詩人:どるとる | [投票][編集] |
線香花火のように 落ちた瞬間の美しさ
バケツの中で泳いでる金魚が跳ねた夏
神社の境内に続く長い階段かけ上った
君の丸みを帯びた背中が 遠くなっていく
すぐそこにいるのにあれ可笑しいな
決められたあらすじをいつの間にかそれていた
追いかけなきゃ流れてく涙のあとを
祭りも終わりかけて片付け始めた頃に
君に渡したとっておきのラブレター
君はうれしそうに笑って言ったよね
「ありがとう」
その言葉だけで 僕はお腹いっぱいになったよ
不具合な約束の せいでひとつ乗り過ごした電車
田舎だから 次の電車が来るまで時間があるんだ
炎天下の中で 陽射しが突き刺すように降る
僕は小説家なんかだろうか
やけに 行間を気にする
空いてしまった間をどう埋めようか
そればかりに気をとられてた
誰もが納得する模範回答をください
ひどくぐらついたイメージのままで
打ち明けた思いは青い果実のようだ
とても食べられたもんじゃないけど
「あなたらしいね」って
嫌がるでもなく優しく 受け取ってくれたのを覚えてる
切れた鼻緒を 結び直すように
ほどけたなら何度でも
結んでいこう 下手くそでも
何マイルかは 歩けるだろう
そうやって 少しずつ 距離を伸ばしていくんだよ
祭りも終わりかけて片付け始めた頃に
君に渡したとっておきのラブレター
君はうれしそうに笑って言ったよね
「ありがとう」
その言葉だけで 僕はお腹いっぱいになったよ。
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夜を ひとつ明かして
悲しみなんかは 踏み越えてやろう
もはや僕らを遮るものはない
希望と不安が 5対5で渦巻いてる
世界の真ん中で 僕は今日も
半端なままの 覚悟で 叫んでる大義名分を
夜明けまでには間に合うかな
この思いを明日に運び届けたい
目がくらむほど眩しい 黄金の夜明け
羽を広げた鳥の群れを追い越して
風が 歌う 木々はささやく
すべての命ある 生き物たちが
この世界を染める 色になる
ほら 君もまたこの世界を染める 色のひとつ。
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星が 流れる いくつもの物語を
眠れない夜に 語るよ 吟遊詩人のように
窓から風が 吹き込んで ささやく夜には
星や月が素敵な 語り部になってくれる
魔法なんてない 世界にも不思議なことが ひとつ ふたつ
まぶたの裏に 広がる僕だけの箱庭
僕だけの願い事は叶うことはない
ステッキひと振りで使える魔法はない
でも目に見えない感情が僕の中で
魔法のように きらめきながら生まれる
遠い昔に誰かが描いた最初の命の形
見聞きしてきたことなんか
多分必要なんかなくなるよ
大切なのは今を生きること 目の前にある世界がすべて
悲しいことだけどそれが本当のこと
だから僕は魔法使いになれない
だって 願う必要もない
不便なことに 気づくことで
魔法使いには 気づかない 大切なことがたくさんあるから
星の引力で 惹き付けられた物語の 続きを知りたいのなら
本をたくさん読むことさ
ロマンは フィクションの中で生きるものだからね
ふれられるような夢はいらない。
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手をつないで歩く そんな姿を
イメージしながら 幸せを描いてみる
まぶたの裏にぼうっと浮かぶ顔は
いつでも 笑ってる そんなイメージだ
大好きな人に 幸せになってもらうために
僕は 一歩引いて あなたの後ろを歩く
本当は あなたの隣を歩きたい僕なのに
きっとあなたを幸せにできるのは
あなたが大好きな僕じゃない人だから
遠くから見守るだけのドラマの脇役さ
ぼんやりとした あなたの顔を
何度も見ている筈なのに思い出せない
それはあなたを よく見ていないから
あなたの笑った顔や泣いた顔を
大好きな人のすべてを知っているつもりで
