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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[6641] 梅の木
詩人:どるとる [投票][編集]


そうやって絶えず退屈を埋めてくれないか

庭の梅の木が 寂しそうに見えた朝は

どこにも出掛けたくないの そばにいたいよ そばにいたいよ

君の寂しさに 君の悲しさに 寄り添っていたいよ

世界を無視して すべてを無視して ぬくもりの沼に沈んでたい

許されなくても それが今は何より大事なことなんです。

2015/10/18 (Sun)

[6642] 風の記憶
詩人:どるとる [投票][編集]


庭の木々を揺らす

風のいたずら小僧め

こっちの気も知らないでのんきなもんだと

ぐちってみては風のことも知らず 勝手なもんです

風が残した足跡は

風がたどった旅の道筋

ほんのわずかな風の記憶です

目には見えない命の軌跡です。

2015/10/19 (Mon)

[6643] ハミングバード
詩人:どるとる [投票][編集]


小さな微生物から

お茶の間の談笑まで

手広く世界を 見渡して見える

ここからの眺めは

神様も知らない

人々の営みがある

僕は誰かの悲しみを知らず喜びを知らず
愛を知らず 夢も知らない

だから 言葉などかけるつもりもないけど

少しだけあなたのことが気がかりなんです

心のかごから飛び立っていく

鳥の羽ばたき 聞こえたら

それは、物語の続きを求めて

旅立つハミングバード

ああ僕はもう夜明けが待ち遠しい

あと少しで夜も明けるというのに

かすかな予感が

心を満たしていくよ

見上げたり見下げたりしながら生きても

同じ気持ちにはなれない

だから肩を並べて

水平線上に立つの

僕は 誰かの子でもなければ親でもない

ただひとつの唯一無二の存在として歌うよ

愛を忘れたわけじゃないけど 今だけは

わがままに ひとりぼっちで黄昏させて

気持ちひとつぶん 枠からはみ出している

世界が変わる音を 聞いたなら

それは あなたが変わるタイミング

夢から覚めても終わらない夢

ああ 僕はもう その時が待てそうにない

生焼けのままでいいから食らいつきたい

窓の隙間から こぼれるほどの光

希望なんて 余るほどはないけど

あきらめるにはまだ早すぎる

逃げ出すにはまだ早すぎる

心のかごから飛び立っていく

鳥の羽ばたき 聞こえたら

それは、物語の続きを求めて

旅立つハミングバード

ああ僕はもう夜明けが待ち遠しい

あと少しで夜も明けるというのに。

2015/10/19 (Mon)

[6644] 線を引く
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喜びから悲しみまで
線で結ぶように

レールをつなげてく

それはまるで 画用紙にどこまでも

線を引いていくような行為

僕らは他人の生き方を滑稽だなあと 眺めている

差別みたいに 線を引く

区別するみたいに線を引く

隔たりをつくるように線を引く

世界中は線だらけ

囲んで 区切って

境目を つくって

勝手に 他人と自分の間に線を引く

あるはずもない「違い」をつくり

引かなくてもいい線を引く

そのほうが僕には滑稽に見える

そして今日も線は引かれる

知らない国のわがままな正しさが

知らない人の幸せを奪い

人と人であればいいはずの関係に

上下の区別をつける

僕には見えない線が
日々 誰かを世界から孤独にする

日々 誰かを世界から隔離する。

2015/10/19 (Mon)

[6645] 誰も知らない
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あなたは今、何に悲しみ 何を喜ぶのか

目の前にある世界はどんな世界ですか?

心から愛せるような世界ならいいのに

愛すためにはいろんなものから

目をそらさなければ

何を 知っているんだろうか

僕は君を知らないし 君も僕を知らない

ただ 顔色をうかがって機嫌をとりながら

ふれられたくない 傷を誰もが内に抱えながら

今を 生きていることを誰が知るだろう

一度でも死にたいと思ったことがありますか?

