詩人:どるとる | [投票][編集] |
利き手でめくった新しい季節のページ
踏み出した途端に広がった世界が
瞳の中に空を描いて青く染めた
物語は まだ 始まってもいない
何ひとつ 大したことは起きてない
少し傷ついただけで人生を悟らないで
物語は これから 始まってゆくんだ
まだ歩き出してからそれ程経ってない
本当の悲しみも本当の幸せもこれからだ
まばたきするたびに景色が変わってく
さっきまでの世界はもう何処にもない
心の中に地図を広げて 宛もなく旅立つ
物語は 気づいたら 始まっている
スタートラインなんて 用意されてない
少し苦労を知ったくらいで偉そうにしないで
物語は いくらでも 始まっては終わるんだ
ほらまた ドアの外で君を物語が呼んでる
本当の希望も本当の絶望もこれからだ
ありふれた 事柄を ひとつひとつ
余すことなく思い出にしていって
やがて 振り返るその瞳に映る世界が
昨日より 今日より大切になって
それはすぐにきれいな涙になる
物語は まだ 始まってもいない
何ひとつ 大したことは起きてない
少し傷ついただけで人生を悟らないで
物語は これから 始まってゆくんだ
まだ歩き出してからそれ程経ってない
本当の悲しみも本当の幸せもこれからだ
本当の希望も本当の絶望もこれからだ
何もかも これからだ。
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正しさって なんでだろう
間違ってることはなんだろう
わからないまま 大人になったよ
いろんな 餌を啄みながら
いろんな 駅を経由しながら
僕は 僕自身が生きやすい生き方を探す
誰かの為というより
何より自分の為に
もうすぐ 誰かが
みんな 正しいって言う
駅に 着くけれど
僕には それが
どうも間違いにしか思えなくて
だから、途中で降りたんだ
正しいわけでもなく
間違ってるわけでもない
正しさと間違いの真ん中に立って
どちらの味方もしないで
正しいこと
間違ってること
見極めている
愛ってなんだろう
愛って呼べるものはなんだろう
似て非なるもの
対をなすもの
向き合う二つの 世界を
重ね合わせたり
積み重ねたり
僕は 僕の思いでもって 世界を見てる
時々他人の為に
時々 自分勝手に
気づけば 乗り過ごしていた
降りるはずの駅はとうに過ぎて
眠りこけている間にだいぶ時が経った
絶対的な正しさとか間違いとかないよ
誰かがそうだと決めつけているだけで
誰が悪いわけでもなく
かといって正しいわけでもなく
光と影の真ん中に立って
世界を見つめれば
正しいこと
間違ってることが
だんだん見えてくる
だんだんわかってくる
うろ覚えの昨日の記憶
そんなもんさ
正しさなんて 今と昔じゃ
そんな大して変わらない
だから考えるだけ無駄ってもの
間違いは いつも
正しさの 足元に
生まれる影
でもどちらが 正しいのかは誰も知らない
もうすぐ 誰かが
みんな 正しいって言う
駅に 着くけれど
僕には それが
どうも間違いにしか思えなくて
だから、途中で降りたんだ
正しいわけでもなく
間違ってるわけでもない
正しさと間違いの真ん中に立って
どちらの味方もしないで
正しいこと
間違ってること
見極めている
そして選んだその答えがあなたの正しさだ。
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僕はここにいるって
叫んだ途端に透明になって
もう何処にいるんだかわからない
アイデンティティとか
マイノリティとか
考えるべき議題はいくつもあるのに
僕は 苛立ちを
抑えきれずに
この街の喧騒にのみ込まれた
優しい言葉なんて聞きたくなくて耳をふさいだ
微笑ましい光景なんて見たくなくて目を閉じた
始まりから終わりまで 僕のこの譲れない思いは紛うことのないアイロニー
呼吸なんて存在の証にはならないことを 知ってる
僕らは確かめようもないあやふやな存在です
「命がどれだけ大事で」とか
「平和」の維持とか
守るべきものはいくらでもあるのに
僕は 口を開けば
誰かの悪口や文句で愛を口汚く罵る
同情されるくらいなら完膚なきまでに叩きのめされたい
安請け合いでわかった振りされるくらいなら否定されたい
お皿の端に さり気なく 避けられたピーマンやニンジンのような存在でいい
浅い眠りから覚めた僕は
また 性懲りもなく探してた
生きる意味とか理由とか
なんでも結論づけないと
どうにも 落ち着かない性分なんだ
可笑しいだろう?
