詩人:どるとる | [投票][編集] |
待ちくたびれた猫の尻尾が 指し示す明日には
宝石みたいな光の雨が降るだろう
さあ ここでずっと未来と待ち合わせだ
空の遠くから落ちてきた雨を大きな傘で受け止めて
悲しみなんか僕の手のひらで
魔法のように 消してあげるから
どしゃ降りも 気持ちいいよ
濡れてみよう心も体も全部
もう一度、まっさらな気持ちで世界に笑えるように
雨に歌えば 昨日より少しだけ 空が笑ってるように見えるよ
夢から覚めて 二、三秒 まだぼんやりしてる
微睡みを拭って 明日が見えた
さあ 空を泳ぐ魚を捕まえよう 夢の中で
鉛筆握りしめて絵に描いた 世界の想像図も嘘じゃない
イメージを総動員してこの世界に 生きる僕らを楽しませて
雨に濡れない なんてもったいない
屋根から飛び出して傘を放り投げて
雨の降るその意味を かすかなささやきに意識を集めて
雨に歌えば 嫌いだった世界が 少しだけ 好きになってる
なんとなく 雨の中
立ち尽くして
涙を雨に紛らせた
あの日の夜
心は 雨に負けないくらいきれいだった
空の遠くから落ちてきた雨を大きな傘で受け止めろ
悲しみなんか僕の手のひらで
魔法のように 消してあげるから
どしゃ降りも 気持ちいいよ
濡れてみよう心も体も全部
もう一度、まっさらな気持ちで世界に笑えるように
雨に歌えば 昨日より少しだけ 空が笑ってるように見えるよ
雨が陽射しのようにあたたかいよ。
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陽射しが 闇を射抜くように
放った サーチライト 夜明けに少しだけ光って 跡形もなく消えた
落ちる太陽の影
金色のジュースが 空を朝焼けに染めた
何かたくらんでる顔で さっきからよからぬことをしでかそうとしてる
笑った顔も 泣いた顔も ショボくれた顔も
全部まとめて僕のものだって 言ったそばから
僕の 手を振り払い 君は逃げてく 君の影を 追いかけても
尻尾さえ捕まえられない
君は僕の心だけ 奪ったまま 僕をやきもきさせてる
小さな地震が この頃 最近頻繁に 続いて 今に でかいのが来るんじゃないのか そんな話題で持ちきり
腰痛と 肩こり
悩みの種といえば それくらい 僕は平和だなあ
手のひらを 翼に見立てて 飛び立つ鳥のポーズで スタートしようとしてる
カーブを緩やかに曲がる軌道を描いて
きれいな虹の曲線 思い描いて
今が 分岐点だって気づいたから
折り返し地点で ちょっとだけ
過ぎ去った 昔を思い出してみたら 案外僕も 笑ってたなあ
許せないことも いつか
どうでも良くなって 柔軟な心を 手にいれて
少しずつ大人になってく
そんな僕を 君が見たらどう言うかなあ
ただ青く澄みきった空に 君の顔を
久しぶりに浮かべてみる
もう一度 誰かを愛したい気持ちになったよ
笑った顔も 泣いた顔も ショボくれた顔も
全部まとめて僕のものだって 言ったそばから
僕の 手を振り払い 君は逃げてく 君の影を 追いかけても
尻尾さえ捕まえられない
君は僕の心だけ 奪ったまま 僕をやきもきさせてる
今は随分疎遠になって しまった
元気かい?たまには手紙でも書くよ
実は最近家族が一人増えたんだ。
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白一色に染まった画用紙みたいな世界の中に
落ちた 赤が世界を 染めてゆく
ページをめくる風
窓を開けるように
新しい道を刻んだ
うまれてはじめてのことばかりだなあ
君がはじめて笑った日
僕もはじめて笑った気がした
君がはじめて泣いた日に
僕もはじめて泣いた気がした
君がくれたこのはじめてを
一つ一つ忘れないように生きることが
僕のこれからの人生の課題になりました
ありがとう 愛してる
こんなありふれた言葉しか 浮かばないや
だってこの気持ちは言葉なんかにはできない
だからいつまでも
この気持ちには
涙や笑顔でこたえていこう
愛には愛でこたえていこう。
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窓の外を過ぎてく景色がモザイク模様
そのまま僕もろとも星になっちまえ
