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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[6852] 箒星
詩人:どるとる [投票][編集]


始まりも終わりもないあやふやで曖昧な

物語の結末を知りながらも先を急ぐ

レールをつなぐように点と点を 線で結べば
ほらね形のない星も星座に生まれ変わる

双眼鏡のレンズ越し
流れた あの星は 何万年前の星かな

降るように こぼれるように

いくつもの光のしずくが

尾を引いて 流れるホウキ星

僕らの願いを 空に届けて

ささやかな 季節の贈り物

今手に入るほんの少しの奇跡

空を切り裂いて 未来を照らして

夜明けまでには 天気予報を裏切って

青空よ雨に打ち勝て

間違いも正しさもあやふやで曖昧な

模範解答なんかない世界に生きている

今日と明日をつなぐように どんなに遠い未来も
今日と同じひとつの道でつながっている

名前のない星ならば
勝手に名前をつけてやる 君の名前はきらり

降るように こぼれるように

いくつもの光のしずくが

尾を引いて 流れるホウキ星

僕らの願いを 空に届けて

ささやかな 季節の贈り物

今手に入るほんの少しの奇跡

空を切り裂いて 未来を照らして

夜明けまでには 天気予報を裏切って

雨よ青空に変われ。

2015/11/19 (Thu)

[6853] まばたき
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思い出は 凪いだ

海のざわめき

潮風の ささやき

どれだけの言葉も

どれだけの愛も

形のない 波に

さらわれて しまう

まばたきも できないほどのこの幸せを

痛いくらいに奥歯でかみしめたい

空高く積み上げた 涙を光に変えて

空に放つ 手向けの花のように

ページをめくれば

新しい色に出会える
新しい 洋服と恋人

どれだけの季節と

どれだけの風景を

勝手気ままに

忘れてきたかなあ

息継ぎもままならないほどのこの幸せに

肩まで浸かり その熱にうかされていたい

はるかずっと先まで続く物語のあらすじ

写したみたいに 同じ空と道が続く

ワイパーが 雨を 邪魔くさそうに

しきりに 忙しそうに 退かしていく

ちっぽけな 悲しみのせいで

希望がいよいよ 底が尽きそうだ

ぼんやり 浮かんだ
今なら簡単に死ねそうだ

安易にそう思った

まばたきも できないほどのこの幸せを

痛いくらいに奥歯でかみしめたい

空高く積み上げた 涙を光に変えて

空に放つ 手向けの花のように

雲の切れ間に浮かぶ虹のかけらのように。

2015/11/19 (Thu)

[6854] 世界の表紙
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どこまでも終わらない 道の上に

どこまでも終わらない物語が

ページを広げているよ 青い空の表紙

どこまで続いているのかこの道は

どこまで続いているのかこの空は

ただどこまでも終わらない世界が

ページを広げているよ 見渡す限り世界だ

花は咲き 鳥は歌い

夜には星が輝き

雨が降り 陽射しは注ぎ

手を結んで 開いて

日は昇り やがて 日は沈み

朝が来れば 夜がやって来て

また次のページへ

風の向こうへ

旅立つあらすじ。

2015/11/21 (Sat)

[6855] 調理器具のメロディ
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キッチンの大合唱

おたまやお鍋が

音を立てて バラバラのメロディが

つながって ひとつの音になる

トントン カシャカシャ

カンカン ポンポン

キコキコ ラララ

誰も知らない秘密のメロディ。

2015/11/21 (Sat)

[6856] 空の飛びかた
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はるか昔の人たちは空を飛ぶことを夢見たという

両腕に羽根をつけて鳥の真似をした

やがて飛行機や熱気球が発明されて
人は空に近づいた

いくら手をのばしてまも届かなかった
空がいつの間にかこんなにも容易く

手もふれそうなくらい近くにある

息を深く吸い込んで
生きてるって 感じてみよう

どんなに手をばたつかせても
空の飛びかたひとつわからない
風もつかめない僕には 空は遠い

でも だからこそ夢はどこまでも広がる

だからはるか昔の人たちは空を飛びたいと夢見たんだろう

本当に飛べてしまった人たちは 幸せなのかな。

2015/11/21 (Sat)

[6857] 夢見人たちの秘密基地
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ざっと一週間かけて築き上げた 僕らだけの自信作の秘密基地
「僕らの七日間戦争」に憧れていた頃の傑作品

