詩人:どるとる | [投票][編集] |
どしゃ降り雨が 窓ガラスを濡らして
今最終電車が 疲れた体を運んでゆく
ドアがゆっくりと開いて
薄明かるい ホームにたどり着いたら
あんなに降っていた雨も
すっかり降りやんで大きなお月さまが 空にのぼってる
なんとなく 早足になる なぜだろう
急ぐ理由なんか探しても見つからないのに
あなたの おかえりなさいが聞きたくて たまらないんだよ
最近は何もいいことはひとつもない
涙ばかり流しているような気がする
肩落として うつむいて歩いていたら
いつの間にか笑いかたを忘れてしまう
ちょっと寄り道した公園
ブランコに乗って いい年したおじさんが黄昏てる
夕暮れの 道に吐き出された陽射しは
ため息のようにどこか寂しげな色をしている
用もないのに あなたの笑顔を見たくて たまらないんだよ
探し続けてた幸せのありかは
きっとこのまま見つからないままでいい
だって 幸せはここにあるって わかるから
なんとなく 早足になる なぜだろう
急ぐ理由なんか探しても見つからないのに
あなたの おかえりなさいが聞きたくて たまらないんだよ。
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どこかの街で 誰かを待っている
物語が 今、歩き出した 足音がした
夜の中でも 光を見失わないように
明かりをたずさえて笑っていよう
隙間に落ちた 不意を突くような 絶妙なタイミングで
見上げた夜空に シューティングスター
君の街の空でも 見えるかな
流れ星、ひとすじ 弧を描いて
退屈なはずの世界が輝いていく
夢から覚めても 終わらない夢の中で
同じことを 繰り返すなんて滑稽さ
時計が回る 朝が夜になる
夜が朝になる
今夜はどんな夢を見るだろう
悲しみのない 薔薇色の夢を見よう
涙が ひとすじ 頬に流れた夜
風に背中から抱きしめられた
会いたいって 言葉にすれば 距離なんかなくなるよ
会いに行こう この距離を 飛び越えて 夜明けまで
見上げた夜空に シューティングスター
君の街の空でも 見えるかな
流れ星、ひとすじ 弧を描いて
退屈なはずの世界が輝いていく。
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傷痕は 重なってもういくつ
転んだのかもわからない
悲しみに名前なんかないから
呼びようもないよ
それでも 星のない夜に探すのは小さな希望
手のひらに落ちた ひとひらの花びら
雨上がり春の陽射しが 涙を乾かしてく
ほらもう 傷痕はかさぶただ。
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相手のない 戦争をしているんだよ
領土も宗教も 関係ない
何を奪うでも奪われるでもなく
いつ始まって終わるのかさえもわからない
いつの間にか たくさんの大切なものを手にしてるつもりで本当は手放していた
世界という それはそれは広い
国と国で区切られた盤上で
今なお続く大人の戦争のせいで
流れなくていい血が流れる
足並みそろえた駒のような兵隊の瞳に映るのは国家の繁栄ですか
きれいな花が咲く青い空には到底似つかわしくない
ありもしない理由をつけて 無い物ねだりしているだけでしょう
ほら最初から闘う相手なんかいないんだ
敵でもない人たちの屍が増えるだけ
一人相撲も いい加減にしないと
あなたたちは誰と闘っているんだろう
僕にはあなたしか見えない
ひとりぼっちで戦争をしているようにしか見えないのは気のせいかな
ゲームの行方を気にするように
近い未来を 危惧しあったりして
不安がっても 駒は勝手に陣地をつくる
新しい命を育み未来につなげていく
誰かを愛していることにも気づかないくらいの愛で僕も愛されていたい
思い思いに今を生きる数多くの営みが 重なりあう世界
多分それは いつまでも変わらないはずだから変わらないでね
僕の手には 家族という 宝物が握られてて
でもそれは 僕だけのものじゃないから
思い通りに動かせるわけもなく
勝手気ままに 笑ったり泣いたりする
でもそれを責める言葉は僕は持ってない
だって僕は あなたたちが幸せなら それでいい
世界という それはそれは広い
国と国で区切られた盤上で
今なお続く大人の戦争のせいで
流れなくていい血が流れる
足並みそろえた駒のような兵隊の瞳に映るのは国家の繁栄ですか
きれいな花が咲く青い空には到底似つかわしくない
ありもしない理由をつけて 無い物ねだりしているだけでしょう。
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たとえば目の前に 世界の果てまでも
どこまでも引かれた線があるなら
僕はその線を 越えることはできない
踏み越えてしまえばきっと楽なのに
何かを区切ったり区別するための線なら
差別という言葉も分別ですと居直る
引かれた線の向こうには 僕の知らない
あなただけの物語がドラマのようにあるのだろう
同じようで違う僕とあなたを隔てる
見えないその線は消すことはできない
だって 目には見えない架空の線だから
だけど軽々しく越えられもしない
いつも相対する大多数の僕とあなたの間には数センチばかりの 隙間が開いている
たとえば 心のすべてをさらけ出したら
頭がおかしくなってしまうよ
