詩人:どるとる | [投票][編集] |
弱い自分がいる 強がる自分の足元に
雑草みたいに ちょこんと座る
我が物顔で 歩いていたよ いろんなものを蹴散らしながら
いろんな人を傷つけながら
気づけば こんな人気もない場所にいた
今の僕に出来るのはせいぜい孤独に気づかないふりをすること
それだけ
笑ってよいつもみたいに 泣き出しそうでも どんなに悲しくても
笑わなくちゃ 雨の中でも 傘も差さずに濡れている花のように美しく
もう少し ずる賢くなれない だから僕は花にはなれない
雑草みたいに 人の隙間に 寂しく 座る。
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ぽつりぽつり 明かりが灯ったら
僕はいつものこの道をたどってゆく
帰り道はいつもなぜか切なげで
大切なはずの命さえ重荷になる
どうして 生きているのかな
わからないよ 悲しいくらい
人は わけもなく生きている
ダメかもしれない 出来ることより
出来ないことのほうが多いくらいで
挫けてしまうよ 諦めたりするよ
夕暮れは優しく 胸の隙間を照らして
自分を慰める言葉も見つからない
答えのない 問いかけばかり繰り返す
雨の気配に気づいた僕は逃げ腰で
すぐに屋根に隠れて猫のように丸まった
どうして 笑ってしまうのかな
わからないよ 悲しいときほど
強がって 平気なふりしてる
補助輪が外せない 子供のよう
転ぶのが恐くて 保険をかけてる
都合のいいときだけ大人にならないで
大人なら 自分の責任で間違えてみろ
ふと 忘れたように取り残されてる公園の砂場のバケツとスコップ
思い出したように ブランコが軋みながら揺れる
ダメかもしれない 出来ることより
出来ないことのほうが多いくらいで
挫けてしまうよ 諦めたりするよ
夕暮れは優しく 胸の隙間を照らして
心に備え付けられた補助輪を外して
無防備になったら 少しは強くなれるかな
下手くそだっていい 小細工なしで生きてみろ 転んだって平気さ 大丈夫
そのまま風になれ。
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今日の景色は いつか見たような景色だ
昨日の世界と今日の世界は同じだから
昨日の続きを僕たちは生きてるに過ぎない
覚えていたくない記憶もちゃんと
引き継がれ 受け継がれ
また同じことの繰り返し
巡って 廻って 三度デジャヴの渦の真ん中へ
寄せて 引いて また寄せる デジャヴの輪をくぐる
円の周りを回る旅
行き着く先はいつも明日
今日のすべてはデジャヴの渦の真ん中へ。
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ページをめくるよ
見えない指先が
朝を呼ぶように手招きしてる
神様のいない世界だ
そのくせ人は
掟の中でしか
平和も秩序も保てない
息をすることさえ苦しい
だから だから 僕は鳥かごの中で
飛べずにいる自分の心を解き放ったのさ
箱庭は 広がって 広がって やがて大きな世界になる 宇宙になる
そして何千何万世代の血を繋げていくよ
君がその血を与えられたように
また誰かが 生まれるその時 君の血を分けた子供の産声が上がる
風が夢と戯れてるよ
目に見えるものが
すべてと言う君が感じているものは
果たしてなんなんだ
教えてくださいな
見えないものさえも
ここにある不思議
でも僕らは風を読んでいる
だから だから 僕は機械仕掛けの心臓に
血を求めて 痛みを神様に欲したんだろう
生きていることを体中でもっと感じたくて曖昧な命に息を吹き込んだんだろう
そして何百何千年もの時間の果てで
誰かがまた 風を読む そこにあるものをただ見つめるだけでは何ひとつ見えない
風を読むように象られる命の形 指先でその輪郭をなぞれば
世界が 君のあやふやな命を鮮やかに色づけるだろう。
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赤い傘差した女が雨も降ってないのに
赤い傘差して女は歩いてる 笑いながら
真っ赤な歯茎を見せて 女はいつまでも笑う
女は今日も晴れた空の下 赤い傘差して歩いてる 笑いながら
いよいよ世界の終わりが来たのかな
その影響が赤い傘差したあの女を変えたのかな
晴れときどきワールドエンド 今日で生まれ変わろう
晴れときどきワールドエンド もう抜け殻だけ残して 脱皮しよう 僕から
暑さを無視してコートを着た人や
寒さを無視して水着で歩く人
数千円の何かを買うとき一円玉数千枚で払う人や
スカートを履いたサラリーマンに
「我に光を」なる看板掲げた男女の集団
魚の生き肝を神と崇める宗教団体
狂気と正気はすれすれのところに位置してる 紙一重 あかさたな 憂いに満ちた日曜日
晴れときどきワールドエンド つかの間の幸福が崩れ去る音がする
晴れときどきワールドエンド 晴れが一瞬にして 雨に変わるように
赤い傘もいつしか存在意義を失くして
女の手を離れ 隔離された部屋の中 女のスペルが埋め尽くす壁を遺すのみ
いよいよ世界の終末が来たのかな
その影響で全ての人は他人を信じられなくなった 幻想
晴れときどきワールドエンド 今日で生まれ変わろう
晴れときどきワールドエンド もう抜け殻だけ残して 脱皮しよう 僕から
苦しまなくてもいい
天より 神が来たりて そのお言葉を授かれば僕はまた僕のまま
悲しめる 苦しめる
もがき あがける
なんて幸せなんだろうか
エピローグはもうすぐ
終止符を打とう
あの女の笑顔が咲いたら。
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どれだけ 季節が巡って
どれだけ 時代が過ぎただろう
まだ子供だった僕は君に頼ってばかりいた
時には喧嘩して しばらく口もきかない日もあったね
でも また気づけば 寂しくなって
照れくさそうに 仲直りしたね
心のいちばん奥に いつかみんなで埋めたタイムカプセルを今 開けよう
きっと数えきれないほどの思い出が 全部は思い出せないくらい よみがえるよ
君がいない25年後の 未来で
いつまで子供のままでいられるんだろう
いつから大人ですか?
