詩人:どるとる | [投票][編集] |
すっぱい葡萄が食べたくなるの
季節を通り過ぎて風の行方を
探しに旅に出る 旅に出る
すっぱい葡萄が 食べたくなるの
悲しみの あとには
ただどこまでも 続く坂道が
果ても見えない
明日を 遠ざけるの
芋虫の歩く速さで
遊覧船のペースで
いろんなものを 見て聞いて
ああ いつの間にか
終着駅にたどり着く
終わりが見える そんな人生なら
季節を通り過ぎて風の行方を
探しに旅に出る 旅に出る
そして食べ終わったあとには
すっぱい葡萄の種だけが
数粒 残るだけ 残るだけ。
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しょっちゅう 風が吹く
しょっちゅう 風が吹く
家の中には
しょっちゅう 風が吹く
しょっちゅう 風が吹く
嵐の家です
喧嘩ばかり してるから
しょっちゅう 風が吹く
しょっちゅう 風が吹く
性格 合わないから
なかなかどうして 飽きないの
屋根が飛んでも
家が傾いても
しょっちゅう 風が吹いても
愛だけは あるみたいで
すぐに仲直り
すぐに仲直り
ベットにゴー
子沢山 子沢山
しょっちゅう 笑い声が絶えない
しょっちゅう しょっちゅう しょっちゅう
風が吹くよ。
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雨の中に 置いてきた心が
今さら 名残惜しくなってしまったみたいだ
寂しくないなんて 嘘を重ねても
君に会いたくなってしまう 日曜日
朝から あいにくの雨
濡れ鼠の 日曜日
たとえば 僕にも誰かを愛することができるなら
神様 教えてください 幸せのありかを
僕の全部で 君を幸せに したいんだ
僕は 幸せになんかなれなくてもかまわないから
愛を歌わせて 今
止まない雨の中に
光を灯すような
そんなひとつまみの希望をくださいな。
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あー眠らない 僕たちは いつまでも
子供のままで 夜が明けるまで遊んでられる
あの頃は楽しかったなあ いつでも
そんな言葉で過ぎ去った昔を懐かしむ
明日に 行きたくない心が 思い出に 行き場を求めているんだ
眠らない 真夜中の麻雀 負け勝負
あー眠らない 僕たちはいつまでも
子供のふりで駄々をこねる いい大人
くだらないことに時間が過ぎていく
人のせいにして その場をやり過ごす
僕たちは まだまだ探し続ける 楽園のような 永遠の遊び場を
あー眠らない 僕たちは いつまでも
子供のままで 夜が明けるまで遊んでられる
夢から目を覚まさずにいられる
それなのに夢から覚めたら忙しい。
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小さな頃から 思っていたすべては
長い夢の続きのようにこの胸に
わだかまって 川をせき止めているよ
もうこれ以上何一つ 忘れないように
もうこれ以上何一つ古びないように
変わらないものは変わらないまま
永遠に閉じ込めたくて
夢を見ている長い夢を
いつまでも覚めたくない夢を
ここにいさせて 最後のわがまま
何を失っても
夢をなくすことだけは 死ぬより嫌だ。
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この手にあまる幸福を体のいい言葉に言い換えて
何かに絶えず追われるような焦燥を
必然というご都合主義のオブラートに包む
高く飛べるかな 名前の知らないあの建物の塀くらいは乗り越えられるかな
久しく使ってない 努力という言葉を
持ち出したからには最後の最後まで諦めないと誓う
にわか雨に降られて 途方に繰れる
夜明け前 明け方4時の小さな勇気
君に見せつけるささやかな比類なき抵抗
自由へのオーバードライブ
いくつかのレッテルを張って プライドで武装したら
こてこての理論で語り合いましょう 知ってるだけのえらそうな言葉でしりとりするみたいに
夜明け前の街はまだ昨日降った雨が乾かないまま 誰かの涙を引きずってる
早く起きてしまったからやることもなく
近所を2、3週走る すれ違う人などいない
抱いたのはありきたりな悲しみだから
わざわざ言葉にすることも恥ずかしい
誰に対する怒りだろう 行き場のない気持
まだ青い少年のぼんやりとした決意
あっという間に 日は昇り 橋の真ん中から眺める海の向こうから朝日が
久しく使ってない 努力という言葉を
持ち出したからには最後の最後まで諦めないと誓う
にわか雨に降られて 途方に繰れる
夜明け前 明け方4時の小さな勇気
君に見せつけるささやかな比類なき抵抗
