詩人:どるとる | [投票][編集] |
遠い昔、運動会でやった二人三脚
要領の悪い僕はパートナーの足を引っ張っていた
でもあなたは 笑って 気にしないでと言っていた
その優しさが 僕をダメにしないで くれたんだろう
一歩また一歩 人生の長い道のりを
歩いていく 時にはつまずいて
雨に降られ 陽射しに焼かれ
あきらめそうになるだろう
時には 喧嘩だってするだろう
でもいつの間にか僕らは手をつないで
悲しささえわけあって 生きている
生きていく。
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畑を耕すように 僕らのお父さんのお父さんが
世の中を すみよいようにしてくれました
B29が空を飛び 爆弾が降ってきた日に
これで最後にしようと誓ったじゃないか
平和な今を 変えてはいけない
武器を放棄し戦争を憎もう
畑に 実った小さな子供たちが
大人になるまで 見守るよ千の瞳で
えんやこら
えんやこら
鍬を振り上げ
土に降り下ろす
春には たくさんの野菜が収穫されるだろう
僕らは今日も畑を耕す
耕された畑を 荒らさないように
今ある平和な毎日を
子供たちの笑顔を汚さないように。
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行き先のないバス停で貧乏揺すりして
未来と待ち合わせをしているんだ
ドリンクバーで粘る一時間かそこらの退屈
あんなに長い時間も君との会話が あっという間にする
ひらりスカートが風に舞い踊る午後には
宛もなくどこか遠くに行きたくなる
自転車は 走ってゆく見慣れた街並みを
アイスティーのコップが汗をかいている
夏の陽射しが アスファルトをいじめてる
映画を観よう 図書館に行こう
遊園地の観覧車に乗ろう
君が 笑える場所ならどこでもいいさ
油断すると恋をしてしまいそうな景色
リズムをとるテーブルの下の君と僕の足
空は晴れて 雲ひとつない 青い空だよ
急ぎすぎた僕はページを飛ばして
結末だけを知りたい
でも まだまだ 焦らせてほしい
飛ばし読みするのはあまりにもったいない
だから ゆっくり歩いていくんだよ
ひらりスカートが風に舞い踊る午後には
宛もなくどこか遠くに行きたくなる
自転車は 走ってゆく見慣れた街並みを。
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ホームで電車を待っているように
未来と待ち合わせをしているんだ
約束もしていないのに 時間通りに
ホームに 到着した行き先のない電車
窓から見える景色は見飽きたよ
昨日と今日が変わらないように
時計がどれだけ回っても歳を重ねても
変わらないものは変わらないままだ
東京の街の地下に張り巡らされた路線
もぐらが作った穴のように入り組んでる
こんがらがることも絡まることもなく
上手くかわしながら道はつながってる
科学の進歩と発展が招いたのは
生活の利便性 でもなくしたものは大きい
メトロの闇に消えていく 鉄の芋虫
蛇行しながら 這うようにレールを走る
時計が刻む同じ時間も 昨日と今日とでは随分違うんだ
同じ一分で何が出来るかな
日暮れの街に きれいな夕焼け空が広がる
水面に浮かぶ白い船の帆が風をつかむ
一息ついて そっと見上げれば満天の星空
見つけたよ僕らが守らなきゃいけない物
一つ一つ 数えきれない宝物が増えてく
失う物より 残された物を指折り数えよう
東京の街の地下に張り巡らされた路線
もぐらが作った穴のように入り組んでる
こんがらがることも絡まることもなく
上手くかわしながら道はつながってる
日暮れの街に きれいな夕焼け空が広がる
水面に浮かぶ白い船の帆が風をつかむ
一息ついて そっと見上げれば満天の星空
見つけたよ僕らが守らなきゃいけない物
小さな子供たちに残さなきゃいけない物。
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引き出しを開ければそこには未来がある
昨日の僕が明日のドアをたたく音がする
風船を 空に放って
花で冠をつくって
飾付けよう
魔法の絵の具で
世界を塗り替えて
引き出しの中には
引き出しの中には
未来がそっと光る
引き出しの中には
引き出しの中には
たくさんの夢が光る。
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気持ちをふくらませて
イメージを形にするんだ
空は晴れて 雲を蹴散らした太陽が
畑に 日差しを降らせて野菜を育てる
本を読んで あくびをして昼寝をして
日が昇っては 日が暮れてまた明日
笑いながら 泣きながら生きていく
僕らの 暮らしはページの向こうへ続く
新しいノートに描いた虹
七色の 川みたいに見えるよ
南向きの窓を開けて 陽射しに手招き
洗濯物を 乾かしてくださいな
猫の背中に乗ってちょっとした大冒険
たんぽぽの綿毛を追いかける旅
笑いながら泣きながら 生きていく それでも
僕らの 暮らしは飽きるほど 変わらず続く
口笛吹き鳴らして
新しいいたずらを思いついた
やってみよう 驚かそう 腰を抜かすような
面白い 楽しい これからのはじまりはじまり
本を読んで あくびをして昼寝をして
日が昇っては 日が暮れてまた明日
笑いながら 泣きながら生きていく
僕らの 暮らしはページの向こうへ続く。
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いつもの帰り道 歩道橋にさしかかり
ほら 夕日が沈むところだよ
赤い夕日に照らされた街並みが見えた
なぜか僕は 泣きたくなってしまうよ
優しい オレンジ色が心さえ染めるから
あの空と同じ色になった僕の心が泣き出す
いつでも会いたいと思う人がこの街にいる
そんな気持ちを 落とさぬように 歩いていく
