ホーム > 詩人の部屋 > どるとるの部屋 > 投稿順表示

どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[6701] 拝啓スタートラインから
詩人:どるとる [投票][編集]


もう少し目を養わなければ
見えないものばかりさこの世界は

そこにあるものさえすべて嘘なら
何を宛にして信じればいいんだ

理不尽に引かれた出発点から

どれだけ遠退いても答えは同じだ

スタートラインから見える世界は

仕方がないくらいありきたりだ

だからほら恐れる気持ち引っ込めて

前に踏み出そうと勇気を出しているんだよ

雨上がりに虹を架けるのは 太陽の役割じゃない

悲しみを越えたときに 君が流す涙が

虹に変わるんだよ。

2015/10/28 (Wed)

[6702] 宇宙飛行士になりたかった君に
詩人:どるとる [投票][編集]


羽があればいいのにね でも僕は鳥じゃない

鱗でもあればいいのにね でも僕は魚でもない

覗き込んだ 双眼鏡の向こう
微生物みたいな 宇宙飛行士が 笑った

いつか聴いた歌が また 返り咲くような
素敵なことのはじまり

君は宇宙飛行士になりたいと 画用紙に

描いたよ 宇宙服を着た君がいた

でも今は バイトで暮らしをつなぐ日々

今日も出る日だ そこはかとない憂うつが

窓の外で 待ち構えている。

2015/10/28 (Wed)

[6703] ミルククラウン
詩人:どるとる [投票][編集]


たとえばこの世界が神様を必要としない世界なら

僕は 偉くもなく 何の力もないただの野良猫でいい

ちょうどいい具合に汚れたいの
いたずらもたくさん考えられるよ

遠い空から 落ちた涙のしずくが
水面を乱す波紋が生まれる

たったいちどの命の悪あがき
跳ねた瞬間それは形になったよ

まるで、偶然の芸術 ミルククラウン

たとえばこの世界から道という道をなくしたなら

何を頼りに僕らは 朝を見つければいいの

迷子のように 地図を手にしながら迷うなら
地図などなんの役に立つのでしょう

それはさだめられた終わりのように
ページをめくる前に既に決まってたこと

たったいちどの命の悪あがき
跳ねた瞬間それは形になったよ

まるで、偶然の芸術 ミルククラウン

言葉に 頼りすぎたばかりに
僕はいつからか 色をなくしていた

僕の頭に相応しい
ミルククラウン

真っ白に 濁って
それでもちゃんと
僕を輝かせてくれる。

2015/10/28 (Wed)

[6704] 光と水の魔法
詩人:どるとる [投票][編集]


この気持ちは誰に伝えたいんだろう

この気持ちは誰を思っているんだろう

名前さえもない数ある全てに

等しく与えられている命の色や形を
たとえば歌に変えてしまえば

七色に染まる 季節は川を満たす水を
きらめかせて 光の反射で 青にも赤にも染まる

開けたこともない窓の向こうに まだ知らない物語の続き
この歌を 道連れに旅に出よう

命を染めているのはペンキや絵の具じゃないことを誰一人教えてはくれないよ

当たり前なことやありふれたことと見過ごしてしまえば
わからないことがたくさんあるんだよ

そこにあるほとんどの物には 光と水の魔法で
この世界が 誰にも同じく美しく映っているだろう

地図にはない 場所を目指す旅は 答えのない問いかけのよう
その答えを見つけるのは君なんだよ

空が空であるように
畑が畑であるように
命が命であるように
理由もないのに 確かな本当が この世界を世界たらしめてる

七色に染まる 季節は川を満たす水を
きらめかせて 光の反射で 青にも赤にも染まる

開けたこともない窓の向こうに まだ知らない物語の続き
この歌を 道連れに旅に出よう

行き止まりの先にもまだ途切れずに道は続いてる。

2015/10/29 (Thu)

[6705] 群青
詩人:どるとる [投票][編集]


