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青春を 謳歌する為のささやかな痛みを請け負っているよ
それはまるで マゾに属する人間の それに近い快楽
大人になる為の ささやかな罰を請け負っているよ
僕の尊敬するバンドマンは言った
「大人になることは罰」だと
流れ込むように 落ちるどこまでも
水の 勢いは止まらない すぐに
水没する 意識
眠ってた自我を解放
僕らは きっと永遠に青春の中に生きる
僕らは きっと永遠に青春の街の住人。
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うなるエンジン アクセルを握りしめて
景色は面白いくらいに 彼方に飛ぶ
閃光のように走る 小さな体は風になる
空を飛ぶことを夢見た遠い昔の偉人は
どうすれば空を飛びたいか考えるより
空を飛んだ あとのことを考えていた
翼が目に見えるものではないとしたら
この心にも それらしいものがあって
その翼で空を飛ぶことだってできる
ふわり 体が宙に舞うような感覚が僕を 空に連れていく
思いのほか静かな心と同調するエンジン
ゆるやかなカーブを描くような軌道
景色が モザイク模様に ぼやけてる
僕は愛のなんたるかなんて知らない
同じように空のなんたるかも知らない
僕も事が済んだあとのことを考えてる
飛びたいと願う心が僕を連れ出す
知らなかったたくさんの光に出会える
描いた翼は僕に似て少し不恰好
翼を開くまでが少し 勇気がいるよ 飛び立てばあとは道なり
辞書の中にある 言葉にも 光はある
しかしながら言葉では 足りないものがある
それを埋めるように存在する 閉ざされたドアを開ける鍵
それが 所謂、想像力だ
イメージして ごらん
目を閉じて広がる闇の先にある 光にぐっと手を伸ばす 感覚
翼が目に見えるものではないとしたら
この心にも それらしいものがあって
その翼で空を飛ぶことだってできる
ふわり 体が宙に舞うような感覚が僕を 空に連れていく
一歩前の 世界に連れていく 幼いままの君を。
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ラズベリー色の 空の向こう
金網を よじ登る夜中
プールに忍び込んで
君は 得意そうに笑った
水のない水槽には塩素のにおいがまだ少し残っていた
擦れたタイルに 夏を見た
真夏のうだるような陽射しは 消えて
少しだけ うすら寒い夏の夜のこと
君の唇の柔らかさとほろ苦さを知った
少しだけ大人になったつもりの少年
炎天直下を 逃げ回り 日陰に
逃げ込む アフタヌーン
ふれた指先 手放し運転で駆け抜けた畦道
下心だけで 満たされていた
拾ったエロ本 湿った肌に 雨の洗礼
あわてて 屋根の下に 避難したよ
雨宿り 午後6時 濡れた制服に欲情
息をするたび 香る甘い果物の匂い
「雨、やみそうにないね」なんて言うから
意地悪く 僕は傘を忘れた君をおちょくる
あの日の万華鏡のような
日々の中にあった 光は今ではもう
二度とは手に入らない幻
揺れるかげろう
誰もいない 下駄箱
カンカン照りの 校庭
あの頃世界には自分を偽る嘘などいらなかった
そしてまた 僕はあの日に 帰る
思い出した 記憶をたどりながら
おぼろげな記憶を 手繰り寄せる 夢の中
真夏のうだるような陽射しは 消えて
少しだけ うすら寒い夏の夜のこと
君の唇の柔らかさとほろ苦さを知った
少しだけ大人になったつもりの少年
雨宿り 午後6時 濡れた制服に欲情
息をするたび 香る甘い果物の匂い
「雨、やみそうにないね」なんて言うから
意地悪く 僕は傘を忘れた君をおちょくる
それはきっと君がくれた愛のせいだ
なんて 言葉を 伝えそびれた僕は迷子
いつまでも あの畦道をさまよう蝉しぐれ。
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青い空に 浮かぶ雲に 桜の花びらが
ひらひらと 舞い踊る
そんな 午後の昼下がり
誰かを思って ほくそ笑む
咲いたばかりの気持ちの 行方占うように 手探りの蝶々
花は 笑わず 泣かず
おごらず 寒さに堪え忍び暑さを忘れ 風に揺られ
空に思いを 書き綴る 真っ白な 画用紙いっぱいの空白
余計な願いは ひとつもない
だからあんなに きれいに咲くのでしょう
だからあんなに きれいに咲くのでしょう
夏の陽射しの中で
冬の 厳しさの中で
花は花の命を全うするだけ
雪に 身をたくし
光に つつまれ
闇に かくれてあなたの生きる世界の片隅であなたと同じ時を 過ごす
花は 笑わず 泣かず
おごらず 寒さに堪え忍び暑さを忘れ 風に揺られ
空に思いを 書き綴る 真っ白な 画用紙いっぱいの空白
余計な願いは ひとつもない
