詩人:どるとる | [投票][編集] |
涙は 誰かが
運んでくるものじゃなくて
いつの間にか
このほほを流れる河
うれしかったときや
悲しかったとき
このほほに降る 雨
どうして だろうか
自分のことじゃなくても
誰かの痛みが
伝わって この胸の中に
あなたの涙が
運ばれて 僕の涙になる
生きることは 楽しいことばかりじゃないから
時には 辛くて たまらない 時もあるよ
命が 重荷にしか思えない時もあるよ
だけど あなたの涙が教えてくれる
死ぬより辛いことはない
だから僕は生きることを選ぶ
そして今生きている
生きることが必ずしも
正しいとは言わないし
言えないんだ
僕には何が出来るだろう
生まれてくる人と
死んでしまう人
すれ違うように命は
違う場所に 行く
生きていることの意味や
理由なんてきっとなんでもよくて
生きることや生きてることを
心から 楽しめる理由があればいい
生きることを 誰もが望んでるわけじゃないから
あなたが死にたいというのならそれを
咎めるすべを僕は持たないけれど
死ぬということは思うより
悲しい選択だということをあなたはまだ知らない
人の心のなかに悲しみを残すのは
残された大切な人の心を傷つけること
あなたが 生きてることで誰かが 笑うならばいい
でもあなたが 死ぬことで誰かを泣かせてはいけない
生きることは 楽しいことばかりじゃないから
時には 辛くて たまらない 時もあるよ
命が 重荷にしか思えない時もあるよ
だけど あなたの涙が教えてくれる
死ぬより辛いことはない
だから僕は生きることを選ぶ
そして今生きている
明日から生きてゆく。
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夕暮れを追い越して
夕闇に包まれた道
河原の向こう電車が通り過ぎる
今日もまた一日が
終わってゆく
それは流れるように
あるいは
流されるように
誰かの寂しさだったり
悲しさだったり
逃げ場をなくした気持ちが 見えるようで
目を閉じて
耳をふさいでた
何も 見たくなくて
何も 聞きたくなくて
世界から 逃げていたのは僕のほうだった
僕のほうだったよ
影法師 2つ並べて
手をつないで帰る
つながれてると安心するんだ
温もりが 灯れば
優しさが
そっと広がってゆく
まるで波紋のように
言葉にならない思いや
誰にも打ち明けられない傷跡が ところ狭しと
見えないふりしても
聞こえないふりしても
世界はそこにあって
消える筈もなくて
明日も 夜は明けて 世界に朝が 来る
朝が来るんだよ
ページの向こうへ
物語は 足早に
進んでいって
遠ざかるほどに
もう取り戻せない
いくつもの 何かを
残してく 僕はそれを知っている筈なのに
手を伸ばすことさえ恐れている
目を閉じて
耳をふさいでた
何も 見たくなくて
何も 聞きたくなくて
世界から 逃げていたのは僕のほうだった
僕のほうだったよ。
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相対性理論で 世界を眺めれば
きっと世界には 見えないものなんかなくて
僕らの信じる 世界なんか 鼻で笑われてしまうだろう
誰かと誰かの命を量りにかけて
どちらがどれだけ重いかを
軽量したって 答えは出ない
そこには 計算なんて 存在しないから
か弱い愛は 今日も
ひとつの定義に縛られて
狭い世界に 閉じこめられて
誰かが 謳う保証なき「正義」のせいで
息苦しさに喘いでる
僕らはその声に耳をすませるべきだ。
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僕は 君の幸せを心から願うけど
君は僕のそんな願いを受け入れてくれるかな
押しつけるように
背負わせていやしないかな 勝手な親の期待を
駄目なとこなんて
数えきれないほどだ
いいとこなんて
ひとつ あるか ないかだよ
でも 精一杯 君の為に親を やってるよ
たまには 親だということを忘れて
ひとりの人になって君のしでかした間違いに びんたをする
たまには 大人だということを忘れて
子供のように泣きじゃくり情けない姿を見せるかもしれない
それでも 僕が親で良かったと
君が 笑ってくれるような親であれたなら
それは僕にとって 一生の宝になる
僕は 正しいことだけを教えたいけど
正しさってどんな事か今もわからないよ
きれいごとだけなら
