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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[6140] 血まみれのプレゼント
詩人:どるとる [投票][編集]


形のない見えないものでも命を持っているんだよ
血染めの体を ふるわせながら 産まれてきたあなたに歌うよ
羽根もない僕だけれど
空も飛べないよ
魚じゃないから水に潜っても息も続かない

だけど 誰かを愛する為に きっとこの手はあるのだろう
そして、一歩一歩大地を踏みしめるために足はある

何も特別なことなんて出来そうもないから
せめて血まみれのプレゼントをあげるよ
僕の命で濡らした このプレゼントは 生きてるって
脈打ちながら 君の中で僕は僕の知らない僕に変わる

グロテスクなんて言わないでほしいんだ
誰もがそうやって産まれてきたんだよ お母さんのお腹から
全部を説明してしまうと複雑に絡まる
だから少しずつ噛み砕いて話そうか

僕のために用意された一人用の椅子に僕は座ると
いつしか一人じゃ寂しくなって同じように寂しがる君を見つけた

何ひとつわからない 肝心なところは見えないまま
だからせめて誰かを僕の血で汚してみたいんだ
僕の半分を受け継いだこのプレゼントは命と名付けられ
魔法のように 君の中で少しずつ形になっていくんだよ

産声がひとつ世界をふるわせたら
僕は君を 抱きしめてよくやったと言った
君は何も言わずに笑ってたよね
うれしかった

何も特別なことなんて出来そうもないから
せめて血まみれのプレゼントをあげるよ
僕の命で濡らした このプレゼントは 生きてるって
脈打ちながら 君の中で僕は僕の知らない僕に変わる

君の中で世界は君の知らない世界に変わる。

2015/03/13 (Fri)

[6141] 影絵
詩人:どるとる [投票][編集]


輪郭をかたどるように そこにあるすべてのものに影は差す
見えないものも形を持たないものも例外なく
同じ重さの命をそのからだに 抱きしめてる

この世界の真ん中で 誰もが 自分だけの世界を眺めたまま
何を見つめ何を聞いている?

つまらない人になろうとするのを頑なに拒むその手の力を そっと 抜いて
ひとつの形にこだわる その手を 開いて 今日と明日を阻む瞼の裏に今を映して
影絵みたいに 心はここにあるよって 伝えて

命にも影があるなら 光の中で 息づくその愛しさの中にも
影は差し込むから 汚れることくらいある
綺麗なままでいるために 傷ついたりもする

誰もこの世界の真ん中にはなれないから 誰もが片隅で
小さく ひそひそ声でささやくのさ

僕の足元に揺れる影は何を確かにするために そこにあるのか それはわからない
確かなものだけに与えられたのが影ならば心は ここにあることさえ不思議
影絵みたいな 心は 生きてるよって 笑ってる

そこにあるものを映すためのスクリーンならば簡単だろう
映したいものを乱暴にスクリーンに翳せばいい
だけど命というものには それさえ叶わぬ
だから何度でも見失うよ確かなようで不確かな 僕という影を
だから 僕は痛みを知り 生きてるということをからだに教え込むんだ

つまらない人になろうとするのを頑なに拒むその手の力を そっと 抜いて
ひとつの形にこだわる その手を 開いて 今日と明日を阻む瞼の裏に今を映して
影絵みたいに 心はここにあるよって 伝えて

この身に 降り注ぐ
陽射しのあたたかさや雨の冷たさの向こうに 見ている光
確かじゃなくても
感覚や触覚にささやきかけてる。

2015/03/14 (Sat)

[6142] 選ばれた花
詩人:どるとる [投票][編集]


風の向こうに 続いてゆく坂道は
誰かの思い出を抱いたまま
笑ってた 泣いてた そんなこと 全部
忘れていた なかったことにしていた
きれいすぎる記憶は 色あせてしまえば
枯れた花のよう 光を失った眼差しのよう

それは 夏の間だけ聞こえる 蝉しぐれ
歩き出した時から 終わりをはらんでる
サヨナラをするためにめくられたページ
遅かれ早かれ 死を分かつ選ばれた花

開いた瞼の 向こう 映る景色は
何かが 足りない 不完全だよ
なくした宝物が見つからない
自分で隠したから誰も知らない
どこに埋めてしまったんだろう
あんなふうに素直に笑える自分を

それは 夜空に咲いた花火のかたち
生まれては消えていく命
数あるの中のたったひとつの命
誰が決めた訳でもなく 時の中に咲いた選ばれた花

なんとなく どことなく 切ないのは
遠ざかってゆく季節の後ろ姿を
その影を かすかに感じてるから

それは 夏の間だけ聞こえる 蝉しぐれ
歩き出した時から 終わりをはらんでる
サヨナラをするためにめくられたページ
遅かれ早かれ 死を分かつ選ばれた花。

2015/03/14 (Sat)

[6143] ペダル
詩人:どるとる [投票][編集]


