詩人:どるとる | [投票][編集] |
季節は いつなのかもわからない
寒いのかな 暖かいのかな
それさえもどうでもいいみたいに
流れてく時間を そのままにした
手放しで 漕いでく自転車が坂道を降りてゆく
変わらないスピードなのに
君だけ いつまでもそこで立ち止まったまま
熱い珈琲と 格闘してるうちに
猫舌の僕は ついに珈琲を飲むのをやめた
くだらないことも 笑ってしまうよ大袈裟なくらい
君との時間は例外なく楽しかったんだ
なのになあ いつの間にか時計は
僕だけの時間を 刻み始めたの
休みもなく 忙しくしていれば
余計なことを考えずにすむんだ
ごまかしてしまえばいい
悲しみなんて ないふりをすればいい
夜が来て 切なさに沈んでる
ふいに 夢を見た 君は笑ってた
そんなところで寝てたら風邪ひくよって僕の心配ばかり している
いなくなってまで心配かけてる
熱い珈琲と 格闘してるうちに
猫舌の僕は 珈琲を飲むのをやめた
くだらないことも 笑ってしまうよ大袈裟なくらい
君との時間は例外なく楽しかったんだ
なのになあ いつの間にか時計は
僕だけの時間を 刻み始めたの
二人のものだった時間は いつの間にか
僕だけのために 動き始めたの
君の時間は あの日からずっと止まったまま
同じだったはずなのに 僕は君より 年老いてしまったよ。
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あみだくじみたいな混みあう路線図を
指先で たどりながら目的地を確かめる
窓の外を過ぎてゆく景色がいつの間にか
暗くなって 夜になってしまった
蛍みたいに飛び交う 街明かりが
人懐っこく 窓に浮かんで 消えてく
気のせいか誰かの涙みたいに見えたんだ
なぜか空を飛んでいるような
少しの浮遊感 眠れない東京の夜
明日もまた仕事 準備に抜かりはない
誰かの書いた筋書き通りのシナリオで
物語が続くのなら癪だ だけど打つ手なし
24時間 ずっと 働きづめのアリのように
働くだけの 機械ではいたくない
環状線 外回り なめるように 流す
つり革さえ 重たい終電トライアングル
笑いかたさえ 忘れてしまいそうになる
月が頭の上に輝いている
改札を出てまだ風に春が残る 東京の夜
麦酒でも買って帰りますか
片手間で 続けてるような仕事
ロマンスは 欠片さえ見当たらない
宛もなく ふらふら酔いも回って
麦酒一杯で 幸せになる 単純なもんです
蛍みたいに飛び交う 街明かりが
人懐っこく 窓に浮かんで 消えてく
気のせいか誰かの涙みたいに見えたんだ
なぜか空を飛んでいるような
少しの浮遊感 眠れない東京の夜
明日もまた仕事 準備に抜かりはない。
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前略、どんなふうに書こうかな
冒頭から つまずいてる
愛してるとか ありがとうとか
単純過ぎて つまらないよな
言葉にするのは 案外難しいものだ
気持ちが 心に追い着けず 空回り
思うことを言葉にするってただそれだけのことなのに
溢れそうな思いは 一文字にもならず
まっさらな手紙の上に涙が ぽたり落ちただけ。
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つないだ手から 伝わるぬくもりが
心と心を結わえてひとつにする
人との出会いは一期一会
悪かったと思う出会いもある
手のひらをかざして太陽を受け止めた
自転車は 風に押されて走る 春より先へ
真夏の 青い空に描いた 蝶々
君の小指にとまって羽を休める
歩き出したそばから物語になる
木々の隙間から差し込む陽射し
ゆらゆらと。
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思えばたくさん僕も愛されてきた
人を愛したことより愛されたことが
あざやかにこの心をざわめかせる
風になって 胸の片隅吹いている
優しさもぬくもりももらってばかりだ
気づけば返せないほど積み重なった
感謝が僕の中に溢れている
それはただありがとうって言葉に
やっぱりなってしまうけれど
いつか それ以上の言葉にできたなら
その時は 迷わず届けるよ
愛をくれた お返しに
ありがとうって言葉を聞くのも久しい
恩を着せてみても似合わないから
見返りをあてにするならやめておきな
感謝はさせるものではないのだから
もらったぶん全部返したいのに
それでは足りない 気がするよ
もらったもの以上の何かをもらった
ありがとうって言葉にありがとうって返すとき
ありがとうはありがとうより素敵な言葉になる
忘れられない言葉になる
無償の愛なんて 言葉がある
償いも見返りもいらないから
