詩人:どるとる | [投票][編集] |
たゆたうようにほころぶように たまには笑ってみる
なんとなく とりあえず
できるだけ やれるだけ
それくらいでいい
生きていくことが いやになったら
思い出してごらん今日の日の笑顔を
夕暮れの道 自転車を転がして 歩いてく
ゆっくりと景色を眺めながら 歩いてく
その時の気持ちに染まっている心は
夕暮れのようにきれいな橙色でした
流れるように そよぐように たまには立ってみる
何気なく さり気なく 曖昧に あやふやに
不確かで確かな
僕という存在の影を縁取るように
ひどくおぼろげ輪郭をなぞる指先
名前も知らない花が咲く道を 歩いてく
すぐに忘れてしまう話をしながら歩いてく
印象に強く残るのはほんのささやかな色
ほんのり唇を染めている薄紅色のような
たとえば何かに重ねてる 思い出す時に
思い出しやすいように 何かと一緒に覚えてる そんなものが
僕にもあるはずと探してみる夕暮れ
あなたの背の高い影法師は声も出さず笑う
夕暮れの道 自転車を転がして 歩いてく
ゆっくりと景色を眺めながら 歩いてく
その時の気持ちに染まっている心は
夕暮れのようにきれいな橙色でした
僕の中に残っている思い出のすべては
自転車に乗ってるあなたの後ろ姿
そこにはないけどその背中からにじむあなたの優しさ。
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台風何号かが 接近している
そんなニュースがテレビでやっていた
でも僕はそんなもの気にもせずに
目を閉じたまま夢のまどろみに沈んだ
ジオラマみたいな街を見下ろして
とってつけたような言い訳で言いくるめる
君のあまりにも突飛な話についていけず
ふと別の話題に話をずらす僕の気持ちも
春も嵐も 片付かないままのあれこれも
きのう見た夢もしょぼい未来への野望も
出せないままの手紙も降り止んだ雨に
消えて 跡形もなくなって やがてまつりのあと
平行線をたどるばかりのストーリー
ねえ春一番が吹く頃には
つなぎ合わせた継ぎ接ぎの縫い目も
隠れて見えないくらい曖昧になって
好きとか嫌いとかどうだっていいくらい
当たり前って言葉が似合うかなあ
それでも離れたらすぐ不安になるよ
君の飛躍しすぎた話に付き合えるのは
世の中で僕くらいだと言ってみせるから
彼も彼女も 大概だ もういい加減にしろ
物語のページを埋め尽くすほどの記述に
思い出という体のいいタイトルを添えて
きれいに飾り付けても すぐに滲み出すインク
またスタートラインからやり直し
くだらないんだよ あなたが言うおとぎ話なんて
もうそろそろ全部 夢だと気づくべきだよ
閉じたままの目を開いて世界を その目にちゃんと映して
嘘と本当を 見極めて
春も嵐も 片付かないままのあれこれも
きのう見た夢もしょぼい未来への野望も
出せないままの手紙も降り止んだ雨に
消えて 跡形もなくなって やがてまつりのあと
平行線をたどるばかりのストーリー
途切れた そこから
繋いでいく
立ち止まった 場所から 歩いていく
浮いた話は望まないストーリー。
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暗闇の中に 浮かぶ瞼の裏の舞台で 笑ってみせたり 泣いてみせたり
強がってみたり へたばってみたり
僕らは たいがい そういう生き物で
だからそうそう変わりもしないし
この世界の色に染まりもしない
空欄の中にあるひとつの仮定を立てて
それを答だとするなら世界は狭すぎる
向きあう二つの光と影を 重ね合わせて見える世界
その隙間から見える光
サーチライトのように 頼りなく 未来を遠くから照らしている
答えあわせは まだ続く 果ての果てまで 消したり 書いたり
先に進んだりまた戻ったり
正解なんてあやふやなものに
唯一無二なんてあるのかわからないが
それぞれの答がそれらしく見えたらそれが答だ
空欄を埋めるための妥協ならばいらない
向きあうべきは世界ではなく自分自身だ
分かり合えない 正しさと間違いが
手をつないでいる世界
どちらも必要な歯車
サーチライトのように 揺るぎない未来を照らしている
そこにあるすべての無意味を意味あるものに変えている
それはなんだ
向きあう二つの光と影を 重ね合わせて見える世界
その隙間から見える光
サーチライトのように 頼りなく 未来を遠くから照らしている。
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どうしたいんだい?そんな顔をして
そろそろ笑ったらどうだい?