なんとでもごまかせる そんないい加減さを責められるのが恐くて
怒鳴り散らしては
君を 否定した
でもそれは 正しいか間違いかでいえば
明らかに間違いだったよ
何を忘れても 変わらない
君は僕の子供で 僕は君の親で それだけはずっと 変わらない
親の僕が 子の君に教えられることもある
正しいはずの大人も時には 間違えてしまう 僕は間違いだらけだ
それでも 君は 僕を 愛してくれるから
その愛に誓って僕はけして君を裏切らない
僕は君にとって死ぬまでずっと親だから
たまには 親だということを忘れて
ひとりの人になって君のしでかした間違いに びんたをする
たまには 大人だということを忘れて
子供のように泣きじゃくり情けない姿を見せるかもしれない
それでも 僕が親で良かったと
君が 笑ってくれるような親であれたなら
それは僕にとって 一生の宝になる。
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悲しいときは 目を閉じて
打ち寄せる心の 波のリズムに合わせて
降り止まない雨の中で 大切な人を思う
笑わないと壊れてしまいそうだから強がっていたよ
優しすぎて 自分を叱ることなんて出来ずに
いつでも 居心地のいい場所で笑っていたくて
でもそれは 弱さだと知ったとき
僕の心は 僕を置いて旅に出た
置き去りにされたように残された僕は
泣きながら 少しずつ
強くなることを知ったんだ
とめどなく
あふれる涙を
指先で なぞる
ここにあったんだね
本当の強さは
やっとスタートラインに立てた気がする
涙を流すことをどこかで 恥ずかしがってた
本当は 涙を流さないことのほうが恥ずかしいことなのに
ねえ 心は 今
どこにあるのだろう
あの日 なくした 優しい気持ちで
もう一度、笑いたいよ
今なら 素直に 泣くことも出来るから
優しすぎて 自分を叱ることなんて出来ずに
いつでも 居心地のいい場所で笑っていたくて
でもそれは 弱さだと知ったとき
僕の心は 僕を置いて旅に出た
置き去りにされたように残された僕は
泣きながら 少しずつ
強くなることを知ったんだ
いつまでも 帰らない心 センチメンタルジャーニー
時だけが 立ち止まる僕を追い越して行くよ。
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強くなんてなくて
たくましくもない
だから 雨に
降られている
雨を受け流す為の
傘さえもなくて
雨宿りする為の
屋根もない世界だ
だから誰かのくれる優しさが
傘になって 屋根になって
僕の悲しみを 代わりに受け流してくれる
どしゃ降りの中でも
笑っていられるように
君という傘の中に
僕も 入れてください
僕という 傘の中に
君を 入れてあげるから
人生は お互い様で
相合い傘のように
かばったり
かばわれたりしながら
気の遠くなるような長い 長い 道のりを
笑いながら 泣きながら生きていくのです
僕ひとりきりじゃ
何も出来ないよ
だから 誰かに
助けられている
自分ひとりで生きてる気になって
生きてるような人は誰かの支えに気づかないだけだよ
だから 誰かの くれる優しさに
ありがとうってたまには言ってみる
でもなかなか素直になれないのが本音さ
雨を止ませることが出来ないならせめて
雨を受け流す為の少しの悪あがきをしよう
悲しみは 絶えず 降り続く雨のように
すべての人に涙を届けるから
助けたり 助けられたりしながら
心から愛する誰かと相合い傘でもするように
ひとつの傘を二人で分け合ってゆくのです
居もしない競争相手に追い越されて
ありもしない弱さを見せつけられて
ふさぎ込む時 陽射しになってくれるのは
きまって自分じゃない誰かの存在だ
ほらね 雨降りの日でも心の空に 昇る太陽
どしゃ降りの中でも
笑っていられるように
君という傘の中に
僕も 入れてください
僕という 傘の中に
君を 入れてあげるから
人生は お互い様で
相合い傘のように
かばったり
かばわれたりしながら
気の遠くなるような長い 長い 道のりを
笑いながら 泣きながら生きていくのです。
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あらすじは いつも
レールからはみ出して
それていく 遥か彼方へ
結末を 急ぎすぎた天才が
たどり着いたその場所は
脳内より少し 手前
浮ついた ビートで
かき混ぜて
私の イカれた平行世界を
