詩人:どるとる | [投票][編集] |
この世界でいちばん大好きな人を傷つけないように僕はちょっと厳しいこと言うときも切れないように
バターナイフのようななめらかな思いを君に捧げるよ
あの日、夜に出かけた
小さな公園で見た
自然が作り出した
プラネタリウム
ねえ 覚えてるかな?
バターナイフで2等分した幸せを少しずつ少しずつ噛みしめてゆけばいつか
無理も無謀もすべてこえたあとで二人
ここで結ばれよう
桜が空に舞う日に
ここで結ばれよう
バターナイフで2等分した悲しみも二人なら大丈夫さ
いつだって慰めあえる
この世界でいちばん好きな人どうしだから
二人は二人のままでずっと暮らしてく
それだけで立派な誓いになるんだよ。
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歩き出した道の上に
ぽっと咲いたつぼみ
いつか咲くだろう花
花だって子供だったっていつかつぼみから花になるのさ
僕らもまた花になれる
誰もが手にしてる権利を無駄にしている
だけれど無駄か無駄じゃないかはその人の価値観ひとつだろう
だから僕はどんな悲しみもはじまりの花だと思おう
この旅の終わりに
地図を開いたとき
そこに続きの地図がないとわかったとき
流れる涙と押し寄せる喜びは同時なんだろう
はじまりがもう訪れなくなったらなったで悲しいよ
ただ今は繰り返す毎日が大変
はじまりの花は何度でもここによみがえり僕の瞳に咲くのさ
ほらまた揺れている
ほらまた咲いている
はじまりの花ひとつ
僕をその香りで包む
歩み出せばそこはいつものスタートライン
1日終わったって
まだまだ終わらない日々
昨日が終わったに過ぎないのさ
ほらまた新しい旅に出よう 胸を張って
はじまりのドアを勢いよくあけてみよう。
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不思議な夢を見た
そこでは蝶は蛹にかえりなんと生まれたのは芋虫だった
赤ちゃんはあぐらをかいてお酒を呑む
電車は足が生えてて
いつも足音立てて
行ったり来たりするのさ ドアは大きな口
一家に一匹は飼われてる体長数メートルの二十日鼠
チューチューと鳴きながら飛び跳ねる
そのたび床は軋み
たまに抜けたりする
夢枕に立つのはよく知っているおばあちゃんじゃなく顔も名前も知らない
ひいひいひいひいひいおばあちゃん
そんなでたらめな夢の中なのに愛を感じるのは大好きな家族がいるからかな
どんな世界でも家族がいれば安心するのさ
空にはいつでも金平糖の流れ星が降り注ぎ
アメリカかぶれの太陽が陽気に道行く人道行く人に話しかける
お元気かい?ベイベー
英語はいつでも簡単な日常会話
アメリカかぶれにしてはかぶれ方が半端すぎる
現実からはるかに離れた夢の中で僕は現実以上に夢見ている
不思議な夢の中で不思議な気持ちになって不思議な運命に身をまかす
胃液の川を笹舟で渡り夢から覚める
夢から覚めればそれが夢だと気づけるさ
窓の外 広がってる
憂うつなほどくそ真面目な世界に僕は涙を禁じ得ない
さよなら 今日の日の悲しみよ 喜びよ
ふざけてるように見えても心にはたくさんの重荷を抱えてるんだよ
つらいんだぜ
思うよりも
悲しいんだぜ
夢を見たあとの
あの気持ちは
手を伸ばした
伸ばしたはいいけど
でもつかんだものは空気
伸ばした手が空を切る
夢の後始末をしよう
ため息で幻を吹き飛ばしてカーテンを開け放して現実を眺めよう
夢のような夜のまやかしにさんざんもてあそばれたあとで見る微々たる街の景色はとてもやさしくて涙をさそった
朝陽が目にしみたのさ
言い訳も笑ってゆるす君が今僕にコーヒーを差し出す
そんな朝に見つけた
もうひとつの夢。
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つづきのつづきでひきつづき今日も昨日から持ち越し 繰り越し お引っ越し
悲しみも喜びも
つづきのつづきでひきつづきめぐる幸せと僕を照らす光
つづいてきた日々
つづいてゆく日々
そのすべてを照らすまばゆいばかりの光
つづきのつづきでつづきまして僕を救う光
さあ 抜け出そう
真っ暗な夢から
這い上がろう
闇なんかすり抜けて
地面から顔を出す
つづきのつづきを
ただつづけるために
つづけてゆく
つづきのつづき。
