詩人:どるとる | [投票][編集] |
最終電車に あわてて乗り込んだ真夜中
椅子の背もたれに 沈み込む 小さな身体
宛もない毎日 今なら簡単に
消えてしまえる 気がするんだ
こんな 間違った気持ちを
誰かに 叱ってほしい
沈めたはずの 悲しみが ふとした拍子に
頬を伝うもう涙を隠せないわ
涙をぬぐう優しい指を探しても
もう、失ったあとだ 帰らないぬくもり
潜水艦の丸い窓から見た 海中の景色
それによく似ている 見たことはないけど
時計で時刻を 確かめて ごまかした
眠くなるまで星を数えた夜も
疲れはてるまで 歩いたあの道も
つないだ手も 他愛ない会話も
あって当たり前だった
それが幸せだと気づけなかった私には
あなたを愛すことなんてできなかった
盗まれるように奪われたキスの味も
まだ微かに覚えてる唇に 記された思い出
刻まれた足跡をひとつひとつ
辿ってく いつかあなたに会える気がして
こんなに暗い真夜中でも見失わず
光を見つけることができるのに
あなたはここからは見えないわ
どこにいるの?不意に名前を呼んだ
沈めたはずの 悲しみが ふとした拍子に
頬を伝うもう涙を隠せないわ
涙をぬぐう優しい指を探しても
もう、失ったあとだ 帰らないぬくもり
いまださよならも言えないままだ。
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夏を抱きしめたような空が
青く広がる 畦道に揺れる逃げ水
見渡すかぎりの田畑
黄金の稲穂
台車には 山のような 玉蜀黍
絵日記に 描かれるのは 小さな指と果てのないイメージ
クレヨンで 思い出をあざやかに 記してゆく
花火をするなら 小さな明かりを
いくつも 咲かせる線香花火
その切なさは 夏の闇をそっと照らす
縁側にこぼれるたくさんの笑い声
また来年来なと 祖父が言うんだ
お婆ちゃんは ティッシュにくるんだお金を握らせた
ささやなかな幸せと残された 痛み
それは絵日記の向こうの夏。
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青空は ページをめくるように
夜は静かに明けて 待たなくても
朝は 太陽を昇らせる
計ったように 目覚ましが鳴るのは
いつもの時刻に目覚ましをセットしてるからだ
今はない夢を探している その途中だ
ささいなことで 大袈裟に笑いながら 泣きながら
過ぎてく季節を 数えて めくられていったカレンダー
ページはまた ひとつめくられて
お腹を空かせた猫が 餌にありつくために尻尾で月を撫でている
「神様、僕にも夢をくださいな」
名前も知らない 幸せを 探すなら
虫眼鏡の向こうに ヒントを映して
映画みたいに 奇跡を願った
ハングリー精神なんて些かもない
僕らは常に お腹を炭水化物で満たしている
夢を見るにも体力が要るんだ
眠れない夜を 今日も明かしながら
途切れそうで 途切れない会話は続く
話題がなくなればまた振り出しからのスタートだ また自慢話のオンパレード
明け方になるまでは終わらない 彼らのどうしようもない 日々
笑うためには 貪欲になるんです悪しからず
「夢はもう叶ってるようなもの」
振り子の 軌道で行ったり来たりを
繰り返す 毎日ならGとCを駆使して
簡単なメロディを鳴らしてみよう
この つまらない夜に
ささいなことで 大袈裟に笑いながら 泣きながら
過ぎてく季節を 数えて めくられていったカレンダー
ページはまた ひとつめくられて
お腹を空かせた猫が 餌にありつくために尻尾で月を撫でている
「神様、僕にも夢をくださいな」
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東京に行くと決めた日
母と父は 反対しなかった
重たいギターケースに詰め込んだ夢は
途方もない未来への博打だ
とにかくやってみないことには
わからない世界の話だから
やりもせずあきらめた後悔だけは
したくないと 踏み出した東京
たまの電話で元気にしてるかと
無愛想な父の顔を電話の声の向こうに
イメージしながら ほくそ笑む
旅立ちと別れの季節がまた誰かの背中を
押してゆく そこに吹く風は はじまりの匂いがしていた
右も左もわからない東京で 頑張ってるよ
いつ叶うかもわからない夢を
きりもなく 追いかけながら
間違い探しをするよりも