優しい言葉なんて聞きたくなくて耳をふさいだ
微笑ましい光景なんて見たくなくて目を閉じた
始まりから終わりまで 僕のこの譲れない思いは紛うことのないアイロニー
でもその思いは なんてきれいに 輝いて見えるんだろう
どうして 僕はそれを 捨てれないんだろう。
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静けさの中に ふっと生まれた 子供の笑い声
夏は そっと 気づかぬあいだに 胸の隙間に忍び込んで
蝉しぐれが 降り止まない
五月雨が残した 水たまりよけて
勢いよく飛び越えて
アスファルトを焼く陽射しの中へ
それは まるで それは まるで
ラムネの中に 閉じこめられたビー玉
光にかざして 覗き込めば見える
七色の世界
ほら きれいでしょ
そんな夏の思い出
窓に映って 消えた
それはそうだなあちょうど瞼の裏の景色
目を閉じてもまだ明るいくらいの たまにしか見えない幻
かげろうが 揺れているよ
田畑の細道を 風が吹き抜けてく
言葉はいりません
ただ わき上がる感情にうなずくだけ
それは まるで それは まるで
瓶を逆さにしても 落ちないビー玉
苦労してやっと取り出したのに
いつの間にか
なくしてしまった
大切なはずの気持ち
それはもう
帰れない場所
無邪気に 笑う
あの頃の僕には
二度と出会えない
痛いほど
苦しいほど
知っているから
それは まるで それは まるで
ラムネの中に 閉じこめられたビー玉
光にかざして 覗き込めば見える
七色の世界
ほら きれいでしょ
そんな夏の思い出
窓に映って 消えた。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
目と目を合わせて
声と声をつなげて
会話を楽しむなら
頭じゃなくって
心でコミュニケーション
機械ではなくて
血も涙もある人間だ
笑ったり 泣いたり
怒ったりもするよ
間違えることもありゃ
いいことをしたりもする
要は考えようさ
この世界の捉え方は
ひとつじゃない
それじゃ足らない
だからユーモラスなおふざけが必要です
手と手を 合わせて
言葉と言葉で伝えて
空っぽの頭で
なるべく馬鹿になって
心でコミュニケーション
学ぶためじゃなくて
たとえば 楽しむためにする会話
すべてを分かり合えるとは
ハナから思っちゃいません
ちょっとだけ距離はできるけど
そんな距離なんていつの間にかなくなってる
つまりは 考え方次第さ
台本もないからすべてアドリブだ
でも難しくないよ
腹のうちを探るためとかじゃなく純粋に楽しみな
点取りゲームじゃないんだこの世界は
だから、知識をひけらかしたりするのも滑稽だよ
無知なほうが 楽しい会話ができる
笑ったり 泣いたり
怒ったりもするよ
間違えることもありゃ
いいことをしたりもする
要は考えようさ
この世界の捉え方は
ひとつじゃない
それじゃ足らない
だからユーモラスなおふざけが必要です。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
思いつきの言葉は
いつも 曖昧 あやふやで
脈絡のない 会話で頭を悩ます
何を言いたいのかもいまいちわからない
夏の暑さの中で
目を回してる
軽いめまいの中に
音を立てて落ちた
君の声
まだ遠い 雷雲
避雷針を立てろ
ここにおいで
ここにおいで
溶け出した バニラアイス
スプーンで舌に運べば冷やかな舌触り
飲み干したジンジャーエール
果てしなく話は 彼方へそれていく
蝉しぐれの雨が
あたりの音をかき消す
大事な言葉さえも
うまく聞こえない
君の声
目を閉じて
たったひとつの音に
耳をすます
耳をすます
思いつきの言葉は
いつも 曖昧 あやふやで
脈絡のない 会話で頭を悩ます
何を言いたいのかもいまいちわからない
だから 僕は
とりあえず
会話を続ける
この夏の終わりまで
終わらないコミニケート
闇に一瞬 燈りが 灯った気がした
そのかすかな灯りの中で僕はほのかな
恋の結び目 ほどくよ
愛してる
愛してる
君だけを。
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迷い込んでしまう わがままな宇宙に広げた
自分だけの箱庭
幸せは 確かにそこにあった
孤独と引きかえにして手に入れた
悲しい自由のように
誰かの書いたあらすじ
行き場のない憧れ