所詮、目指すはアイランド
きらめくような銀世界
忘れないでね
いつか 手放した涙を
たとえば
風を束ねた花束を
空席に いつも
影が 座っている
埋めていく 空欄の箱
隙間なく 感嘆のため息で
満たされた その場所は
幸せより寧ろ うつろ
厳つい フォルムで
圧倒させて
平和を 夢だと気付かせて
張りぼての砦 アイランド
アルキメデスの蜃気楼
忘れないでね
いつか産み落とした卵を
たとえば
自ら望んだ永遠を
やがて すべては
点と線で結ばれて
シナリオとシナリオがつながってゆく
そこには感情なんてない
ただ誰かの膨大なイメージが紙面にふきこぼれてる
でもそれが何より
リビドーみたいな
快感をくれるの
痛みさえもリアルなここは理想郷
浮ついた ビートで
かき混ぜて
私の イカれた平行世界を
所詮、目指すはアイランド
きらめくような銀世界
忘れないでね
いつか 手放した涙を
たとえば
風を束ねた花束を。
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言葉は多分何もいらないんだ
生態系を閉じ込めた球体が
いくつもの命を抱きかかえ闇に 浮かぶ
それがすべてと誰かが世界と呼んだ
悲しいことのすべてが
いつか嘘だと気づくのなら
積み重ねた思い出までも
いつか 夢だと気づくのか
そして僕らは少し遠い旅に出る
取っ手のない ドアを開けたらもう
引き返せない 片道だけの旅のはじまり
あらすじの先にインクを垂らせば
そこからは新しい旅の序章
幕が開くように踏み出した途端 描かれる
その時気づいた誰かが僕を僕と呼んだ
愛しい すべての人と
いつか さよならするのなら
つないだ手のぬくもりさえも
いつか 跡形もなく消えるのか
そして僕らは 今度は忘れるために生きる
でも 忘れようとしても忘れられない
忘れるにはあまりにもたくさんの思い出
悲しいことのすべてが
いつか嘘だと気づくのなら
積み重ねた思い出までも
いつか 夢だと気づくのか
そして僕らは少し遠い旅に出る
取っ手のない ドアを開けたらもう
引き返せない 片道だけの旅のはじまり。
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目を放すとすぐに見失ってしまいそうな光
手を放すとすぐに迷子になってしまいそうな心
人を愛する気持ちだったり
人を 思いやる気持ちだったり
ありふれた ことでつながってる僕らは
時々 調子に乗って
大切なものを 忘れてしまうんだ
それは たとえば夜明けの空に 描く 太陽
まっさらなノートの片隅に記されたあらすじにないストーリー
思いもしないようなことがきっかけで
まだ知らない明日へと僕らを連れて行くだろう
ほらドアの向こうへと物語は 続いてる
捨ててしまうにはあまりに もったいない光
まだ 半分も読んでない本の結末を知りたい心
人に 愛されたい
まだまだ愛したい
人を 思いやりたい
思われたい
くだらない筋書きで満たされてしまう僕らは
単純な 頭の持ち主で
だから迷うときも 命がけさ
それはまるで 沈み行く太陽が 流す涙
傘にはじけて アスファルトの上で ダンスをしてる雨粒
交わされた約束と 待ち望んだ明日
不用意なシナリオと 出来損ないの世界の台本
破り捨てたら そこからはレールから外れた旅
つまらない予定調和を裏切って
僕は 僕の 道を行く
傷つかない旅などくだらない
悲しみのない旅なら意味はない
つかの間に手にする幸せなどささやかでいい
たとえば 今にも消えそうな あのトワイライトのような
それは たとえば夜明けの空に 描く 太陽
まっさらなノートの片隅に記されたあらすじにないストーリー
思いもしないようなことがきっかけで
まだ知らない明日へと僕らを連れて行くだろう。
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蝉しぐれの雨の中
僕は空っぽのまま
ふと見上げる空の向こう 光を探してた
変わらない街並みの
変わらない風や匂い
少しずつ変わってく時の流れに少しだけ切なさ滲んで
ミンミンと鳴いている
蝉の声はまるで
ほんのひとときだけの儚い命を精いっぱい謳うように
夏の青い空の中でもほらね 少しも色あせることなく あちこちから聞こえます
幻のような 泡沫の夏休み
誰かの影揺れて 鼻緒切れて しゃがみ込む 背中に聞こえる花火の音
目には映らず形のない 夏が今 笑いました。