詩人:どるとる | [投票][編集] |
引き出しの中の小さな思い出を
そっと眺めていた 窓からあふれる青
はみ出しそうな思いはやがて
はにかんだ君の笑顔に 消えて
ほころんだ花は 言葉もなく咲く。
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言葉はなんでこんなとき
役には立たないんだろう
目の前にどうしようもなく
広がる夜には 勝てそうもないけど
頼りなくても握りしめた手は
誰かを守るために 強がるだろう
涙をそっと 包み込むための手のひらなら
それは優しさになって雨のように降る
ポケットに 忍び込ませた寂しさが
今さら僕を素直にする
誰かに会いたい ふとそう思う
眠れない夜は 少しだけ弱くなる
見上げた空に 星を描いて
見るものすべてを愛そうと決めた日に
ポケットに夢を つめこんで旅に出た。
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か弱い 生き物は小さなその体で
広すぎる大地を 歩いている
緑と青の星に 朝が来て夜が明ける
愛を知らない僕たちも
輝く言葉で歌を歌う
イモムシが見上げた空の青も
トンビが見つけた赤い木の実も
この世界の すべての生き物たちの胸に脈打つ 命の音
魔法なんて使えるわけもないけれど
大切な人を思うとき魔法みたいに
世界はひとつに重なって
遠い距離を越えてあなたに会える。
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さよならなんか 笑い事ですましてよ
わかりあえないくらいなら
とめどない涙で世界を濡らすよ
言葉を重ねて会話を続けたら
いつかは たどり着けるかな
愛なんて 不確かなものにだって
頼れるならば さよならなんて見えない
僕には生きることだけが今は夢さ。
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言葉に頼らず会話を続けたら
紅茶数杯ぶんの時間もままならない
愛を語るのに 言葉はいらないのに
手をつなぐだけでどうして伝わらないの
頭に頼りすぎて心が使い物にならない
目を閉じて 耳をふさいでも会話はできる
言葉がなくてもぬくもりでわかりあう
下手な 技巧で飾り立てた言葉よりも
ふれたときのぬくもりのほうがいい。
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あわせ鏡みたいに
向かい合った昨日と今日
間違い探しのように 些細な 違いを探してもむなしいだけだ
目隠しをしながら 綱を渡るような
不安な気持ちを 隠せない僕は
明日が 来ることにいつもおびえてた
目をふさいだ 瞳に映る暗闇と
にらみ合いながら 探した光は
空に落ちて 星になる
逆さまに見上げた空は 宛もない僕たちを 笑うだけ
行き場のない 明日は ただ移ろうだけの季節を 行き交う気ままな旅人
そして僕は 地球を一回りして見つけた
小さな きっかけから 振り出しへと舞い戻り
もう一度 生まれ変わってネジを巻く
やがて動き出す世界を 待ちわびながら
夜明けまで 眠りこけているよ。
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世界はここから始まって また終わる
あるはずもない永遠を探しながら
惚けたように笑う君をいつまでも見ていたい
フォーエバー フォーエバー 何度でも
傷つき 何度でも癒され
試すようなしぐさで神様気取りの 君は
今日も 限りなく遠いね。
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星ひとつない寂しい夜空に
光を灯せば 迷える誰かの足元くらいは照らせるかな
地図も持たない旅だから 迷うこともある
夢ばかり見てる 憧れてばかりいる
数えきれない だめなところを愛せたら素敵
目を閉じたまぶたの裏に 夜を広げて
星を描くよ 青く輝くオリオン
まぶたを閉じればいつでも会える。
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掟の上を歩いてたら見失った
いくつかの仮定をたててみたけど
考えれば考えるほどわからなくなった
答えは相変わらず空欄のままだ
短い命が終わった 春を待たずに終わった
羽をたたんで 渡り鳥は旅人をやめた
高い屋根から見下ろす世界は広すぎて
軽いめまいがした 180度世界が回った
何処となく 同じような景色を
見たことがあるようなデジャブに襲われ
僕は 意味をなくしながらまたひとつ
ページをめくる スワロー
翼で 涙を拭ってあげるよ
愛しい人は 笑うたびに泣いている
常識はこんなときに役には立たないな
レールから外れた思考が必要だ
日が昇っては沈む 繰り返す朝と夜
夜明けとともに 振り出しからのスタート
目を閉じて 広げたイメージにふれたい
人で溢れた街に紛れて悪魔のふりしても
僕は 悪者はどうやら似合わないらしい
正しさからは目をそらせないのがルール
僕は 何度でも同じ過ちを繰り返すだろう
知りたいと思ったとき羽はひらくんだ
あらすじなんかには振り回されない
ときめくような未来まで この一歩で行く
たどり着く その場所で物語は始まる
高い屋根から見下ろす世界は広すぎて
軽いめまいがした 180度世界が回った
何処となく 同じような景色を
見たことがあるようなデジャブに襲われ
僕は 意味をなくしながらまたひとつ
ページをめくる スワロー。
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開かれたページに
翼は持てず 空も飛べない僕らは
手にした 竹トンボで弱々しい風を起こすだけ
冬がくる前に南へと渡る鳥たちは
星の海を横切り 雲の桟橋をあとにする
その夜、ありふれた奇跡が 街中に幸せを 降らせた
雨も優しくこのほほを 伝い流れ 僕たちは笑ってた
時間の泥棒が 朝を盗み去るのを 指をくわえて見ていたよ
くちばしで太陽を引っ張りあげたら
朝は すぐ目の前に
あれほど たくさんの鳥たちはもう居ない
長い夜も 明けた。