背もたれのない椅子
不安が 空虚を満たす
回り続ける 錆び付いた 歯車
軋みながら この世界の時を刻む
気まぐれな風に 吹かれながら
それでも 闇の中で光を探した
明日のその先を追いかけながら 宇宙の闇に 眼差しを投げた
争いは 世界の終わりまで続き
ついに僕らは 道しるべを失った
正しさなんてまやかしなんだ
宛先のない手紙
全員に向けられた殺意
ふいに訪れる 夕闇
雨の気配を 連れて
すべての人の悲しみを歯車は
歌うように 口ずさみながら時を刻む
それをただ バラードと呼んでしまうには
それはあまりに 安易だろう
それでも 希望は 確かに あるのです
誰かの生と死を
なんの感情もなく
見送る この心や
この体は
もう麻痺してしまって
いちいち 痛いとか
苦しいとか 忘れたがってる
だから もう何も聞きたくない
何も見たくない
目と耳をふさいだ
その途端、世界は死んだよ
回り続ける 錆び付いた 歯車
軋みながら この世界の時を刻む
気まぐれな風に 吹かれながら
それでも 闇の中で光を探した
入り口もない世界で出口を探した
せめてもの愛を探した。
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大した ことはないさ
少しだけ つまずいただけだ
僕なんかよりずっと 苦しんでる人なら
世界を見渡してみりゃいくらだっているはずだ
なのにどうしてだろう僕は僕の世界しか見えない
通り過ぎた雨の 足跡がまだ
この胸の中に 刻みつけられているから
いつもの夜が いつものように
ただ過ぎ去ってゆくだけの ことなのに
どうしてなんだろう
今日はやけに 涙もろい
街の明かりが 僕に ささやくんです
もう 無理するのは やめないかって
優しげに 笑いかけるから まだ色もないこの気持ちは 容易く蒼く染まってしまう
放っておいてくれよ
そのうち この雨は降り止むだろうから
人生に立ち止まるとき 決まって僕らは
多くの場合 死を選ぼうとするけれど
なのにどうしてだろう命が尊くてとてもじゃないが手放せない
終電の窓の外に映る景色
どこまでも広がる闇と小さな家の明かり
こんな僕のことなんて放っておけばいいのに
おせっかいな人はどこにもいるもので
どっかの誰かさんのせいで 孤独になれやしない
どうしてって聞いたら
当たり前に言うんです
「あなたが好きだから」
それを 聞いた僕はいつも 返事に困ってしまうんです
まるでつまらないバラードのようで
恥ずかしいやら たまらないやら
胸の中が 切なくって 熱くって
君が いつもより まぶしく 見えたりしてしまう
いつもの夜が いつものように
ただ過ぎ去ってゆくだけの ことなのに
どうしてなんだろう
今日はやけに 涙もろい
街の明かりが 僕に ささやくんです
もう 無理するのは やめないかって
優しげに 笑いかけるから まだ色もないこの気持ちは 容易く蒼く染まってしまう
染まったそばから君は いとも容易くその寂しさを紛らわせてしまう
だから僕は当分簡単には死ねない。
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こうして目を閉じると
いろんなことが瞼の裏に映る
泣いたことや笑ったことまで
ほんのささやかな思い出の日々が
僕の歩いてきた道のりに刻まれてる
多分 歳をとっても今と何も変わらないよ
頭も悪くて 不器用で 短足で
短所を上げればきりがないほどだけど
君が好きなこの気持ちだけは 百年後も同じ色だ
君が好きなことに これといった理由なんて ないよ
格好つくようなことは言えないけど
たとえば 百歳になっても今と変わらずに
愛してるなんて 恥ずかしげもなく
言える二人でいたい
約束しよう
永遠に愛してる
まじまじと考えてみりゃ ささいなことほど大切だったりするよ
生まれてから 死んでゆくあいだの
わずかな時間の中で 一番長い時間
一緒にいる人だから大切にしたい
うまく言葉じゃ伝えきれないけど
歳をとるたび無口になる 気難しくなる
ごめんなさいも言えない僕だけど
素直な気持ちをさらけ出せば 感謝でいっぱいなんだよ
今は今の愛し方 百年後は百年後の愛し方
肝心なことは わきまえているつもりさ
いつか この心の中にしまったままの
思いを言葉にして
君に届けたいんだ
愛してくれてありがとう
僕を選んでくれて
ありがとう
永遠に愛している。