忘れられたような空き地の裏の雑木林の奥にかまえた

体がくたくたになって日が暮れるまで遊びまわった
屋根の隙間から 見える夕暮れや星空を今もおぼえている

魔法なんて使わなくても あの頃は見るもの聞こえるものすべてがあざやかだった

のぞきこむホロスコープの向こう いくつもの思い出が

万華鏡みたいに のぞきこむたび 形や色を変えて

過ぎ去った 今もあの頃と少しも変わらないままそこにあって

夢見人たちの秘密基地には天高くかかげた「青春」という 旗が揺れている

雨風に 負けるたび補強していった 直しては壊れて 壊れては直して

近所の悪ガキに壊されることしばしば そのたびに 涙をのんだよ

お菓子やジュースを飲みながら ラジオを聴いた

家出をするときはきまってこの秘密基地に集まって ささやかなストライキを起こした

あの頃の僕らには恐いものなんてなかった 仲間がいれば いくらでも強くいれた

ただ ばかみたいに笑い転げて くだらない話に花を咲かせた

缶けり 鬼ごっこ かくれんぼ やることはたくさんあった

遊ぶことに忙しくしている僕らは 多分幸せだったんだろう

僕らの心の引き出しの奥に いつからかしまってしまった思い出の話さ

追いかけても追いかけても つかまえられないほど明日は遠くて
いつまでもこうしていれると思った

のぞきこむホロスコープの向こう いくつもの思い出が

万華鏡みたいに のぞきこむたび 形や色を変えて

過ぎ去った 今もあの頃と少しも変わらないままそこにあって

夢見人たちの秘密基地には天高くかかげた「青春」という 旗が揺れている

いつの間にか僕らにはそれより大切なものが出来てしまった
だから思い出はただの思い出になった。

2015/11/21 (Sat)

[6858] 空の飛びかた
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遠い昔の人たちは 空を見上げるたびに

空を飛びたいと願ったという

羽根を 広げた鳥のように
両手を広げても 風ひとつつかめない

僕らは 空の飛びかたをどこかで忘れてしまった

まだ、アリンコみたいに小さな微生物だった頃に

最初の遺伝子が「人間になりたい」と願ったんだとしたら

僕らは飛ぶことより地面を蹴って一歩ずつ歩くべきだと笑う

そして大切なものを見つけるため生きるべきだと 思う

そして見つけたものがやがて宝物となって
君の心をいろんな色に染めてくれる

宇宙に思いを馳せた人たちがいた
昆虫や動物に心奪われた人たちがいた

僕らはどんなものに思いを馳せたりするのかなあ

まだ幼い少年の瞳にはこの世界がどんなふうに見えているのか

たくさんの夢を抱いて 「なりたいもの」に向かって歩いてく

そんな 旅に出る前の旅支度をしているのなら 涙も忘れず持っていけ

笑顔だけでは ままならない 旅になること 知っているなら

小さな 瞳 輝かせて
見上げる空には雲が流れて
目を閉じれば 幾億もの思い出が星のように心にきらめく

僕らは 空の飛びかたをどこかで忘れてしまった

まだ、アリンコみたいに小さな微生物だった頃に

最初の遺伝子が「人間になりたい」と願ったんだとしたら

僕らは飛ぶことより地面を蹴って一歩ずつ歩くべきだと笑う

そして大切なものを見つけるため生きるべきだと思う。

2015/11/21 (Sat)

[6859] 歩いていこう
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どんなに強い風に あおられても
向かい風に 押し戻されても それでも

前に進む君の姿に 僕は勇気をもらう

花のように 散っては咲いて
繰り返す 生き死にの中に 大切なものは見えるか

ふと見上げた空に星がひとつ 希望のように輝き
君を遠くから照らしているんだ

迷わないように 悩まないように

生きてきたけれど 僕は間違っていた

悲しまないように 泣かないように

生きている僕らは どこかで間違えていた

生きることは 間違わないことじゃない

生きることは 何が間違いを 知ることだ

間違ってはじめて その間違いの何が

間違いなのか 気づくためにあるんだ

他人のことなどお構いなしに生きる

そんな人たちの心の闇を 見つめたら

病気みたいに理由や原因があるんだろう

だけど 人の冷たさにふれた僕の弱い心は 愛することを忘れて憎むことしか出来なくなる

こんなにも たくさんの人が街にはあふれているのに
誰一人 泣いてる人に手をさしのべる人はいない

間違うことは 何が正しいかを知るための

ひとつの手がかりだ それを忘れないで

生きることは 迷うこと そして悩むことだ

迷って悩んで たどり着いた答えこそが

生きているというただひとつのたしかな

揺るぎない 証になることを頭に置いといて

今日もまた 僕は見えない雨にうたれながら

それでも 光を見失わないように生きてる

星さえない明日が見えない暗い夜

こんなところで立ち止まってしまわないで

君が知らない 幸せがまだこの先に咲いているんだから
歩いていこう きりもなく生きてやろう

諦めることならばいつでも 出来るよ だから

歩いていこう きりもなく 生きてやろう。

2015/11/21 (Sat)

