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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[6150] 雪のふるところ
詩人:どるとる [投票][編集]


薄汚れた 僕のせいで君の手さえも
汚してしまいそうで恐かったよ
愛することで傷つけることを恐れて
君に見つからないように隠れた
たくさんの恩を 仇で返すように 僕は

こんなにも汚れている 自分の手で
誰かを愛することなんか 出来なかった
静かに冬は時を凍らせて 雪は二人の隙間に そっと降り積もってく

物語の 途中で 足を止めてみたら
空の夕暮れのコントラストが
綺麗だったよ 君にも見せたいな
でも見せられないな もう君は
愛そうと思った時には ずい分遅かったよ

汚してしまえば良かった もういっそ
同じ色に染めてしまえば良かった
すべてを白く染める雪に変わる もう埋められない天と地ほどの距離

思い出す思い出すその場所が いつでも
心が帰る場所になる あの日の僕らがいた場所になる

そこが雪のふるところ 悲しいと思うことさえもないように
感覚を麻痺させてください神様

こんなにも汚れている 自分の手で
誰かを愛することなんか 出来なかった
静かに冬は時を凍らせて 雪は二人の隙間に そっと降り積もってく

つぼみは固く閉じて春は 雪が溶けるのを待って瞼を頑なに閉じている。

2015/03/14 (Sat)

[6151] 風の名前
詩人:どるとる [投票][編集]


目には見えないものでも名前があれば
見失うことなんてないのに

たとえば僕らが抱く気持ちのすぐ隣に
寄り添うように名前があればいいのに

そこにある 確かにある かけがえのないいくつものひとつひとつ
呼んでごらん

呼びかける名前もないけど それは僕らにしたって同じだ
風のような あやふやな命に 名前をつけて 区別しているに過ぎない

耳には聞こえない 心の声は
なんとなく 気づくほかはない
なにせ 気持ちなんてものは聞くものじゃなく
感じるものだと僕らは知ってるから

ぬくもりひとつ 手のひらに乗せて これが宝物だって
言えないのが 悔しいんだよ

僕らを包み込むふいに吹く風に名前なんてないんだ
通り過ぎてくだけの時間の中を 吹き抜けてく僕らも風のようなものだから

夕暮れ 誰もいない
道に あなたの影が揺れる
どうしてだろう 答えなんか見えなくても
そのぬくもり それだけでお腹いっぱいさ

呼びかける名前もないけど それは僕らにしたって同じだ
風のような あやふやな命に 名前をつけて 区別しているに過ぎない

ならば あとからつけたその名前を 抱いたまま この道を吹き抜けていく風になろう。

2015/03/14 (Sat)

[6152] 雑踏
詩人:どるとる [投票][編集]


人混みの街並みは 夕陽に照らされてる
言葉もないままに誰もが 生き急いでいるように見える
答えを教えてくれないか 本当の僕ってものがいまいちわからなくって
不意の誰かの一言に容易く己を見失う

使い勝手のいい「普通」という言葉の身勝手さに振り回され すっかり僕は周りの色に埋もれた
流行りに流されて 人混みに流されて
押し寄せるたくさんの足音の中から
たったひとりの人を見つけるのはいまの時代容易じゃないよ

雑踏の中に紛れ込む小さな泣き声に注意深く耳をすまし目を凝らせば
本当の世界がそこに見えてくる

時の流れる速さについて行けずに
この頃は流行りも知らない ジーンズのように色あせても
なんの味もない 古臭い歌のようにただ流行りがまた巡る
僕はここに居るのにどこにも居ないよ

戦争といじめを秤にかけて 同じ土俵の上で続く茶番劇の 傍観者は 自分が傷つかなければ 手をさしのべようともしない
周りに合わせないと生きられないような年頃なら
もうとっくの昔に過ぎたのに
まだ僕の中に 大人になりきれていない幼い僕が 居るようで

雑踏の中に紛れ込み 周りを見渡せば 案外自分だけじゃないと安心してしまう
僕は他の誰でもない僕をころしてる

流行りに流されて 人混みに流されて
押し寄せるたくさんの足音の中から
たったひとりの人を見つけるのはいまの時代容易じゃないよ

雑踏の中に紛れ込む小さな泣き声に注意深く耳をすまし目を凝らせば
本当の世界がそこに見えてくる
本当の自分がそこに見えてくる。

2015/03/14 (Sat)

[6153] 大人になれない僕たちは
詩人:どるとる [投票][編集]


どうすれば大人になれるんだろう
どんな人を大人と呼べるんだろう
わからないまま大人になった僕たちは
迷子のようになって社会の隅っこで人を妬んだ

マニュアルにあるような大人にだけは
なりたくなくてわざとへそを曲げたけど
やっぱり世の中に逆らうだけじゃ
何も見えなくて曲がったことをすればするほど自分が恥ずかしくなった

みんなが口をそろえて言う「大人」にはなれそうもない
そういう意味では大人になれない僕たちは ずっと子供のままで 生きていくよ

絵に描いたような大人になれば
みんなに気に入られるのかなあ
だけどそんな大人を大人と呼ぶなら
みんな同じみたいでつまらないのです

大人とは呼べないような人だって
人間らしいほうがいいと思うんだ
大人であるがゆえに誰かを見捨てるなら
大人になんてなれなくて構わない
僕が思う大人の姿は何より心優しい人間になること

