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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[6832] ナイトスイミング
詩人:どるとる [投票][編集]


電車の窓が スライドショーみたいに

次々に移り変わる ページを捲るように

光る魚みたいな 街明かりが

ビー玉みたいに はじけて飛び交う世界

ナイトスイミング 暗い海に飛び込みたい

飛び魚みたいに ためらいもなく波を味方にして

どんな切なさも どんな悲しみも全部

抱きしめては味わっては 乗り捨てて

あきらめては 途方に暮れてしまう

退屈紛れはいつまでも終わらない

夢のように めまいのするような

目眩く七色の歌に乗せて

名前のない明日を目指す

僕のスピードに 着いてこれるかな

予言者は 言うよ 饒舌 言葉巧みに

どんな本当もまやかしも同じ色

ナイトウォッチャー 泡になって消え去りたい

自己の破滅を望みながらも 幸せも欲しがる贅沢者

どんな ぬくもりも どんな 優しさも全部

光と影を抱く 綺麗なままではいられない

汚れても美しい ほら見た目じゃないんだよ

傷だらけでも泥だらけでも輝くすべを知る

目眩く 七色の夢に うなされて

理由のない 雨に うたれてる

つながるように 重なるように

やっと出た言葉は 曖昧であやふやな影みたいな かすかな余韻を残す

空白を埋めるためだけの ひと時なら

あまりある 人生を生きる意味などあるでしょうか

どんな切なさも どんな悲しみも全部

抱きしめては味わっては 乗り捨てて

あきらめては 途方に暮れてしまう

退屈紛れはいつまでも終わらない

夢のように めまいのするような

目眩く七色の歌に乗せて

名前のない明日を目指す。

2015/11/16 (Mon)

[6833] 流星群の夜
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とびっきりキレイな星を君に見せたくて

自転車 転がして 長い長い坂道を かけ上った真夜中

坂の頂上に着く頃には 流れ星が

ちょうど 間に合わせたように僕らのことを待っていたように
いくつもの光が 弧を描いて落ちた

闇の中に 青く 輝くあの星に 願いをかけた

「こんな時間が永遠に続けばいい」

獅子座流星群 君は見たことないらしい

図鑑で調べて僕もわかった でもちょっとだけたよりない

目をまんまるくして見上げた 夜空に

まばたきするのももったいないくらいの景色だったよ

たくさん星があるから願い放題だねって君が笑ってた

僕は そんな君にみとれてた

好きという言葉さえちっぽけだった

ポケット 探る あめ玉ひとつ 君にあげた
残ったもうひとつは僕が 頬張った

噛み砕くとレモンの味がした
酸っぱいけど 甘くて美味しかった

坂の頂上に着く頃には 流れ星が

ちょうど 間に合わせたように僕らのことを待っていたように
いくつもの光が 弧を描いて落ちた

闇の中に 青く 輝くあの星に 願いをかけた

「こんな時間が永遠に続けばいい」

あの日の願いは きっと届いたよ。

2015/11/16 (Mon)

[6834] 青い花
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がら空きの電車の一両目の 一番前の席に座る

終電が 走り出す 夜の闇の中を

うとうとしてると 夢を見たりする

今日あった出来事 反芻したみたいな

胸の真ん中に青い花が 咲いたような

恋の渦巻き ぐるぐる あなたはもう虜

引き返せない 道を歩いている ほらね

しわくちゃのポスターの厚化粧のグラビア

なんとなく見つめてると 降りる駅に着く

改札を出ると 月がぽっかり浮かんでる

寂しそうに たたずむ街路灯が会釈する

物語の盛り上がり場面は僕にはいらない

退屈な時間を愛せないようならこのまま

終わりに直行 僕にはどうやら幸せは似合わない

余韻に酔いしれることができるのは
ほんの少しの間だけ おごれるな

胸の真ん中に青い花が 咲いたような

恋の渦巻き ぐるぐる あなたはもう虜

引き返せない 道を歩いている ほらね

愛を忘れたような日々 咲いた花も散る。

2015/11/16 (Mon)

[6835] 夢のかけら
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靴の片っ方 なくしてしまったみたいだ

