詩人:どるとる | [投票][編集] |
流れを読むのさ 風を受け止める
風見鶏みたいに 十時の方向に回れ
たったひとつのときめきのために
港を出てからいくつの季節が過ぎたでしょう
遠い思い出の中に 置いてきた忘れ物
今から 取りに行こう
カバンには ありったけの奇跡をつめこんで
それは遥かな置き手紙 僕を魅了する光
ねえ知っているかい?言葉の背中には翼があること
どこにだって 飛んでいけるんだ 行きたいって気持ちがあれば。
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決まりきった一連の流れがいつもの
朝を連れてきて まだ「希望」はここにあるよと
わざとらしく もったいつけながら 急かすだけ急かす
ループするのは 時間だけではなく
存在する ありとあらゆるすべての仕組みだ
いい具合に青く染まったままの心が
叫ぶんだよ まだ負けてないんだって
うずたかく積もった宿題の山は
まだまだ僕を楽にはさせてはくれないな
それでも向き合うべき現実とにらめっこしながら
沸騰したような 鍋みたいに 奮い立つ
抵抗するように行きつ戻りつのループする感情
五線譜に 並んだ音符を 辿るように
音を生み出していくこの指先が世界の神様なら
愛と平和の歌さえあれば 戦争なんて笑い飛ばせるのに
スクロールしていくように 移ろう季節に 花が咲いては散る過程を スローモーションで味わう
対象外の正しさを 一々排除していたら
きりがないんだよ だからとりあえずは
目の前にあるめぼしいすべてを食べる
是非を問うのは 僕のいい加減な舌だ
推し量るように 勝手な価値観で物を見る
それが正しいか間違いかを決定するのは
物差しみたいに 目盛りのついた 規制概念ではなかった筈なのに
決まりきったような計算で 答えを導きだそうとするならば
世界は狭くなってしまう
だから、目や耳じゃ見極められない 何かをとらえる心がある
いい具合に青く染まったままの心が
叫ぶんだよ まだ負けてないんだって
うずたかく積もった宿題の山は
まだまだ僕を楽にはさせてはくれないな
それでも向き合うべき現実とにらめっこしながら
沸騰したような 鍋みたいに 奮い立つ
抵抗するように行きつ戻りつのループする感情。
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季節が過ぎるのがこんなにも
名残惜しくなったのはいつからだろう
目もくれなかった花が咲くのが
楽しみになったのはいつからだろう
ひとつ ひとつ またひとつ
数えたそばから増えていく思い出
砂に足跡が刻まれていくように
次から次に 心が満たされていく
喜びをありがとう
悲しみをありがとう
痛みをありがとう
安らぎをありがとう
指折り数えても 数えきれない
たくさんの思い出が僕の隙間を埋めていく
愛されている ただそれだけで
僕は明日も 笑っているよ
愛している それだけで 僕には
何よりの自信につながるから。
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季節が過ぎるのがこんなに名残惜しいよ
花が咲くのが待ち遠しいのは
あなたと出会ってからなんだよ
恥ずかしくてとても言葉にはできないけど
本当はありがとうって今すぐ伝えたい
何気ないようで でもさりげない優しさがある
幸せは なんでもない日々の隅っこに
気づかないくらいささやかなものだから
うずくまる猫みたいにいつの間にかそこにあるの
すやすやと寝息をたてながら。
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伝えたい気持ちが 届けたい気持ちが
溢れ出しそうなほどこの胸を満たす
ありがとうや愛してるじゃもう 伝えきれない
でも言葉が見つからないよ だから
このぬくもりの中に
愛をそっとしのばせて
これからあなたと過ごす時間の中で
少しずつあなたに伝えていくよ
言の葉ダイアリー。
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途方もない旅のはじまりはいつも
頼りない一歩から 風をつかむところから
翼を広げたばかりの鳥のような
情けないところまでちゃんと見ててね
言葉にならない もどかしさを
痛みをはらんだ愛しさを
受け入れるだけの懐はあるさ
出会いがあればまた別れもある
それでもさよならの向こうには
昨日と変わらない新しい朝があって
ほらすぐに夜明けはやって来る
口笛の矛先に 消えていく時のかけら
僕が見つめているのは今よりもっと先
季節は音もたてずにページをめくるように
いつの間にか 散らした花を咲かす
言葉にならない もどかしさを
痛みをはらんだ愛しさを
受け入れるだけの懐はあるさ
出会いがあればまた別れもある
それでもさよならの向こうには
昨日と変わらない新しい朝があって
ほらすぐに夜明けはやって来る
黄金色に輝く太陽に背を向けないで
陽射しを胸いっぱいに吸い込めば