知っているのは ほんの少しのあなたでした
あなたを追い越せない 追い着けもしない
イメージするのがやっとなのさ
あなたにとっての一番の幸せは
あなたが大好きな人と結ばれることだ
あなたが選んだ人があなたの大好きな人
僕じゃなくても それはあなたが選んだ
この世界で 一番大好きな人
大好きな人に 幸せになってもらうために
僕は 一歩引いて あなたの後ろを歩く
本当は あなたの隣を歩きたい僕なのに
きっとあなたを幸せにできるのは
あなたが大好きな僕じゃない人だから
遠くから見守るだけのドラマの脇役さ。
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陳腐な言葉に すがりついて
いつの間にか 笑い飛ばしていた
ただ過ぎるだけに終始してる時間をもて余した
胃カメラのように伸縮自在の
自由なはずの思いは宛もなく 迷子になって
光と影の間を行き交う
あわよくば指先の止まり木においで 世界中にある
ありとあらゆる 奇跡の類いよ
僕に もう一度、幸いの再来を
一触即発の 大激闘
刃を合わせつばぜり合い 火花散る
夜明けに間に合うかなあ
急げば間に合うかなあ
たたんだ翼を 広げ思い出していた
忘れてしまった空の飛びかた
小説の前書きほど邪魔なものはない
早いとこ本文に進んで欲しいのに
くだらない作者の構想数年云々が 長々と続く
時計の秒針に ゆだねる思い
絶えず 仕事する その働きに
敬意をはらいたいよ
一周一分 高くない仕事
願わくば 甘さ控えめの 紅茶がお好みさ
だけどスパイスも欲しいところ
僕らのわがままは 行き着く先を知らず
右往左往する 道程
画面を飛び出す3D
それ以上のハイクオリティ 時代を先駆け
太陽を鷲掴みできるかなあ
高い壁飛び越えられるかな
土砂降り傘を放り投げて 歌う
言葉の雨が 隙間だらけの心に降る
僕は 少しずつ次第に 何かを知る
余白も 埋まってく
そのぶん余計なことも知る
だけど昨日よりはきっといくらかマシさ
今なら 下手くそだって 飛べるんだ
夜明けに間に合うかなあ
急げば間に合うかなあ
たたんだ翼を 広げ思い出していた
忘れてしまった空の飛びかた。
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引き出しの中にしまった 傷跡を
今さら 思い出して慌てて引っ張り出す
子供のとき大好きだったアニメの主題歌
歌いながらたどる小さな僕の足跡を
ないとわかっていながら 探す宝物
ステッキひと振りで出来るお手軽な魔法
そんな 奇跡に 出会うための 祝砲
夜明けに鳴らして 君に届きますように
目には見えない真っ白な手紙を送るよ
朝もやに隠れ潜む 顔見知りの悪意を
片手の指だけで数えられたらいい
約束の場所まではもう少し 走らなきゃ
水上バスが 波を立てて橋をくぐる
心の中につくった二人だけの秘密基地
旗には オリジナルのマーク
誰にも邪魔されない 素敵な妄想世界
二人だけにわかる暗号で示した未来
五月の 畦道に雷と雨が 降り注ぐ
雷に怯え濡れながら走った あの日
僕らは何処にいたんだろう
そして何処を目指していたんだろう
それさえ曖昧なのは誰のせいだろう
結局世界を 出来合いの物差しではかる日々
ステッキひと振りで出来るお手軽な魔法
そんな 奇跡に 出会うための 祝砲
夜明けに鳴らして 君に届きますように
目には見えない真っ白な手紙を送るよ
ありったけの思い出と一緒に。
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いつか生まれたばかりの僕が手にした物差しで
この世界を見ていた
目盛りを この世界に合わせてみても
世界は 合わせたそばからずれてゆく
手のひらが杯なら
そこに注ぐのは時でこぼれないように
或いはこぼさないようにするさ
幾重にも連なるDNAの螺旋階段を伝い届く僕の遺伝子番号
この先を 知ることはできない僕には
永遠を生きれない僕は途中でリタイアさ