人が人を思うような ありふれた気持ちにやどる
あたたかなお風呂のような安らぎ
この街は誰かを待っている顔で笑うから
僕まで 笑顔になってしまう
夜が来る前に 喧嘩したこと謝らなきゃ
また昨日のように 君と笑いあいたい
翼を休めていた鳥が羽ばたいていく 巣に帰るのかな
僕も家に帰りたくなってしまう
離ればなれでも 互いを思う気持ちで 結ばれている
寂しくなったときは君を思い出すんだ
笑った顔が まぶたの裏にぼんやりと浮かぶよ
ただいまを言う準備は整っている
この街はまるで 誰かを待っているみたい
ドアを開けていつものように
ただいまって笑うあなたや
おかえりって迎えるあなたを
結んでる 見えない絆がある
そこに生まれる気持ちを人は幸せと 呼ぶのだろう
いつでも会いたいと思う人がこの街にいる
そんな気持ちを 落とさぬように 歩いていく
人が人を思うような ありふれた気持ちにやどる
あたたかなお風呂のような安らぎ
肩まで浸かって 吐き出す感嘆のため息
白い湯気になって 天井に上って消えた
「僕は幸せ者だ」
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悲しくて 仕方ないとき必ず誰かがそばにいる
みんながそんな 思いやり持てたなら
この世界は 明日からでも平和になる
どうしてだろう 君の涙を見た時に
痛みなんて 伝わるはずもないのに
胸が苦しくなった
人は 自分以外の人の痛みはわからない
でも心があるから 感じることはできなくても わかろうとすることなら出来る
君のほほに ひとすじの涙が伝ったら
僕がその涙をぬぐうハンカチになろう
君が 一日も早く笑えるように
その悲しみをどう片付けていくか
一緒になって 考えていこう
鉢植えの底に穴が空いてるのは
水を逃がすため 花が水を飲みすぎて腐らないためだよ
たとえば僕ら人間も同じ理屈で
悲しみばかりでも生きるのは辛い
喜びばかりでもつまらない
あなたを思いながら 夜空の星を数えて
名前も知らない星と星を つなげて自分だけの星座をつくる
君のほほに ひとすじの涙が伝ったら
僕がその涙をぬぐうハンカチになろう
君が 一日も早く笑えるように
その悲しみをどう片付けていくか
一緒になって 考えていこう
皿の上に盛られた料理を 主役にするのは
皿が輝いているから
ほら、君も命を輝かせるために
涙をたくさん受け止めて
命を輝かせていく。
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遠く離れた 人の心を思いながら涙ぐむ
その時流れた涙は優しい色をしている
お元気ですか?お変わりないですか?
こちらは毎日暑い日々が続きますが
お体など どうかこわさないでください
君が送ってくれた手紙と 季節の花の押し花
僕は何を送ろうか考えているよ
君が笑ってくれるものを 選びたいな
遠く離れた人の心を結んでいるのは
きっと互いを思う気持ちだよ
電話みたいに ほらつながっていく
宇宙から送られる電波が夜だって地球に届くように
今君が何をしているのか どんな気持ちでいるのか
些細な寂しささえ 僕の心のアンテナが 受け取ってしまうの
旅立っていく 風の行方を 訪ねることもしないまま黙ってその背中を見送る
季節の変わり目なので風邪など牽かないで
君のこと心配しだしたらきりがない
自分のことを後回しで人を心配するから
この街の 中で築いた 人の輪と 手にしたいくつかの思い出を束ねて 花束にして贈りたい
写真を送るよ カメラマンが下手だけど
いつか夢を語りあったあの夜のように
まだ見ぬ未来に描いた想像を
ただの想像の域でとどめずに今も
追いかけてるのは 僕も君も同じだよ
君を思うとき笑ってくれてたらいいな
僕も 笑ってるから同じ気持ちになりたい
そして 離ればなれの二人の気持ちがある瞬間に重なればいい
アンテナ伸ばしていくよ 君に向かって
この心が 君の声を聞き逃さないように
耳をすまして目を閉じて 深く沈み込むイメージの水底へ
遠く離れた人の心を結んでいるのは
きっと互いを思う気持ちだよ
電話みたいに ほらつながっていく
宇宙から送られる電波が夜だって地球に届くように
今君が何をしているのか どんな気持ちでいるのか
些細な寂しささえ 僕の心のアンテナが 受け取ってしまうの。
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暗い夜の中でも 消えない光を探してる
開いた窓に落ちた星を手づかみにした
銀河を走る 列車に乗って 夢の世界へ
生まれ変わりたい気持ちを 走らせる
レールに乗って 僕は行くよ このまま
終わらない旅に出るんだ君と
瞳の中に 広がった僕だけの大宇宙
夢から夢が飛び出したような世界だ
背中に羽が生えて僕はふわり舞い上がる
こんなに星が夜空にはあるんだ
だからひとつくらい夢だってつかめる
そう信じた瞬間から僕の旅は始まった
夜空はさしずめ高価なプラネタリウム
星と星をつなげている見えない道がある
天の川を走る列車に乗って行くよこのまま
行き先を変更 太陽系をワープする
自転車に乗って 小高い山の 頂へ
そこから見える星をひとりじめだ
出来れば風呂敷に詰めて持ち帰りたい
でも手を伸ばしても背伸びしても届かない
だから、僕は地上にある星を探しに行く
その瞬間から僕の旅はやっと始まった
遠い昔に読んだ小説の 一説を思い出す
あれなんだっけな
忘れてしまったよ
でも いつか思い出せるだろうなんて
笑ってる 帰り道
見上げた夜空に一番星を見つけた
明日は晴れるかな
瞳の中に 広がった僕だけの大宇宙
夢から夢が飛び出したような世界だ
背中に羽が生えて僕はふわり舞い上がる
こんなに星が夜空にはあるんだ
だからひとつくらい夢だってつかめる
そう信じた瞬間から僕の旅は始まった。