詩人:どるとる | [投票][編集] |
ふれた指先が いつかの ぬくもりを
覚えている あなたがくれた宝物
ありがとうって 愛してるって
伝えたい気持ちは言葉に出来ない
凪いでる海のように広がる さざ波の形を指でなぞって
この街の中には どれだけの笑顔がある
どれだけの涙がある そして どれだけの
人の 命が 色もないこの世界を 染めているのだろう
引き出しの中に 隠れた まばゆい光は
昨日見た 夢の続きを求めて旅に出る
過ごした時間や 重ねた思い出は
指折り数えてもまだ足りない
まぶた閉じて広がる 宇宙のような果てしなさ
この 街の中には いくつもの あなたがいる 僕も君も 同じ夜の中 そして朝の中
忙しいときも 暇なときも 君を思う人がいる
君を思う誰かの気持ちと
その誰かを思う気持ちが
交わって 重なって この世界を照らす光になる不思議
今日も 誰もが誰かに思われている
誰もが誰かを思っているんだ
この街の中には どれだけの笑顔がある
どれだけの涙がある そして どれだけの
人の 命が 色もないこの世界を 染めているのだろう
その色とりどりの色鉛筆で。
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快楽のアンダルシア
痛みの向こうより来る
笑うは神か悪魔か
四肢を 裂き
骨を砕き
作られたる恍惚
開け パンドラ
来ませ新世界
快楽のアンダルシア。
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心が離ればなれになって
互い違いの 迷子のようさ
宛もなく どこに行くこの 風の行き先を知らず
僕は僕である 意味もないまま
ただ 引かれた線をなぞるだけ
幻なんです 目に見えるもの以外は
そんな つまらないものの見方で
そばにあるいろんな光を 見失ってしまう
足元に揺れるかげろうのささやき
引き出しの中の 思い出たちが泣いている
目に見えるものしかないのなら
花を染める色も空を染める色も
この目には映らないのに
この耳には届かないのに
心だけが 見えないものに 気づいてる
公園の ブランコが揺れてる
そのリズムにあわせて歩く
あの空に浮かぶ雲の形さえも言葉にできないようでは
見えないものは計算できないものばかりだ
幻なんです 目に見えるもの以外は
そんな つまらないものの見方で
そばにあるいろんな光を 見失ってしまう
足元に揺れるかげろうのささやき
引き出しの中の 思い出たちが泣いている
目に見えるものしかないのなら
花を染める色も空を染める色も
この目には映らないのに
この耳には届かないのに
心だけが 見えないものに 気づいてる
心だけが 見えないものを 見つめてる
だからふれられないものさえも
違わずここにあるよ。
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冷蔵庫が 落とすかげろう
甘い花の香り
浅い眠りから 覚めたあとの恍惚に
自惚れたままの 世界は ぼんやりと
気まぐれに まかせて
綴った言葉のように つたない
海月が 泳ぐ 空に
命がちょっとだけ
顔を出したような
はみ出したままの無防備な心に
陽射しはあまりにも激しすぎるから
少しの間をあけて 片目で君を見る
透明なガーゼに 太陽をかざして
七色のビーカーに 虹を閉じ込める
浅はかな日曜日の憂うつに
言葉を多用しすぎた
僕の敗因はそこにある。
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憂うつな午後の
影の中 僕は虫のふりで小さく生きる
生き物たちの けなげな生態を
神様のふりで 高いところから眺める
日曜日の 僕は少しだけ えらそうに
世界を 見下ろす ここからの眺めは
寂しいから 誰かの手を握っていたいよ
憂うつな午後の
影の中 僕は誰かを待っているふりで
一人言葉を 吐き出して納得したり
思いあぐねたり 君を思い出したり
日曜日の 僕は少しだけ えらそうに
世界を 見下ろす ここからの眺めは
寂しいから 誰かの手を握っていたいよ
愛とかで ごまかして 笑っていたいよ
日曜日くらいは。
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空から降ってくる 雨粒の爆弾
