詩人:どるとる | [投票][編集] |
繰り返し見る夢に
僕らは未来を 期待して
見えない箱の中には何があるんだろうな、と
開ける前から 楽しみにしていたよ
たとえなにかが 無惨に変わっていっても
あるいは 何ひとつ変わらなくても
そのときは そのときだ
君が見ている 未来はいつでもその先に
見えない透明の壁があって何も見えない
だからあれこれイメージして来るべき
未来を待ちわびてるの現在(いま)というバス停で
繰り返し見る夢に
僕ら 何を 期待しているのかな
声をあわせて歌ってるだけでこんなにも幸せなのに
これ以上 幸せになったら何か大切なものなくしてしまいそう
両手で丸をつくって望遠鏡みたいに
目にあてがって 覗き込んだ明日は晴れかな雨かな
それくらいしか今はわからない
僕らが予想してる未来はね案外現実的で
何も絵に描いたような未来を期待してる 訳じゃない
そこに君がいて 僕がいて 何年何十年先の今も
今日と同じようにそれなりに悲しくてうれしけりゃいい
不便なことは どんなに未来も不便なままで
電子レンジに お皿を出し入れする手間を
惜しんだら僕らはいよいよダメな人間になってしまう
だから不便な部分を残して 少し億劫で不便なくらいがいい
君が見ている 未来はいつでもその先に
見えない透明の壁があって何も見えない
だからあれこれイメージして来るべき
未来を待ちわびてるの現在(いま)というバス停で。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
あざやかに咲いた雨上がりの虹
何かが悲しくて 気分を変えるために窓を開けた
でも何も変わらない 気休めなんだ
ああ いくつもの言葉を知っているけど
ああ 知っているだけの言葉しか知らない
意味は いつも 付け合わせのようにさ
あとから それっぽく見せかけるの
生まれ変わってよ見るもあざやかに
心の余白を 埋めて埋めて
このまま 舟は次の港を目指す
なんてことをもう何度繰り返したかな
もういくつ目の朝だろう 時間だけが意味もなく僕を急かす。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
流星群からはぐれてしまったの
南に渡る途中で僕ははぐれ星
雪の降る街は 白く染まってきれいだな
白以外の色がなくなってしまったようだ
あなたには 宛のない手紙を送ろう押し花を添えて
つぎの休みには君を 連れ出してどこかへ ドライブに行こう
流星群からはぐれてしまったの
名前もないから勝手に呼ぶよはぐれ星。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
真っ白い紙の上に色鮮やかな 血をこぼせ
生きている 証に ほんの少しの苦しみをくださいな
拍手喝采 幕が上がったら
闇夜のショータイム
お客さんのいない劇
風や空を相手に
パントマイムでもしよう
楽しいことを探しに行こう たったいまから僕の世界は昨日よりほんの少し新しくなる
君の中に ただひとつの色
その色で世界を染めてしまおう
生まれ変われ 生まれ変われ
魔法の呪文 アブラカタブラ
少しばかりよこしまな願い
蛇行しながら たよりなく空に昇る そして神様が願いを聞き届けるだろう
宛のない夢物語の結末を知りたくば
痛みをもって ほんのひとにぎりの幸せを噛みしめるがいい
声もいらない 嘘なんかもってのほか
心をきれいに洗ってきな
名前のない朝が来て 名前のない夜が来る
僕らは迷子さ 行く宛なんか本当はない
時間はただそこにあるように見えてどこにもない
時間がないなんて言わせない 「いつも今はこの時」
君の中に ただひとつの色
その色で世界を染めてしまおう
生まれ変われ 生まれ変われ
魔法の呪文 アブラカタブラ
少しばかりよこしまな願い
蛇行しながら たよりなく空に昇る そして神様が願いを聞き届けるだろう
雪の降る 街に 届いたプレゼント コップの水を飲み干しても注ぎ足される時間
めまぐるしいなあ
悲しむ暇もないや。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
雪が降る街に 今年もやって来たクリスマスが
