詩人:どるとる | [投票][編集] |
陽射しが 差し込む部屋
西日が眩しくて目を反らした
あたたかな気持ちになるのはなぜかな
理由もなく幸せだ 君がくれた気持ち
4月の街 吹く風もあたたかく
桜の花が 今年も 例年より早く咲きそうです
ひらひら 風に舞う
花びらに 重ねた
君のおもかげ
今はもう いない
触れられないくらい
遠くにいる君に
どんな言葉を 今さら伝えられるだろう
愛してるの声も 届かない。
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15両編成の 電車に乗って
二つ離れた 駅に行く
春を迎えた 街はもう
桜の季節です
いまだ 消えない寂しさは
いつかあなたが僕の胸に
残していった置き手紙
次の便りには なんて書こうかな
書くことがなくなってしまった
途切れないようにつなげていく
花曇りの 空を かるくいなして
ホームに降り 改札を通れば
懐かしい匂いが 鼻孔をくすぐる
「案外僕も 感傷的なんだな」
詩人になってしまうよ
素敵な景色に浮かんだ
名前のない季節に
毎年同じ 季節が巡るのに
毎年同じ気持ちになる
毎年同じ色に染まる
便箋に落ちた涙が乾くまで
もうしばらく かかりそうです
雨上がりのあとも消えない
痛みとか 苦しさとか愛しさとか
下書きのままで 終わらせた恋
色もつけずに 破り捨てた15の恋
色鉛筆の一揃えの そのなかのどれが
欠けてもあなたじゃないんだよ
誰かが 言っていた言葉が離れない
次の便りには なんて書こうかな
書くことがなくなってしまった
途切れないようにつなげていく
花曇りの 空を かるくいなして
ホームに降り 改札を通れば
懐かしい匂いが 鼻孔をくすぐる。
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予報通り午後から降り出した雨が
町中に色とりどりの傘の花を咲かせて
用もないのに君に電話するのは
なんとなく声を聞きたいからだよ
言葉に出来ない気持ちならせめて
手紙にしたためて 君に今日中に送るよ
悲しいことも うれしいことも
こんなにたくさんあるんだよって
君に知ってほしい 君のことも知りたい
今何を君は迷ってて何に悩んでるのか
誰より一番 君のことを知りたくて
焦る気持ちが 手紙に ほら あらわれてる
東京ってこんなに広かったかな
路線図は迷路みたいで ややこしい
ふれただけで愛されてると 思うような
段階は多分とっくに過ぎたのだろう
口には出せないことも文字には出来る
強がらず素直に 弱音も吐けるよ不思議だね
笑うことより 泣くことのほうが多い
隠してるだけで 見えない傷を背負ってる
そんな事はお互い様でしょうなんて
かるくあしらわれたくないんだよ
君が悲しいときにそばにいてあげられる
僕が悲しいときにそばにいてくれる
そんな二人を 目指しているんだよ
たまには すれ違ってもいいから
肝心なときは お互いを必要として
片付けられないくらいの寂しさを
ちょっとした 蟠りを 語り明かして
夜明けなんて無視して 出来上がってしまうくらいがいいんだよ
言葉に出来ない気持ちならせめて
手紙にしたためて 君に今日中に送るよ
悲しいことも うれしいことも
こんなにたくさんあるんだよって
君に知ってほしい 君のことも知りたい
今何を君は迷ってて何に悩んでるのか
誰より一番 君のことを知りたくて
焦る気持ちが 手紙に ほら あらわれてる
会いたい気持ちが
ピークを迎えたなら
仕事なんて 休んで
たまには二人だけの時間を作ろう。
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赤く錆びついた廃線のレールを辿る
突き刺さるような陽射しがまぶしい
どうでもいいことだけど 最近はね
漸く笑えるようになったんだ
がらくた集めて 拵えた秘密基地は
雨風に負けて 3日ともたず 半壊した
段ボールで出来たような脆い思い出
小脇に抱えながら大事そうに未来に運ぶ
僕らは 暑さなんてものともしなかったよ
ただ駆けていく 何かに夢中になって
明日笑うために生きる今とは違った
今を笑うために 今を生きていたんだよ
大好きなレコードとラムネの瓶
夢を詰め込んだ魔法のトランク
そのなかには 今の僕が持ってない
今の僕には持てない思いがある
畑ばかりの道を 自転車で日が暮れるまで
走って 放っておけばどこまででも行った
笑うように泣いて泣くように笑った
そこにあった気持ちはいつも前を見てた
嘘なんて必要なかった あの頃の世界には
ただ今が楽しければそれでよかったから
生きることを 愚直に楽しんでいた
笑うためだけに 明日があったんだよ
待ち遠しいくらいの明日が あったんだよ
夜明けが いつまでも来なければいい
そんな思いなんて しなくてもよかった
今とは 大違いだな
僕の中で 何が変わったんだろう
多分、変わったのは背丈くらいだろう
姿形はどんなに立派になっても
まだ幼さ残る 大人になりきれない
少年のままの僕が 僕のなかには残ってる
段ボールで出来たような脆い思い出
小脇に抱えながら大事そうに未来に運ぶ
僕らは 暑さなんてものともしなかったよ