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私いつも
人並みを避けて
生きていますから
無駄な外出は
ご遠慮願います
無駄に気を配り
こっちがノイローゼ
人の為は確かに良いことかもしれないけれど僕は御免だね
結局 かくれんぼ
正しいことが世の中まかり通ってばかりいる
人ごみの渋滞地帯
私いつも
社会避けて生きていますから
無駄な関わり合いはご遠慮願います
無駄に反発し
こっちが蹴り食らう
気づくといつも傷だらけ
ですから僕は御免だね
結局 かくれんぼ
正しくても
巻き添え食らって松葉杖
人ごみの危険地帯
逃げろ 隠れられる場所に今すぐ かくれんぼ
身を隠せ 身を隠せ
かくれんぼ かくれんぼ。
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ふれてしまえば壊れてしまいそうな君のその心
ふるえる指先で奏でてみた僕の心のメロディ
階段の下でいつまでも待ってる希望
太陽は今日は留守みたい
期待しても無駄みたい
でもあきらめられない僕はずっと待ってた
あの校庭の花壇の隅に咲いていたすみれ
都会のビルのように高い花の中でひっそりと身を隠すすみれ
まるで僕のようで
少しだけ切なくなった
午後から降り出した予報にもない天気雨
やることもなくずっと昼寝していた
まぶたを開けるともう晴れていた空
明日、僕は この街を旅立って都会に行く
すみれは笑って見送ってくれるかなあ…
いくつもの空と
いくつもの景色に
見送られながら
僕は旅立つ
すみれ 君を置いて
初恋の人
純粋すぎた恋
はじめての痛み
まだ胸に残る
涙のあと
君は僕じゃない
人を選んだから
もう この街には戻らない
すみれよ 元気でね
都会もなれれば都だろう
今はまだやまない雨でもいつかはやんでしまうだろう
この痛みもおさまるだろう
すみれよ 僕はまた違う恋を都会で探すよ
きっと 素晴らしい出会いが僕を待ってる
そんな 気がするんだ
もうすぐ日が落ちて
夕闇であたりが真っ暗になるね
君も見てるのかな
あの空を
カラスが二羽
電柱に仲良さそうにとまってる
昔の僕らみたいに
でも もう…
すべては思い出の向こう側のおとぎ話
あの校庭の花壇の隅に咲いていたすみれ
今はどうなったかなあ
いくつもの空と
いくつもの景色に
見送られながら
僕は旅立つ
すみれ 君を置いて
初恋の人
純粋すぎた恋
はじめての痛み
まだ胸に残る
涙のあと
君は僕じゃない
人を選んだから
僕は何も言えないね
ただ黙り込むだけのちっぽけな球根さ
誰かが引き抜いてくれるのを待つだけさ
すみれみたいにひっそりと咲くdecember。
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愛とは何かを見失ってしまったとき
人はただ言葉をなくし
そのかわりに詩を綴る
愛する人のため
声にならない思いならば文字で伝えよう
雨が降る日ならば
悲しい詩を
晴れた日ならば
喜びの詩を
声にならない声で言葉の中に思いをつめこんで 今 開く扉
何も言わないままで
無言のままで伝えられたら伝えきれない思いも救われるかな
真っ白な画用紙のような気持ちに君の返事は何も書かれてない
それでもそのくらい僕が好きなんだってことなんだよ
何も言わないままで
生きてゆけたら
無言のままで過ごせてゆけたら届けきれない気持ちさえ永遠に終わりにはならない
だから僕は何も言わない
愛してるなんて当たり前なこと 君に伝えたって当然なことを繰り返してしまうだけ
だから
だから
人は愛という
その意味を見失う
簡単さ
無言のままで
愛を伝えたらいい
言葉なんて必要ないさ
愛はつねに永遠だと決まってるから
僕は無言のままで君を抱きしめる
君の悲しみや痛みごと声にならない思いで詩う
ただようメロディ
空を赤く染めて
僕らはその下で
他愛ない暮らしを。
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吐き出したため息が僕を悲しくさせる
どうしても眠れない夜に僕はベランダで夜通し空を見ていた
実力重視の世の中じゃ僕みたいな役立たずは煙みたいにまかれておさらばさせられる
孤独なのは俺だけかと思ってたけれど
月よ おまえさんもひとりなのかい?