そんな理想像からはずれた大人になるくらいなら
子供と呼ばれる大人になって 本当に愛してくれる人のそばで生きていくよ

歳を重ね生きていく そのたびに
季節を出迎え見送るたびに
僕は大人になってゆく だけど心はあの頃のまま
多分それでいいんだ 人間なんて

みんなが口をそろえて言う「大人」にはなれそうもない
そういう意味では大人になれない僕たちは ずっと子供のままで 生きていくよ

ずっと自分のままで生きていくよ。

2015/03/14 (Sat)

[6154] あまのじゃく
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ほんとの気持ち 胸の奥に押し込めてる
そんなふうに生きて楽しいのですか?
人に良く見られたくて本当を偽って
生きてる僕らはとんだ嘘つきだろう

でも本当は 嘘なんてつきたくなくてさ
素直な気持ちだけで生きれたなら
どんなにいいかなって思っている

笑いたいのに 笑えなくって
泣きたいのに 泣けなくって
いつでも嘘っぱちの表情つくって他人どころか自分まで騙しているのです

人混み たくさんの足音の中に紛れてる
僕の弱々しい足音 不安げに歩く
遠慮という言葉を巧みに使って
諦めてばかりいる その手の天才

でも本当は諦めることなんかせずに
最後までやり通したくてそして
最後にゴールテープを切りたくて

悲しいのに 笑うしかないよ
うれしいのに 泣きたくなるよ
本心って言葉は社会では持ち込むことは出来ないのかなぁ
今日も嘘をつく

こんなんじゃただのあまのじゃく
嘘をつくことにも慣れました
悲しくならないのが悲しくてたまらない

笑いたいのに 笑えなくって
泣きたいのに 泣けなくって
いつでも嘘っぱちの表情つくって他人どころか自分まで騙しているのです。

2015/03/14 (Sat)

[6155] 雨粒
詩人:どるとる [投票][編集]


鳥は低空飛行 雨がもうすぐ降ってくるな
車の流れの中 ぼんやりとただ眺めていた
生きる意味だとか
生まれたわけだとか
探してるんだよ

そんな事ばかりに時間が過ぎてく
だって 僕らにはたったひとつの意味さえ見いだせないよ
本当は意味なんてありはしないんだから
だから、それらしい意味を抱いて生きている誰もみんな

ひとつふたつ またひとつ 一秒が 胸に杭を打つように
僕から 何かを奪ってく 僕は何かをまたなくすだろう
ほら、雨粒のようだろう 僕らは
あんなに高い空から落ちても
すぐに 弾けて 跡形もなく 消える

駅のホームに 傘の花が咲き乱れてる
僕はなぜ僕なのか 何のために生きるのか
最近はそんなこと
どうだってよくて
飯にありつければ

命ある人が命ある人を傷つける
そんな 無慈悲に奪われる他人の命に涙を流せるか

何ひとつ 例外はない世界には
僕と君の違いなんかありゃしないんだ
ただいつもすれ違う時間を生きてるだけ

ひとつふたつ またひとつ 一秒が 胸に杭を打つように
僕から 何かを奪ってく 僕は何かをまたなくすだろう
ほら、雨粒のようだろう 僕らは
あんなに高い空から落ちても
すぐに 弾けて 跡形もなく 消える

それを笑うなら もはや誰も信じられない
だから、強がってでも生きてる 雨の中

ひとつふたつ またひとつ 進んでるようで落ちていく
僕は 自分の命の重さで ただ どこまでも 沈んでゆくだけ
意味のないことに それとなく
意味や理由を付け足して
それを生きることと勘違いしている

生きることは それ程 素晴らしいことじゃない
きれいごとで その意味のなさを隠して
人は 雨粒のような運命を笑っているのさ。

2015/03/14 (Sat)

[6156] ひとしずく
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浮かぶ 夕日が 今沈んでいく
誰かの帰り道を照らしている
赤い夕日が 今沈んでいく
今日もいろんなことがありました

悲しいことやうれしいこと
嫌なこと 辛かったこと
でもそんな一つ一つの出来事は
けして無駄じゃないし 消し去りたいとも思わない
忘れられない大切な思い出のひとしずく

消えてゆく 遠ざかってゆく夕日の影が
僕の足元に 揺れる影を静かに 縁取るように 見えたんだ
だから、僕は笑って今日の最後を 見送るよ

映るよ水たまりに 月が浮かんでる
歩道橋から見た君の後ろ姿
雨上がりの街 ふいに思い出した
さっきの君の泣き出しそうな笑顔

思い出したくないようなことも
愛や優しさだけでは生きれない そんな人生だけど
けして人を憎んだり ましてや恨んだりはしないよ
そのぶんだけ自分の恥になってしまうよ