他人には見せたくない自分だけの秘密も
包み隠せない世界には安らぎの居場所がない
醜い本性にモザイクを欲しがるのは 裸の心ではあまりに寒いから
嘘やごまかしという服を 着せてあげるんだ
心を裸にしてしまえば お互いに気まずいだろう
たまにはずる賢くもなって
何かを偽るくらいの狡猾さで
誰かの 関心を惹いて 見栄を張るんだ
本当のことなんて誰も知りたがらない
傷を負った心にちょうどいい目眩まし
世間の目は節穴の目くらいがいい
そして愛しあう僕とあなたの 間にも
どうしようもなくそびえ立つ他人という壁がある
決まりきった掟なんて 見えない振りだ
正義には 答えなんてなくて ただ模範回答みたいな 例文になぞって線をはみ出さないように塗り絵をしているだけ
同じようで違う僕とあなたを隔てる
見えないその線は消すことはできない
だって 目には見えない架空の線だから
だけど軽々しく越えられもしない
いつも相対する大多数の僕とあなたの間には数センチばかりの 隙間が開いている
その隙間にあるのは きっとあなたにはない唯一自分が自分である証だ。
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誰かのために 差し出された手はずっと何を探しているんだろう
残された片方の手は なぜさみしがるのだろう
したりされたりの水掛け論みたいなきりもないやりとりの中で僕らは一体何を求めているのだろう
あなたのためを思う ずっとずっと前から
この手はあなたへと向かって伸びていく
愛してやろうなんて 思いなど特別なくても いつの間にか
あなたに 優しく笑う手を 持っている
あなたの悲しみの半分を自ら望んで背負う 覚悟を持っている
埋められない 隙間にあてがうだけの 間に合わせの愛なら
こんな気持ちは必要ないだろう 勿体ないくらいだろう
愛のなんたるかを知らないうちから 僕らはただなんとなく 誰かを思うことにためらいをもたなかった
あなたが笑ってくれるならそれでいいや
単純な思考回路 半分は浅ましい下心
そんな醜さまであなたに露にしたい
合いの手を打つなら見えない荷物でふさがってる両手で 誰かの手を 握りしめてあげるくらいの愛を持て
自分にとって一番大切な人がさみしがるなら
どんな忙しいときも その大切な人を思う心の余裕くらい持っていたいよ
それが できたならきっと誰も 傷ついたり 悲しんだりしないのに
どうしようもないほど すれ違い ほどけていく 強く結んだはずの二人の結び目
あなたのためを思う ずっとずっと前から
この手はあなたへと向かって伸びていく
愛してやろうなんて 思いなど特別なくても いつの間にか
あなたに 優しく笑う手を 持っている
あなたの悲しみの半分を自ら望んで背負う 覚悟を持っている
この先、傷つけあう日もあるだろう
そんな 明日を迎えても 手放すような
愛など 持ち合わせてないよ
生易しい愛など 求めてない その傷さえも愛せるような 僕になってみせるから。
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いつまでも 変わらないよと
結んだ 手を
指切りで 約束した赤い夕暮れの空の下
友達という言葉でつながってる
いつか恋人になったら変わってしまうかな
友達のままなら 許せたことも
愛があるために許せなくなるのかな
友達のままでいようと つないだ
手を少し ゆるめて
ちょっとだけ距離をおいたよ
君は悲しそうに こう言ったんだ
それじゃあんまりだよ
でも 友達をやめたら僕らは 今のままじゃいられない
だから、僕らはずっとただの友達のまま
愛を 知らずに 生きていこう
僕らの七日間戦争をかわりばんこに読んだ
引っ越す前の日に君にあげたね
遠い街に行くことになったんだ
もう会えない 多分ずっと 会えない
友達になるために つないだ手が
いつの間にか 恋に染まっていた
君が引っ越す日 内緒で隠れて
僕の君のほっぺにキスをした
恋人になんかなれなくていいけど
一度きりのキスが思い出くらいにはなるだろう
嘘つきって 言われても 僕は君が好きだから
抗えない気持ちを 君に渡したよ
どうか消えない傷跡になれ
いつか君が僕じゃない誰かを本当に愛せる そのときのために
役に立つ 思い出になればいいなあ
君が 友達の線を越えてまでも愛せる人に出会えるように 願いながら
友達のままでいようと つないだ
手を少し ゆるめて
ちょっとだけ距離をおいたよ
君は悲しそうに こう言ったんだ
それじゃあんまりだよ
でも 友達をやめたら僕らは 今のままじゃいられない
だから、僕らはずっとただの友達のまま
愛を 知らずに 生きていこう
友達なんて 言葉で隠してただけで
きっとあの日の僕らは
愛を知らないふりしていただけだね。
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真夜中の真ん中を 走り抜けてゆく
最終電車が 急いで向かう 終点
大きな体ですらりと雨をよけて
パパっと雨粒はじいてく 環状線
傘を差した 僕の細い手に 君は手渡した
とっておきのロマンス 忘れられない思い出を束ねた 花束
駆け抜けていくこの夜にまたがって
息巻いて 息巻いて 駅前へと 行く足取り
悲しみさえも 背負っていく 覚悟だけなら人一倍あるんだよ
少しは誉めてくれてもいいだろう?
