詩人:どるとる | [投票][編集] |
君は覚えているかな 忘れようとしたって
忘れられないくらい思い出はあるんだよ
笑ったり泣いたりしただけの 映画にもならないような
二人だけの 特別な物語がある
押し寄せる波に さらわれていく貝殻
砂に描いた 下手くそな 君の似顔絵波が かき消した
いつの間にか 隣にいたはずの君は いなくなってしまって
途方に暮れたように君を探すけど
笑ったこと 泣いたこと 皮肉にも君を失ってから気づいたんだよ
どんな素敵な思い出よりも ありふれたことが何より大切だったこと
いくら一緒にいても足らない時もありゃ
すれ違ってしばらく口も利かなかった時もある
わがままな僕と君は 似ている だからかな 割合うまくやっていたほうだと思うよ
日が沈むのを 歩道橋から 眺めてた
ここからの景色が 君は好きだった
人の暮らしが見えるからだって
失うために 積み重ねた時間なんかじゃない
永遠に続いたっていいくらいに 君を愛した
こんなことならもっと 君と一緒にいればよかった
世界のどこにも 君はいないなんて
こんな悲しみが他にあるだろうか 代わりなんていないんだよ
桜の季節にはまた 月ごとに日記が新しくなるように
新しい気持ちで まっさらな心で生きられる
そんな生易しいことならば 悲しみだってもう少し 可愛いげがあるんだろうな
いつの間にか 隣にいたはずの君は いなくなってしまって
途方に暮れたように君を探すけど
笑ったこと 泣いたこと 皮肉にも君を失ってから気づいたんだよ
どんな素敵な思い出よりも ありふれたことが何より大切だったこと。
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いつか 誰かが読み聞かせてくれた物語
本を読んでる間だけは旅人になれる
優しい胸に抱かれて夢の中で
いくつもの旅をした
心を旅させていくのさ 幻の汽車に乗せて
もう帰れないかもしれない それなら星になるさ
時計は必要ない 時間はもう僕を縛れない
レコードと 思い出を鞄に詰め込んで
風のあとを追いかける
心を旅させていくのさ そこに自由があるなら
何も恐れるものなんてない 物語は明日に続いていく
心を旅させていくのさ 幻の汽車に乗せて
もう帰れないかもしれない それなら星になるさ。
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夢を探して旅立った少年の瞳に宿る光
窓に映る星にさえ 物語があるのなら
探しに行こうとあなたは僕の手を引いた
きっと失ったものはもう二度と帰らない
そんな 悲しみさえ
この旅は癒してくれた
あなたが笑うだけで 僕も笑顔になれた
たくさんの夢を乗せて今日も走る
数多の銀河を さまようように宛もなく
金色のあなたの髪が風に揺れた
僕には それがオーロラに見えたよ
人は何かを探すために それぞれの汽車に乗って
旅立つ旅人と あなたは言った
だからさよならを言葉にするにはまだ早すぎる
夢を探して旅立った少年の瞳に宿る光
窓に映る星にさえ 物語があるのなら
探しに行こうとあなたは僕の手を引いた。
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汽車は 汽笛をあげて夜空に飛び立つ
この汽笛はいくつの冒険をしてきたのだろう
どれだけの物語を背負っているのだろう
星の数ほどの惑星を渡り
いくつもの出会いと別れを知っている
悲しみの駅では涙を
喜びの駅では笑顔を
憎しみの駅では裏切りを
窓から見える 名前もない星々に
遠い昔名前をつけた人がいる
僕もまた 名前のない星のひとつ
手のひらを広げればそこに銀河
レールのように 刻まれた線は道となり
新しい旅へと僕らを連れて行くだろう
汽車は再び 汽笛をあげて夜空に飛び立つ
時を旅する 汽笛に乗り窓の向こう
過ぎていく思い出を見送る もうここへは帰らない
どこから来てどこへ向かうのだろう
始まりも終わりもないような旅だから
いつもそこが終わりであり始まりだ
愛の駅では 口づけを
夢の駅では憧れを
希望の駅では 夜明けを
野に咲く花に 名前をつけた人がいる
あなたにも僕にも名前があるように
運命のように 訪れたさよならの日に
あなたは いつものように笑っていたよ
僕を置いて汽車は行く 汽車をあげて
もうあなたの隣には僕はいない
僕の隣にはあなたはいない