この街に腰を落ち着かせてよかったこと一つ一つ思い出しながら 誰かの優しさに見つけた居場所
陽射しのような あなたの笑顔に
いつの間にか恋をしている
この気持ちを伝えるには
まだ僕は 身の丈に似合わず寸足らず
何もかもが新しくなってゆく
洗い立てのシャツのように
真っ白な 晴れた空に浮かぶ浮き雲
流れ星が流れたら 僕なら何を願うだろう
まだ何者でもない僕は何になろうか決めかねてる
まっさらなノートのページいっぱいに
描いた 未来予想図は些か壮大すぎて笑えるな
でもどうせ叶うなら 大袈裟な夢を見るよ
たまの電話で元気にしてるかと
無愛想な父の顔を電話の声の向こうに
イメージしながら ほくそ笑む
旅立ちと別れの季節がまた誰かの背中を
押してゆく そこに吹く風は はじまりの匂いがしていた
窓の外では静かに夜が明けようとしていた。
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どうしてくれるんだ 愛されたために
僕は また弱くなったよ
人に愛されることを知って
はじめて知った人を愛する気持ち
君がいなくなった部屋を見渡して思う
この部屋はこんなに広かったんだな
君の名前を呼んでも聞こえない あの声
もういい加減 待ちくたびれたよ
いつまでも 来ることのないバスを待つ
握りしめているのは片道だけの乗車券
宝物にしていた恋愛切符のおまじない
神様に頼むんだ 信じていないけど
君がよく書いていた日記帳は
数年前の日付で止まっている
笑いの絶えなかった毎日なのに
今は笑うことにさえ体力を使うよ
君が好きだった 海に来たよ 気晴らしに
波が砂浜まで打ち寄せて また引いてく
忘れてしまえたらどんなにいいだろう
だけど楽しい思い出まで忘れていいのかな
こんな思いをするために 重ねた思い出じゃない
こんなことなら出会わなければ なんてことも思ったよ
でも瞼を閉じて 思い描く君は そんなことを望まない
どうしてかな 笑ってる顔が最近 思い浮かばないや
自分の幸せを蔑ろにして生きているからかな
掃除でもしようか 散らかった 心ごと
君の名前を呼んでも聞こえない あの声
もういい加減 待ちくたびれたよ
いつまでも 来ることのないバスを待つ
握りしめているのは片道だけの乗車券
僕だけが幸せになる未来なんていらないけれど いらないなんて
言ったなら いつまでも君は笑ってくれないよね
だから一歩踏み出すよ 君がいなくなったあとの物語の続きから。
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心にもない言葉で 大切な人を傷つけて
あとになって 後悔が僕を苦しめる
わかっているはずなのに学ばないなあ
自分に自分で下手くそな突っ込みを入れる
君が流す涙に 答えがあるのかなあ
鈍い僕にはまだ わかりそうにないから
もう少し頭を冷やしてきていいかなあ
猫背なところも 不器用なところも似てる
変なとこがお揃いだなんて笑ったら
いつの間にか 仲直りできている
弱いくせに強がる自分がいるよ
強がりのための処方箋はないものかな
薬に頼るなんて ちょっと卑怯かな
でも 弱い僕には強がりだけが最後の盾
もしも魔法が使えたら よかったかな
でもそれでは気づかないことがある
地道な積み重ね 努力の末に叶う夢
愛する人との出会いもありふれた魔法
また君を泣かせてしまったようですね
夜明けまで二人で泣いた。
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大袈裟な力で持って ちょっと卑怯に
重たいものを 楽に持ち運びたいなあ
スプーンよ 曲がれ
魔法の呪文 キカナイ
エスパー 君は エスパー エスパー 君はエスパー
エスパー 君も エスパー エスパー 僕もエスパー
不思議なエスパー。
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咲いたそばから 枯れそうな思いだ
浮かんだそばから 消えるイメージを
たとえば歌にしたら何かが変わるかなって走り出す 目と鼻の先に 広がる世界
こんなんじゃ駄目なんだって
何度となく かき消した思いを
上書きしたように消えない傷跡
振り切ったはずの悲しみに
濡れたのは 捨てきれない弱さだ
また狡くなる 嘘で固めた持論
アカシアの花のせいにしよう
たまたま目についただけの被害者だ