空も晴れたし 新しいスニーカーも買ったし
存外、幸せな僕らは 水たまりひとつ飛び越えて行く
その先へ 続くページを風がめくれば開くドア
ワンツースリーで 飛んだり跳ねたり
はにかんだり たまには誰かにへりくだったり
アンドゥトロワで 痩せたり 太ったり
ぶつくさ言ったり 大きく出たり 小さくまとまったり
そんなひとつひとつのタペストリー
いつの日か思い出になあれ
どんなもんだい 虚勢張って強がっても 意味なし役なし 厄年
金もないし 叶えたい夢もないし
案外、不幸せな僕らは 節穴の目で世界を 狭い視野でしか見れない
見上げれば雲ひとつない空 答え合わせはやめよう
ジャンケンポンで 後出ししたりしぶったり
頭ひねったり 足ひねったり やきもきしたり
YESオアNOで 切り抜けたり 立ち止まったり
手を抜いたり 夢中になったり 放り出したり
そんななんやかんやのストーリー
今から 思い出と名づけて
僕らは つながり また 離れてく磁石のような 距離と距離を
埋め合わせる うまい言葉は今は見つからないけど
その小さな隙間を 残してるくらいが僕ららしいと 笑えたら
素敵だろう?
ワンツースリーで 飛んだり跳ねたり
はにかんだり たまには誰かにへりくだったり
アンドゥトロワで 痩せたり 太ったり
ぶつくさ言ったり 大きく出たり 小さくまとまったり
そんなひとつひとつのタペストリー
いつの日か思い出になあれ。
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青すぎる空が窓から見える午後には
あくびしながら 退屈な時間が終わるのを待っている
ページの向こうへと続いていく物語の
結末を知りながら僕らは何度でも巡る季節を待っている
試行錯誤なんていらないや
とりあえず 流れるままに受け入れて
逃げ水を追いかけてペダルを踏み出せ
散らばって 集まってまたひとつになる 夏の夜空に咲く花火
君の心のキャンバスにに絵を描く 絵の具なんかいらないよ
ここにあるすべてが
夏を染め上げるから
いつか見送った夢の続きのような
陽射しが 狂おしく街に降り注げば気づくんだ
風見鶏は風をうけ回っている 屋根の上
海へと続く道 白い雲は地図のかわり
答えあわせはいらないや
何が正しいかより何がしたいかでこの心は 走り出す
笑ったり泣いたりがいつもよりも あざやかに見えるんだよ
真っ白な絵日記と 恥ずかしがらなくても手をつないでられた
ここにあったぬくもりが夏を染めていた
ひらり ひらり 舞いながら落ちていく
時の欠片 ひとつ ふたつ 数えては 君の背中に 押し寄せる夏を映してた
散らばって 集まってまたひとつになる 夏の夜空に咲く花火
君の心のキャンバスにに絵を描く 絵の具なんかいらないよ
ここにあるすべてが
夏を染め上げるから
振り向いて 見つめ合った まなざしの数だけ
夏は 君の瞳に映るから
ほら今を逃さないように 君の耳にちゃんと聞こえるように
花火の音に紛らせるように重ねるように
言ってみよう 「好きだよ」
聞こえてるかなあ?
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目を閉じてしばらく考えていたんだ
君が僕をはじめて嫌った意味なんかを
そして気づいてしまったよ
僕は君を傷つけたこと
ひとりの寂しさや 悲しさや
ちょっとした 痛み
二人分のそれらを二人で分け合って
はじめてした喧嘩はいつのことだか
覚えてないけどあの時の涙は
僕の胸に 今も深く突き刺さってる
終電を逃した 僕はひとりとぼとぼと
歩いていくよ 時間ならたくさんあるから
君の声を思い出しながら ちょっとだけ
涙ぐんだりして
ひとりになったら何も出来なくて
二人になったら 強がれるのは君がいたからと気づいたよ
はじめての喧嘩が僕に教えてくれた
人を愛すことの難しさ その喜び
間違いなく思い出のひとつに数えられる
揺れる 街明かりと
お話していたら
もうすぐに
家が見えるから
はじめてした喧嘩はいつのことだか
覚えてないけどあの時の涙は
僕の胸に 今も深く突き刺さってる。
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暗がりの中に 手を伸ばす 行き場もない夜は
ただ闇を睨みつけたまま 何かを壊すように
暮れてゆく 暗くなって通りには 夜が
重たい 誰かの悲しみを背負ってる
窓を明けて 夢から覚めて 少しだけ
ふてくされて 夢うつつで 笑って泣いて
それから どうしようか考えればいい
寂れたいつもの道に光は優しく灯って
誰かの鼻歌が雨の中でも 聞こえるんだ
しらばっくれて 逃げた時にはもう
優しい明かりはなくて闇ばかりが続く
嘘までついて 信頼裏切って 少しだけ
薄汚れて わがままに 愛して愛されて
それから 何があったのか覚えてないよ
季節が 変わって 時間が流れて 誰かが生まれて誰かが死んで
僕は 思い出す かけがえないようなどうでもいいような あらすじのひとつひとつを
窓を明けて 夢から覚めて 少しだけ
ふてくされて 夢うつつで 笑って泣いて
それから どうしようか考えればいい。
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指先がめくるページのその先は
昨日の続きでまた今日が始まる
暗闇を見つめてたら吸い込まれそうになる
あまりの人の多さにめまいがする
だから息継ぎをするのさ適当なタイミングで
ああ 死にたいと思うような人生ならいらない
いつまでも好きになれない世界なんていらない
ねえ神様 どうして 僕はそれでも生きているのでしょうか
追いかける息を荒げて走る
窓の外で夜が静かに明ける
引き出しを開けたり閉めたりしてたら
ただの悪あがきと笑われたんだ
だから僕はいろんなものを簡単に見失う
ああ 生きたいと思うような人生を生きたい
ああ こんな世界にもたったひとつだけ好きになれるもの
ねえ 神も仏もない世界で信じられるものがあれば幸せ
まぶたの裏に 描いた 下手くそな落書きは
僕が 書いた 僕の解剖図 ほら 血と肉と水と何がある?