悲しいかな 笑ってばかりもいられない人生です

翳りが差すように 明日が見えないときがある

そんなときには誰に頼ればいいだろう

味方は乏しいだろう

人の痛みは見えないものだから

きっと君を傷つけてもわからない

涙を流しているのを見てはじめて気づく

その涙にはどんな意味があるんだろう

僕は君になったつもりで泣いてみる

それぞれの悩みあるいは迷い さまざまな生きづらさ

障壁のように聳え立つ孤独 もどかしさや歯がゆさ

人には見えないところで 人知れず こぼれ落ちる涙

何を 知っているんだろうか

僕は君を知らないし 君も僕を知らない

ただ 顔色をうかがって機嫌をとりながら

ふれられたくない 傷を誰もが内に抱えながら

今を生きていることを誰が知るだろう

生きようと死ぬまいとしていることを誰も知らない。

2015/10/19 (Mon)

[6646] 毒針とキラーミュージック
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この世界は いつも何かを拒んで

僕らの自由な意思を嘲笑うのさ

奇跡みたいな ちょっと恥ずかしい

大義名分を 叫んで

愛をばらまこう 世界中に

チクりと痛い その切っ先で

世界を切り開いてみせるよ

殺し文句のキラーミュージック

見違えさせてよ わからないすべてを

昨日の傷あとを 輝かせたいなら

奇跡みたいな ちょっと恥ずかしい

大義名分を 叫んで

愛をばらまこう 世界中に

チクりと痛い その切っ先で

世界を切り開いてみせるよ

殺し文句のキラーミュージック

チクッとしますよ

我慢してよね もう少しで

すべてが終わり

すべてが始まる

これからがひどく楽しみだ。

2015/10/19 (Mon)

[6647] にわか雨
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通り過ぎてく 雨の背中を 眺めていたら

いつの間にか夜が あたりに広がってた

悲しいことなんかはもう消えたから

そろそろ笑ってみてもいいんじゃないかな

気づけば いつも

あと少しで 間に合わず

乗り遅れてしまうその時に

さよなら さよなら

何度も叫んでも まだ

消えちゃくれない

あなたのあの笑顔

焼きついたまま

忘れたはずの愛を

捨てることができず

思い出の中に心を置き去りにしたまま。

2015/10/19 (Mon)

[6648] シンアシンメトリー
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僕らは何かにつけて比べたがる

すべての物が左右対象ではないことを

知りながら無理やり肩を並べる

線からはみ出すこともできなければ

違う色に染まることもできない

道行く人が同じ顔に見える

何かに操られているように

同じ動作をしているように見える

僕と君では決定的に何かが違うのに

違う形を無理やりねじ曲げたようで

人混みに立っているだけで目眩がする

僕らは 神様を気取って生きている

誰もが正義で誰もがこの物語の主人公で

誰もが褒め称えられるべきヒーローだ

戦争を引き起こそうと人を殺めようと

多くのことにあまりに自由すぎる

きれいごとすら言わない人がいる

正しさばかりをやたらに叫ぶ人がいる

叫ぶこと以外何もできない人がいる

そんな自分に酔いしれている人がいる

天使の皮をかぶった悪魔が卑しく笑う

左右対称のはずなのにズレている

正しさとはなんだ

間違いとはなんだ

なにが正しくあるべきで

なにが間違いであるべきか

僕の中で 回り続ける
そんな答えのない間違い探し

道行く人が同じ顔に見える

何かに操られているように

同じ動作をしているように見える

僕と君では決定的に何かが違うのに

違う形を無理やりねじ曲げたようで

人混みに立っているだけで目眩がする

見せかけの美を装う世界が澱んで見える。

2015/10/20 (Tue)

[6649] ジキル博士とハイド氏
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仮面の裏の素顔は
こうなりたい自分の理想。

2015/10/20 (Tue)

[6650] 人体標本室
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びっしりと飾られた
標本の数々は記憶

その記憶の一つ一つがあなたのかけら

心臓から 脳

爪先にいたるまで

細胞一つ一つが

あなたの目であり耳であり口だ

日々標本は増える

あなたが感じ

見聞きしたすべてが
あなたのすべて

世界のすべて。

2015/10/20 (Tue)
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