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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[7746] 僕らは昔ドキドキするような恋をしていた
詩人:どるとる [投票][編集]


長く果てしない坂道を 二人で上る毎日
時々休みながら 小言も言いながら

いくつも いくつも数えた星と月日を
太陽が こがしてくよ 昨日は戻らない

巻き戻しや 早送りなんてできない

ちょっと厄介で融通の利かない物語だ

僕らはアダムとイブのようにはなれない

喧嘩ばかりだし お互いをそこまで好きじゃない

でも 僕らは昔 ドキドキするような恋をしていた

シワを刻んだ手のひらに 君は白髪をひとつに結わえて

写真の中の僕に そっと語りかけるんだ

器用な君には似合わない不器用な僕

失敗ばかりの僕を 怒りがらも助けてくれた

ありがとうもまともに言ったこともない
でも誰に言われるでもなく君は僕を 助けてくれた

リセットもできない そのためのボタンもない

ゲームじゃないよ パスもできないんだ

僕らは 美女と野獣もいいところ

君と僕はアンバランスでバランスがとれてない

でも 僕らは 昔 誰もが憧れる恋人だったんだ

君より先に僕が 逝ってしまったのが悔やまれるな

空からあなたを見守ってるの知ってるかい?

爪も自分で切れないよ
耳掃除も 君にやってもらってたよ
唯一 君が誉めてくれたのは 僕が はじめて作った 下手くそな野菜炒め
まずいのに 君は全部食べてくれました
思えば僕は幸せでした あなただったから
いなくなってはじめてありがとうを言えるよ
でも君に聞こえない

僕らはアダムとイブのようにはなれない

喧嘩ばかりだし お互いをそこまで好きじゃない

でも 僕らは昔 ドキドキするような恋をしていた

シワを刻んだ手のひらに 君は白髪をひとつに結わえて

写真の中の僕に そっと語りかけるんだ

君の瞳に涙がひとつ ぽたりこぼれたのを見た

僕は 思うよりずっと君に 愛されていたんだ

僕らは 思うよりずっと 素敵な恋人だったんだ。

2016/04/30 (Sat)

[7747] 初恋
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押し寄せる白波が 砂浜に描かれた
誰かの落書きを静かに消してく

黒板に描かれた 相合い傘と
遠い昔の教室に置いてきた思い

その二つが 混ざりあってくるくると
渦を巻く 初恋はマーブル模様

好きだと 言えたなら もしかしたら続いていた恋だったかな

そんなことを思いながら またひとつ過ぎてく季節を数えてる

駅前通りは たくさんの人で賑わい
泣いてる人なんて一人もいないよ

みんな上手に笑顔で隠しているのかな
本当は 今にも溢れ出しそうな涙を

ふいに入った ファミレスの珈琲に
ミルクを入れて 溶けていくのを見てた

恋は 叶わなければいけないのかな 言葉にしなきゃいけないかな
叶わなくても 素敵な恋なら 伝わらなくてもそれもまた恋です

今はもう 遠くに離れた 同級生たちは
みんな 都会に行って この街に残ってる人はほとんどいないよ
君はどうかな?なんて思ったりして

好きだと 言えたなら もしかしたら続いていた恋だったかな

そんなことを思いながら またひとつ過ぎてく季節を数えてる

「僕も 恋をしたよ」
いつかそう 誰かに聞かせたいなあ
そんな人に 出会えたらいいなと思う

そして春は 静かに
ゆっくり過ぎてく。

2016/05/01 (Sun)

[7748] ライフ
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時計が半周して また夜が 明ける
踏み出した誰かの一歩がトンと鳴る

その一歩で どこまで行けるかな
頼りなくて すみませんね でもこれでも
本気と書いてマジなんです

エンジンを蒸かせたなら そのまま
ぶつかるまでは止まらない 止まれない

ふとしたときに 笑ったりするのは
懐かしい誰かを思い出しているからだ

今は所詮跳び箱 前に進むための踏み台
僕の目指す未来はもっと先にある

見くびらないで まだこんなもんじゃない。

2016/05/01 (Sun)

[7749] タイムカプセル
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「十年後に開けよう」って
約束して 校庭に埋めたタイムカプセル