君は 好きだと言っていたけど僕は嫌いだよ
忙しくて世話しなくて 街が浮かれるから
意地悪なことを言って困らせたあの夜
へそ曲がりだから素直になれないのさ
引かれた道をまっすぐに歩けない
昨日より 今日より
すばらしい明日が
やって来るんだと
そう願いながらも
どこかで 僕らは
あきらめている
どうせそんなもんかと
忘れたふりで 昨日なくしたもの
目覚めたら やっぱりどこにもなくて
そんな悲しみまで覚えていたくないから
君をどこかに忘れたふりをしている
もう二度と 取り戻せないことくらい
知っているはずなのにね
強がりだけでどこまで行けるのかな
まるで本をめくるように 気づけばこんな季節で
手をつなぐ人さえいないから 相変わらず両手は冷たいまま
握ってくれる誰かを待っている
サンタを信じなくなったのはいつからかな
覚えはないけど ずいぶん最近のような気もするし
昔のような気もするけどどうでもいいや
昨日より 今日より
すばらしい明日が
やって来るんだと
そう願いながらも
どこかで 僕らは
あきらめている
どうせそんなもんかと
忘れたふりで 昨日なくしたもの
目覚めたら やっぱりどこにもなくて
そんな悲しみまで覚えていたくないから
君をどこかに忘れたふりをしている
もう二度と 取り戻せないことくらい
知っているはずなのにね
強がりだけでどこまで行けるのかな
涙くらい流せたらまだかわいいのに
強がることしか出来なくなったのはなぜかなあ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
枯れ葉舞い散る 季節に
落ち葉 踏みしめながら
足もと確かめながら歩く
君はふと立ち止まって
ため息ひとつ ついたよ
明かりの灯った 並木道
疲れたならばおぶろうか
なんて 似合わない優しさを 言葉にしたら
君は とたんに泣き出して しまったよ
ああ夕暮れよ 待ってくれ
秋空が 冬空に変わっていくそのときに間に合うように。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
なんの予告もなく始まるこの
物語の結末はいつも先送りのまま
もう同じことを何度も繰り返してきた
きりもなく生まれては死んで
この連鎖にはいつ終わりは来るのでしょう
所在なさげに立ち尽くす
悲しみにしてやられたまま
そのため息に見合うだけの極上のロマンスを
説明もなくただ生きろと言われてるような
投げっぱなしの長編ストーリー
こんなに僕を悲しませるなら こんなに僕を喜ばせるなら
申し訳程度のタイトルくらい 付けてくれよ
支離滅裂 なんの脈略もない
ただ生きる自由だけが約束されている
誰かが勝手に あとから付け足したような
掟の中で 僕ら律儀に線の通りに歩いて
働いたぶんだけのお金を稼ぎ それなりの生活に甘んじている
蜘蛛の巣のような時代にからめとられ
それが正しいと思い込んでいるだけだ
説明過多なマニュアルもうざったいしとりあえずは
このまま 不安定な綱の上を渡ろう
キボウはそのうちひょっこりあらわれる
こんなに世界を 愛しくさせるものを
憎たらしくさせるものを
解き明かすための 旅の道程は宛もなく続く
そのため息に見合うだけの極上のロマンスを
説明もなくただ生きろと言われてるような
投げっぱなしの長編ストーリー
こんなに僕を悲しませるなら こんなに僕を喜ばせるなら
申し訳程度のタイトルくらい 付けてくれよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
旅に出るなら 何を持っていこうか
夢みたいな希望よりリアリティーある絶望を
所在の知れないあこがれより 誰かへの憎しみを
おもだるい愛よりも気泡のような思い出を
このまま どこに行くのか 変わってゆく
景色も人も いつまでも傍にはいてくれない
だからさよならさここら辺りで
ただ 一面に果てしない
旅立ちの日の空を染めるブルー
どっちつかずの表情で
笑うように泣いたんだあの日の僕は
悲しいか嬉しいかなんてわからない
言葉では言い尽くせない思いだよ
遠ざかる見慣れた街と愛すべき人たち
忘れよう たくさんの思い出も 全部は持っていけない
ありあまるほどの喜びは いつか取りに来ようそれまでは置き去りだ