物語のずっと先で待っていてくれないか

落とし物が多すぎる
忘れ物が多すぎる

さよならの向こうには
新しい朝があるのに

夜明けは 傷跡まで消してはくれない

それでも 残ったものだけがあなたの宝物になる

ひとつひとつ大事にしようきらめく砂

ざらめのように甘い夢のかけら。。

2015/11/16 (Mon)

[6836] こうもり
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イモ虫みたいな電車が レールを走る

たくさんの人を乗せて夜空を駆ける

ドラキュラは牙をむき
美女の耳元で 愛の言葉をささやく

おしまいね こんな物語では
誰の心も ざわめかない

消えかかった街灯にぶら下がって 逆さまの街を見ていた

鏡の世界だ ほらね 空が地面で地面が空で 天地逆転
満塁ホームラン

赤い流星 宙返り 行きつ戻りつの旅

こうもりの 黒い影 マントを翻して

神様は神様で 大きなお尻に目がない
くらくらのゆらゆら 目がハートマーク

おしまいね こんな世界じゃ
先が知れてる さよならしよう

消えかかった街灯にぶら下がって 逆さまの街を見ていた

鏡の世界だ ほらね 空が地面で地面が空で 天地逆転
満塁ホームラン

栞をはさもう 昨日の続きから始めよう

やがて思い出したように動き出す世界。

2015/11/17 (Tue)

[6837] 
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君の笑った顔が今も胸の中に揺れるよ

あの日の泣いた顔も思い出せるよ

そんなふうに あやうく生きてるから

時おり僕は心配で何度も振り返ってしまうの

もう戻らない君の声が今も 僕を呼んでる

でもその声には返事はできないんだ

だっていくら呼んでみたって君は

空の向こう ただそこには青すぎる空があるだけ

朝が来るたびに君の淹れてくれた濃いめの珈琲が
恋しくなるのはどうしてかな

見てないと 転んでしまいそうで

傷だらけの君を見るたびに僕も同じ傷を抱いたんだ

もう戻らない君を僕はいつの間にかまた
呼んでいる 出口のない 寂しい夜には

心がね 君の温もりを思い出して泣くんだ

僕も君のいるところに行きたい きっと君はそれを望まない

悲しみの中で 手探りで 泳いでみた

闇に迷い 孤独にふるえ それでも光を探したよ

たとえば僕の希望が 君だったとしても
もう君はいない
だから新しい 希望を描けるのは 僕しかいない
だから行くよ ドアを開けてあの向こうへ

もう戻らない君の声が今も 僕を呼んでる

でもその声には返事はできないんだ

だっていくら呼んでみたって君は

空の向こう ただそこには青すぎる空があるだけ

君のいない世界が
続きを求めて明日にさすらうだけ。

2015/11/17 (Tue)

[6838] ナイトスイミング
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光が 魚みたいに 見えるのは
電車の中が水槽みたいだから

さしずめ僕は餌を待ち焦がれる腹ペコの魚さ

ビー玉 はじくように
夜の光が 行き交う
夢みたいな世界

下手くそな バタフライで 遊泳

わがままも まかり通りそうな夜

君は笑った 僕は笑った

ああ ヘンテコなナイトスイミング。

2015/11/17 (Tue)

[6839] コーラルリーフ
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雨は傘の上に あぐらをかいて座る

無粋な あいつの不幸を心から願う

回想電車が 頭の中を 走る

あの日あの時の 涙
虹色に輝いた ありし日のコーラルリーフ

珊瑚礁みたいに
群生する赤いひまわり空に

希望を降り注がせて 絶望を今すぐ眠らせて

特急待ちの ホーム

雪が降ってきそうな白い空

カメラワークが 揺らいで 映す逆さまの君

わけもなく 笑うしぐさに 射ぬかれた

胸は 穴ぼこだらけ

君の、君のせいだよ

結末を待ち望むような物語じゃない

それほどたいそうなものじゃない

下心ばかりが若さをくすぐる

あの日あの時の夏の中空に 舞っていた陽射しのシャワー

浮き輪でもあればまだ 浮わついた気持ちでいれるのに

行き場をなくした僕は お手上げ

種も仕掛けもない手品ショー

箱の中から ウサギが顔を出す

思い出という名の電車に飛び乗って

僕は新しい僕を探す旅に出るのさ

何色にも染まれるよ

世界は世界のままじゃない

脱皮するみたいに

生まれ変わるように
何度でも殻を破って
枠をはみ出して

レールを外れて

その先の明日を知る
今日はどんなふうに
輝けるかな

ねえ どんなふうに

笑い 泣くのかな

それが楽しみでちょっと不安で
明日が待ち遠しいような そうでもないような

特急待ちの ホーム

雪が降ってきそうな白い空

カメラワークが 揺らいで 映す逆さまの君

わけもなく 笑うしぐさに 射ぬかれた

胸は 穴ぼこだらけ

君の、君のせいだよ。

2015/11/18 (Wed)

