詩人:どるとる | [投票][編集] |
キャベツの千切りがあるだけで
おかずに ひとしな 加えるだけで
トンカツや コロッケ 揚げ物が美味しくなるよ
今夜も 影の引き立て役
ちょこんと地味に
お皿の端に キャベツの千切り。
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改札を 抜ければいつもの 夜の闇が
ぽっかりと口を開けてる
寂しさは もう 慣れたはずなのになあ
どうして 涙は 流れるのだろう
転びながらじゃないと
うまく歩けない
中央線の ホーム
目を閉じて
誰を思う 何を思う?
それぞれの 痛みをのせて走り出す
電車を 見送ってさよならと手を振るの
ほらね もう雨は止んだ。
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余計な言葉はいらない
ただ悲しいだけ ただうれしいだけ
そんな思いをひとつずつ積み重ねて
思い出と呼んで 宝物にしよう
私を呼ぶ声が聞こえる
その先に 笑顔のあなた
ほら 幸せなら 探さなくても
いつでもここにある
あしたも明後日も
いつでもここにある。
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レールからはみ出して歩き出して
どこへ向かうのか わからないままで
答えばかり求めていた
だけど答えのないこともある
ねえたとえば目を閉じた暗闇の中にも 光はあって
僕が生きるこの世界には 出口なんてないけれど
いつでも 生きている ただそれだけのありふれたことがすべてだ
線路をたどってどこまで行こうか
空は青く 果てまでも広がっている
いつか忘れてしまった思い出が水たまりに映る
ねえ たとえば僕らが生きる今が 無意味だとして
それが僕にとってどんな答えになるのでしょうか
とりあえず 生きている それだけが確かなら何も望まない
いくつもの 言葉
聞き慣れたあのメロディ
置き去りにした
押し花のゆくえ
波にさらわれた
貝殻の かたち
すべてにひとつひとつちゃんと刻まれてる命の名前
ねえたとえば目を閉じた暗闇の中にも 光はあって
僕が生きるこの世界には 出口なんてないけれど
いつでも 生きている ただそれだけのありふれたことがすべてだ
この世界のすべてだ。
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私の手のひらに昨日が映る
陽炎のように朧気な輪郭象る
まぶしい季節は雨の中で花を育てて
明日のいい加減な私を
何も言わずに包み込んだ
ああ 目をそらすな
そこに映る 雨が降るイメージを
それがおまえの死に様だ
私の隅々に行き渡る愛
忘れてしまった 記憶が 押し寄せる
ただ 暑苦しい 季節の 小さな今日の笑顔を
いつまでも覚えているよと君は静かに笑ってみせた
ああ 耳をふさぐな
命を 雨音が 少しずつ削っている
それがすべてのはじまりの終わり
何もかもが 昨日のように思い出していた
あの 蝉しぐれ 嵐の前の静けさの中
吹いていた風の匂いやこの手をつなぐ誰かのぬくもり
ああ 目をそらすな
そこに映る 雨が降るイメージを
それがおまえの死に様だ。
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何もない 空っぽから
ふと 生まれた
小さな 小さな命
笑って 泣いて
たまに 怒って
そうやって築かれた情緒を
積み重ね 折り重ね
なんとなく いつの間にか
ここに咲いていた
名もない花 一輪
回り 回る 巡り 巡る
世界が世界をトレースしていく
そこで続く おかしな劇
とある概念に とらわれた心は
正しいも間違いもなく
そこにある 出来合いのルールに沿って
ありのままの世界を 見てる
境界を飛び越えて
今日から明日へ
ダイブする 意識
イエスとノー
二つの選択肢
どちらを選んでも変わらないよ
間違いながら 躓きながら
なんとなく 知らない間に
空白を埋める
自分なりの答え ひとつ
見方如何で すべてが変わる
何もかも同じようで違う世界
重ね合わせてはじめて見える世界
ひたすらページを追っていく
あらすじを 辿るだけの単調な日々
いつもその向こうを見てる
音と光の 魔法
熱と風の悪戯
僕をかたどるのは
不確かな ものばかりだ
だけどまぶしいくらい輝いている
回り 回る 巡り 巡る
世界が世界をトレースしていく
そこで続く おかしな劇
とある概念に とらわれた心は
正しいも間違いもなく
そこにある 出来合いのルールに沿って