改札を抜ければ そこは星と月の夜 雲ひとつない 晴れた夜
まばたきひとつで 世界は変わっていく
さっきまでの世界はほら 色を変えて
移ろう感情 振り子の軌道を描いて
夜を朝まで運び朝を夜まで運ぶ
繰り返すのは おざなりの日々と アイミスユー
ゴミ出しの日を忘れないように 生きる
窓の外 めまいを起こすような 七色モザイク
夢の世界までの道案内を 頼むよ
ついていくだけでいい 楽な仕事さ 迷うふりしていればいい
愛らしいスマイルと熱い珈琲で目を覚ます
ああすべてが夢だと気づくまでの安息
レールをつたって
電車は空に上るよ
邪魔するものは
蹴散らして 空に上るよ
君も行かないか?悲しみのない世界へ
君は僕の手を 瀬戸際で離した
「あなたには ついていけないわ」
僕は 落ちてく君を見てた とても美しかった
駆け抜けていくこの夜にまたがって
息巻いて 息巻いて 駅前へと 行く足取り
悲しみさえも 背負っていく 覚悟だけなら人一倍あるんだよ
少しは誉めてくれてもいいだろう?
改札を抜ければ そこは星と月の夜 雲ひとつない 晴れた夜
君を失った 部屋の中に 朝は 静かに
訪れて ポストには朝刊が届く。
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ずっと同じ視点で見ていた世界は 少しずつ変わる
いい方に転がればいいな でも現実はハイアンドロー
まばたきひとつで 変わる世界を見てる
あと十年もしたら 寿命は延びてさ
もう少し 楽しい世界になりそうだ
ああ 色とりどりの悲しみや喜びにまみれて
笑っても 泣いてもそれだけじゃ 飽き足らず
まだまだ 僕も若いなって 身の程を知るよ
さあ楽しくなるのはこれから
悲しみも喜びも これからが 見ものさ
たまには視点を変えて
空から 世界を見下ろそう
違う 世界が見えるかも知れない。
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差し出された 傘はひとつしかないから
濡らしてしまうよ 僕だけをかばったら
だから だから 二人で差そうよ
雨をよけるだけなら半分ずつでもいい
悲しみが雨になって 君のほほに降るよ
受け流す傘もなくそのまま落ちて
はじけて消えた
映画によくあるワンシーンみたいに
通り過ぎるだけのにわか雨を待ってる
傘を差すのが好きになったよ
君がくれた 時間
晴れた空に 雨を呼ぶように
傘をひとつ 持って
雨を待つおかしな二人は
太陽に背中を向けて生きている
時計からはみ出して線の外を歩いて
叱られたってやめないよ 僕らは
物語はどこにでもあるんだよ
始まりのドアを開けてみよう
階段を上る リズムによく似ている
小気味いい テンポが 気持ちいい
早送りするのも もったいないくらいの
すべての場面が 大切な名シーンになる
雨に濡れるくらいが僕ららしいよ
君がくれた 気持ち
雨を待つ変わった二人は
孤独な物語を 楽しんでいる
いつの間にか 僕だけの傘は
君のための傘にも なったよ
ほら半分は 君の場所だ
もう半分は僕の場所だ
雨の冷たさも今では 心地いいよ
嫌いだった風も涼しいくらいだ
君がくれた すべて
映画によくあるワンシーンみたいに
通り過ぎるだけのにわか雨を待ってる
傘を差すのが好きになったよ
君がくれた 時間
晴れた空に 雨を呼ぶように
傘をひとつ 持って
雨を待つおかしな二人は
太陽に背中を向けて生きている
独自の感性で 生きている。