ただ駆けていく 何かに夢中になって
明日笑うために生きる今とは違った
今を笑うために 今を生きていたんだよ。
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始まりも終わりもなく
ただ繰り返されるすべてを
無理矢理に 受け入れて
止まらないあくびと
絶え間ない 人波
昨日死んだ人
今日生まれた人
上手くすれ違いながら 巡る物語
一方は笑いながら もう一方は泣きながら
明日を待つように 或いは拒むように
希望と不安の狭間に夜明けが 訪れる。
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公園通りに桜が舞う
記憶を手繰り寄せながら
過ぎ行く 季節の真ん中で
思い出すあの日の出来事
六畳の部屋で そだてた愛を
小さな ちゃぶ台に乗せながら
洗濯物干す 夕暮れ
君の背中を眺めてる
幸せは つないだ手のひらに
伝うぬくもりが そのすべて
目に見える幸せなどありふれている
目には見えない幸せを抱えたとき
人は昨日より一歩前に進む
窓辺に花を 置くように
暮らしに華を 添えたけりゃ
心を歪ませず
この退屈を 愛すこと それが幸せへの一番の近道だと知れ。
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どうせ 無理だよと
諦めたすべては
灰になり
やがて風に散る花
あくびになるだけの
退屈な時間をもてあまし
開けっ放しの窓の向こう
世界は 続くのに
未来を見に行こうともせずに
見えてる 世界をすべてだと決めつけて
空や草花や鳥
風のささやき
川のせせらぎ
人々の 心臓の音
ありとあらゆる
すべてが 異なる
リズムで 生きてる
そんな まいにち
どうせ 無理だよと
諦めたすべては
灰になり
やがて風に散る花
どうせ いつか
死ぬのなら
それまではひとつくらいは夢見よう
たとえば退屈な時間を埋め合わせる
暇潰しになるような何かを探して
楽をするために苦労してみる
ちょっと変わった生き方で。
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二人の時間を刻んでいたはずの時計は
いつからか僕のためだけに時を刻んでた
砂時計が落ちるように硝子の向こうで
今を生きる誰かの時間が失われていく
永遠より長い キスも
あっという間に終わる
一分一秒も 待ってくれない時計は意地悪さ
短い永遠だけど やれることをしよう
押し寄せる波がひいていくまで 世界はここにある
昔話を語ろう 昔々の悲しみや喜びを
目には見えない苦しみや 痛みの全てを
雨は アスファルトにしみていく
乾いた地面に 花が咲くのならいいな
つないだまま離さない手を
いつか 時が無理矢理離させるなら
僕はあなたと生きた時間を思い出と呼びたい
なくすものなどなにもない あなたは生きているから
僕の中で 物語は続いていく その先の道をひらくように
こぼれ落ちた 時を手のひらで受け止めて
風に 流そう 誰かがいつか 思い出してくれるかな
名前も知らない 誰かの 歩いた道を
重ねた 時間や つないだ手のぬくもり
涙流し 笑顔浮かべたこと
永遠より長い キスも
あっという間に終わる
一分一秒も 待ってくれない時計は意地悪さ
短い永遠だけど やれることをしよう
押し寄せる波がひいていくまで 世界はここにある
なくすばかりだと思っていたけれど
思い出があるかぎり なくすものなど何ひとつないのです。
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声に出さない 愛は
言葉にならない愛だ
消化されずに 胃の中に残った蟠りは
いつまで僕を 縛り付けているんだろう
夜の帳が降りてきて
希望が費えたとき
たとえば貯金をおろすように
蓄えた 思い出で 満たされるくらいなら
わがままに僕は あなたの手を握って
「離れたくないよ」とちゃんと言葉にする
少し無理矢理 重ねた唇は まんざらでもなく
舌を絡ませ 指は縺れて
ひとつになるとき
痛みとともに 目覚める 幸せは
きっと嘘偽りのない愛の証明
きれいな愛なんてない
醜いのもまた愛だ
傷痕さえ 愛せないなら 愛は謳えない
吐き出された喘ぎはなんて綺麗なんだろう
間違えられた愛の形を 歪ませたのは
愛をお金や商売にしか思えない 人間の浅はかな 愚かさだ
わがままに僕は あなたの手を握って
「離れたくないよ」とちゃんと言葉にする
少し無理矢理 重ねた唇は まんざらでもなく
舌を絡ませ 指は縺れて
ひとつになるとき
痛みとともに 目覚める 幸せは
きっと嘘偽りのない愛の証明
耳元でささやく 吐息混じりの声
眠りに落ちる 間際で 救われる
世界にただひとつだけのひびき
ありふれた 幸せのワンオーダー品。
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薄汚れた 青春のシミが 真っ白なシャツに嘘をつかせるよ
雨は上がらない 夜明けを迎えても 痛みは真新しいまま
花は咲いて そしてやがて枯れて
最後に笑うのは誰だろう。