[6840] 夜とくらげ
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くたくたの街は真夜中過ぎ

通りには静けさだけが海月みたくただよう

行き交うような誰かの思いと思いを

つなげては 切り離すように

いくつもの光と影が この世界を七色に染めてる

やわらかなぬくもりを探してた気がする

どこにあるんだろう たとえばありふれた優しさは

ありあわせの 愛の言葉ささやいて

冴えない日々を こんな眠れない夜を

いっそ馬鹿馬鹿しいと笑い飛ばしてくれないか

冷や飯を かっ食らう
物寂しさときたら 世界が終わる前兆みたいな気分だよ

だから ためらいなんかドブ川にでも捨てて抱きしめて

ゆらゆらの 光に 目を眩ませて

ちんけな 手品師にだまされて 「希望」の所在を見失う

いくつもの 理想と現実が 交錯する 天と地が逆さになって

欲望で満たされたプールに 肩を沈めれば

ほらね 退屈なんかは 目には入らないんだ

とっておきのあの歌で世界を ぶち壊して

忘れてるような場所に咲いた花の名前

思い出して 気づいたときには空を見上げて遠い目をしてる

ほらね 昨日と今日みたいに 思い出はそんなに離れてはいない

何が言いたいのかなんて最早忘れた

ただ、すきま風が吹くような 空欄を埋めたいだけ
それだけだ

ありあわせの 愛の言葉ささやいて

冴えない日々を こんな眠れない夜を

いっそ馬鹿馬鹿しいと笑い飛ばしてくれないか

冷や飯を かっ食らう
物寂しさときたら 世界が終わる前兆みたいな気分だよ

だから ためらいなんかドブ川にでも捨てて抱きしめて。

2015/11/18 (Wed)

[6841] 夜間飛行
詩人:どるとる [投票][編集]


空には 白い星が 輝いてる
冬を描いた 小さな僕の瞳の中に

画用紙ほどもない世界に
悲しみと喜びを 消しては描いて

繰り返す いたずら小僧に 言い訳する言葉もないまま

何度も僕は 泣いたり笑ったりする

真夜中過ぎの 街は

たとえば誰かの帰りを待つ君の

小さな心の騒ぐ音までも

低周波みたいに風に乗って伝わるよ

会いたい気持ちが はちきれるほどに積み重なって

家へと走る 誰かの背中を 追いかける

流れ星よりも 早く 君の 胸の中に 飛び込みたい

そんな気持ちを つかまえよう あのドアの向こうにある 笑顔をひとりじめ

立て付けの悪いドアに苦戦してると
くたびれた体に 夜風がしみる

望遠鏡もいらない 星は僕の目にも輝く
遠目からでもはっきりわかる

君の顔が 笑ったり泣いたりするのをイメージしてる

形のない星をつなげれば 星座になるように

思いと思いが重なれば 道にだってなる

レールになって 夜空を低空飛行

自由すぎる夜間飛行 星を蹴散らしていく

光よりもまばゆく 君の瞳をくらましたい

そんな企みを知っているのかい?
いつもみたいに すべてお見通しって顔でフテキに笑ってよ

誰かが描いた 筋書きを ものの見事に裏切って

あらすじにない物語が 一人旅してるような

気ままな歌をいつでも歌っていたいのさ

ああ 会いたい気持ちが はちきれるほどに積み重なって

家へと走る 誰かの背中を 追いかける

流れ星よりも 早く 君の 胸の中に 飛び込みたい

そんな気持ちを つかまえよう あのドアの向こうにある 笑顔をひとりじめ

目の前にある広すぎる世界を 縦横無尽に駆け巡ろう 世界をひとりじめ。

2015/11/18 (Wed)
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