上手に よけて 襤褸襤褸の傘持って行く
がらくたの街を 駆け抜けて行く
非行少年 あの時世界は僕の敵だった
飛び去る翼 青白い 光 隙間から差す
鈍色のサーチライト
雨上がりの空に 僕だけの 未来が開けた瞬間だった
神様はいない そんな ありふれた答えにたどり着くために
今まで 走ってきた訳じゃないけれど
これではあまりにも 簡単な結論だ
だから、まだまだ
旅はこれから
雨がやんでも終わらない闘い。
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窓に映る 誰かの暮らしを ぼんやりと
眺めては幸せそうだなと 似合わない顔で
羨ましそうに 笑う
雲は流れていく 誰も知らない空の向こうへ
ただひとつの 迷いもないまま
僕の中の僕と君の中の君で 世界はこれから
少しずつ 面白くなっていく 面白くなっていくはずだ
電車の一番前の席に座って
沈む夕日を眺めては 涙を流す人も
変わらない ぬくもりの中に
手のひらに灯る明かり
世界は 暮れていく 船を漕いでゆく 銀河の海原をゆく
絵に描いた 幸せが今なら見える
僕の中の僕と君の中の君で 世界はこれから
少しずつ 面白くなっていく 面白くなっていくはずだ
明日からは 今日とは違う世界が 見える
見えるはずだ。
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瞳の中に 色とりどりの色が
僕の色のない世界を勝手気ままに染めてく
悲しみにも喜びにも色があることを知っているかい?
僕には見えるのさ君には見えるかい?
鍋をひっくり返す意味のない有り様にだって
意味を 持たせれば
意味のあるものばかりが輝くこの世界は ちょっとだけ 難解だ
意味のないものばかりなら 面白いのに勿体ない 勿体ない
悩みの種を まこう寂しい土の上に
神様がくれたいろんなことを考える時間
生きることを 悩むように
生きることを 迷うように
与えてくれたこの不完全な脳みそで 今日も考える卑猥なこと
それもまた必要なこと
たまに大事な人を思う
それもまた必要なこと。
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夏の畦道に 続いていく 日々
青い空 白い雲 開けっ放しの窓
蚊取り線香 回る 扇風機
畳の上に 寝転がる昼下がり
風鈴の音と 引き出しの 絵日記
やりかけの宿題と 昨日見た夢の続き
どこかに置き忘れた時間
誰かの麦わら帽子が 風に あおられ 飛んでいく
夏の夕暮れ 一人空を見上げて 口ずさむのは 懐かしい ふるさとの歌
思い出す 少年の夏。
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言葉で伝えられることはほんの少しで
気持ちの半分も 伝えられないよ
だから大切な気持ちを伝えるときには
言葉じゃなくて 言葉以外の方法で
どうにか伝わるようにどうにか届くように
少し無理して手を伸ばしてる 君の心に
描いてるイメージにふれたい
もっと君を愛せるように
強がりで意地っ張りなこんな
僕の 駄目なところ挙げたら
きりがないくらいなのさ だから
必要以上の ことは言わないで
そばにいてくれたなら それでいい
それが明日の笑顔になったりするんだよ
映画の中に あるようなハッピーエンドは
つくられた幸せだから 夢なんか見るな
でも胸の真ん中で君を思うたび 心が言うんだよ 「君が笑ってくれるなら」
大抵のことは ドラマみたいな展開で
ロマンチックに 君を喜ばせてあげたい
いつの間にか 夜になる 空に月が昇る
答えはきっと胸の中
本当は君が 望むことすべて 叶えてあげたいんだ
でもわがままな僕には 到底そんなの無理です だから
道に迷ったように その場しのぎの言葉探すようなら持ち得るだけの優しさで 君を抱きしめてしまえばいい
はじめて喧嘩した日の夜は あまりにも長く感じたよ
背中あわせでも伝わる寂しさが 僕の胸に 刺さって
君に会いたくなる
ああなぜだろう 喧嘩する前より 仲良くなっている
強がりで意地っ張りなこんな
僕の 駄目なところ挙げたら
きりがないくらいなのさ だから
必要以上の ことは言わないで
そばにいてくれたなら それでいい
それが明日の笑顔になったりするんだよ。