたく駄々をこねたりするのは
変わらない自分に
嫌気がさすからに違いないけど
それをただ「ばか」の一言で片付けないでほしい
開けるなら今 君の勇気が必要だよ 叶わなくても叶ってもそれがあなたのつかんだ未来
文句や言っても後悔をしても もう遅いからね 何も言わずに受け入れよう
ひとつだけ 未来に持っていけるものが
あるとしたらそれは小さな小さな箱ひとつ
夢という名前の見えないものをたくさん詰め込んだ 未来という名前の箱
子供から大人になった今
開けようか 紐解くのさ 僕がここにいる本当の意味を。
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ねえ 折り紙の色のついてない白い裏側は
どうして白いのかわかるかい
思うにね それは人の命のよう 僕らはそれぞれ違うけど
人間というところでは何ひとつ変わらない
同じだ
だから折り紙も裏を返せばみんな折り紙だから白いんだよ
戯れにつくった 私の両手で
ほらね 折り鶴ひとつ 今にも飛びそうさ
青い空を 優雅に飛ぶだろう
自由は不自由の中に 不自由は自由の中に
なんとなく 意味など無いと思いこんでいる全てが意味のあることだ
そうさ 僕ら人間ももとを正せば みんな人間だから 違わないんだよ
偶然に生まれた 命はあなたという形の
この世にただひとつのあなたという名前
夢の後先へ 物語の終わりへ
悲しみは喜びの中に 喜びは悲しみの中に
わがままに 分けている 命には本当は どんな色でも同じ色なのさ
戯れにつくった 私の両手で
ほらね 折り鶴ひとつ 今にも飛びそうさ
青い空を 優雅に飛ぶだろう
自由は不自由の中に 不自由は自由の中に
なんとなく 意味など無いと思いこんでいる全てが意味のあることだ
だから誰かが 誰かを差別する理由がわからない
僕には全て同じきれいな花にしか見えないから。
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たったひとつの命を
たったひとつの命が
生み出し育む
そんな波のような繰り返しの中
たったひとりの私と
たったひとりのあなたが
恋をして愛し合い
そして生まれるたったひとりの人
何度でも何度でも寄せては返しながら
浜辺へと流れてく小さな貝殻
また時が流れて 波にのまれていく
ひとりにひとつ与えられている命
それは思うよりもかけがえのない命
君はこの世にひとり
僕もこの世にひとり
それは思うよりも
すてきなことだろう
すてきなことだろう
たったひとつの命が
たったひとつの命に
重なり合えばまたひとつの命になる
たったひとりの私も
たったひとりのあなたも
たったひとつの世界の中のたったひとり
何度でも何度でも 行っては来て
長い旅から帰った旅人は命を持ち帰る
ひとりにひとつ 許されている時間
それは誰にも等しく同じだけの時間
少しだけ遅かったり
少しだけ早かったり
すれ違うけれど
誰のせいにも出来ない
なんのせいにも出来ない
たとえば 沈む夕日を見つめる瞳の中に
たとえば 誰かとつなぐ手のぬくもりの中に
たとえば こうして 歌を歌う声の中に
目には見えない暗闇の中耳にも聞こえないような無音の中に
それはそっと紛れているんだろう
ありふれたひとつだけを僕らはひとつだけ持っている
ひとりにひとつ与えられている命
それは思うよりもかけがえのない命
君はこの世にひとり
僕もこの世にひとり
それは思うよりも
すてきなことだろう
すてきなことだろう
僕はいつまでも忘れないだろう
たったひとつの命が燃え尽きても
残されたたったひとりの誰かが
僕の命を 覚えててくれるのなら。