十年の歳月は いろんなものを変えた
人の気持ちも 街の景観も 風の色さえも

変わらないもの 探しながら 街を歩く
だけど 変わらないものがあったのに

いくら探しても見つけられない。変わってしまったのは僕も同じだから

十年後、またここに集まって
懐かしく 今日を思い出せる

そう信じていた 僕らは嘘じゃないのに
あまりにきれいな未来を見すぎていた

風がめくった 机の上のアルバムには
懐かしい 顔たちが並んでいるのに

誰一人思い出せないのは 帰らない昔を知っているから

灯る街の明かり 商店街を歩けば
人もまばらで 猫があくびするだけ

同窓会の招待状すら来ない
毎日ポストを確かめる

僕らの明日は 眩しいくらいに輝いて
今日みたいに 笑っているだろう

変わらないと思ってた 僕が一番
変わってしまったのかもしれない

愛美ちゃんが 初恋の人だったことも
今は もう 遠い昔だけど
あの頃の気持ちは 今も少しなら
思い出せるよ 寝ずに書いた手紙が
雨に濡れて渡せなかったあの日の切なさも

十年後、またここに集まって
懐かしく 今日を思い出せる

そう信じていた 僕らは嘘じゃないのに
あまりにきれいな未来を見すぎていた。

2016/05/01 (Sun)

[7750] 環状線をゆく
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眠らない街 明かりが消えない街

最先端テクノロジー メトロが走る

星空が 東京にも見える
花だって 咲いてる

くだらないイメージに 惑わされないで

素敵な街さ 東京

生まれた街さ 東京

環状線をゆく

僕の心が レールに乗って

目指すのは 未来

まだ発展途上の 段階

驚くのはこれから。

2016/05/01 (Sun)

[7751] うちのお父さん
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うちのお父さんは なんだかへんなんです
私が知らないようなことまで知ってるの
魚の生態 モールス信号 星座の名前

お父さんには知らないことなんてないのかな

ねえ ねえ 教えてお父さん
まだまだ私の知らないこと

数学みたいに 答えがあるなら
口うるさいのも ゆるしてあげる

洗濯物は一緒に 洗わないでって
言ってはいるけど

本当は大好きなんです うちのお父さん

満員電車とか 遅くまで残業
ご苦労様ってたまには言わせてね

素直になるのは お正月と誕生日

その日くらいは優しくしてあげるの

お父さん お母さんとのなれそめを聞かせてよ

おんぶの帰り道
知らない間におおきくなったって 言われたよ

笑ってばっかで しまらないお父さん
家族の幸せだけが生き甲斐って笑う

めったに言わないただいまを言った日に
お父さんは言ったよ 「よくできました」

両手ではなまる作って笑ってた

ふとしたときに見せる 弱さ
強がる私とは 全然違うけど

お父さんでも たまには泣くのかな
見てみたい だけど泣かせたくない

だから私は お父さんに親孝行するの
いつまでも 元気でいてほしいから

ねえ ねえ 教えてお父さん
まだまだ私の知らないこと

数学みたいに 答えがあるなら
口うるさいのも ゆるしてあげる

洗濯物は一緒に 洗わないでって
言ってはいるけど

本当は大好きなんです うちのお父さん

愛されることが恥ずかしいだけで

愛されたいと 思う
それが 今、私の出した答え。

2016/05/02 (Mon)

[7752] ありがとうの日
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普段は言えない ありがとうを
おじいちゃんと おばあちゃんに
届けよう 今日はありがとうの日

優しくしてくれてありがとう
一緒に泣いてくれてありがとう
一緒に笑ってくれてありがとう

お正月のお年玉 ありがとう
誕生日のプレゼント ありがとう

一緒に行った旅行 みんなで撮った写真
知らない街の 知らない空と 海に包まれて

私の中に大好きが こんなに
気づけば 数えきれないほどあふれてる

特別なことは 言えないけれど
せめてこの感謝を伝えたいよ

だからあなたの手を握って言葉にするのは
この言葉

もしかしたら知ってる言葉の中でいちばん素敵な言葉
「どうもありがとう」

日頃の感謝とご愛好を込めて
あなたにお歳暮 なんちゃってね
何をあげればいいだろう

形に残るものがいいのかなあ
目には見えない 言葉がいいかな
でも一緒にいる時間が何より宝物

いくらお金を出しても買えない
思い出というかけがえのない時間

あなたは 私が幸せそうに笑うだけ
それだけで十分と言うでしょう

一人にひとつ あるいはふたつ
それ以上ある 感謝の気持ちを

言葉にするのは きっと難しいね
でも、言葉にしたらきっと気持ちいいね

だからあなたの心めがけて
贈る言葉は この言葉

もしかしたら 世界中でいちばん 好きな言葉
「どうもありがとう」

言えないことは言わないこと
閉ざした口を 開いてみよう
夕暮れの道に 影が落ちるとき
つないだ手のひらで確かめるぬくもり
今なら言えそうさ
今が タイミングかはわからないけれど
言葉にするよ