立ち止まって 考えていたよ 命のある意味を

僕の中に銀河みたいに渦巻く数ある迷いや悩みの類いを消し去る魔法は

この世界じゃいくら待っても望めない

空さえ飛べない僕には難儀なことだろう

だからひたすら雨上がりを待つんだよ

心が 濡れないように 心が壊れないように
身を守るための傘を差すのも まるで
心をかばってるように
心を気遣ってるように

悲しみに気づいた心があるから
それは僕が僕を不憫に思ってるようで
なんとなく 優しい気持ちになるの

そのときの心は少し青みがかっているんだよ

そしてまた考えているよ 反芻するように

命の名前だとか色や形にこだわるのも
生きているからだと学者は言うのだろう

不思議なことが一切嘘にされた世界で
明日の幸せを望むのは形のない祈りだ

矛盾した世の中に僕はこんがらがってしまう

心が 濡れないように 心が壊れないように
身を守るための傘を差すのも まるで
心をかばってるように
心を気遣ってるように

悲しみに気づいた心があるから
それは僕が僕を不憫に思ってるようで
なんとなく 優しい気持ちになるの

そのときの心は少し青みがかっているんだよ

たとえばいつか世界を染めてた優しい群青のように。

2015/10/29 (Thu)

[6706] 春を待つ花のように
詩人:どるとる [投票][編集]


雪にうずもれながら 春を待つつぼみ

飛ばし読みするように 少し雑に生きすぎたよ

この街に 春が来る前に
あなたにこの思い伝えたい

好きだよと 言葉にすればあっという間だ
だけど素直じゃない僕はずっと この思いから背を向けてた

だけど今、気づいたんだ
本当はずっと伝えたかったこと
君に知って欲しかったこと

春を待つ花のように
恥じらいと向かいあわせの待ち合わせ。

2015/10/29 (Thu)

[6707] 宇宙飛行士になりたかった君に
詩人:どるとる [投票][編集]


はじめて月に降り立った
宇宙飛行士は言ったという
「地球は青かった」
そんなことさえ今は当たり前
でも見たこともない地球の外
疑いばかりが夢を汚す

燦然と輝く 数千の星の中に 僕らと同じ
命がまだ生きているなら答えておくれ

受け取ってくれないか はるか何億光年先のメッセージ

たとえば君も笑ったりするのかい? 何か楽しげなことに

君の星にも夜があるなら君も 夢を見たりするのかい?

君も言葉を話したりするのかい?
なりたいものとかあったりするのかい?

僕は 宇宙飛行士になりたかったよ
知らない光にふれたくて

まだ会ったこともない誰かに会いたくて
憧れの羨望で 空を見上げていたんだよ

ハロー こちら地球です
受信は良好 ノイズもない
ただし通信は 一方通行

出来損ないの段ボールでつくった
即席の宇宙ステーション
3日と持たず 雨風に負けた

ちっぽけなことで悩んだり迷ったりしている
僕らは なんてくだらないんだろう

空は広く世界はこんなに果てしないのに
僕らの一歩は小さい上に頼りない

安物のちんけな猿の真似事
化学のセットでこしらえたプラネタリウム

電気を消して暗闇に浮かぶいくつもの偽物の星の光

そうやって僕らは届かないものさえ 手に入れようと試行錯誤する

それが可笑しくて たまらなく可愛くて 愛しいんだよ


僕は宇宙飛行士になれないだろう
せいぜいなったつもりが関の山

それでもいいんだよ 星に代わるものはそこにある

いつも僕を迷わないように照らしている

淡い光のような 今にも消えてしまいそうな
だけど時に力強く目映いくらいなんだ
僕だけの星

僕が見つけたたったひとつの星

「地球は青いかはわからないけど君がいればそんなこと知らないままでいい」

2015/10/30 (Fri)

[6708] 音速ライナー
詩人:どるとる [投票][編集]


