詩人:どるとる | [投票][編集] |
遠い昔のことさ 子供の頃の僕が
小さな 宝箱にしまってた たくさんの宝石
それは 小さな貝殻だったり ガチャガチャで 取ったフィギュアだったりするけど
どれも僕の宝物だった
今はもう どこにしまったのかも 忘れたけど
あの頃の僕には それがかけがえのないものだった
あんなふうに 何か大切なものを持っていた気持ちを僕は 忘れてしまった
大切なものは それを いくつ持っていたって 意味はなくて
大切なものがあるということが 大切だったんだ
それこそが本当の宝物だって思う
それが 宝物よりも大切な物
目を 輝かせながら 生きていた
そんな気がするよ あの頃は世界は輝いてた
川に落ちてる石ころも ぺんぺん草も まるで 価値のある宝石みたいだった
お金では買えない宝物
今はもう 感じることの出来ない気持ちだ
それがなんだか 悲しくて たまに 胸の奥が締めつけられる
あの頃の気持ちはあの頃の僕のもので
今の僕にはもう必要のないものかもしれない
宝物は その人が 宝物と思えばどんなものも宝物になる
空も風も 独り占め出来ないものさえ 宝物と呼べば
どんなものも 等しく宝物になるよ
宝物を宝物と思う気持ちこそが
それが 宝物よりも大切な物
君もひとつくらい持っているかい?
お金ではけっして買えない 宝物
大切なものは それを いくつ持っていたって 意味はなくて
大切なものがあるということが 大切だったんだ
それこそが本当の宝物だって思う
それが 宝物よりも大切な物。
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生まれ変われたとして
何になろうか
重なれないはずの気持ちを分かち合えたとして
どうすりゃいいの
迷いは 必ず 残る
安らぎのあとも
雨上がりが
刻んだ 足跡のように
殺戮は 繰り返されて
長い夜が 明けても
昨日残した爪痕は
トラウマのように消えないままだよ
だから 今は このまま 幸せに 溺れて
明日起こることが予測できたとしてどうするの
いくつものイメージのその中の唯一の存在でも
そんなもの なんの価値もないね
誰でも同じだから
いくら自我を叫んでも
誰も見向きもしない
悲しみは 明日も消えずに
誰かをその渦中にのみこむだろう
僕らは 息継ぎする暇もない
だから 笑えるうちに 笑っておこうか
朝の 片隅に ふいに転がる
ひとつの音 それが 僕らにとって
なんの意味も ないとしても
とりあえず 世界は今日も 昨日と変わらず ここにある
殺戮は 繰り返されて
長い夜が 明けても
昨日残した爪痕は
トラウマのように消えないままだよ
だから 今は このまま 幸せに 溺れて
幸せの中で息絶えよう。
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やわらかな死が 迎えられそうな
そんな 日だった
優しげな 陽射しが 手招きしてる
「おいで おいで」
どこに行くのか?どこへ行こうか
せめて旅に出るなら地図にない場所まで
気紛れなワールドエンドに 乗じて
これ以上でも これ以下でもない
最後の キスを交わそう
浅い知識で満たされて
緩い傾斜でまどろんで
このまま息もつかせぬ旅の 真っ只中へ
おだやかな 風の中に 見つけた
光のような 希望のような
わかりやすい幸せが 顔をのぞかせてる
「もういかい まだだよ」
探す宛のない 隠れん坊のはじまりは
せめて 無意味という意味に 酔いしれて
手当たり次第に 撒かれた餌を啄んで
可もなく ましてや不可もない
たったいちどの 過ちを犯そう
軽はずみな 死を 望んで
目を閉じたまま 世界を 睨んで
そのちっぽけな腕で世界を つかみ取って
色とりどりな 光がまばたきするように次々に変わる
見渡した世界は やがて そこから 次第に広がって
あなたは 物語のさなかへ 足を踏み出す
傷つくことを 望んだ
なぜだろう 無傷ではつまらない
気紛れなワールドエンドに 乗じて
これ以上でも これ以下でもない
最後の キスを交わそう
浅い知識で満たされて
緩い傾斜でまどろんで
このまま息もつかせぬ旅の 真っ只中へ
落ちて見えなくなって消えた
そこからはもう違う世界
新しい世界。
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世界の隅っこで 小さく つぶやいてる
文句を 言うときはきまって こそこそ声だ
たくさんの人の目にさらされてる
たくさんの人の意識の中に 立ってる
くだらないマイノリティは もう 捨て去って