通り魔はこんな気持ちなんだろうかってわかってはいけない心を思ったりしたよ
空は突き抜けるように晴れていて
翼を広げた飛行機が飛んでゆく
羨ましくなったのはなぜだろう
色のない世界に 降る赤 青 黄色
極彩色を探してる 心が見つけたもの
誰かが手放した 名もない小さな種
空に蒔こう いつか花を咲かすまで
こんなんじゃ駄目なんだって
何度となく かき消した思いを
上書きしたように消えない傷跡
振り切ったはずの悲しみに
濡れたのは 捨てきれない弱さだ
また狡くなる 嘘で固めた持論。
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夏の陽射しが アスファルトに照りつけて
まるで 熱せられたフライパンのようだな
蝉時雨がうるさいくらいに 聞こえる昼下がり
畳の上に寝転がって 天井のシミを数える日々
たまに心地よい風が運ばれてくる
誰の心の中にもあるはずの夏の原風景だ
花火にでも行こうよって なかば強引に
手を引かれてたどり着いたのは神社
赤い鳥居をくぐってお参りしたよ
賽銭をけちって 一円玉ですましたっけな
思ったよりもきれいな花火がいくつも
打ち上げられて 耳をふさいだ僕は
君の声が 聞こえない もう一度言ってよ
「ずっと前から好きでした」 なんて不意討ちさ
惚れないはずはない
断る理由はないだろう
小さな子供たちが 畦道を駆けていくよ
駅前の図書館 涼むにはちょうどいい
入り浸りするなと 先生は 言ってたけど関係ないや
夏休みだってだけで僕らは自由を手にしてる
兵隊の行進みたいに足並みそろえたように
バラバラのリズムをひとつに束ねる魔法だ
恋をしていたのは僕も同じかもしれない
素っ気ない態度で気持ちをごまかしてた
ラブストーリーみたいな恋はしたくない
ドラマ仕立ての台本がそこに見えるから
僕らは僕らに似合う不器用で下手くそな恋をしようって言ったそばから
君はドラマのような展開を望むから 僕も乗ってしまうんだよ
柄にもないね「愛してる」なんて言葉はドラマの中だけにしてよ
そうは言えない僕はドラマのように恋に落ちる
そっぽ向く僕に 今花火が上がったのに
目を反らしてただけで むくれてしまう
頬に膨らみをつくって ご機嫌斜めだ
どうせすぐ 笑うのに面倒だなあ
思ったよりもきれいな花火がいくつも
打ち上げられて 耳をふさいだ僕は
君の声が 聞こえない もう一度言ってよ
「ずっと前から好きでした」 なんて不意討ちさ
惚れないはずはない
断る理由はないだろう。
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笑ったそばから 泣いてしまうんだよ
君はよくもまあそんなふうに
コロコロ顔を変えられるもんだなあ
面倒だと思うこともあるけれど
君と一緒だとなぜか退屈しないんだよ
笑って泣いて たまには怒ったりもして
そんな君をいつまでも眺めていたいと思う出来れば死ぬまで
つないだ手の ぬくもりだけで
僕は簡単に 幸せになれてしまう
えもいわれぬこの気持ちはなんだろう
愛というには些か大袈裟だから
かといって愛じゃないともこれがいえないんだなあ
でも悲しいかな言葉にすることができない
一日の終わりに 悲しくなるのは
どこかで戻らないことを知ってるから
悟ったように 涙をポロポロ流してしまう
優しいことくらいしか 良いとこがない
スゴいだろうなんて自慢なんてできない
喧嘩して 仲直りしたときの ほっとした気持ちったらない
抱きしめたら 壊れそうな体
大切なものは いつも愛するほどに
憎くて堪らなくなる 手加減なんてできない
傷つけたぶんだけ 僕の心もまた 傷ついてしまう
同じ傷跡を 抱えた二人は お揃いだねって笑いながら またひとつ夜を越えてく
声にならない気持ちなら歌にしてしまえ
完璧には できないけどそれもまた
いい味になっていくんだよ
さあ召し上がれ 僕の下手くそな 歌に酔いしれてくれ
泣いてもまた笑ってくれればそれでいいよ
僕を悩ませてよ 困らせてよ それが僕の願いだ
つないだ手の ぬくもりだけで
僕は簡単に 幸せになれてしまう
えもいわれぬこの気持ちはなんだろう
愛というには些か大袈裟だから
かといって愛じゃないともこれがいえないんだなあ
でも悲しいかな言葉にすることができない
でもいつかこの気持ちをありのまま伝えたい 彼女に。