詩人:どるとる | [投票][編集] |
世界は 今 混沌の中 パンドラの箱に手をかけてしまう愚かさに誰かの嘆き悲しむ声がする
希望が最後に残るのなら 流した涙や血は
きっと 生きる人々の笑顔になって 未来に花を咲かすでしょう
僕らは ただ 列を乱さないように
タイミング見計らい手を鳴らしてる
それではおもしろくないなあ
少しは はみ出してみろよ引かれた白線を
手の鳴るほうへ 心が 行きたいほうへ
歩き出せば 世界はもっと ずっと
あざやかに 君の目に映るだろう
世界は しばし 暗幕の内側 張りぼてで隠してる 散らかった世界を 見せまいと
傷跡を汚いもののように笑うならば
きっと愛なんて この世界には 居場所なんてないんだろう
僕らは いつも 上手く生きるのに必死で
何か大事なことを忘れている
マニュアル通りでは息が詰まるなあ
少しは 暴れてみろよ わがままに
手の鳴るほうへ 心が呼ぶほうへ
踏み出せば 明日からは もっと違った
世界が 君を 迎えるだろう
みんな同じ 顔
みんな同じ 動き
それではおもしろくないなあ
少しは はみ出してみろよ引かれた白線を
手の鳴るほうへ 心が 行きたいほうへ
歩き出せば 世界はもっと ずっと
あざやかに 君の目に映るだろう
見違えるような世界がはじまるだろう。
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花の蜜を運ぶみつばち
ご苦労様ね
ありが群れをなし
角砂糖を巣まで運ぶ
小さな世界で 僕らの大きな体では
考えられないとても小さな力で
世界を 動かしてる
命が集まって ひとつひとつの当たり前を
引き続きの世界に運んでゆく せっせと
見て見ぬふりはできない 僕らもその中のひとつ
さあ列をなして 明日の世界に 見えない光を運ぼう
僕は僕の思い出を
君は君の思い出を
みつばちは蜜を。
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君は 十年後にはどんなにきれいになってるんだろう
今よりずっときれいになっていることだろう
君に渡そうと 書いたラブレターなのに
どうして こんなとき僕は勇気が出せないんだろう
結局渡せずに 君とは離れ離れ
あれから十年が過ぎました 君は今どうしているんだろう
今更 引き出しから 出てきた少し 汚れた 十年前のラブレター
あの頃の 青くさい僕が 見えたから
思わず泣いてしまうんだ。
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埋まらない空欄の中を無理やり 埋め合わせるように
雨音は 降り積もってゆくよ 胸の奥に 音符を並べるように
悪を歌え 正しきを歌え 愛を歌え 夢を歌え
幸せを歌え 暮らしを歌え 痛みを歌え 平和を歌え
その声の先に 私を 歌え
揺るぎない 決心はやがて 弱々しい風に 消えて
ブランコは 誰かを乗せて 明日へと 揺れるだろう やさしく
種を蒔いて花を咲かせて 青い空に雲を 浮かべて
眠れぬ夜に 口ずさめる歌をひとつ 歌えば ほら
少しは 笑顔の足しにはなるはずと
なんとなく 何気なく咲いた 花のように
季節も 変わるというのに ずっと 枯れないあのひまわり
三月の窓辺に ふいに香るあなたの匂い
悪を歌え 正しきを歌え 愛を歌え 夢を歌え
幸せを歌え 暮らしを歌え 痛みを歌え 平和を歌え
その声の先に 私を 歌え
種を蒔いて花を咲かせて 青い空に雲を 浮かべて
眠れぬ夜に 口ずさめる歌をひとつ 歌えば ほら
少しは 笑顔の足しにはなるはずと
けして 悲しみになんか負けない
強い 私を 歌え
強い 私を 歌え。
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知らないあいだに夜が明けていた
手持ち無沙汰の僕はとりあえず
そばにある手頃な愛で 小さな隙間を埋めたんだ
寂しさとか 切なさとかには
もう慣れたはずなのになあ
また気づくと 孤独の中にいて
得られるはずもないぬくもりを宛もなく探してる
コンチクショウと毒づいて 幸せを自らの手で遠ざける
そして 何度でも同じような傷を負うんだろう
なくしたものとか 得たものとか
もう数えきれないくらいあって
その中でひときわ輝くものだけを
宝物と呼べたら人を愛する意味に気づくよ
僕が僕をよくよく見つめたらどれだけ自分が愚か者なのかがわかったよ
過ぎてく今日の終わりに僕は少し大切なことに気づけた
そんな気がしたよ
寂しさとか 切なさとかには
もう慣れたはずなのになあ
また気づくと 孤独の中にいて
得られるはずもないぬくもりを宛もなく探してる
誰の心の中にもある 毒のような
他人には理解されないほんとの 自分が
叫ぶ 悲鳴にも似た素直な思い。
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うつし世の片隅で 僕はひたすらに
自分という物語を書いている
何事もなく過ぎていく日々の中で
またひとつ季節は移り変わり
あと少しすれば この街も 白い服に着替えるのかな
平和すぎると めまいを覚えてしまうのは
刺激の足りない毎日に飽き飽きしてるからかなあ
贅沢な願いだとはわかっていても
この平和な毎日を 悲しいと嘆くことの出来る幸せに
気づかぬ僕には 目に見えている世界が
たまらなく 退屈で死にたくなる
つまらない小説の前書きのよう
行間にひとりよがりな私が見える
贅沢な願いだとはわかっていても