煙のようにまかれながらも負けじと前へ前へ進む僕を僕は殺しやしない
こうして積み重ねる今がいつか花開くこと願ってるから
向かい風に逆らって進もうとする僕に容赦なく吹きつける突風
明日もまた煙は煙なりに自由気ままに生きて
勝手に悲しんだり
せつなくて 黄昏たりするさ
煙は煙の信じる
道をただ行く
煙は煙の信じた
道をただ進む
いつか 砂漠に吹く風みたいにすぐ消えてしまうから
僕は今をいつでも
大事に生きる
自分に誓うのさ
悲しくとも
切なくても
生きること
涙なんか
死んでいくきっかけにしやしないさ
僕は生きる
吐き出したため息が僕を悲しくさせるけど僕は煙
自由気ままに吹いてゆく 涙さえもごまかそうとも悲しみはやがて幸せへの扉を開く鍵になるからと。
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僕はなぜ生まれたのか
そしてなぜ生きていくのか
その答はきっと
僕はなぜ死なないのか
そしてなぜ死なずにいられるのか
その疑問につながってる
だから生まれた答や生きている答を見つけたところで何もわからない
すべての答は天だけが知っているから
僕らはそれぞれの答を自ら作り出しそれをすべての答に置き換えるしかないのだ
統一された答もわからないまま生き、死んでいくしかない。
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繊細なわたくしの心を絶え間なく行き交う琴線をふるわす悲しみが琴線の一本一本を涙となり流れる
人は愚かに傷つくことも悲しむことにもいちいち理由をつけたがる
だから言葉にならない気持ちに出会ったときにたやすく言葉を無くすのだ
どこまでも広がる大きな海へは泳ぎ出せなくても小さな子ども用のビニールプールくらいの未来ならほら足をちょっとまえへ出せばいくらでも踏み出せる
用意された未来は無くても生活があれば誰でもたどり着く夢も何もない未来に今
立っている
我が物顔の大王がわたくしに言う
たとえどんなまやかしも美しければ迷いなく信じるのだろう?
今 僕の目に見えている全てはちゃんちゃらおかしいフィクション
なんだ作り物かとあざ笑うこの笑顔さえフィクション
ことのほか重大な謎が… そんな気持ちも全てフィクション
悲しいくらい
泣いちゃうくらい
全てはフィクション
やさしいフィクション
ただ それが 時に予想を裏切り不思議にもミステリアスにもなるってだけのフィクション
今 見ている全ては我々の節穴程度の力しかない目にもやさしいリアルなタッチでほら 見えている
目を閉じればいくらでも描ける夢や希望
それをしのぐ現実の鮮やかな色
それらは全て現実を際だたせる役割を果たしているに過ぎないのさ
そして人はすぐそこにある奇跡を見ようともせずに的はずれな場所ばかり探し
あげく なんだ なにもねえじゃねえかとほざくのさ
目を覆わんばかりの奇跡はすぐそこにあるのにね
人は底尽きない欲望に目が眩んでもはや輝くものしか見えなくなっている
さて、聞きましょう
あなたの目からは
何が見えていますか?
あなたが見逃しているそのありふれた毎日はあなたを確かに生かしてるのに
あなたは何をそれ以上欲すのか
わたくしには理解ができないのです
すぐそこにあるいくつもの奇跡を見捨てるその心も。