背伸びしたって いいから 数センチの勇気を
空気椅子から 立ち上がって つながれた鎖 解き放って
若さを 謳って たとえば ほんの少しの抵抗を
なんとなく生きてることも暇つぶしだ
目標なんて便利なものは 持てやしない
いろんな人の期待に 応えているようで
いろんなの人の善意にぶら下がってるだけ
なんの意味もないプライドだけ 高く掲げて
プラカードみたいに 「俺は特別だ」って 思い込んでた
空気椅子なんか 蹴飛ばして ドアを開けて 動き出す心
熱い陽射しが 突き刺さる 灼熱の世界がすぐそこに
ああ 魔法みたいな使い勝手のいい奥の手で世界を変えるには
いささか 僕らはふつうすぎる
機械や道具に頼らなければレトルトカレーも温められない
くだらないマイノリティは もう 捨て去って
背伸びしたって いいから 数センチの勇気を
空気椅子から 立ち上がって つながれた鎖 解き放って
若さを 謳って たとえば ほんの少しの抵抗を
絶対的な権力に楯突くくらいの無謀さを。
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さっきから雨が 窓の外で 降ってる
そんなことも関係ない
世界から はみ出したような場所で
今日は何を 見ていたのかな
聞いていたのかなあ
明日の行方は 迷子のまま
助け舟さえない
over drive どこか遠くへ行きたい
憧れだけが 残り火みたいにくすぶってる
ドアは無数にあるのに どれも僕には選べない 怖じ気づく 弱さが 邪魔をして一歩も前に進めない
自由を与えるこの翼は意味をなくした
路上の闇に 浮かぶ 誰かのシルエット
愛や平和を歌ってる
快楽を貪るだけの性行為をしたあとで
あなたは 汚れた体で正しさを歌う
きれいごと ワンマンライブ
ああ 誰を信じればいい?
純粋なのは子供だけ
それは顔を持たないマイノリティ
こんな孤独な 街にまた誰かが生まれて
自分を必死に 叫んで 特別なただひとつの自分を探してる
あてどない旅の途中 間違いだらけの生き方なのに
どこか人間的な血の通ったあたたかい姿
コンセントに 差し込まれたままの
プラグのよう とりあえず いつでも使えるように
人間という役割を与えられてるようだ
でも そんなことは誰にだって 出来ることで
生きてるというにはあまりに 傷つかない 恥ずべき選択だ
だから 僕は 生きてることを確かにするために あえて 火の中に 飛び込む
over drive どこか遠くへ行きたい
憧れだけが 残り火みたいにくすぶってる
ドアは無数にあるのに どれも僕には選べない 怖じ気づく 弱さが 邪魔をして一歩も前に進めない
自由を与えるこの翼は意味をなくした。
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どこまで 泳いでいけるかな
水面から 顔を出して
息を 吸うように
時には 息抜き
もう 何度笑ったか泣いたかわからない
ただ積み重なってく
記憶だけが堆く 天を目指す
うまくもない 泳ぎ方で 長距離を責める
君の 下手くそな 生き様が おかしくって
泣きたくなる程 一生懸命に見えたから
僕は 笑えなかったよ
僕は 笑えなかったよ
どこまで 平気でいられるかな
息継ぎを繰り返して
また闇に潜って
苦渋を 強いる
もう いくつ
季節が過ぎたか
わからない
ただ 流れ 去ってく
時間だけが
先を急いでいるよ
水の抵抗をうけて 体が 重くなるのを感じる
いろんな 抑圧が あなたに 生きづらさを与える
でも 死のうと思うけど きまって 命が 惜しくなる
僕は 死にたいけれど
それ以上に 生きたい
腕を 大きく 広げて
円を 描くように
水を かいて
水を かいて
その先へ もっと先へ
ためらいの向こうへ
うまくもない 泳ぎ方で 長距離を責める
君の 下手くそな 生き様が おかしくって
泣きたくなる程 一生懸命に見えたから
僕は 笑えなかったよ
僕は 笑えなかったよ。
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ベランダに 備え付けられた望遠鏡で宇宙を 眺めていた
暗い宇宙の闇に いくつもの天体が 浮かんで
図鑑と照らし合わせてた
ベガ アルタイル
マーズ
ジュピター
名前もない小さな 星に
名前をつけて名前を呼んだ
瞳の中 いっぱいに
広がっていた宇宙は
まるで 僕の瞳が
望遠鏡になったようで
いくつもの 知らない世界を
見せてくれた
僕の窓辺には 宇宙が広がってて
夜になるとひとりの天体観測がはじまる
本を読めば 活字が 頭の中に 流星群を降らせるよ