自由へのオーバードライブ
来るべき未来への確固たる宣戦布告。
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観覧車は回る とてもゆっくりとしたスピードで
誰かの悲しみも 誰かの喜びも知らないままで
恋という痛み止めを飲んで
僕らはまた今日も笑っている
あなたのことが好きでたまらない
こんな気持ちもまるで作り物のように
巧みに無償の愛に成りすます
それでも 最後まで溶けずに残った
かすかな 数少ない温もりだけが
明日の欠片になっていくんだよ
大丈夫、その恋は追い風になって
なだらかに坂道を下りていくよ
折り返し地点のカーブの向こうへ
感情論にもつれ込む 気持ちだけで 踏ん張っている
それはまるでメリーゴーランドの はかない一周みたいだ
吐き出してしまうよあまりの甘さに
「幸せ過ぎて恐いくらいだ」
この幸せを まっすぐ見つめられない瞳
幸せはなくす恐さをはらんでる
それでも近くにないと不安で仕方ない
だから僕のそばにいて笑っていてよ
何が正解かなんてもうどうでもよくて
同じ答えを出すことより君が望む願いを
叶えられる僕になりたいと思ったよ
ここからは自転車くらいのスピードでいい
ラムネのように 口にした瞬間
はじけるような 恋
白いページには クローバーの押し花
あなたのことが好きでたまらない
こんな気持ちもまるで作り物のように
巧みに無償の愛に成りすます
それでも 最後まで溶けずに残った
かすかな 数少ない温もりだけが
明日の欠片になっていくんだよ
大丈夫、その恋は追い風になって
なだらかに坂道を下りていくよ
折り返し地点のカーブの向こうへ。
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平らな空き地に 静かに風が通る
草花を揺らすだけのかすかなそよ風が
いつか誰かが 置き忘れた小さな思い出
何もない景色の向こうに僕は見ていた
数千の雨粒に映るたくさんの命の揺らめきとか
タンスの引き出しの奥にしまった 傷跡に
つないだ手のあたたかさ
そこにないものは 心が描く それはまるで魔法のようさ
泡みたいに 消えていく思い出があるなら
僕のこの切なさも連れて行って下さい
言葉をください 空っぽの僕の心に
透明な水で満たすように
溢れ出しそうな程に
目を閉じて描くのは いつもあなたの笑ってる顔
歌を歌うこと 音を紡ぐこと
つまり言葉をつないで ひとつの歌にすること
愛する人への言葉にできない思いのかわりに
手紙のように綴る 思いの丈
数千の雨粒に映るたくさんの命の揺らめきとか
タンスの引き出しの奥にしまった 傷跡に
つないだ手のあたたかさ
そこにないものは 心が描く それはまるで魔法のようさ。
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平和をつくるのは完全なる独裁で
支配という糸に縛られている
安心が幸福というものを忘れさせる
どこぞの国の独裁者曰く
「平和とは独裁の中にあり
幸福とは独占の中にのみ存在する」らしい
自分だけが 肥え太り
いい物を食し、いい服を身につけ
豊かな暮らしをしているのに
貧しい民衆はいつまでも報われない
それがあなたがいうところの平和や幸福ですか。
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通り過ぎていく車窓からの眺め
雲のトンネル くぐり抜けていく
銀の翼が 残した うっすらとした飛行機雲
僕らの明日は 見えないままの漠然とした不安を抱えさせる
瞳の奥に咲いた花の花びらひとつ
救えないまま その命の散り際を見送る
雨が降る 景色をただじっと見ていた
そこに重ねる想いは雨粒と一緒に
はじけて消えた はかないその一瞬を
悲しむまもなく 長い夜が明ける
小雪混じりの街は 明かりを揺らして
赤や黄色に またたくきらびやかなライト
誰かの寂しさを 無理やり上書きしたようなページ
どれだけの言葉でどれだけの世界広げても答えは見えない
僕にもわからないんだこの胸の痛みの
はっきりとした名前は だから迷うんだ
追いかけても けっしてつかめないものばかりだ
急かされるように生きて何処に行くのか
いいさ僕は僕の答えを見つけてやるんだ
終わらない自問自答と自己完結の繰返し
定めなき 世界 形を決めるのは
いつでも僕自身だということもわかっている
だから、僕は昨日より今日より 確かなあしたを生きたいと思う
雨が降る 景色をただじっと見ていた
そこに重ねる想いは雨粒と一緒に
はじけて消えた はかないその一瞬を
悲しむまもなく 長い夜が明ける
季節はまたひとつ変わる 暦には舞い降る白い雪。