夜行電車は 闇に浮かんだ銀河鉄道
レールも見えないくらい真っ暗だ
この寂しさをふるえるほどの孤独さえも
分け与えてしまえるなら 苦労はないよ
でも人の痛みは伝わらないものだから
言葉にするだけ無駄なんだよ。
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夜明けの空が 白んで もうじき
目を覚ます君を 先に起きて待ってる
カーテンを静かに開いて 陽射しを浴びて
今日はじめてのおはようをまた
昨日と同じように 繰り返す
ただ過ぎてくだけの毎日の中で思った
気づかずもらってばかりいる愛を僕は返せるかな
もう返しきれないほど積み重なってしまった
君がくれた時間は 僕にとって
得難い 宝物だよ
生まれてはじめて 君が僕を 叱った理由は
僕が簡単に死にたいって言ったから
どんな理由があっても そんなことは言ってはいけない
君が教えてくれたことが
今の僕を生かしている
君を愛するという 生きる理由をくれた
君を 愛するために今日も 生きている
君は僕にとっての道しるべ
見失うことのないようにつなぐ手を かた結び
空に太陽が必要なように僕には君が必要だ
似合わない言葉だ
畑に雨が 降るように僕には悲しみも必要だ
だからそばにいてくだいと 願う日々
屋上の給水塔 錆び付いたように
赤い空を 見上げながら
待ち望んだ 未来は今と繋がるかな
君が くれた 言葉の一つ一つが
水のようにこの体に染み渡り
それは僕の 欠片になってく
突き刺さることもある
でもその痛みが教えてくれる
痛みの中にある 優しさが見えたら
はじめて人を愛することの意味を知る
振り返る道の先に 咲いた花火
丘の上から 見たあの夜に
浴衣姿の 君が 涙でぼやけたのは
きっと幸せ過ぎたんだろう
僕はこの上ない幸せに包まれてる
今はこんな気持ちが せいぜい
いつか伝えられるかなこの気持ちを
ありがとうや愛してるを越えて 君の心を揺らせるかな
そんなことの繰り返しが少しでも愛を返したことになるのかな だったらいいな。
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答え合わせに疲れはてたから
はじめて理由もなく 笑ってみた
引き算ばかりの 毎日だ
悩みや ストレスは増えていくけど
吐き出した 煙草のケムリが 向かう明日を僕は知らない
ただじっと 眺めてた川の向こうの夜を
静かに灯る街の明かりが揺れていた
幸せなんて見えないけど 幸せなんてものがあるとしたら
あんな風な温かな光なんだろうなって 思った
ソファーに倒れ込んだ真夜中
苦労は買ってでもしろと親は言う
でも楽がしたい 欲には勝てず
何度でも スタートに引き戻されてく
これが人生ゲームなら 上がるのなんて 楽勝なのに
死にたいと思った今日の僕を後悔させる
明日が来ることをどこかで信じながら
幸せなんて見えないものをいつも探しながら迷って
次はきっと大丈夫と自分を慰め励ます日々
眠れない夜を 指折り数えた
昨日は 過ぎて
夜は明けてため息もいくらか少なくなった
諦めという言葉を 知ったから
ただじっと 眺めてた川の向こうの夜を
静かに灯る街の明かりが揺れていた
幸せなんて見えないけど 幸せなんてものがあるとしたら
あんな風な温かな光なんだろうなって 思った。
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辻褄合わせに 忙しくしているよ
答えを出そうと 計算また計算
夜明けには まだ 間に合うかなあ
時計を見るのはやめにして
線をはみ出したところで僕の世界は 少しだけ 変わった
ダメになるのも 悪くはないって
仕事をやめたし 彼女とも別れた
代わりに煙草の吸う量も増えた
体重も比例して 増えた
禁煙しろという風潮が許せない
どこもかしこも右を向いても左を向いても
禁煙マーク 灰皿さえもない
駅は全駅禁煙
煙たがれる 煙草だけに
喫煙者には きついね
喫煙者には 肩身が狭いね。
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太陽が輝く世界に 生まれた僕らは
