詩人:どるとる | [投票][編集] |
言葉は いらないよ
何の役にも立たない
寂しさに 包まれたら
言葉は 出てこない
悲しみは 雨になって
明日を 何処までも
遠ざけてく
真っ暗闇の 向こう近づく朝を 待って
睨みつけてる空は
一筋縄じゃいかない今を抱き抱えてる
だから、余計な心配はいらないよ
冷たくあしらっておくれ
寂しさに耐えきれぬ夜は
涙の海に溺れてしまう
幸せは あるようで見えない夢のような
スクリーンに映し出された世界
誰かの幸せを笑うような浅ましさよ
くたばってしまえお前に用はない
頼りにするならば頭より心にしたがえ
遠回りでも回り道でもいいから
真っ暗闇の 向こう近づく朝を 待って
睨みつけてる空は
一筋縄じゃいかない今を抱き抱えてる。
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目を閉じた 暗闇のような場所で
ひたすら誰かのぬくもりがやって来るのを待っている
優しさは時に 強くなろうとする僕を弱くするんだ
ねえ 黙ったままでも愛してるって
わからせて 伝えて 届けたい気持ちのすべてを
ふれるかふれないかの瀬戸際で 隣り合っている 二つの鼓動 同じリズムで 重なりあっている
息づかいまで 愛しあっている。
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この世界中にただひとつだけの愛を誓おう
見目麗しゅう君に花束を
僕だけの世界はどこにもなくて
見渡す限りすべて誰のものでもない
伸ばした手がつかんだその場しのぎの嘘
僕らを惑わす正しさの口をふさげ
色とりどりの世界 目も眩むほどの光
レシピどおりの手順 迷うのはどうしてかな
そしてまた振り出しから 下ごしらえだ
この世界は いわば最高級のディナー
味わい尽くせ 神様がこしらえたご馳走
食材は用意されてる あとは調理の問題だ
君の手にかかってる 煮るもよし焼くもよし
レシピからはみ出して 常識をぶっ壊せ。
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歩き疲れた旅の途中で気づいたよ
泣き疲れたころ いつの間にか寝ていた
目覚めたら 外を赤く染める夕暮れ
何もかもがすべて きっと遅すぎる
容易く幸せをもて余してしまう
僕の心はがらんどう
思い出だけで満たされていたい
振り返る昨日 瞳に映る景色は
浅い眠りに ぼやけて 消えた
君の話もうわのそらさ。
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みずみずしいフルーツに 歯を立てて
にじみ出すように 広がる味わい
このまま流れてく舟の上に乗り
僕は 宛もなく 明日を目指すよ
風が残した足跡を 追いかけていくだけの
途方もない旅路の果てに何があっても
あなたを遠くで想いながら僕は生きてく
砂時計の落ちてく速度で老いてゆく
世界が僕の若さを嘘だと知らしめる日まで。
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あなたのその声は花がほころぶように
過ぎ去ったはずの春を連れてくる
ひらり ひらり 舞いながら落ちる
命のはかなさよ どうか大切な人のそばで
最後は笑って 旅立てますように
桜は 思い出に染まり 少しばかり長い春を終えたら そっと人知れず 散ってく
その生きざまは 今もこの空の下に刻まれているよ
そしてまた春が来ればつぼみは芽吹き
きれいな花を咲かせる。
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いつの間にか寝てしまった
目覚めたときには空はすっかり暮れていた
寝過ごしてしまった なんとなく切なくてつなぐ手を探した
ぬくもりが足りないよ 君のその手に
僕の手を重なれば なんとなくそれらしく見える
愛がどうのとか 言うよりも 僕が今 君を思うこの気持ちがすべてなんだ だからそばにいて
昨夜見た夢の中にも見上げた空にもない
引き出しの中にもない 愛は目の前にある
ぬくもりが足りないよ 君のその手に
僕の手を重なれば なんとなくそれらしく見える
愛がどうのとか 言うよりも 僕が今 君を思うこの気持ちがすべてなんだ だからそばにいて
情けなくて 頼りないこんな僕を支えてくれますか? お手数ですがあなたのぬくもりが今必要なんだ。
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レールを外れて どこへゆくのか
宛もなく 探しているのさ 愛の影を
下手くそな優しさで 不器用に縫いつけた
縫い目はすぐにやがてほつれてしまう
僕はふいのめまいに見舞われてしまう
痛いほど知っている
僕は孤独だ だから寂しいんだ
ぽつりぽつり 街の明かりが 灯って
何処からか夜を連れてくる
寂しさは風 この胸をつらぬいて。
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脈略もなく 世界はただそこにあって
複雑な仕組みで僕の目の前に横たわる
さよならのその時まではまだ時間がある
僕らにはただひとつも弁解の余地もなく
答える筋合いでもない
固く結ばれた 片結びを ほどくように
解かれたパズルのその後のストーリー
後日談は空回りしながら先を急ぐ
振り落とされた人差し指が導く答えは
君が信じる世界を塗り替えてしまう
ありったけの希望という希望が笑う
いつの間にかもう 謎は解けている
Xの値は 空欄を補うためのアップリケ
間に合わせるだけならば間違いでもいい
そびえ立つ未曾有の未来に武者震い
そうして導き出された答えが 君の明日を
どんなふうに変えてゆくのだろうか
名探偵の雄弁な語り口が真実を暴く
もはや謎は平らげたあとの空っぽの皿
謎は一切合切 解けました 余すことなく
君が見てきた世界の本質までも揺るがす
答えは来るべき未来を楽しみにさせる
いつしか僕は君という謎に魅せられている
そして探偵は、固く閉じられた
口を開く 「真相をお話しましょう」
物語の主人公のように
指揮をとるように 一方的なまでに
君の世界が 僕の世界を侵す
固く結ばれた 片結びを ほどくように
解かれたパズルのその後のストーリー
後日談は空回りしながら先を急ぐ
振り落とされた人差し指が導く答えは
君が信じる世界を塗り替えてしまう
ありったけの希望という希望が笑う
いつの間にかもう 謎は解けている
いつの間にか僕の世界は君の世界と
ひとつに重なり同じ世界になる
もうそこには 君という謎以外 僕が知りたいことはなかった。
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そして降り出した雨が鏡になって物語の結末を映す
昨日のことなのにもう遠い昔のような夢の中の出来事
僕はただ通り過ぎるのを待つ 忘れるための痛みが
今日という日が いつか 思い出になって
振り返るその先に もう取り戻せない
何かを残しても それでもいいと願ってしまった
忘れられるならばそのほうがいいと願ってしまった。