私の中に大好きが こんなに
気づけば 数えきれないほどあふれてる

特別なことは 言えないけれど
せめてこの感謝を伝えたいよ

だからあなたの手を握って言葉にするのは
この言葉

もしかしたら知ってる言葉の中でいちばん素敵な言葉

「どうもありがとう」

2016/05/02 (Mon)

[7753] 
詩人:どるとる [投票][編集]


あたたかな春の日差しが 降りてくる
見上げればもう 夏が海開きを待ってる

僕一人じゃ ままならないストーリー
誰かとつなぐための手もない毎日に訪れた出会い
それはまるで魔法のように

今日までの物語を読んで
途中までの 物語を見失わないように

本のページに栞を挟むみたいに
思い出を記憶に 結びつけて

できた蝶々結び 左右に広げた二枚の羽
今にも飛び立ちそうに 見えたんだ

ありがとうという言葉は その場しのぎさ
伝えきれる筈もない感謝をごまかしてる

完全なるフィクション 出来合いのストーリー
愛は少しくらい汚れていたほうがいい
誰かが言っていた言葉を思い出す

主人公とヒロインが織り成すラブストーリー
ラストを飾る見え見えのハッピーエンド

紆余曲折を経て たどり着くラストシーン
読破したばかりの ベストセラー

帯には「世界中で一番素敵な恋がここにある」なんて 大げさな謳い文句

僕らができるのはありふれたあやとり

不器用に絡まったような二人の関係が
やがて 素敵な形を織り成せばいいなあ

今日までの物語を読んで
途中までの 物語を見失わないように

本のページに栞を挟むみたいに
思い出を記憶に 結びつけて

できた蝶々結び 左右に広げた二枚の羽
今にも飛び立ちそうに 見えたんだ。

2016/05/02 (Mon)

[7754] 
詩人:どるとる [投票][編集]


一人で 大分できることも増えて
笑われながらも 強がりながらも

ほかの誰かを思えるようになって
自分より大切にできる人を見つけたよ

夜空を渡る 流れ星が 聞かせてくれる物語
今流れたあの星は何万光年前の 光かなあ
だとしたら僕らは 歴史的な瞬間の目撃者だ

羽根の生えたリュックサックに
自由だけを 詰め込んだらそのまま旅に出てしまいたい

いつか 見せてあげたいよ僕と同じ名前を持つ子供に あの日と同じ星空を

宛もないならこのまま 二人幻になろう
物語にいまだかつてない足跡を記すよ

もの思うようにふと見上げた夜空
風の向かう先を ただ眺めていた

幼い日、夢中で呼んだ星座図鑑の中に 載っていた
土星の輪が つながってないのを知った
飛来した隕石の最大直径 月の石

青と緑の星に 降り立った宇宙飛行士は言った 地球は青かった

教えてほしいよガガーリンが見た 宇宙はビー玉よりも きれいなのかなあ

重力のせいで 一歩ずつが とてもゆっくりだ
その一歩が 世界に新しい夜明けを 呼んだのなら
僕も 少しは その大きな 世界の歴史に
偉大な一歩に 貢献しているのかなあ

流れ星を見て 思ったよ
いつか 誰かが 夜空を見上げたとき
流れ星を 見つけるように 僕の刻んだ足跡を見つけるかなあ

羽根の生えたリュックサックに
自由だけを 詰め込んだらそのまま旅に出てしまいたい

いつか 見せてあげたいよ僕と同じ名前を持つ子供に あの日と同じ星空を

「僕も子供のころにこれと同じ空を見たんだよ」なんて
自慢できる日を 心待ちにしているの。

2016/05/02 (Mon)

[7755] ベガ
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高架下に潜り込んでで 雨をしのぐ夜
街の光は ここまでは届いてくれない

暗闇の中にいると どんな顔してるかも
見えないから わからない
隠したいことがあるときは都合がいい

涙を見せたくないときの恥ずかしさを
傷痕ごと ごまかしてしまえるから

空を渡る 流れ星に祈りを捧げる 夜は

真っ白なノートのページのように

汚れひとつない心のまま誰かを思える

見つけた一番星は少しだけ輝いて

必要な光だけを街に降らすよ

その明かりだけは僕を見捨てないんだ。

2016/05/02 (Mon)
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