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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[8216] 公衆電話
詩人:どるとる [投票][編集]


君は今頃何をしているだろう
なんとなく気になってしまうよ

距離を結ぶのはたまの電話ではなく
目には見えない何かだと信じよう

真夜中 君に会いたくなって
せめて声だけでも聞きたくて

公衆電話に走った雨の夜
受話器越し聞こえてきた君の声

安心した僕は泣き出してしまうのさ
幸い雨の音で何も聞こえない

やたら記念日を大切にするから
毎日何かしらの記念日になる

出会って何年になったかなんて
忘れてるのに君はずっと覚えてる

ささやかな僕の何気ない言葉を
宝物のようにしまってる君

十円を積み重ねて時間を忘れて話した
ずっと昔の恋する人たちにしかない時間

十円が切れたとき話したいことが
ある筈なのに 素っ気なく呟くさよなら

携帯があれば いつでもどこでも話せる
そんな時代ではなかった僕らの恋は
会話をするのも少し面倒で でもそれが
ほんの少し 楽しみでもあったのさ

真夜中 君に会いたくなって
せめて声だけでも聞きたくて

公衆電話に走った雨の夜
受話器越し聞こえてきた君の声

安心した僕は泣き出してしまうのさ
幸い雨の音で何も聞こえない

言葉を探しながらたどたどしく話す
僕らは不器用に精一杯恋をしていた

そんな恋が君にはできるかな?

2016/09/06 (Tue)

[8217] メリークリスマスをあなたに
詩人:どるとる [投票][編集]


両手もかじかむほど寒い冬の夜
もうすぐやって来るクリスマス

サンタさんに何をお願いしたの?
内緒って笑う我が子を母親は
あたたかい目で見つめてる

誰にも訪れる クリスマス
戦争の絶えない国にも
ひび割れた窓辺にも
貧しい人にも
雪は 降り積もり すべてを白く染めて
遠く鳴る 鐘の音
メリークリスマスをあなたに

歩き疲れ 立ち止まる公園通り
一人の少年が寂しそうに立ち尽くす

僕はクリスマスなんて大嫌い
涙を浮かべて 少年は言ったよ
クリスマスの日ママはいなくなった

誰もが大好きな はずのクリスマス
泣いてる人もいるよ
笑ってる人もいるよ
一人ぼっちの人にも
優しい明かりが寄り添うよ 赤と緑のクリスマスカラー
もみの木のてっぺんの星
キラキラと輝いてる

振り返る 僕の思い出がよみがえれば
閉じたまぶたの向こう クリスマスは
いつだって 輝いてる思い出のひとつだ
すべての人にどうか同じ輝きがあるように

誰にも訪れる クリスマス
戦争の絶えない国にも
ひび割れた窓辺にも
貧しい人にも
雪は 降り積もり すべてを白く染めて
遠く鳴る 鐘の音
メリークリスマスをあなたに。

2016/09/06 (Tue)

[8218] 綻び
詩人:どるとる [投票][編集]


油断したらすぐに凍えてしまいそうな
寒さを堪えながら家路に向かい歩いてる

鼻歌混じりにため息も白く煙ってる

多分僕らの間には余計な言葉は要らなくて
ただ 寄り添っていれば簡単に幸せになれた

つないだ手を ときにわがままに離したり
ときに 寂しくなって あわてて結び直したり

もう絡まってほどけないほど 複雑な結び目を重ねて
僕らは いつの間にか 同じ未来を その瞳に映してた

世間はクリスマスだと浮かれながら
意味もわからずはしゃいで ばか騒ぎして

綻んだ 時間の先っちょを つかんでる

百年くらいしたら 君も僕も変わってしまうでしょう
それでも変わらないものを 愛そうよ

運命なんて知らないけれど 出会ったことで
僕らは僕らになったのならそれは運命かな

存在するすべてに 終わりがあるなら 永遠なんてないから
限りあるこの時間の中でどれだけ君を 愛せるかな

毛糸玉みたいな 命が少しずつ
綻んでいくのを なんとなく感じてる

止めるすべもなくただ流れるまま
収束するすべてを見送るだけ

つないだ手を ときにわがままに離したり
ときに 寂しくなって あわてて結び直したり

もう絡まってほどけないほど 複雑な結び目を重ねて
僕らは いつの間にか 同じ未来を その瞳に映してた。

2016/09/06 (Tue)

