詩人:どるとる | [投票][編集] |
この世界で 誰よりも幸せになってほしいと思う人がいる
だけど僕にはその人を幸せにすることは出来ないんです
大好きな 人が 大好きな人は僕じゃない から
君を幸せに出来るのはその人だけなのに
君が大好きな人は 君じゃない人が大好きだ
君は 報われない 恋をしたんだね
それでも 君は笑って 大好きなままでいると言った
君は僕を好きになってはくれないけど
君のこと 好きなままでもいいかな
互いに届かない思いを 抱えたままで
僕らはけっして 叶うことのない恋をした
たとえばこんな気持ちを愛と呼ぶなら
間違ったことなんて何ひとつないんだ
僕も誰かを好きになって たくさんの恋をしているけど
どんなふうに 好きな人に思いを伝えようかまだわからない
恋をしている それだけで満足してしまうのは
一歩踏み出すことがとてつもなく怖いから
愛してるとか大好きとか多分それだけじゃない
伝えたいことはもっと他にあるはずだ
叶わない恋でも届けた気持ちの数だけ
僕は ひとつまたひとつ 大人になっていく
やがて 僕の気持ちを受け止めてくれた人に
はじめて恋をした人にあげられなかった幸せを
たくさん 届けられたらいいなあって思う
僕らは 何度でも恋をするし恋にやぶれる
たとえば誰にも届かずに残された思いも愛と呼ぶなら
きっとそれも間違いじゃない
いつか 僕がおじいさんになっても
変わらず 同じ気持ちで好きと言えたなら
そんな恋が出来たならいいなあ
迷いもなく愛と呼べるくらい
誰かを 好きになりたいな。
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狭い路地裏 二階建てのアパート
むさ苦しい 連中の真夏の夜
渦を巻く蚊取り線香と
麻雀牌を かき混ぜて
ビール片手に 女の話
ビルばかりの東京にも
ささやかながら
幸せはあるらしく
これくらいの
四畳半の暮らしが
ちょうどいい
親の不安をよそに
僕は 仕事を
辞めたけど
しばらく 貯金をくずしてビールを飲んで
その日暮らしの毎日です。
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まばたきの数秒が
ひどく 勿体なくて
でっぱなしの水道みたい
アセチレンの匂いと
下水道の匂いが
思い出だなんて
ばかばかしいね
煮え切らなくて
もどかしい
どこまでも続く道
その向こうの街
薄すぎる財布と
やたら 高い家賃
割に合わぬ現状
借金の催促と
止まったままの電気
広がる箱庭には
夢は欠片さえもない
ただ広々とした
孤独が 今日も亭主の帰りを待っている
ここは夢の惑星
引き返す道はない。
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僕は何も多分知らない
悲しいこともうれしいことも
誰かの痛みまでは見えない
目を閉じてしまえば
笑っているのか
泣いているのか
それさえ疑わしい
どうして 僕らは
誰かの為に
生きようとしても
せいぜい 出来るのは
ほんのささやかなこと
愛を目の前にしたらあまりに 僕らはちっぽけだ
目も耳も 本当の声や 光に 気づけないようじゃ
何の意味もない
ああ この心の中に生まれた 悲しみひとつ片づけられず
積み重なるばかりの涙を 数えては
過ぎていく日々に 流されてゆく
僕は形も色もない
ためらいも迷いも
捨てられずに すぐにしゃがみこむ
音も光もない世界に
咲いた虹の花
雨上がりに
とても似合っている
答えなんてないし
わからないことばかりだ
だから 時には
道に迷って 途方に暮れる
重ならないはずの音と光が重なり合って
暗闇に朝と夜を描いた
短い針と長い針が 奏でる 規則正しい旋律
ないものはなく あるものはある 世界の中でも
光は光で 音は音で
その片鱗を 僕の耳や目に届ける
だから ここにあるさ
目には映らない世界
耳には聞こえない世界
それはすべて 同じ世界
目も耳も 本当の声や 光に 気づけないようじゃ
何の意味もない
ああ この心の中に生まれた 悲しみひとつ片づけられず
積み重なるばかりの涙を 数えては
過ぎていく日々に 流されてゆく
まっさらな明日の
空に 今日を描いてる
真っ白な 明日の
空に 命を描いてる。
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気づかなかった自分の弱さを 知ったことで
今まで 気づけなかったことに 気づきました
きっと平和が何よりとかそんな大げさなことではなく
もっと身近な ありふれた毎日の片隅にある
愛や人の心の内側にあるであろう
ひそやかな 誰かが誰かを思うような
そんな名前のない気持ちに気を配ろう
ふいに開いた 手のひらに 咲いたのは
隠し続けてた僕の傷跡だ
傷跡が開けば血が流れる
でも 心に 負った傷跡からは
涙が 花のように零れるんだ
僕もこんなふうに泣くことがあるんだってわかったら
そんな僕を案外すんなり受け入れられた気がする
強がっていたときの僕は弱さをさらけ出していたね
優しさが 身にしみてわかるのは強がりを捨てたときだよ
ほら 素直になって向き合ったら
独りじゃないってわかる
ほんのささやかな 気持ちの通い合い
言葉にしなくてもちゃんと届くはず
君に見せたいって 無防備になってみたら
君は何も言わずに 僕を抱きしめた
傷跡は 時間が経てばふさがる
でも心に 負った傷跡はけして
どれだけの時間が経ってもふさがらない
愛なんて多分 一生わからない
決まりきった形や色のないものに
唯一なんてないから