僕を満たすものなんてこれだけさ
見事なくらい空っぽさ
ああ 死にたいと思うような人生ならいらない
いつまでも好きになれない世界なんていらない
ねえ神様 どうして 僕はそれでも生きているのでしょうか
どうして 生きたいと願う人は 死に
死にたいと願う人は生きているのですか?
それだけがどうしてもわからないんだ。
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あっという間に今日も日は暮れて
窓の外に 赤い夕日ゆっくり沈んでく
誰の帰り道かな
涙を浮かべている
君の瞳に映る世界は
どんな世界なんだろう
僕は君の悲しみを知らないし
君は僕の悲しみを知らないけど
痛みは伝わらないけど 君の身になって
少しは優しくしたい
だから 泣かないよ
君が少しでも
笑ってくれるまでは
僕は 泣かないよ
君が泣くのを
我慢しているから
君が 笑ったらその時僕は 涙を流すだろう
涙を流しながら やっと笑うのだろう
わざと 人ごみを避けて生きてたら
気づけば独りで 風に吹かれていた
誰が落とした涙かな
道端にひとつ
目には見えないけど
確かにあるのだろう
お互いにお互いのすべてを知らないし
知りたいとも思わないけど
愛なんて知ったかぶりだけど
わかったふりでもいいから 味方になりたい
だから、泣けないよ
君が泣くまでは
素直になるまでは
人は誰でも同じように雨に降られずに生きてはいけない
そんなことくらいちゃんとわきまえていろよ
他人はきつくそう言うだろう だから優しさが必要なんだ
ただでさえ人とのつながりが希薄な昨今
孤独ならなおさら
だから僕と君は多分世の中じゃ 幸せなほうだよ 支え合う人がいるからね
そう思おうよ
だから 泣かないよ
君が少しでも
笑ってくれるまでは
僕は 泣かないよ
君が泣くのを
我慢しているから
君が 笑ったらその時僕は 涙を流すだろう
涙を流しながら やっと笑うのだろう
雨上がりの虹みたいに その時の笑顔は
キラキラと輝いているだろう
悲しみの消えないこの世界でも。
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目を閉じてしまえば
もう通り過ぎた出来事だね
もう痛みさえもここにはひとつすら残ってない
ああ 今日もいろんなものから目をそらしてるうちに今日が終わる
そしていつの間にか日は暮れる
走るのがばかばかしくなってしまった僕は
立ち止まって 少しだけ泣いてたんだ
それくらい許してね 傷跡に涙がしみてく
なぜだろう誰かに優しくされたら
誰かに 優しくしたくなる
優しさを知らない僕よりも少しだけ 今の僕は世界が好きになっていた
熱を帯びたように
熱く火照った体 湯に浸けて
冷えた足先はじんわりと熱を伝える
ああ 嘘をついたぶんだけ 自分の存在が曖昧になっていく
元々あやふやな輪郭がぼやけてしまう
笑うことさえ どうすればいいのか
わからない僕は目を伏せて 人を避けるように生きた
寂しさは 自分のせいさ でも寂しいよ
なぜだろうあなたがくれる優しさは
倒れそうになる僕を支える為の杖のよう
しっかりと僕の全身を心ごと支えてくれる沢山の手が僕に生きろと言っている
優しさは持て余すくらいに あったほうがいい
優しさを知らないと言う人たちはなにを支えに生きているのだろう
人は必ず誰かの支えがあって生きている
それを否定するのはあなたがひとりで歩けていない証だよ
優しさという杖を失ったら途端に倒れてしまう
なぜだろう誰かに優しくされたら
誰かに 優しくしたくなる
優しさを知らない僕よりも少しだけ 今の僕は世界が好きになっていた。