何時だって探してる生きるその意味を
泣き疲れて 途方に暮れたまま眠って
いくら笑っても足りなかったよ
引かれた線をはみ出せない自分が
いつも 線の内側を泣きながら歩いてる
抱えた痛みと同じ数だけあるはずの
希望にも似た 喜びは束の間の麻酔
悲しみにやられないようにするための
痛み止めのようなその場しのぎの目眩まし
悲しみが 見えなくなったらきっと
僕らは笑う喜びも見えなくなるね
喜びはただ笑うためにあるんだよ
一時悲しみを忘れるための嗜好品
太陽という浮きが昇っては沈む
形もいまいちわからないけれど
丸みを帯びたイメージの輪郭を
指でかたどるようになぞって
そこにあるただの発光体を
希望の象徴のようにあげつらって
今を生きる 理由にしているんだ
それはまるで世界に太陽を描く言葉
魔法は使えなくたって不便はないよ
たとえば宇宙を計算式で表せても
僕はそんな答えなんて知りたくもない
大切なのは見えているものよりも
目には見えない光があたらない部分だ
世界のすべてが解き明かされたって
僕は信じるよそれはただの答えのひとつでしかないって
無数にある中の たったひとつの世界を
見つめている世界では夢なんか見れない
いつでも世界を 輝かせているのは
けっして目には見えないロマンチック
見に行こうか 数百万の太陽が
昇って沈んだそのあとの世界を
計算なんかする必要はないんだよ
言葉にすればきっと簡単だろう
でも敢えて言葉にしない世界を
裸の眼差しで見ていたいんだよ
ぼんやりした曖昧さに味わいがある
いくつの夜と朝を 繰り返しただろう
時計は創世から何周しただろう
そんなことを考えながら
アンモナイトの渦巻きを
ただ 何の企みもなく 見つめている
子供の瞳を 僕は見てる
そこにある僕らがいつか忘れてしまった光。
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せーので 歩き出した世界につま先から
着地してそのはずみで鳴ったささやくようなメロディ
愛とか 恋とかわからないまま
いつの間にか大人になった気がするよ
飼い猫はあくびばかりする 机の上の蚊取り線香
悩ましく渦巻いてる
最初から答えのない答え合わせだ
解答欄を埋めるのはどうせ
ありあわせの出来合いみたいな言い訳
少し遠くの目には見えない
線を 一息で飛び越えた今日に
僕は 大人になるより 大切なものを
手にした気がするよ
おかしいかなあ
笑われるかなあ
でもそれは次第に僕の 宝物のひとつになっていたりする
なんだっていいんだ多分 泣いてる君を笑わせることができるなら
それだけで魔法みたいだ
それ以上でもそれ以下でもない思いを
見せたり隠したり 出し惜しみしてる
立て付けのわるいベランダ側の窓
出し抜けの 一言 吹き抜けの廊下
無意味なことにも意味があるのなら
こうしてただ日付を並べ替えるだけの
日々にも いつしか明かりは灯るかな
足元に引いた線をスタートのラインにして
それを飛び越えられたらいいな
まだ見えないものばかりの僕の手のひらに灯る温もりは
いつか君がくれた
愛に似た 燈(ともしび)
寸足らずな僕をしっかりと倒れないように支えてくれる
もういいかい?
まだだよ
そんな声が近づいたり
遠のいたりする
夕暮れの道に咲いたほんの少しの微笑みは
気づかずにもらった小さなプレゼント
少し遠くの目には見えない
線を 一息で飛び越えた今日に
僕は 大人になるより 大切なものを
手にした気がするよ
おかしいかなあ
笑われるかなあ
でもそれは次第に僕の 宝物のひとつになっていたりする
ささやかながら生きる理由に なっていたりする。
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カールしたまつ毛の軌道に乗って
宙返りする 思惑はフライトショーの真っ最中
終わりのない円周率を 唱えながら
時計だけが 無賃金で働かされる
魅惑的な町通りを抜けて
飛行機は行く 七色に眩んだ世界を
空を逆さまにひっくり返すような
飛びかたで 威嚇する獣のように
ボールペンの試し書きのように
くるくると 空に描く線と円
そのまままっ逆さまのリズムで
落ちてく 夢の中へ急降下。