だからこそ この名前のない気持ちは
時に 愛になって 言い訳にもなって
そして優しさになって 涙になって
僕の心の一番奥で
かけがえのないものになる
ふいに開いた 手のひらに 咲いたのは
隠し続けてた僕の傷跡だ
傷跡が開けば血が流れる
でも 心に 負った傷跡からは
涙が 花のように零れるんだ。
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風の残した足跡を
追いかけて 旅に出る
ページの先を目で追いかけてたら
いつの間にか見失ってしまったあらすじ
めくる ページの先
続いていく不順なストーリー
こちらの 予想を裏切って
枝分かれして
想像のはるか
先を行く
そしてまた始まるストーリー
風の行方は ページの彼方に消えて
そこからは 誰も知らないアナザーワールド
雲の影を 指でなぞり
輪郭を縁取れば 或いは
正しさってあやふやな
ものにも答えが見えるかな
いつの間にか
曖昧になった概念
夜明けに降る星
まだ描かれたばかりの世界
いくらだって僕らは不意を突かれて
裏をかかれて
何度だって
気付かされる
そしてまた 花を咲かす世界
探し物はページの彼方にあって
心は 惹きつけられていく アナザーワールド
誰かが おもむろに
つぶやく 世界は
踏み出した その一歩で
広がってゆく
見え方はひとつ
でも
捉え方は 限りなくあるって
だから僕は 騙されたって思うことにした
この夢の続きを見るために
めくる ページの先
続いていく不順なストーリー
こちらの 予想を裏切って
枝分かれして
想像のはるか
先を行く
そしてまた始まるストーリー
風の行方は ページの彼方に消えて
そこからは 誰も知らないアナザーワールド。
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短編映画の中に
沈み込んだまま
意識だけ 目覚めて
心は 瞳の中に
浮かぶ世界を眺めてる
いくつかの罪と
いくつかの罰を
指折り数えた日々は
もうとうに過ぎ去り
もうあんなに遠く
空想小説の向こう
活字は星になって
夢をかたどる あらすじが
僕らを呼んでる
あとは目の前の扉を開けるだけ
短編映画の中に
沈み込んだまま
意識だけ 目覚めて
心は瞳の中に
浮かぶ世界を眺めてる
昨日が残した足跡を
追いかけていけば
たどり着くだろう
その場所は
いつか夢に見た未来
それは まぶたの裏のスクリーン
そっと 思い出を映し出す
笑いと涙の 茶番劇
観客は一人もいない
役者も一人もいない
アングルは同じ
位置をキープする
空想リテラシー。
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時という鳥かごの中に世界はあって
僕らはさしずめ監禁された花 一輪
ネジを回して 動き出す世界が
夜明けを連れて 街並みに光を届ける
また いくつかの迷いが 誰かを悩ませて
それでも 望んだ結末を知りたがる
そして 僕らは また同じ場所に 咲く
月は朧に 影は去り行き
なんて 言葉で その場をやり過ごし
宛もなく雑踏の中へ消えていく
花 一輪。
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僕らには 居場所なんてない
だから 容易く孤独になってしまう
いくつもの扉を開けても
いくつもの坂を上がっても
或いは下っても
扉の向こうはいつも明日
雨のち晴れを繰り返すだけ
続いていく
悲しみも 喜びも
たくさんの
思い出を 抱えたまま流れていく
逆らうことなんて
出来やしない
僕らには 形や色なんてない
だから 命は 輪郭さえぼやけてる
この 名前のない痛みは
死ぬまで 僕を離さない
せめて 報われないなら
もう 這い上がれないくらい沈みたいよ
さびしさという街まで。
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ねえ お母さん 僕は今まであなたに
たくさん迷惑かけてきたけど
本当は 感謝でいっぱいなんだよ
気づいてないのは気づかれないように
照れ隠しや意地っ張りで 隠してるから
恥ずかしいんだ あなたに
愛されていることをこんなに
幸せだと 思ってることが
気づかれてしまうのが
本当は そんなこと恥ずかしがる必要なんてない筈なのに
多分あなたが生きてる間には
言えそうもない この気持ち
ありがとうとか 愛してるとか
とんでもない とても言えない
だけど 時々あなたの愛を 感じたとき
僕は その場では 素直になれなくても
あとでこっそり 泣いてたりするんだよ
だから わざと聞こえないくらいの声で言うんだ
ありがとう
あなたの為に僕は何をすればいいかな
そう聞いたらあなたならこう言うね
何もしなくていいから好きに生きなさい
望んでることがあればわかりやすいのに
あなたはきまってそれ以上言わない
恥ずかしいんだ あなたに
そう言わせてしまう僕が
あまりに 無力であまりに非力で
頼られないことがたまらなくって
僕は僕が嫌いになった
でもそれは大きな間違いでした
あなたは何も望んでない訳じゃなく
僕の幸せを何より望んでいること
あなたの目を見ればわかるんだ
たとえば遠い昔 父に叱られた僕を
抱きしめてくれたあのぬくもりは
紛れもなく愛だったことに気づいたら
僕は あなたの子供であることを幸せに思う
あなたにもらった優しさの数だけ
たくさんのありがとうがある
感謝をしてもしきれないほどなのに
感謝をしても感謝をしても
きっとあなたの愛には 到底及ばない。