愛させてくれと 願うその心は
愛することが まるで見返りのように
償いのように 我が子に注ぐ眼差し
陽射しのようにやわらかな 手ざわり
それはただありがとうって言葉に
やっぱりなってしまうけれど
いつか それ以上の言葉にできたなら
その時は 迷わず届けるよ
愛をくれた お返しに。
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目を開くと そこに大切な人見つけたよ
雛鳥のように 最初に見たあなたを
涙ながらに 喜んで
産声上げたあの日
空は 高くて青かった
何百のありがとうも
何万の愛してるも
あなたのぬくもりひとつでもう
霞んでしまう僕の言葉
だから何も言わないの
ぬくもりはぬくもりで返すんだ
夕暮れの街は 帰る人を見送って
窓に映る幸せを ほほえましく見つめてる
言葉をなくして立ち止まり
悲しみに うちひしがれるとき
君の声が 明かりになる
夜空に輝く星よりも
指に光るダイヤよりも
あなたの 笑顔ひとつでもう
埋もれてしまう その輝き
大切なことは 言葉にはしないで
ぬくもりに隠して 伝えるよ
目を閉じて もう一度開いたときには
もうたぶんあなたはいないだろう
きっとあと 少し避けられない別れ
この手を放すその時は
わかりきった ありがとうが
こぼれるように あふれるのに
それ以上僕は何も言えないんだ
何百のありがとうも
何万の愛してるも
あなたのぬくもりひとつでもう
霞んでしまう僕の言葉
だから何も言わないの
ぬくもりはぬくもりで返すんだ。
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僕の夢の中においで 目眩を起こしてしまいそうなカラフルな世界へ
窓を開けてごらん 目の前にあるよ
目を開けたままじゃわからない
ステキなものがたくさんあるんだ
夢の中にだけにある
太陽に今手を伸ばして
翼のない君へ。
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はるか西の国を 目指せと 空がいう
天に召します 神様の光が降りてきて
雲にまたがって 風を散らしてゆく
頼りのコンパス 空回り
歩けども 歩けども見えない いつになればたどり着ける
どんなときでもそばにいる 勇気が
消えそうなときは僕が勇気になるよ
まだ僕がハイハイしてた頃に読んだ
幻の物語 心が再び帰るのは 三千年の神話
めくるまためくるページ
足跡が 地図を 埋めてゆく
やがて伝説になる 物語
いつか必ず たどり着ける桃源郷
名前もわからぬ探し物 探す 心は旅人。
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どこかにあるはずの 宝物探す旅に出よう
青い空に地図を 描いて 心のままにゆくのさ
僕らは 明日に続く扉の前に立ち
恐れをなしている 弱気な自分を見事振り切ることができるかな
涙も流すし ちっとも強くなんてない
でも 負けてばかりもいられない
悲しみは悲しいまま
喜びには ならない
でも、それを飛び越えるための
踏み台くらいに思えばいいさ
妥協なんか 必要ない
そこからでは見えない
景色が 高く飛んだら見えるぜ
心の地図を 広げて
今、僕は 新しい足跡をこの世界に刻むんだ
明日の君が笑えるように。
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いくつもの 季節を通り過ぎて来たなあ
誰かの涙や笑顔を見るたび
心はつられて笑ったり泣いたりする
泣き虫で 弱虫で お人好しなこの心が
見つけた 場所で大切な人と刻む時間
願っても巻き戻らない 読み返せない物語
帰らないときを惜しむように時計の針を
戻しても あなたの笑顔は帰らない
人はいつも何かを探してるんだろう
でもその何かが何なのかもわからない
足らないピースを埋め合わせるために
誰かのぬくもりに助けを求めても
君じゃ埋められない隙間があるみたいだ
星を探した あの夜
見上げた空 覚えてるかい?
ちょっとだけ記憶を遡る
大切なものは目を閉じて伝う温もりに
教えてもらうんだよ 言葉は今はいらない
ふれたときの温かさに君を見つける
人は 生きる意味を探すために生きてる
いつまでも終わらない旅をしている
沈む夕日 どこにゆくの僕を置いて
夜に包まれる 街
夏に向かって少しずつ 日がのびてゆくけれど
切なさは 変わらず同じ色で 僕の心染めるよ
願っても巻き戻らない 読み返せない物語
帰らないときを惜しむように時計の針を
戻しても あなたの笑顔は帰らない
人はいつも何かを探してるんだろう
でもその何かが何なのかもわからない。