風の行方を追いかけて幾年
途方もない野望ならば手近にある小さな果実を
割りきれない計算より気まぐれな風見鶏がいい
遠慮がちな優しさならば ぬるま湯みたいな親切がいい
言葉少なで 語れることはひとつもない
種を蒔いて 花を咲かすまでには だいぶ
時間があるから暇つぶしだ
時間と追いかけっこしている
そんなイメージがどうしても払拭できない
仕方ないさとあきらめた数多くの夢は
空にきらめく星に変えて
今だけしか見えないものがあるなら
ゆだねよう まだ青い心を
約束を交わしたことも 約束をやぶったことも 背中あわせ後ろ前 かけ違えたボタンのように
拙いながらも 僕は歩いてきたのさ どっちが正しいかなんてことは 風にでも聞け。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
悲しみなんて 火にかけて食べてしまえばいい
胃袋に押し込んで なかったことにしちゃえばいい
最期の晩餐なんて言わせないわ
さあまたここから始まるエンターテイメント
夢から覚めた僕は気づく
まだ何も始まってやしない だから終わるわけなどない
世界はいつでも 楽しいことばかりさ
だから ただ退屈してるなんて勿体ない
無傷でいるなら 傷ついてごらんよ今すぐ
まだ味わったこともない世界の隠し味
レシピの中にはない自分だけの調理方法で
手当たり次第 鍋に放り込め 出来上がりをご覧じろ
出来映えはいかが?
神様は言った「祈りなさい、願いなさい」
でもそれは神様を信じる者たちの言い分です
僕には戯言にしか聞こえない 神様を信じてないから
世界の真ん中に どでんとかまえる神様は
姿形もなく今日も崇め奉られている
世界はいつもわからないことばかりさ
だから目に見えるものだけでは心もとない
目を閉じたイメージの世界に思いを馳せてごらんよ
目の覚めるような痺れるような感覚
レシピなんか放り出してアレンジだ
計量もさじ加減 カン頼みのクッキング
運命よいい方に転がれ
世界はまだまだ楽しいことがたくさんある
まだ知らないこと もう知ってること
何があるかな
教えてよ僕がまだ知らない世界のことを
世界はいつでも 楽しいことばかりさ
だから ただ退屈してるなんて勿体ない
無傷でいるなら 傷ついてごらんよ今すぐ
まだ味わったこともない世界の隠し味
レシピの中にはない自分だけの調理方法で
手当たり次第 鍋に放り込め 出来上がりをご覧じろ
出来映えはいかが?
さあ召し上がれ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
ひとりぼっちで僕は孤独の海の中に
どこまでも沈み込んで愛を毛嫌いした
どうして僕らはこんなに同じ人に優しくできないんだろう
時に 冷たく突き放して 握った手を離してしまう
たとえば誰かを傷つけるより
僕はずっと誰かを愛したい
誰かを憎むくらいなら憎まれたい
たとえば同じ嘘でも
誰かを思いやる嘘なら
それはちっとも悪くはないから
僕はあなたと同じ人として
今日もあなたの目の前に
どんな顔をして 生きているんだろう
なんてことを 考えてみました
どれくらいの人たちがこの世界にいるの?
ここにいるよって声は誰にも聞こえない
耳をふさいだ本当の声が 暗闇に閉ざされた世界に花を咲かす
それは「自分」という名前の強い自分と弱い自分だよ
たとえば 人を嫌いになるよりも
僕は人を好きなままでいたいよ
誰かに裏切られても裏切りたくはない
たとえば 悪意が 僕にもあるなら
正義という言葉は軽々しく使えないな
自分だけが正しいふりはしたくない
僕はあなたと同じ人として
いつか、終わる命をどんなふうに
この先、愛していけるだろう
命のぶんだけ 心なしか体に負荷がかかる
通り過ぎてく人の中に 優しさを探す夕暮れ
歩き疲れて幾分 火照った体
折角誰かを愛せるのに気持ちばかりをもて余している
悲しくたゆたう水中花
たとえば誰かを傷つけるより
僕はずっと誰かを愛したい
誰かを憎むくらいなら憎まれたい
たとえば同じ嘘でも
誰かを思いやる嘘なら
それはちっとも悪くはないから
僕はあなたと同じ人として
今日もあなたの目の前に
どんな顔をして 生きているんだろう
なんてことを 考えてみました。