[6860] ブラックコーヒー
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おそろいのマグカップで珈琲を飲むのが好きだった

愛とか そんなんじゃなくて 多分馴れ合いみたいなもんだったよ

でもいつの間にか 僕のほうは君に惹かれていた

君は気づいていたのかな そんな僕の気持ちに

会いたい もう一度だけ君のあの笑顔を見てみたいんだ

もう二度と会えないと知っていても心が君を忘れようとしないんだ

あの日この手を離さなければ そんな後悔だけが

砂糖もミルクも入ってないブラックの珈琲みたいに胸を 熱く焦がすよ

素直じゃないし ちっとも優しくもないけど君となら ありのままの僕でいれた

日曜には 二人で自転車に乗って サイクリングに行くのが 日課だったよね

君が 僕を嫌いって 避けた理由を僕は 最後まで知らなかった

「あなたを悲しませないように」なんて君といれないほうが僕は悲しいよ

冷たい北風が吹く 並木道を 二人で手を繋いで歩いたことや

お互いの好きなこと 眠るまで 言い合ったあの夜 忘れないよ

君がいなくなって残ったのは 数えきれない思い出とマグカップ

珈琲を淹れたけど 君の淹れた珈琲の味には遠く及ばなかったよ

あの日流れた涙が もしも君の 元に 流れて行ったならば
この思いも 運んでください 「あなたと一緒にいれて 僕は幸せだったよ」と

会いたい もう一度だけ君のあの笑顔を見てみたいんだ

もう二度と会えないと知っていても心が君を忘れようとしないんだ

あの日この手を離さなければ そんな後悔だけが

砂糖もミルクも入ってないブラックの珈琲みたいに胸を 熱く焦がすよ

数分もかからずに飲み干した マグカップには

思い出だけが 残って 僕は 寂しさでいっぱいになった

そしてふたたび注ぎ足される珈琲は どんな味がするだろう。

2015/11/21 (Sat)

[6861] シューティングスター
詩人:どるとる [投票][編集]


自転車転がして 集合 真夜中の待ち合わせ
今夜、流星群が見られるというから

テレビの天気予報は 晴れの予報さ
きれいな 流れ星が見れることだろう

どんなお願い するか決まったかい?
あれも これも たくさんありすぎてとてもじゃないがすぐには決まらないや

真夜中、零時
あとちょっとで 明日になる
日付が変わるその瞬間
隙をつくみたいに流れた シューティングスター

少年の瞳に 映ったあの日 見た光景は
今も忘れずに宝物みたいに
胸の引き出しに しまってあるよ

ほら、散らばった星の欠片が
今も胸の中に 刺さってる 心地よい痛み
それは 僕を 語る上でなくてはならない光

イヤホンから好きな歌が流れてる
いつか聴いたあの歌 変わらないメロディ

誰かの真似だってかまわないさ
とりあえず 夢を見てる 勝手気ままに

あの日願った願い事 を紙に書いて タイムカプセルに入れて埋めた
掘り起こすのはやめよう 夢は夢のままがいい

十年後も今と変わらずに みんなで
笑いあえると信じてた僕らは今
それぞれに違う場所に散らばってる まるでシューティングスター

それぞれ異なる 光りかたで 生き方は違えども この世界に輝く星になったよ

ほら 遠い場所から 同じ空と空でつながってるから 空を見上げればいつでもそこにある光

もう乗ってた自転車も 小さくなって 乗れなくなった

秘密基地なんかの地図もなくなった

あの頃の僕らを 確かめるものは 何ひとつないよ
それでも、この手のひらを広げれば
あの夜つかんだ無数の星が涙になってこぼれるよ

真夜中、零時

スタートラインから旅立つ僕らを何度も思い出す

自転車に乗った 僕らの背中が目指す未来がその先にある。

2015/11/21 (Sat)
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