ペダルを踏み込む 重さの中に
君を感じながら 前に進む

思い出は 捨てないで 抱えたまま
ストーリーは続いてゆくどこまでも

夜の中にも 朝の中にも 変わらない
表情と眼差しで 愛をくれる 君のために

ペダルを踏み込む ふたりぶんの体を
はこんでゆく 心地いい疲れが全身を包む

もう 寂しさなんて
ひとつもないや。

2015/03/14 (Sat)

[6144] 伝言ゲーム
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明日に伝えてね 僕が生きた今日のことを
笑った 泣いた 怒ったりもした
くだらない そのひとつひとつを
あますことなく 未来に伝えてね

手紙でもなく メールでもないよ
それじゃ心には届かないからずっと残るように心に今を刻みつけて

この世界は云わば 崩壊していく その途中です
世界が終わるまでの ちょっとした 猶予の中で生かされてるに過ぎない
だから退屈な時間を埋めるように
僕らは ここからはじめよう
伝言ゲーム 今日の気持ちも 次第に 色を変えていくよ

大げさなメッセージも いつかは笑い話に
誰かの流す汗も 本気なほど
滑稽に見えるのはなぜでしょうか

日常会話の 片隅にでも灯ればいいなあ
携帯なんか ない時代だったよ
気持ちを伝える手段はひとつだった
雨上がりに 虹を期待してしまうのは 弱さに他ならない でも純粋だろう

誰かの残した影が影オニみたいに いつまでもあの日の僕を探してる
名前もあやふやなあの神社の長い 階段を伝って 流れてる
伝言ゲーム 今日の日の空 それはけっして同じ色じゃないから

なくした物 手に入れた物 ひとつひとつ数えては 指が足りずに 途方に暮れる
立ち止まった帰り道 ふと振り返る 道に咲く あの花

この世界は云わば 崩壊していく その途中です
世界が終わるまでの ちょっとした 猶予の中で生かされてるに過ぎない
だから退屈な時間を埋めるように
僕らは ここからはじめよう
伝言ゲーム 今日の気持ちも 次第に 色を変えていくよ。

2015/03/14 (Sat)

[6145] かげおに
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日が暮れるまで 遊んだね
体が 熱を持ったように 熱くなるまで
僕らは走った ただ笑い転げて
少年を 満喫してたみたいに
ただ ありのままに あるがままに 生きてた

風のように 笑いながら 時には
雨のように 泣きながら
嵐のように さわいだ
今度は君がおにだね
僕が追いかける番だ
思い出の影を
つかまえてしまえば簡単なのに
逃げていくよ追いかけるほど
だから傷跡は消えないよ今も

ばかみたいに はしゃいだあの日々
秘密基地はダンボールでこしらえた
名前までつけたけど三日もしないうちに誰かに壊された
少年の日の思い出は氷のようさ
きれいだけど 溶けてしまえば もう
跡形もなく 心には少しの記憶だけが
罪の意識まで遠ざける

あの日転んだ膝の痛み
みんなで遊んだ公園
思い出の影は
後ろ姿も見せないままそこにあって
妙に美しすぎて知りたくないよ
ほんとのことなんてイメージでお腹いっぱい

バケツいっぱいのざりがに
放っておいたら全滅した
悪いことをしたとは思わなかった
僕は命を 小石みたいに 思ってた
でも 幼いながら それが悲しくて 泣ける 涙も持ってた

風のように 笑いながら 時には
雨のように 泣きながら
嵐のように さわいだ
今度は君がおにだね
僕が追いかける番だ
思い出の影を
つかまえてしまえば簡単なのに
逃げていくよ追いかけるほど
だから傷跡は消えないよ今も。

2015/03/14 (Sat)

[6146] いろとりどり
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染まってゆくのは誰のためですか
自分という色を塗りつぶすように
頑なな気持ちを捨て去らなければ
いつまでも変われない 僕からはみ出せない

この世界の片隅で さえずっていても
誰にも届かない そんなことくらい知ってるよ 痛いほど

まだ真っ白な 未来を 染める ただひとつの色
どれかひとつなんて ケチなこと言ってないで
色とりどりの色で 染めてしまえ

風の色が 変わった気がしたよ
すぐ隣で 笑う君がくれた色さ
多分ね出来ないこともあるけれど
ひとつくらいは出来そうさ とても簡単なこと

空を見上げていたら ちっぽけな心が見えたよ だから目を閉じたまま
生きてることを再確認

朝焼けを染める 色は 希望に似た 色をしてる
そこにあるありったけの全部の色をつかって
世界を都合よく 染めてしまえ

なぜだろう その先へ
答えを求めて ドアを開ければ 朝は
どんな 人の元にもやって来る

まだ真っ白な 未来を 染める ただひとつの色
どれかひとつなんて ケチなこと言ってないで
色とりどりの色で 染めてしまえ。

2015/03/14 (Sat)