あなたにはあなたの旅があり
僕には僕の旅がある
「もう会えないのにどうして口づけをしたの?」
僕はあなたにまた会いたくなる
窓から見える 名前もない星々に
遠い昔名前をつけた人がいる
僕もまた 名前のない星のひとつ
手のひらを広げればそこに銀河
レールのように 刻まれた線は道となり
新しい旅へと僕らを連れて行くだろう
汽車は再び 汽笛をあげて夜空に飛び立つ。
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どこに行くのか 宛もなく 続く旅さ
名前もない 感情に突き動かされている
飛び乗った汽車の 行き先も知らずに
風に名前がないように 明日は闇の中
大事そうに握りしめた気持ち
汽笛が鳴る 待ってはくれない
時計は 戻らず進むだけだ
冷たい雨を避けながら走る 走る
滑走路やレールなんて要らない
心に薪をくべて 燃えろ 燃えろ
運命された 旅がまた始まる
君がくれた自由へのチケット
永遠を旅する 旅人となれという
おかしな 車掌が腕章をなおすよ
ウェイターは硝子の優しい女の子
言葉にできなかった思い
遠い銀河に置いてきたよ
ここからまたあなたに会いに行く
旅立とうと思ったら何度でも
僕は旅人になって 君に会いに行くよ
退廃した町を あとにして 見下ろす
愛をくれた人はそっと目を閉じた
旅立ちを決めたときから 旅人ではなく
生まれたときから 僕は旅人なのだろう
ふいに生まれる 感情が僕を駆り立てる
あの日もらった唇が僕を宇宙に誘う
冷たい雨を避けながら走る 走る
滑走路やレールなんて要らない
心に薪をくべて 燃えろ 燃えろ
運命された 旅がまた始まる。
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この世界が たとえばばかでかい
キャンバスなら 何をそこに描こうか
悲しみを描いた人がいる 喜びを描いた人がいる
コインに裏と表があるように
表だけを描くことはできないよ
だから生まれる 光と影
どしゃ降り雨がこの町を濡らすとき
傘を差し出してくれる 人がどれだけいるかな
自分のことだけ考えて生きれたなら楽だろう
でも 誰かのことを思いやれたなら
きっと 大切なことに気づけるだろう
僕は 面倒くさくても誰かのために生きたい
人混みの中に 光輝くもの見つけたよ
宝石なんかよりずっと価値のある光を
愛を知れば憎しみも知ってしまう
避けられない 出会い
僕は 間違ってるかな
それとも正しいのかな
信じるものだけを信じるだけ
立ち止まっている君に 道を指し示してくれるのは
いつでも 誰かの優しさだろう
ちょっとぶっきらぼうかもしれない
でも多目に見てあげて その優しさは不器用なあなたの 精一杯の愛情表現
ありがとうくらいは言ってやるかな
たまには あなたに華を持たせてやるよ
寂しそうに駅の改札のそば
立て掛けられた傘が誰かを待っているように見えた
その日僕は 泣いて帰った
その傘の 気持ちになってしまったから
どしゃ降り雨がこの町を濡らすとき
傘を差し出してくれる 人がどれだけいるかな
自分のことだけ考えて生きれたなら楽だろう
でも 誰かのことを思いやれたなら
きっと 大切なことに気づけるだろう
僕は 面倒くさくても誰かのために生きたい
君に 生きていることは 楽しいことだと
気づかせてあげたい
悲しむ 暇もないくらいに笑わせたいのさ。
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擬音の街を抜け出そう
雨が 降る音にさえ
鼓膜は ふるえて
それが音になり声になり 届くよ
上も下もなく
空と地面があるだけの世界で
僕らの正しさはいつも曖昧だ
雲間に消えた飛行機の行方
空白の数時間
季節は夏だ どおりで暑いはずだ
やまない蝉しぐれ 乾いてはにじむ汗
廃線になったレールを辿る少年
日陰から日陰へ 飛び移る猫
お暇なら 僕の膝の上においでよ
日向ぼっこ つかの間に見た夢
外は炎天下 うだるような暑さ
景色が ぼやけてく
風鈴の音に目を覚ます
畳の上
夜になったら花火をしよう
約束ね 指切りした帰り道。
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また明日遊ぼうね 指切りした帰り道
日の暮れた街並みは誰かを待ってる顔だ
坂道を 上りきったら家まであともう少し