だからあんなに きれいに咲くのでしょう
だからあんなに きれいに咲くのでしょう。
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暗く暗い部屋の中でいつまでそうしてるつもりだ
閉めきったドアを蹴破って出ておいで打たれ弱い心よ
アランクォーターメインや
トムソーヤが探した夢を 探しもしないで
腐るだけを待つ日々なら
悲しみに 一度はさいなまれてみるんだ
16ビートで刻む 雨が打ち鳴らすメロディ
台風の夜に 革命は起きた
「こんなんじゃだめだって思った」だから歌う
歌え世界中に発信 あらゆる常識を笑い飛ばして
だれた頭脳を切り刻め切れ味抜群のキラーチューン
届けキミの心に配信 電波をジャックしてネットにアップ
風に ぶたれて走れ 引きこもりからの果てしなき大脱出劇
そういや 昔こんな映画があった 気がする
主人公は 監獄からの脱出のために 命懸けになってた
ロジャーラビットは 飛んだり跳ねたり
目玉が飛び出すほどに驚いてまた跳ねる
日常にちょっとしたユーモアを
刺激の強いスパイシーなナンセンスを
五線譜を 行き交うように さまよう思いは 新しい 音楽の可能性やらを 求めたりしているんだ
思いを声にする作業
歌え世界中に発信 あらゆる常識を笑い飛ばして
だれた頭脳を切り刻め切れ味抜群のキラーチューン
届けキミの心に配信 電波をジャックしてネットにアップ
風に ぶたれて走れ 引きこもりからの果てしなき大脱出劇
どこに行くとしても ちょっとやそっとじゃ帰らない旅
夜明けが ほら急かしてる だから行こう
「僕の世界は僕自身が変えなくちゃ」
だから歌う。
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1 2 3 数を数えながら
階段を 一段飛ばしでかけ上がるストーリー
約束は多分いらない
明日も 花が咲くなら会えるだろう
あらゆる常識に囲まれている
しかも阻まれてる
規制概念に 逆らえない体は 心さえも縛りつけるよ
ハックルベリーフィンは 木の上から
街を見下ろし 群衆の中に紛れてる僕を笑った
「おまえはどうしてそんなに悲しそうな目をしているんだ?」
僕はただ おまえの試すような目を見てた
空から落ちてくる 太陽は 風を読む力に長けているらしい
本を開けば 知らない世界は いくらでも
見えるのに 残念ですふれられない幻
嫌われ者は 退散 退散
私はあえて こんな格好
みすぼらしさに 憧れているよ
トムソーヤにはなれない ハックルベリーフィンは
君に似てとてもまっすぐな背中をしてる
「いいさべつに一人でも僕は僕なりの冒険をするよ」
僕は僕自身を 試すような目で見てた
落ちてく 意識の向こうに そっと
朝を描いて 手を伸ばす 太陽をつかむイメージで
ありふれた魔法で世界を 君より先に 見に行くよ
ハックルベリーフィンは 木の上から
街を見下ろし 群衆の中に紛れてる僕を笑った
「おまえはどうしてそんなに悲しそうな目をしているんだ?」
僕はただ おまえの試すような目を見てた
さらに向こう側にいる君に話しかけてた。
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つけっぱなしのテレビ画面に走る
ノイズのような日常を汚すシミだ
さっきまで吸っていたタバコが
灰皿の上で悩ましく煙をあげてる
めったに泣かない僕が泣いたのは
誰のせいでもないがとりあえず お前のせいだってことにした
思った途端飛んでゆく急ぎすぎの両足
色とりどりの星を降らせるこの夜に
どこまでも青の世界に沈んでく心
もう 帰らない このまま僕らは散り散り
人混みにあてられて酔ったようになる
どこかで見たことがあるような景色だ
ここにあるものすべてが世界のすべてなら
何も苦労しないのに
窓の外に 暮れかけたオレンジの 空が
雲をはべらせて 僕の胸まで赤く染める
疾走感に酔いしれたままの程度の低い頭
それは未来を照らすささやかな光です
昨日見た夢の続きをまた 反芻してる
もう わからないよ 夜の先が見えない
野良猫のように軒先を さまよえば
絶望を具現化したような 世界には
希望なんて不必要なものなのかなって
ちょっとだけ やさぐれた
思った途端飛んでゆく急ぎすぎの両足
色とりどりの星を降らせるこの夜に
どこまでも青の世界に沈んでく心
もう 帰らない このまま僕らは散り散り。
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幼い日に 画用紙に描いた未来は
とても とても 素晴らしいものだった
空飛ぶ車に なんにでも効く薬
想像すればいくらでも
未来は 明るくなった
小さな指先で 先の削れたクレヨンで
描いた未来には 届いたかい?