光よりも 目映いくらいの
音よりも 少しばかり数歩、足早

ヒーローみたいに 呼べばすぐに
来てくれそうな 正義印の音速ライナー

そろそろ本気ってやつを見せてくれないか
さっきまでの威勢はどうした?さあ軽くあしらってやれ
悲しみなんかに負けてやるものか

何度だって 何度だって転びながら 躓きながら這い上がる 立ち上がる

悪あがきで結構 無駄骨で結構
わかっているんだ 知っているんだ

それでも僕は格好だけでもいいから
ヒーローを気取りたくて
あわよくば そう呼ばれたくてがむしゃらに走る

病んだような 目をしている
人々に あてられないように帯を結び直す

悪魔のような 思考回路が働いて でも悪者になりきれずどっちつかず

いつまで待たせるんだよ いつになれば飛べるの?
空を飛ぶことを恐れる鳥などいない
だが人間は空を飛べるようにはあいにく出来てない
よって足が羽がわり

きれいごと おべんちゃら
それらにまみれて我を失う 心よ目を醒ませ

夢見がちで結構 独り善がり本望
それくらいがちょうどいいんだよ

胸にお決まりのSマーク あるいはスパイダーを模したスーツ
蝙蝠印の全身 黒ずくめ そんなアメコミみたいなヒーローよりは幾分リアル

闘う敵など いない
果たしてそうか
本当にそうか
心に負けない
自分に負けない
弱さに負けない
闘うべきものなら
見えないだけで
たくさんあるよ、ここに

何度だって 何度だって転びながら 躓きながら這い上がる 立ち上がる

悪あがきで結構 無駄骨で結構
わかっているんだ 知っているんだ

それでも僕は格好だけでもいいから
ヒーローを気取りたくて
あわよくば そう呼ばれたくてがむしゃらに走る
闇雲に生きる

そうしていつの間にか僕の中に生まれる正義の旗印。

2015/10/30 (Fri)

[6709] ウン百回目のアンサーソング
詩人:どるとる [投票][編集]


いつか 歌った 勇気の歌は
いとも容易く弱さに負けた

負けたことを 他人のせいにしたら
僕は負けた僕よりも狡くなった
さらに弱くなった

いくつ目の言い訳だろう
何回ほど口にしたろう 「しかたない」って言葉

季節は毎年 花を咲かすだろう
そして 枯れたそのあとも種を残すだろう
それなのに僕らは
何十回 季節が巡ろうが
何百回 花が枯れようが
何千回 夜が明けようが
何億回 地球が回ろうが
何も変わらないどころか変えようとしない始末

僕はどこに向かうんだろう

衛星だって 同じところを回りながら

地上に 電波や情報を供給しているのに

僕らは 昨日より少しは変わったかな

今の僕と昨日の僕を照らし合わせてみる

これといった異常はないものの

変化に乏しく つまらない それが結論

そしてまた 僕は答え合わせしている

今何回目のアンサーソングだろう

自動書記でもあったらなあ
いつの間にか宿題は片付くのに

魔法もない世界には 不便なことがまだ数多い

疑問符ばかりが増えていく

最近、よく ため息をつく
負ける前から 気持ちに負けている

僕はどこに向かうんだろう

衛星だって 同じところを回りながら

地上に 電波や情報を供給しているのに

僕らは 昨日より少しは変わったかな

今の僕と昨日の僕を照らし合わせてみる

これといった異常はないものの

変化に乏しく つまらない それが結論

「蒔いた種は リンゴを実らせることは出来ないが豆くらいは出来そうだ」

そんな詭弁で空欄をとりあえず埋める。

2015/10/30 (Fri)

[6710] 花、ひらく
詩人:どるとる [投票][編集]


命のある意味などを考えていたら

僕は気づけば迷路にいたよ

疑似的な水で満たされた海を

泳ぎ疲れたら ここにおいで

静かに 笑ってごらん
花ひらくように

おだやかに流れる時間を景色が抱きしめている

日没後の夜に沈んだ街並みは 悲しみなんか知らないような

顔をしているのにどうしてこんなに僕の痛みをわかっているんだろう

だって まるで僕を慰めるように 優しく風は明日に吹いていくから

時計の針は 刻むんだよ 見紛うことなき一分一秒を

ほらいつの間にか 今日も夕暮れが 僕の影を追い越していく

おだやかに流れる時間を景色が抱きしめている

日没後の夜に沈んだ街並みは 悲しみなんか知らないような

顔をしているのにどうしてこんなに僕の痛みをわかっているんだろう

だって まるで僕を慰めるように 優しく風は明日に吹いていくから。

2015/10/30 (Fri)
8416件中 (6581-6590) [ << 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 >> ... 842
- 詩人の部屋 -