お腹のほうもそろそろすくだろう
今晩の献立 一緒に考えながら帰ろうよ
つないだ手を そっと離すとき
僕はまた昨日と同じ気持ちになる
夕焼け空が 橙に染まったら
僕の心も同じ色に染まる
雨上がりの空のように
泣き止んだ君の顔に笑顔がよく似合う
誰かが 見ていた誰かの涙を 知っている
団地の 小さなブランコ風に揺れてる
優しい気持ちを集めて 誰かを思ってみる
夕焼けと同じ色した気持ちになるよ
夜が来るまでには仲直りをしよう
これ以上さみしいのはごめんだから
虹がかかるよ 悲しみのそのあとに
ささやかだけど僕から君に頑張ったご褒美
頑張っている 君を僕は知っている
痛いほどに だから
僕だけは君を信じてあげる
そんな小さなゆうきをひとつ たずさえて
つないだ手を そっと離すとき
僕はまた昨日と同じ気持ちになる
夕焼け空が 橙に染まったら
僕の心も同じ色に染まる
雨上がりの空のように
泣き止んだ君の顔に笑顔がよく似合う。
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誰かに会いたくなる 夕暮れの帰り道
ポケットにしまった寂しさが早くも はみ出してる
泣きながらだってかまわないから
僕の話を聞いてよ
少し優しくなるために 僕は悲しみを 知ろうと思う
目には見えない あなたの傷跡を
この町に暮らす いくつもの
数えきれない人々の営みを
隠した痛みに 僕はそっと
目をこらしていたいから
回るレコード 針を落として溢れるメロディ
包み込むように 町に流れる チャイム
迷いながらだってかまわないから
生きている 喜びに気づいておくれ
ただの人間でいたい 誰かに思われたり誰かを思うような
本当は 泣き出したい気持ちを
必死になって こらえている
大人になろうとすると無口になる
冷ややかな 眼差しの向こう側
優しい 君を知っている
笑うと案外 可愛いんだよ
時計から 逃げることはできない
追いつかれてしまうよ
どんなに走っても無駄らしいから
たとえばもて余した優しさで
誰かを 愛してみる
たまには誰かに愛されてみる
目には見えない あなたの傷跡を
この町に暮らす いくつもの
数えきれない人々の営みを
隠した痛みに 僕はそっと
目をこらしていたいから
本当は 泣き出したい気持ちを
必死になって こらえている
大人になろうとすると無口になる
冷ややかな 眼差しの向こう側
優しい 君を知っている
笑うと案外 可愛いんだよ。
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最初の被害者は石巻という男性だった。
巨大な四角い硝子の中にもうひとつ筒状の硝子を入れて人一人ぶん入れる空間があり、その中に石巻は直立した姿勢で入れられていた。
そして胸ポケットに「」と書かれたカードが入っていた。
そのことから殺人として捜査されたが、一向に犯人の目星さえつかめないまま時効となる。
それからある小説家の書いた一冊の本に警察はたどり着く。
その本は若い作家の書いた小説でその年の新人賞をとったミステリーだった。
その小説の中に出てくる殺人がまさに現実で起きた石巻殺人事件そのままだった。
それからパラダイスというレストランで客に見立てた死体が椅子に座らされてあたかも食事をしているようなシチュエーションにされた奇妙な殺人が起きた。被害者は多数。だが、誰一人関係性のない全くのランダムに集められた人たちだった。死体の傍らにはそれぞれ「虚偽」というカードがあった。
またもやその作家の書いた小説どおりだった。
「硝子の中の殺人」そして
「殺しのレストラン」
警察は作家を捕まえようとしたが、彼は自室でころされていた。
巨大なおもちゃ箱におもちゃと一緒に兵隊の格好をさせられて入っていた。
カードには「道化師」とあった。
それから、捜査は振り出しに戻った。
犯人だと思っていた作家も真犯人の手にかかってしまった。
警察は手をこまねるばかりで一向に犯人はわからなかった。
しかしながらあとであることがわかった。
最初にころされた被害者の石巻には借金がありその借金はもはや返せない額にまでなっていた。
二番目にころされた人たちも同じような事情を抱えた人たちばかりだった。
つまり事件関係者すべてに共通するのは「いつ死んでもおかしくない動機」があったことだ。
これは憶測だが、つまりは皆殺人をでっち上げてころすかわりに次の誰かがころすという繰り返しを