ありのままの世界を 見てる。
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はみ出したままの寂しさが
思い出の中にしまえない
たった一度のさよならさえ言葉に出来ない
裸足になって いっそすべてさらけ出してしまえたらどんなにいいだろう
ただ 笑ったり 泣いたりするだけの
ありふれた 繰り返しを眺めてる
雨のち晴れでまた雨が降る
変わらない 世界をどこかで愛してる
瞼の裏に 広がるイメージ
それはいつか見た景色
スクリーンのようにありのままを映し出す
窓を開ければ 昨日と何ら変わらない世界が少し遠くなる
違いを探そうとするんだけど
むなしい間違い探しに終わるよ
満ちては引いてく波がまた満ちてく
ぼんやりとした幸せに包まれてる
ああ 浅い眠りに
落ちる間際
かすかに見えたちっぽけな光
幸せとは そんな曖昧な 少しのまどろみのかけら
ただ 笑ったり 泣いたりするだけの
ありふれた 繰り返しを眺めてる
雨のち晴れでまた雨が降る
変わらない 世界をどこかで愛してる
いつの間にか長い夜が明けている。
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舞い落ちる花びらに
命の終始を重ねて
燃え盛る夕陽の赤さにその片鱗を垣間見る
動かざるものに息を吹き込む遊戯(あそび)
神への冒涜 それは許されざる行為
楽になれるなら
僕は己の命も
他者の命も
奪ってみせる
花びらに映る
醜さと美しさ
陰陽思想のよう
対成すものと知れ
余韻に似た後味
苦味と甘味
狂気と正気の境
舌を差す雨
陽射しは 濡らす
はみ出した部分を
見えないもの
実体のないものにも
舌はある
感じる心 受け止める心
それだけあればいい
「感覚」だけで
生きている。
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努力が嫌いな人たちは
言うよ 馬鹿のひとつ覚えのように
「そんなの無理に決まってる」
やる前からあきらめて
何もしようとしない人たちが
頑張ってる人たちを鼻で笑って指差す
自分たちが出来ないことをやってる人たちがうらやましくて仕方ないんだね
若さがあればなんだってできる
やる気さえあればこの世界にはやりたいことばかりだ
だけど出来れば何もやりたくない
矛盾してしまうよ
すれ違いの心と体
なんのために生きてるのだろう そんな普遍的なことさえ
わからないなら生きてる意味もないや
とりあえずだらけた日々に寄りかかり楽ができりゃいい
頑張ることがなんだか恥ずかしい
いつの間にか どうでもよくなって 適当な椅子に 座っているんだ
若さなんてくれてやるほどあるのに
老いさらばえた人のそれに似た心
くれと言われりゃいくらでもあげるのに
邪魔くさいんだよ
若さは重荷でしかない
「やる気さえあれば出来ないことなどない」
聞き飽きたきれいごとがうざったくて
僕は耳をふさいだ
若さがあればなんだってできる
やる気さえあればこの世界にはやりたいことばかりだ
だけど出来れば何もやりたくない
矛盾してしまうよ
すれ違いの心と体。
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窓の外 気がつけばいつの間にか日は暮れて
誰もがみんな さよならを言い交わして
いつものように また明日ねって 手を振るだろう
誰もが 持っている
寂しさや 切なさが
夕焼け空に にじんでる
今日も涙を知って
またひとつ
人生の階段をのぼる
涙をぬぐった
ハンカチが
濡れて 光ってる
それは あなたが
強い人のあかしだよ
涙色のハンカチ
誰かがぽつりつぶやいた 明日は晴れるかな
本当の気持ちは 言葉にしないほうがいい
嘘でもいいから 笑って言ってよ
雲ひとつない青い空
石ころ蹴飛ばし歩いた河川敷
川の流れを 眺めてた
今日も 明日も いい日だよ
今日 泣いたら
泣いたぶんだけ
明日は 今日より笑おうね
今日の涙は 明日の僕を
もう少し強くしてくれる
ささやかな魔法です
何か 悲しいことがあって
背中丸めてる
君に かける言葉が見つからないや
そんな 時には 慰めなんて
なんの役にも立たないことを知ってる
それでもあなたが早く笑えるように
僕は あなたの 誰より近くで
いつでも 涙を拭えるように
ハンカチの代わりになるね
今日も涙を知って
またひとつ
人生の階段をのぼる
涙をぬぐった
ハンカチが
濡れて 光ってる
それは あなたが
強い人のあかしだよ
涙色のハンカチ。