詩人:どるとる | [投票][編集] |
うつろなまなざし
吹けば消えてしまいそうな願い
残された思い出に小さな胸を焦がして
何度でもプレイバックするあの日
恋にやぶれた人は皆 涙を抱きしめて
歩き出す機会をうかがっているというよ
出来すぎたあらすじを はみ出して
僕は風に吹かれて 旅人になる
忘れたくない思い出を手に
寂しいときも悲しいときも 生きていく。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
みんな昔は猿だった
石斧を手に 大地を走り回ってた
みんな昔は猿だった
獣を狩り 裸に毛皮
夜は 今よりずっと暗くて
機械なんかもない
それでも不便はなかった
便利な道具に頼りすぎた僕らは
多分、その良さがわからない。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
どうしようもなくなってたどり着いた夜
やることといえば自慰に耽るくらいで
締め切りのカーテンと日当たりのわるい窓
天井のシミと会話する日々
暑いなあとか寒いなあとか
季節も いつなのかわからない
失った 大切なもの
一つ一つ指で数えた
風に揺れるブランコ
明日へと 漕いでく
寂しさに 素直になれずに案の定
ふるえる羊のように朝まで泣いた
意味もなく 回る時計
息を止めたい 縁起でもない
行きたい場所は あの世です
したいこととか やるべきこととか
特にない 探そうとも思わない
遠くに見える星
一つ一つ 指で数えた
ドアを開けたり閉めたりするのが
一日の中で一番 力を使う仕事
暑いなあとか寒いなあとか
季節も いつなのかわからない
失った 大切なもの
一つ一つ指で数えた。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
寂しさだけが この街を染めている
泡みたいに 生まれては消える
ただの数秒の中にある 光が見える
銀色のバスが 夜の闇の中を 行く
流れ星のようにライトが 尾を引いて
風が走るこの街で
雨に濡れたほほを
幸せそうにゆるませて
君は笑った 君は笑った
目をつむったままで描く写実的世界
真夜中の画家はその類いまれなる才能で
この街を彩り豊かな色に染める
誰かが 勝手に名付けたすべてに
背を向けて 僕は茨の道に歩き出す
夜風を切って 走る 雨を はじきながら
お腹を空かせてるから
得意料理で もてなして
窓に映るような ささやかな暮らしの場面
涙と笑いのエピソード
あなたが抱いたひそやかな 悲しみも
僕なら 引き受けてみせるから
風が走るこの街で
雨に濡れたほほを
幸せそうにゆるませて
君は笑った 君は笑った
あの日、はじめて離ればなれの
心がふれた気がしたよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
波が打ち寄せる 胸のひだを撫でてく
冷えた手を握ったあの夜は長かったね
愛したぶんだけ愛された日々
出会いと別れを繰り返す中で
知った優しさを たとえば得意気に
誇示しあって 二人の恋はそれでうまくいく。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
時間泥棒が 朝を盗んでゆくのを見た
あまりの早業に 僕の目はくらくらさ
屋根から屋根へと飛び移り
星を 盗んでゆく手際のいい魔術師
今度はどんな魔法を見せてくれるの?
種も仕掛けもない夜に 起きる奇跡
夢から 飛び出して僕に会いに来る
幸せの羽ばたき 楽しそうに
ステップ刻む足音
僕は世界を少し甘く見てた
この世界が こんなにも眩しいなんて
手のひらに 思い出を映しては笑う
夜間飛行の真っ最中 行き先はない
同じところを行ったり来たり
箱の中から飛び出す仕掛け
目には見えないファンタジー
常識なんてまるで 通用しない
魔法仕掛けの 不思議な出会い
出し抜けに咲く 名前も知らない花
つまりは君の笑顔
僕は少しだけ 明日を待ちくたびれたよ
一足先に 明日に会いに行こう
色眼鏡で 見る世界は すべてが
つまらなく見える だから裸眼で
心はさらけ出したまま傷痕を抱いて
この世界を 飛び回る自由すぎる翼
種も仕掛けもない夜に 起きる奇跡
夢から 飛び出して僕に会いに来る
幸せの羽ばたき 楽しそうに
ステップ刻む足音
僕は世界を少し甘く見てた
この世界が こんなにも眩しいなんて。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
二人の恋は まるで通り雨のように
ざっと降って 嘘みたいに止んだ
最後に 乗ろうよ 記念じゃないけど
君が好きだったあの遊園地の観覧車
一番 高い場所から見る街並みは
二人の日々を そっと映していた
あの街は 涙も笑顔も 染み込んでる
それでも 今日で僕らはお別れです
強がりだからさよならは 言わないよ
だけどゴンドラが地上に着いたら
もう僕らは知らない人どうし。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
何でもない月日を重ねて
いつの間にかそれが思い出になる
ぎこちなかった二人も明日は
今日よりもほんの少しだけマシになる
目を閉じても 消えない人の顔
あなたが笑う イメージの中で
大切なものは 胸の中にあるから
大丈夫だよ 悲しみにさらされても
世の中に吹く風は冷たいから
いつも傍らにいてね そして笑っていて
たとえば 特別なことは何も望まないから
一日の中で交わす ただいまとおかえり
それが明日も 言い合えればいい。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
降り注ぐ陽射しの雨を 軽やかに避けながら
君は 夏色に染まる街の風景になる
小さな 僕の体を運んでく快速電車
窓から見える景色が 海を映した
風をとらえて 空を飛ぶようなイメージで
目も覚めるほどの青い空を駆け抜ける
絵日記には真っ赤な太陽
砂浜に つけた足跡
君は 日に焼けた背中にきざまれた
目には見えない ひと夏のメモリー
プールバックを提げた 少年は大きな口を開けて笑う
夏休みだ それだけでハートはドキドキ
暑さなんか 知らなかった頃に見た夢は
七色に 光り輝いていた気がする
蝉しぐれの畦道 神社の長い階段
誰かが忘れた サンダルの片っ方
痛みとともに思い出すのは昔浮かべたあの笑顔
君が確かに抱いていた気持ち
忘れているだけで今もこの胸に
目を閉じる 水溜まりを飛び越える
着地するまでの ほんのわずかな
瞬間を 焼きつけた永遠の時間
風をとらえて 空を飛ぶようなイメージで
目も覚めるほどの青い空を駆け抜ける
絵日記には真っ赤な太陽
砂浜に つけた足跡
君は 日に焼けた背中にきざまれた
目には見えない ひと夏のメモリー。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
ずっとここにいるよ
頼りないかもしれないけど
不器用だけどそれでもいいなら
ずっとここにいるよ
日が暮れて あたりが静かになって
子供たちの笑い声もすっかり聞こえないね
僕は寂しくて どこか切なくて
あなたの声を 聞きたくなる
ふいに浮かんだ あの笑顔が今も
この胸に懐かしく よみがえる
変わらない君の匂いをした風が吹くよ
会いたいと思ってはいけないのに。