雨の降る日には 君が傘を忘れた僕に 傘を届けてくれた
晴れた日も 家の前で僕を迎えてくれた
多分そんなことのひとつひとつが
今思えば思い出と呼べるのかな
大切なものはどんなに時間が流れても変わらないんだね
あの頃のまま
もう僕は あの頃のように君を呼べない
呼んじゃいけない だからまた25年後へ
思い出を タイムカプセルにしまう
君が笑っている 胸の奥のほうで
おかしいだろう今でも 君の名前を呼べば 返事をくれる気がしてるよ
心のいちばん奥に いつかみんなで埋めたタイムカプセルを今 開けよう
きっと数えきれないほどの思い出が 全部は思い出せないくらい よみがえるよ
君がいない25年後の 未来で。
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いつのことだっただろう 思い出したよあの日の僕らを
純粋だったことも 危なげだったことも
忘れないで 覚えているよ まだ
すべり台のいちばん高いとこにのぼって
そこから見上げた 一面の星空
手が届きそうでも 届かなかった
きっと誰にも独り占めできない景色だ
すべり台の上から見上げたあの星空は
まるで未来のように そこにあるのに
けしてつかめない星
すぅーっとほうき星
横切っていた 僕は見逃さなかったよ
なぜか涙が ほほを流れていったんだ
あんなに速いのにぶつからないのかな
すべり台の上から 見上げたすべてが
僕らの思い出を優しく彩っていた
この世界 染めるように
今日も あの頃の僕らのように 遠い未来を見上げてる子供たち
両手でつくった 即席の 望遠鏡のぞき込めば 見えるよ
手が届きそうでも 届かなかった
きっと誰にも独り占めできない景色だ
すべり台の上から見上げたあの星空は
まるで未来のように そこにあるのに
けしてつかめない星
すぅーっとほうき星
横切っていた 僕は見逃さなかったよ。
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淡くとけ出す
君の中に しみていく
甘い味わいと
ほろ苦さを残したまま
季節は自転車でも漕ぐように ゆっくりと
進んでいくよ 悲しみはまだ消えないで
人生はなんだか チョコレートのようだね
時々甘くて時々苦くて吐き出しそうになる
そんな 味わい深い人生をかみしめてゆく
奥歯で噛んだらまだ知らない味が 広がる
波紋のように
旋律のように。
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いつも いつでも夜明けを待っていた
ひたすら 夜明けを待っていたよ
君も待っているのかな
明日が待ち遠しい
悲しみも今は見えないままで
がら空きの 胸の中
夜明けが待ち遠しいのは 誰のせいでもなくて
それは人それぞれにいろんな理由があって
会いたい人がいる やりたいことがある
そんな気持ちがあるから 君は夜明けを待っているんだ
僕も ひたすら
明日を待ちぼうけ。
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小指ほどの 小さな記憶を抱きしめていたい
この胸の奥で 私を呼んでる
あの日の僕のようにまた 誰かを疑うことも知らないまま
愛せたらいいのに
夕暮れ 夜明け 昼下がり どんな場面でも どんなタイミングでも
変わらず 僕は 僕だったのに
指先に灯る ぬくもりのその先に
揺れていた 愛が たしかに世界を
縁取るように 包み込んでいた
あの頃の僕には あなたが全てだった
風に吹かれて 綿毛はどこに行くのかな
旅は続くよ 時間の川を泳いで
ささやかな幸せに 何度でも 気づくたびにきのうの過ちを
振り返っては泣きたくなる
公園 スーパー 商店街
僕が見つめていた世界はちっぽけな世界
僕は隠れん坊してる僕を見つけに行く
頭のてっぺんから つま先まで
愛を注いでくれてありがとうね
生きることの悲しみや痛みに負けないで
そればかりを見つめないでいて
大切なことは あなたが教えてくれた
とてもありふれたこと だけど忘れちゃいけないこと
指先ほどのダイアリー
指先に灯る ぬくもりのその先に
揺れていた 愛が たしかに世界を
縁取るように 包み込んでいた
あの頃の僕には あなたが全てだった
だから まだ 名前を呼べば 笑ってくれるような気がしてしまう
おかしいよね でも本当なんだ。