詩人:どるとる | [投票][編集] |
ある国の子供は 十代をすぎると働かされ
親のため 手を泥で汚して
ゴミを集め 生計を立てているらしい
ある国の子供は 学校に行くのが嫌で
引きこもりの生活に甘んじて やりたい放題
大差なんてきっとないさ 差別なんてきっとないさ
本当にないのか
メディアが取り上げる感動ものの
ドキュメンタリーに涙を流して
何かできないかなんて考える
裕福な僕らは その現実を
遠い世界の出来事のように思ってる
自分らの毎日とかけ離して考えている。
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なりふり構わない僕らは幸せだ
難しい本に囲まれて 学問の毎日
文法の種類や方程式の正しい解き方を 考えていればいい
頭の上を流れる月めがけて 声を尖らせて弓矢のように突き刺したい
モザイクかけたい世界の片隅にまた今日も夜が降りて来て
僕は狂ったようにぐるぐると 同じ形の円を描いて その周りを回る 時間を 見つめてる
どこかの統計では幸せはグラフ化できるらしいってテレビでやってた
夜の中に 落ちた涙が この街をのみこんでゆくのを待ってる
明日くらいにはこのつまらない退屈な日常を 終わらせて笑い飛ばそう
バイク飛ばして海沿いを走る 景色を飛ばしてくイメージで
残酷に時を刻む時計が夜明けを告げても 僕は知らんぷりを決め込むさ
なんとかなるって
いつだって 思ってみてはまた
落ち込んでは 何気ない 誰かの言葉に
容易く 救われてしまう
単純なんだなあ 僕は この気持ちを大事そうに抱えながら走るよ 息巻いて
頭の上を流れる月めがけて 声を尖らせて弓矢のように突き刺したい
モザイクかけたい世界の片隅にまた今日も夜が降りて来て
僕は狂ったようにぐるぐると 同じ形の円を描いて その周りを回る 時間を 見つめてる。
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涙に沈んだ街に 夜が降りて来て
帰り仕度をすましたらいつもの電車に揺られ
窓の外を 流れる月と並走するように歩幅を合わせながら
つり革に掴まるのもやっとの疲れはてた体を 引き摺るように運んでく
笑いながら 泣きながらたまには
照れ臭そうに頬を赤らめながら
いつもなら ただ難なく過ぎるだけの
夜を今だけは遠く 見送っている
夢をみている街に 光が 散らばって
暗がりを照らす 猫が跳び跳ねて ダンスの練習してる
これといって 自慢できることもなく 話せるようなニュースもない
今日もまた おざなりの一日 仕事のあとの一杯のビールが唯一の楽しみ
愛されたい 愛したい 世界で誰より
まだ知らない 気持ちを 手にしたいんだ
出会いそして別れてく その時の笑顔や涙
刻んだ思い出 大事そうに明日に持ってく
誰もいないホームに
まだ少し 冷たい風が吹く
ほとんど散ってしまった桜の花びらが
風にさらわれ宛もなく どこかにまた舞い上がっていったのを見た
笑いながら 泣きながらたまには
照れ臭そうに頬を赤らめながら
いつもなら ただ難なく過ぎるだけの
夜を今だけは遠く 見送っている
この世界にある 悲しみを笑い飛ばす
そんな覚悟もない だけど笑いたい
せめてそばにいる大切な人たちの
笑顔を守りたい そんなことを考えながら
夜は 過ぎてく 夜を泳ぐ月はもう頭の上
ひとあし先に 朝に旅立っていった。
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うすらぼんやりとした 幸せに
半ば飼い慣らされているような日々だ
季節は もういくつ過ぎてしまったのか
僕の指先でも 足りないほどだから
わざわざ 数えることもしないけれど
手つかずのままの愛をどう料理したものか
僕だって人並みの優しさはあるから
ごまかすように本を読む手を 止めて
君にまなざしをくれる
目の前に体よく並べられた いくつかの未来を
これでもないあれでもないって
見て回りながら 模索する
さよなら 道の上にちゃんと 立って
君が求めるドラマの主人公を演じるのさ
香ばしい アーモンドの 後味まで
この心に 教えているんだろう。
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ただ繰り返す毎日は紙芝居宜しく
需要と供給もなく 捲れるだけのページ
昨日の続きが今日なら今日の続きは明日
今日と明日の違いはただ日付が変わるだけ
瞳に映る世界は一体誰が望んだ形なのか
神様も留守の世界で唯一の正しさは
どこぞの誰かが作った出来合いの法律で書類上の善悪の判断
映画のように テンポよく進む毎日なら
人の死ももう少し軽くなるだろう
つまらないことで簡単に人を嫌いになって
すぐにまた簡単に人を好きになって
体の関係を持つためにそれをごまかすように愛と嘯いて
重ねた体を 汚してゆくのは 君の勝手だけど
君の目は どこか悲しそうに 潤んでる
セフレの関係で やる以外は専ら冷めた関係で
快楽を求めるだけの卑しい獣
いつの間にか僕だけが君を見る目が変わって
愛に置き換えて考えるようになった
どうでもいいニュースのどうでもいい人の死に
なんとなく 胸を痛めるようになったのは
愛を知って 弱くなってそのぶん優しさを知ったから
君はただ 遊びのつもりでいてくれればいい
僕は勝手に汚れた愛をドラマ仕立てにするから
君が変わってくれるのを ちょっとだけ期待しながら
僕も君と同じように今の関係を楽しんでる
偽物の愛でもいい いつか本物よりも輝いてくれれば
関係を持つたびに 少しずつ心が通いあい
お互いにただのセフレでは収まらなくなった