でも宇宙は 形のない メビウスの輪 幾重にも 連なる 世界
大熊座
てんびん座
白鳥座
夏の大三角
名前のない小さな 僕だけの星よ
名前を呼ぶよ
目を閉じれば そこに
広がる 僕だけの宇宙
誰にもひとつだけ
自分だけの 宇宙
いくつもの 知らない世界を
見せてくれた
今夜もまた 夜空にのばす 望遠鏡
たくさんの星が 瞬いてる 天体観測の夜
いつか 誰かが
見上げた夜空に
流れた 星ひとつ
遠い旅の途中に
誰かが 観たその星は
何万年前の星かな
時間はゆっくりと
流れて 遅れて 僕らには見えている
不思議だね
ほらまた 新しい星が流れた
瞳の中 いっぱいに
広がっていた宇宙は
まるで 僕の瞳が
望遠鏡になったようで
いくつもの 知らない世界を
見せてくれた
僕の窓辺には 宇宙が広がってて
夜になるとひとりの天体観測がはじまる
今夜は誰にも邪魔させない天体観測の夜。
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忙しさに 忘れてたよ 今日は 君の誕生日
何歳になるのかな
不器用なとこはパパそっくりで
優しいとこはママそっくりだ
忙しさを言い訳にしていたけれど
おもちゃ屋さんのショーウィンドウ
君が 欲しがっていたぬいぐるみ
買って 帰るよ
残業なんて ほっぽりだして
今夜は君のために予定をあけるから
ハッピーバースデー おめでとう
大きくなったね
大人になってもね 誕生日は やって来る
お酒で乾杯して祝おうよ
みんなで 集まってケーキを食べて
懐かしい話に花に咲かせた
恋人が出来たって 君が言った
もう君もそんな歳になったのかって
思うとなんだか 胸の奥が熱くなった
幸せになれよ
毎年のように誕生日が来たら
ケーキとプレゼントを買ったよね
小さなパーティーをしたよね 今日は君の誕生日
おめでとうって 言えるかな
寂しさを 我慢して
白い ドレスを着た
君の 笑顔が
まぶしかった
もう君は 子供じゃない
わかってる わかってるのに
あふれる涙 とめどなく
毎年のように誕生日が来たら
ケーキとプレゼントを買ったよね
小さなパーティーをしたよね 今日は君の誕生日
家族で祝うのは最後の誕生日。
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花のようなほころんだかたち
少しだけ 恥ずかしながら
僕の名前を呼ぶあなたの声が
どこかでまた ひとつ 聞こえた
この出会いは永遠の別れ
積み重ねる 一瞬のひと時は
もう 味わえないんだ
ああ ぱっと広げた
花びらの一つ一つを
紅のような 恋に染めて 恋に染めて
君は幸せだって笑った
だから僕も幸せだと笑った。
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おとぎ話の中にあるようなそんな魔法仕掛けの歌よ
すべての人のハートを 揺らしてみせてよ
もう一度 この世界に笑えますように
リボンを結んだその形は人が手をつないだときの形に似てる
手を離したら リボンがほどかれたときの形に似てる
でもリボンは 見えないところで 誰かと誰かをつないでる
愛してるだとか大好きだとか
わかりやすい 言葉はなくてもいい
ただあなたを まっすぐ思う気持ちだけで
また ひとつに 心を結べるさ
二人の手と手を重ねて 少しずつ
もう一度 リボンを結びなおそうよ
何度も 何度でも ほどけたりしても
絡み合ったりしても いつの間にか
二人の心は ひとつなるよ
ほら まるでリボン結びみたいだね
陽射しの中に 見つけた あなたの笑顔が咲いてる
微笑みのドアを開けて ノックしてるよ
もう一度、君のぬくもりに ふれたい
何度も約束しても 何度も破ってしまう 結んではほどいて
ほどいては 結んで繰り返す それはまるでリボンの形似てる
なんとなく 会いたくて 名前を呼んでみた
あなたの心と 僕の心が重なり合う瞬間
遠く離れた二人の心をひとつに結ぶ
見えない リボンが僕らには見えるよ
わずかな二人の力加減で
ほどけたリボンを結びなおそうよ
力いれすぎて切れないように
優しく ゆっくり 時間をかけて
二人の心は ハートの形を描いて
ほら ほどけない 約束を結んだ
言葉でなら なんとでも言える
それならば どんなふうに愛を伝えようか
迷いながら探してる
かたちのない愛を
二人の手と手を重ねて 少しずつ
もう一度 リボンを結びなおそうよ
何度も 何度でも ほどけたりしても
絡み合ったりしても いつの間にか
二人の心は ひとつなるよ
ほら まるでリボン結びみたいだね。