幸せを望むなら
永遠なんていらない
百年でも多いくらいだ この感情は邪魔だ。
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もしも海の中に 僕が生まれたなら僕らは魚だろうか
下手くそな僕の泳ぎのせいで 君が
大きな魚に食べられたら
僕は どうしようかな
余計な感情は 空の上に置いてきたから
ただ、生きるだけ 本能だけで生きてる
出産時に涙を流す 亀も
ちっとも感動的じゃないし
クジラの歌声も 僕にはただの鳴き声
それをどう受けとるかですべては変わってゆくよ
あざやかに色づく季節の始まりが 虹色なら
悲しみも 優しく見えるのに 痛みは避けられそうもないから
僕らは悲しみより先に幸せを 追い越せない。
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夕暮れが 過ぎて あっという間に夜だ
今日も誰かが 誰かを思う
そしてその誰かをまた違う誰かが思う
異なる2つの 思いが 結ばれて ギュッとつながる
その解釈で いくなら一体どれくらいの結び目がこの街にはあるのだろう
僕も誰かとどこかでつながっているのかなあ
終電に乗って 駅へと向かう そのひととき
ただぼんやりと眺める窓の外はロマンス
とうに過ぎ去ったマジックアワー
東京タワーが 七色に光ってる
まぶしいくらいの光に目をうばわれて
心はもう僕を置いて 旅をしている気分だ
そんなこんなで 気づけば降りる駅に着く
世代交代みたいにさ 東京タワーもスカイツリーにとってかわれて
でも僕は 地味なおまえのほうが好きだぜ
レールは つながってる 路線図は最早迷路のようさ
入り組んだ 道の先に僕が求める 場所があるのなら
連れていってよ まだ知らない 出会いが待っている明日へ
人生の転機みたいに分岐点を迎えたら
カーブして そのまま道なりに彼方へ
いつの間にか 過ぎ去った アフタヌーン
夜の街並みもまた格別だね
月も星も 輝いて見えるだろう
空が見えないなんて嘘っぱちだ
花も鳥も 隠れているだけなんだよ
映画のような シチュエーションは望めないけど
さえない僕のやり方で 広げた絨毯
夜明けまで 笑い倒そう マニュアル本は捨て置いて
とうに過ぎ去ったマジックアワー
東京タワーが 七色に光ってる
まぶしいくらいの光に目をうばわれて
心はもう僕を置いて 旅をしている気分だ
そんなこんなで 気づけば降りる駅に着く
開いたドアの向こうには
絵も知れない夜が 広がる。
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河川敷に 夕日が沈む陽射しがこぼれ 川面に 反射してキラキラ光る
誰かの帰り道を そっと寂しくないように
見守る 見えないあたたかい手がある
「ただいま おかえり」 言い交わす 今日も
ひとりにひとつの1日を 歩いて来たんだね
その頑張りはきっと どこかで報われるんだ
あまりむくれないで 疲れたその体をいたわったなら
よく休めなさい 明日のために
少しだけ 日がのびたよ 五時のチャイムを聞くとお腹が鳴る
誰にも帰る場所があるといいなと 思うけど
おかえりを 言う人がいない人はどうすればいい
誰もいない 部屋におかえりを言うけど 返事はない
抱えた傷跡は 広がるばかりで 消えはしないけど
痛みと同じだけ手にしたはずの いくつかの喜びを
笑顔に変えて 明日に踏み出す力に していこう
そうして見えたものを信じればいい
ビルの影に 夕闇が見えたら
ちょっとだけ 泣きそうになる
いいんだよ我慢なんかしないで
泣きたいときは 泣くのが正解だ
涙を流しながら少しずつ
強くなることを覚えよう
ひとりにひとつの1日を 歩いて来たんだね
その頑張りはきっと どこかで報われるんだ
あまりむくれないで 疲れたその体をいたわったなら
よく休めなさい 明日のために
一人一人の見る夢が正夢になればいい
君の夢が 明日の空を彩る
ただひとつの色になるよ きれいだね。