快楽を求めるだけだった僕らは
いつの間にその汚れた愛を
愛するようになって しまった
そんな愛も あってもいいのかな
映画のように テンポよく進む毎日なら
人の死ももう少し軽くなるだろう
つまらないことで簡単に人を嫌いになって
すぐにまた簡単に人を好きになって
体の関係を持つためにそれをごまかすように愛と嘯いて
重ねた体を 汚してゆくのは 君の勝手だけど
君の目は どこか悲しそうに 潤んでる
セフレの女。
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日々は埃のように積もり 心の礎になってゆく
足らない 気持ちは君に
パズルのピースをはめ込むように
新しい気持ちを 細胞のように増やしてゆくんだ
昨日観た映画の内容が頭にまだ
こびりついてる たいした映画じゃなかったはずなのに
大事なのは 君と観たこと あるいは同じ時間を共有したことにある
僕の人生は 映画でいうなら
なん章からなる 映画なんだろうか
そんなつまらない ことを考えてる
モノクロームにぼやけてる
色もない日々に いつか君がくれた
あざやかな 虹色 まだありがとうのひとつも言えてないけど それはまたいつか
夢から覚めたあとのまどろみは とても 気持ちがいい
しばらくその余韻に浸っていると
いつの間にか時間は過ぎていった
季節はまたひとつ変わり桜を散らした
さんざん付き合わせておいて最後はさよならをするそんな 映画だったよ
でもね そんな単純なことが 笑っちゃうくらい久しぶりだな
君がくれるものは 多分僕が与えるものよりずっと
多くの価値があるものなんだろうな
小さなことでもお互いにありがとうを 言い合う毎日
そんな瞬間が積み重なって 大作映画みたいに 人の一生を作り上げてく だからどんな下らない場面も必要だ
主人公とかヒロインとか 言うまえに
僕らはただのエキストラだろう
通りすがりの恋でも十分ドラマチック
大いに楽しんでゆこう 命あるこの時間を 一歩一歩
一分一秒たりと無駄にせぬよう なんて
僕の人生は 映画でいうなら
なん章からなる 映画なんだろうか
そんなつまらない ことを考えてる
モノクロームにぼやけてる
色もない日々に いつか君がくれた
あざやかな 虹色 まだありがとうのひとつも言えてないけど それはまたいつか。
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目を閉じて 描く大切な人の笑った顔を覚えておくことだ
その顔が悲しみにゆがまぬようにすることが
多分僕の役目だから
繰り返す 日々の中で なくしてゆくもの
ひとつひとつ指折り数えては
どうして 悲しみばかり数えてしまうのかなとため息をつく
秒読みでただ重なる 時間の積み木
崩さぬように 大切な命を守ってゆく
あんなに大切だった自分のことより
いつの間にか大切なものができた日に
僕は本当になりたかった僕になれた
そんな気がするのは気のせいかなあ
君もたまには泣くこともあるんだってちょっと驚いた
笑った顔しか 知らなかったみたいだけど 無意識に目を反らしてたんだろう
いくつもの言葉を 書いては消してく
凝り固まった既存のイメージを もう一度チャラにして君を見つめてみよう
降り積もるほどに 厚みを増してく思い出
記憶を辿ればあんなこともあったなあ
愛を言葉にするのは恥ずかしいから
ちょっとごまかして適当な言葉探すよ
だけどやっぱりどんな言葉でも
ごまかせないんだ こんなこと初めてだ
歩き疲れた道を だらだらと歩く
沈む夕日だったり 街の景色だったり
ただあるべくしてあるものをひとつひとつ
愛してゆく
そんな気持ちを くれたのは やっぱり君でした
ありがとう 愛してる どんな言葉なら
今の気持ちを 伝えられるだろう
伝えるより先に抱きしめられてしまうから
僕はまた 黙ってしまうんだよ でもそれがいつものパターンになってるエブリデイ
秒読みでただ重なる 時間の積み木
崩さぬように 大切な命を守ってゆく
あんなに大切だった自分のことより
いつの間にか大切なものができた日に
僕は本当になりたかった僕になれた
そんな気がするのは気のせいかなあ
気のせいじゃないといいなあ。
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めくるページ 飛ばし読みの毎日
途切れ途切れの情報で満足
ハローって 言ったそばから 彼方に消えてく あらすじ
ノートの隅っこ青く染まってる
桜舞う 風に巻かれながら
どっちつかずの 気持ちに寄り添う
限りなく透明なブルーを探してく。
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赤いマフラー揺らして 風に遊ばせて
僕は自転車飛ばしてく
途切れ途切れのこの 夜を 抜け出して
世界の果てまで小旅行
カバンには 何冊かの文庫本とロマンス
心を 縛る糸をたちきって
ルラララ 終わらない
夢の まばゆさに目をくらませて
いつか見た夢の続きを探してる旅だ
時計は そのために回る。
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夜明けの街に降るように落ちる太陽を両手で 受け止めてみよう
おざなりの言葉に すがりついたまま
お決まりの言い訳を並べて
逃げている姿を 僕は客観的に見てる
その背中は とてもカッコ悪かった
向かい風の中を 走る ランナー
何度も引き戻されまた振り出しから
諦めるくらいなら夢なんか見てないよ
なんて笑いながら 溢れそうな涙を
ギュッと拳で握りつぶした
流した涙はいつか笑顔になるはずだ。