未来に 夢も希望もないけれど
それはそれでいいと思ったよ
思うより僕らの未来は明るいよ
遠い先の未来よりすぐ目の前の未来
大切なのは 何十年の先の未来より
ちょっと先の未来。
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降り注いでいる 雪混じりの雨が
走る電車の窓に人懐っこく寄り添う
指先さえも 冷えてしまうような寒い夜
予報によれば東京は小降りの雨
仕事も最近は 忙しくて君を思う暇もない
待ち合わせの時刻まで時計とにらめっこ
ちょっと早く来すぎた僕は無意識に貧乏揺すり
でも 君が「待った?」って聞いたなら
「全然待ってないよ」なんて笑うのだろう
そんなイメージを抱えて笑っていたら
ちょうど君があらわれた
時刻は9時を回ったところ
こんな未来を 待っていたんだ 僕は多分ね
行きたいところは特にないから風まかせ
行き当たりばったりの人生そのまま
昨日観た映画の話 オーバーアクションで
銃を撃つ構えでシーンの説明をするよ
そんな僕を見て君は楽しそうに笑うんだ
その瞬間の中に光る輝きに目を眩ませて
近い未来を互いに想像しあっては過ぎるなんでもない毎日を
それとなく のらりくらりと乗り越えて
たまに気を利かせて愛をささやいたりする
そんな 似合わない言葉に 君は
「無理しなくていいよ」なんて
逆に気を遣わせてしまうのです
どうやらすべてが思うようにはいかないようです
何度でも すれ違っては 何度でも出会う
終わりのない 待ち合わせのような
少しの寂しさをはらんだ二人の恋は
取り急ぎ 続くよこのまま
待ち合わせの時刻まで時計とにらめっこ
ちょっと早く来すぎた僕は無意識に貧乏揺すり
でも 君が「待った?」って聞いたなら
「全然待ってないよ」なんて笑うのだろう
そんなイメージを抱えて笑っていたら
ちょうど君があらわれた
時刻は9時を回ったところ
こんな未来を 待っていたんだ 僕は多分ね。
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届かないと知りながら手を伸ばした空に
輝く星は明日の空は晴れるって教えてる
今まで出会ったこともないような
悲しみにふと 出会ったとき
打たれ弱い心は ただ泣きじゃくるばかりで
何の理由もなく怖じ気づく心が
堪らなく 今すぐに捨てたかった
それは所謂モチーフみたいなもので
たったひとつの常識をみんな
お利口に 描き写しているに過ぎない
少し枠からはみ出しただけで
指をさされ 笑われるような 世界だから
個人の 独創性なんて夢のまた夢さ
それでも、負けるもんかって
唇かみしめた人にだけ描ける明日がある
ほら、真っ白だった明日が 待ち遠しくて仕方ないのは
いつの間にか 夢を抱いてるから
過度な期待でがんじがらめの 毎日を生きてる
鼻歌を歌う風が まだ青い心を笑う
「手をつなぐ人がいる」
「喧嘩する人がいる」
それだけで 毎日は幸せなはずなのに
時にそんな当たり前なことを忘れて
愛をこばむのは愛され慣れてないから
同じモチーフで絵を描いてもみんな
それぞれに 見方が違うから
出来上がった 絵も違うだろう
上手い下手はあるけれど
そんなことより大切なことがあるよ
頑張って描いた君の未来は
どんなものより 輝いてると思うんだ
だから、途中で投げ出さないで
まだ絵は完成していないよ
まだ手をくわえる必要があるよ
色を重ねて 理想に手を伸ばすイメージで
線を 引いて 角度をつけて たまに
遠くから 見てみたり 君の未来は
少しずつ様になってく。