この平和な毎日を 悲しいと嘆くことの出来る幸せに
気づかぬ僕には 目に見えている世界が
たまらなく 退屈で死にたくなる。
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覚えているかな 君が生まれたときのこと
あの日、君をはじめて抱いた日のこと
あどけない笑顔で僕の指をつかんでいた
小さな君の手が 僕の心までもつかんだんだ
特別なことは何も起こらないけれど
ただどこまでもまっすぐでなだらかな道を歩く 僕らがいるだけ
君が笑ってたら 僕だって笑いたくて
君が泣いてたら 僕も悲しくなって
心と心が繋がってるって 君が教えてくれるんだ
穏やかな春の陽射しのような あたたかい気持ちで やさしいうた 歌うように
僕は君に今日も笑いかけるよ
増えていく君とのたくさんの思い出
日々、いろんなことがあるもんだね
季節の中をゆっくり歩いているつもりでも
いつの間にか時間は君を大人にするだろう
どれだけの時間とどれだけの季節が巡っても 変わらないよ
僕が君に抱く思いはずっと変わらない
君が愛する誰かを見つけたなら
僕も君と同じようにその人を好きになろう
さよならの時はそう遅くはない いつまでも一緒にはいられない
ウェディングドレスを着た君が 早く見てみたい 悲しい気持ちとうれしい気持ちが僕を包み込んでく
それでも僕は君に幸せになってほしい
あの日 君と二人で肩車して 歩いた桜並木 まだ、君は小さくて 悪戯なその背中を叱ったりもしたけど
今はもう こんなに大きな背中になったね
君が笑ってたら 僕だって笑いたくて
君が泣いてたら 僕も悲しくなって
心と心が繋がってるって 君が教えてくれるんだ
穏やかな春の陽射しのような あたたかい気持ちで やさしいうた 歌うように
君は僕に愛の歌を歌っている
やさしいうたを歌っている。
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ぼやけたあたまで何を見つめてるの
変わり映えしない景色 行ったり来たりする景色
窓の外には 巡る季節が
通りを横切る 懐かしい風
誰かを そっと包むのに
風鈴の音色が かすかに記憶のかなたで
聞こえた気がした真夜中
枕を濡らして 朝を待つ
きのう見た夢の続きは
もう二度と見れない だろう 多分 それは通り雨
思い出の影が 揺れるのさ 誰かの胸の奥で 花を散らすように
微笑んだその口元に差す影は さよならをはらんでる
追いかける きのうの逃げるそのあとを
まぶたの裏の あの駅の小さなベンチのその隅に
思い出の影は 跡形もなく ただそこにある世界を縁取って
忘れられたようにたたずんでる 胸の片隅にくすぶる。
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よーいドンの合図もないけど
生まれたその瞬間から走り出した
君はランナーさ 誰かと競っている
そういうわけじゃないけど
バトンを明日の自分に渡す役目を担う
誰かの為に 生きているなんて
嘘をつきながら 流したくもない汗を流してる
きれいごとだけならきれいに聞こえる
「愛してる」
「誰もが誰かとつながって生きている
誰もが誰かに支えられながら生きてる」
それだけは本当だからありがとうって
そっけなく背中でつぶやいたら
また 走り出す 誰かのどういたしましてが背中越し聞こえる
人は強いけど 反面弱い
脆い心はすぐに「あきらめ」にすがりつく
君は自分が何者なのかさえわからない
だからとりあえずらしく振る舞う
くすぐったい 言葉も時にはほしいなあ
勝手だろう?
誰かのために生きている
そんなきれいごともたまには言ってみたいよ
明日に向かうその途中で 僕はなんとなく立ち止まって
生きている幸せをかみしめて
生きている悲しみに打ちひしがれる
雨が降っては晴れる その繰り返しの先
新しい今日に出会えたらいいなあ
口笛をひとつ吹き鳴らせば どこかでひぐらしの鳴き声
どんな今も抱きしめて 受け止めて
苦いのを我慢して飲み干した その底に光る夢
「誰もが誰かとつながって生きている
誰もが誰かに支えられながら生きてる」
それだけは本当だからありがとうって
そっけなく背中でつぶやいたら
また 走り出す 誰かのどういたしましてが背中越し聞こえる
だから 僕はまた頑張れる
だから 君もまた頑張れる。
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地球をお皿の上に乗せて いただきます
命さえ その器用な指先で弄んでしまう
いわばそれは フォークとナイフの関係によく似ている
僕はフォークで 世界はナイフで
僕は所詮 歯止めでしかない
如何様にも切り刻める その権利はすべて世界にある
量りにかけて 命を比べっこしてみる
命を計る物差しなんかあるはずないのに
人間の尊厳を無視してまで人のすべてを紐解くのか
僕はフォークのままでいいよ このまま
誰かを支えられるために生きれるなら
微かな 力で 影から世の中を支える役目に喜んで徹しよう
自由を与えられているのが唯一の救いだ
何を差し置いても 悲しみがあるのが 唯一の救いだ
茶番は続くよ おもちゃの剣と盾で
争いあう 滑稽な舞台で今日も
国と国とが 幼稚なケンカをしている
神様がいなかったことが 唯一の救いだ
人間の心が すべて悪に傾かなかったことが唯一の救いだ
僕が僕であることが
君が君であることが
二人が違う人間だということが一番の救いだ
お互いにナイフじゃなかったことが何よりの救いだ。