泣いている 笑っている 君の顔が
僕の瞳に映る毎日それはまるでひとつの映画 君の雨はまだ止んでない
僕に降る雨がやんだら君に傘を持って行こう

ラララ

悲しいことやうれしいこと
嫌なこと 辛かったこと
でもそんな一つ一つの出来事は
けして無駄じゃないし 消し去りたいとも思わない
忘れられない大切な思い出のひとしずく

消えてゆく 遠ざかってゆく夕日の影が
僕の足元に 揺れる影を静かに 縁取るように 見えたんだ
だから、僕は笑って今日の最後を 見送るよ

そうするだけで「さよなら」も少し優しくなる。

2015/03/15 (Sun)

[6157] 思春期
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流れ 流れて僕らは どこへ行くんだろう
口笛みたいな たよりないその場しのぎの嘘で
痛みをごまかしてる

僕は迷子のように ただ狼狽えて
いつでも願わずともそばにいてくれる誰かを絶えず探し求めてる

へそ曲がりな心は 愛されることを拒む
でも本当は誰より愛されたいと願ってる
意地っ張りな心は すぐ独りになりたがる
でも本当は誰より寂しがり屋なんだよ
だから 僕は まだ子供という殻から
抜け出せない 思春期なんです

北へ 南へ 心は さまよい歩いて幾とせ
大人というものは昔からただ社会に
縛り付けられた飼い犬みたいなもの
そう思ってたけど それは僕の間違いでした
でもたまに 情けなくなって 一番身近にいる 親の背中を 冷めた目で見てたよ

素直になれない瞳は 疑いようのない確かなはずの愛をまっすぐ見つめられない
もう僕にはわかっているはずだよ なにが愛かそうでないのか でもまだ駄々こねる
そんな自分を 鏡に映して見つめたら
まだ、まるで 幼い子供だった

思春期の延長線辿っていけば
今と何ら変わらない僕が 親の胸元で
抱っこされて うれしそうに笑ってた
まだ素直だったな 子供でいるなら あの頃みたいに純粋でいたい

へそ曲がりな心は 愛されることを拒む
でも本当は誰より愛されたいと願ってる
意地っ張りな心は すぐ独りになりたがる
でも本当は誰より寂しがり屋なんだよ
だから 僕は まだ子供という殻から
抜け出せない 思春期なんです

いつまでも世話のかかるあなたたちの子供なんです。

2015/03/15 (Sun)

[6158] あしたのせかい
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「死にたいよ」なんてそんな言葉じゃ
世界を終わらせるには難しいだろう
そこにある悲しみや気にするほどでもない痛みに
僕らはいちいち名前をつけようとするけど
そんなものなんの慰めにもなりゃしないよ

何かが足りない それだけでこんなに
僕は生きてることが恥ずかしくて たまらないよ

目を閉じても 消えない光がある
耳をふさいでも 届く声もある
それだけで世界は僕が思うより 輝いて
明日の世界を照らす

雨の終わりを知っているなら
後悔を知らずに生きて行けるかな
空の青さに おだやかな日々にめまいを覚えるのは 幸せ過ぎるからだろうか
生きてることは間違ってないのに

明らかな確証 そんなものはない
だけどそれでも欲しがるのが人間なんです

すべての問いに答えがないように
すべての答えに問うことはできないよ
それだけで世界は僕が思うより優しくて
褪せた未来を染める

風がページをめくる
明日が動き出す
ほら 夜明けは近い
幸せはどしゃ降りの中

何かが足りない それだけでこんなに
僕は生きてることが恥ずかしくて たまらないよ

目を閉じても 消えない光がある
耳をふさいでも 届く声もある
それだけで世界は僕が思うより 輝いて
明日の世界を照らす。

2015/03/15 (Sun)

[6159] 盲目
詩人:どるとる [投票][編集]


深い海の中に潜るように
孤独の闇に身を浸して
人混み 夜の中 果てしない闇が
誰かの幸せさえ覆い隠して 何も見えない

僕らの目に見えるものは
ごくわずかなもので
それ以外はすべて
いくら目を凝らしてもわからない
だから目を閉じて心を通して 見つめるんだ

目の見えない人はどうやって 闇の中で光を見つけるのか
耳の聴こえない人は
どうやって無音の中で愛を聞き取るの
大事なことは
きっと目や耳が
どうだとか
そんな事ではなくて

本当に見つめるべきものが
見えないんだとしたら どんなに
目が良くたって意味は無いんだよ
目の前にある惨たらしい現実に
一粒の涙が流れるのなら その涙に寄り添うことが優しさ

心に迷いが生じたときは
頭に頼らず心を働かせるんだ
そして暗闇や無音の向こうに何かが見えてくる 聴こえてくる
それが答えだよ

僕らの目に見えるものは
ごくわずかなもので
それ以外はすべて
いくら目を凝らしてもわからない
だから目を閉じて心を通して 見つめるんだ

本当に見つめるべきものが
見えないんだとしたら どんなに
目が良くたって意味は無いんだよ
目の前にある惨たらしい現実に
一粒の涙が流れるのなら その涙に寄り添うことが優しさ
誰かが抱えてるその傷跡に 寄り添うことが愛だよ。

2015/03/15 (Sun)
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