[6147] やさしいせかい
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生きているということをもっとずっと
確かにするために 僕は染めるよこの世界を
あたたかい血潮で 塗りつぶす 汚い嘘や
誰かのゆがんだ足跡を
踏みつぶされた花を
そっと抱き起こして
大丈夫?のひとつも言えないようじゃ未来はないね

迷いや悩みが踏み出す自分の邪魔をするなら心を 空っぽにして 既成概念を捨てて ドアを開けよう

不特定多数の誰かのせいで汚れた世界を血の雨が洗うよ
まだ真っ白な キャンバスに 明日が描かれる日 虹をひとつ 架けよう

雨を止ませるほどの力はなくても
虹になってやるくらいの力ならあるよ
聞きたくないセリフや言葉ばかりだな
思わず耳を疑いたくなるような

笑われるようなきれいごとも 言えないようでは きっと心なんて 空気みたいにしか思わない
迷いや悩みの多さに 疲れ果てた僕は 見失っていたみたいだ
たまには 何もかも忘れて 捨て身で行こう

わかりやすいような 絵に描いたようなやさしいせかいを待ってるんだ
すべての人がすべての人にやさしくできるそれだけでいいのにね

違う人同士 それだけで みんなばらばら
でもそのすれ違いが僕らの手をつなげてる

不特定多数の誰かのせいで汚れた世界を血の雨が洗うよ
まだ真っ白な キャンバスに 明日が描かれる日 虹をひとつ 架けよう。

2015/03/14 (Sat)

[6148] はじめての友達
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はじめて 君に出会った日のことを覚えているかい?遠い遠い昔のことだよ
あの日あの時からはじまった僕らの物語
涙も笑顔もごちゃ混ぜの忙しないストーリー

今までいろんなことがあったけれど
今にして思えばすべて楽しかった思い出のように思うんだよ

君が居なくちゃ僕なんてさ いる意味がないよ
ひとりで笑ってたってちっとも楽しくないから
君がそばにいてくれなくちゃ 僕は寂しすぎて
泣いちまうよ だからそばにいて僕の友達よ

夕暮れ 誰もいない公園でシーソーしたよね 君と向かい合わせで
好きだとか 嫌いだとか曖昧な年頃
だけれどなんとなく頬を赤く染めていた

君の笑顔がいつもそばにあったこと
今にして思えば当たり前みたいに思っていた気がするんだよ

いつまでもずっと一緒にいられると思っていた
だけれど気づくと君はいなくて 名前を呼んでも
君は返事をしてくれなくて
面影に話しかけていた 幻のように消えちまった友達よ

引っ越しのトラックが茜色の空の向こうに消えてく
窓を開けて君が手を振っていたあの日の二人の涙
「またいつか会おうね」約束したからきっとまた会えるだろう

君が居なくちゃ僕なんてさ いる意味がないよ
ひとりで笑ってたってちっとも楽しくないから
君がそばにいてくれなくちゃ 僕は寂しすぎて
泣いちまうよ だからそばにいて僕の友達よ

いつまでもずっと一緒にいられると思っていた
だけれど気づくと君はいなくて 名前を呼んでも
君は返事をしてくれなくて
面影に話しかけていた 幻のように消えちまった友達よ

互いに忙しくてなかなか会えないでいるけどいつかきっと会おうと約束した
僕のはじめての友達よ。

2015/03/14 (Sat)

[6149] 小説の前書きのようなストーリー
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あらすじを なぞる指先が 次のページをめくれば
その向こうで また新しい季節が ドアを開けて待ってる
スタートのボタン押して 君は最初の一歩を踏み出す

花びらが散る そのあとを追って

次々にめくってゆくページを飛ばし読み
君が笑うまで 何度もやり直しするんだ
今日が駄目なら明日
明日が駄目なら明後日
そして夜は明けて 目を開いた僕の瞳に
今日が何食わぬ顔して 「おはよう」って微笑む君を 描く

サイズの合わないスニーカーを履いていた気がする
身の丈に合わない 服を着て 似合わない色に染まってた
流行りの歌はどこか耳に馴染まなくて好きになれず

君が行くその道は どこに続いているのか

忘れてたように思い出すあの記憶が蘇る
あの日僕はうまく笑うことしか頭になくて
精一杯その日を生きたのに あと一歩手が届かなかったよ
そして 気づけば なんとなく 時は過ぎて
何年か後の今日も何年か前の今日と 何も変わらなかった

僕らはひたすら ほうき星を 追いかける
少年のような 瞳を 持っているべきだろうか
なんて思っては また落ちかけてる小説の前書きのようなストーリー

次々にめくってゆくページを飛ばし読み
君が笑うまで 何度もやり直しするんだ
今日が駄目なら明日
明日が駄目なら明後日
そして夜は明けて 目を開いた僕の瞳に
今日が何食わぬ顔して 「おはよう」って微笑む君を 描く

僕も「おはよう」って微笑んでみる
まるで それが当たり前みたいに 幸せはこんなに簡単に手に入れられるんだな。

2015/03/14 (Sat)
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