ほらはじまりの風が吹く
なんてね 笑ってね
通りすぎるまま
見送る言葉もなく
風に記した思い出は消えずに。
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先ずは とりあえずページをめくるところから
取っ手なんて便利なものはない
ただひとつの概念を信じて疑わない
単純なほど僕は原色に近かったね
混ぜ合わせることも知らない
パレットで 違う色同士が重なって
新しい色になるのに
世界は いつも ここにあって
君を見つめているんだよ
そして 君は君の世界を生きていて
僕は僕の世界を歩いている
その二つの世界にたいした違いはない
けれど、同じ世界というには
きっとなにかが違うんだろう
まぶしいくらい 君は世界を愛している
手にした絵筆で世界を染めている
下書きもしないで
はみ出したって 気にしないさ
はみ出すくらいがちょうどいい
常識という物差しを手にしたときから
僕は 世界を 勝手な尺度で計っていたよ
でももう必要ないね
誰にとっても世界は世界なのに
君と僕が見てる世界はすれ違うばかり
悲しみひとつにしたって色違い
何を憂い何を愛しているのか
語り出せばきりもなく 途方もない
空を染める青にしたって同じじゃない
君が見てる青と僕が見てる青は同じだ
ただ世界の受け取りかたが違うために
目の前を染める色は同じであって違う色
信じることを疑ったときに既成概念は死んだよ
僕はもう 二度と計算せずに信じることはない
いつも計算ずくで世界を見ているんだ
世界は いつも ここにあって
君を見つめているんだよ
そして 君は君の世界を生きていて
僕は僕の世界を歩いている
その二つの世界にたいした違いはない
けれど、同じ世界というには
きっとなにかが違うんだろう
まぶしいくらい 君は世界を愛している
わざとらしいくらい君は世界に 染められている。
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通り過ぎていく 雨の音に
耳を傾ければ それは命の終わる音に似ていた
小さな悲しみもこの心を引き裂くには
十分過ぎるくらいなんだ
さよなら 夏の日に
宵闇の中に 浮かんだ
最後の命を 燃やす
蛍火の青白い炎に
優しく抱きしめられて
咲いては散りゆく花のかたち
宿命のように さだめられた終わりを恐れるあまりに
美しいものが見えなくなったの
こんなにも大切なものはそばにあるのに
つかの間のまぼろし
祭り囃子をかき消し
静けさの中に描いた
鬼灯色の夢の渡し船
心を乗せて明日の空へ
叶わぬ恋と 今は過ぎて
風の色が 変わったら
少しずつ 思い出すよ
あなたの横顔
ガラス細工のような きめ細やかな心
さよなら 夏の日に
宵闇の中に 浮かんだ
最後の命を 燃やす
蛍火の青白い炎に
優しく抱きしめられて
つかの間のまぼろし
祭り囃子をかき消し
静けさの中に描いた
鬼灯色の夢の渡し船
心を乗せて明日の空へ
花火の音に 紛れて
鳴きやむ 蝉の声。
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たしかなものなんて何ひとつなくていい
不確かなものばかりの世界には
こんな曖昧であやふやな色がお似合いさ
笑ったそばから泣いてしまうよ
悲しむ前からずっと悲しいかのように
まるで行ったり来たりの振り子のようだ
淡雪みたいに ふれたそばからとけてしまいそうな思いを
たとえば言葉にしたなら 君は笑ってくれるだろうか
世界は 昨日よりずっと心なしか 遠くなっている
そんな気がするのは空を見上げすぎているからかな
降りだした雨を よけるための傘なら
これを使うといい お古だけど使い勝手がいい
あたためておいたんだ わがままな誰かさんのために
跡形もなくなってしまうけど それでもいいんだ
そして冬を迎えた街を白く染める
凍りついたような街は 誰かを思う気持ちまで白く染めて
届かないと知りながら僕は君にぐっと手を伸ばす
汚れのない白さに染まるほど僕は自分の汚さに気づく
そんな気がするのは 気のせいなんかじゃなさそうさ
クリスマスを間近にひかえた街並みは
どこかそわそわと忙しない
きらびやかな装飾と輝く星で あしらったツリーは 見ものだね
今年も見れるかなあ
淡雪みたいに ふれたそばからとけてしまいそうな思いを
たとえば言葉にしたなら 君は笑ってくれるだろうか
世界は 昨日よりずっと心なしか 遠くなっている
そんな気がするのは空を見上げすぎているからかな。
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切なさが駆け巡るよ
通りの木々も すっかり色づいてる
もう少しもしないうちに散ってしまうね
懐かしい横顔がまだ忘れられないのは君も同じかい?
紅茶色に染まった黄昏の街並みは
そこにいる誰もを切なさで包むから
笑った顔が夕日で赤く染まった
お腹もすいたよ まっすぐ家に帰ろう
月明かりが つくった光の道をたどって。