[8219] 悲しみの居場所
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少しのことで泣き声上げる この心は弱くて
誰かが側にいないとすぐに 泣き出してしまう

がらがらの電車の中、窓に映る月
闇がすっぽりと世界を覆って
何も見えない

降りだしたとたんにすぐ止んだ雨が
濡らした 肩に雨粒が人懐っこく ついてる

あなたがあなたであるという
ただそれだけのことが
どれだけ僕には大切なのだろう
あなたを知らない人からすれば
あなたが いなくなっても悲しむこともない
それでもあなたをよく知る
僕には誰かには「それだけ」のことが
深い 深い悲しみになる

ちょこんと座る 葉っぱの上に 一匹のかたつむり
おまえはいいなと 勝手な憧れを 突きつけて

悲しみの居場所さえこの街にはない
涙は邪魔だと 邪険にされるだろう
優しい色をしている

悲しみを見つめて 愛しいと思えたら
たまには 抱きしめてください

あなたが あなたを否定したら
あなたはあなた以外の何ですか?
あなたは あなたから一歩も逃げられない
何しろあなたはあなたでしかない
あなたはあなただからこそ素晴らしい
誰かの優しさに気づくとき 悲しみの存在に気づくだろう
優しさと悲しみは家族のようなものだ
つま弾きにすべきではない

悲しみはそっと
孤独に 生きる
優しさの影に
隠れて 雨上がりの虹のように
悲しみという種から芽が出て
優しさになっただけ 。

2016/09/08 (Thu)

[8220] ドライブ・ア・ゴーゴー
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ドライブに連れてって
夜明け前に君が突然言い出した

悲しみも 笑い飛ばす君の笑顔
わがままに咲き乱れて

カーブを曲がれば
海が見えるよ
夜が明けていく
その瞬間を
君に見せたいな
窓の向こう 流れる景色を風が運ぶ
海鳥の群れ
光と影のダンス
ドライブ・ア・ゴーゴー
どこまでもこのまま。

2016/09/08 (Thu)

[8221] 夜明け前
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キーを回す あたためるエンジン
夜明け前の ささやかな思いつき
ドライブに行きたくなった

助手席には あくびする犬を乗せて
全開にした窓の向こう流れる景色

そして長い夜が明けていく
東から放たれたサーチライト

笑ってるつもりなのに いつの間にか泣いてる
心配してもらうほど弱くはないはずなのに
一人になるととたんに無口になって
泣くくらいしかやることがないのと 強がり意地を張る

全くどうしようもない人ねと彼女は笑いながら
それでも抱きしめてくれるから ますます僕は 泣いてしまうよ

エンディングに向かって走る映画
つまらないアメリカンカントリー
カウボーイが馬を追うだけのストーリー

昨日見た夢のことや些細な出来事
聞いてもらうことはごまんとあるよ

やがて たどり着くだろう季節の終わりに僕は何を最後に思うのだろう

気づかないうちに嘘をついて 見栄を張るようになった
僕は自分の小ささが情けなくて笑ってしまう
探してるのは答えではなく 逃げ道や言い訳ばかりだ

心は意地悪だね 肝心なとき 何も教えてはくれないから
飲み干した珈琲 際限なく注ぎ足される 24時間

なんとなくで 体を寄せあいそれを 愛と嘯いていた
この頃 謝ってばかりだね
でもそれもいいねって うやむやにした
嘘だっていいさ それを 愛と思えれば

笑ってるつもりなのに いつの間にか泣いてる
心配してもらうほど弱くはないはずなのに
一人になるととたんに無口になって
泣くくらいしかやることがないのと 強がり意地を張る

全くどうしようもない人ねと彼女は笑いながら
それでも抱きしめてくれるから ますます僕は 泣いてしまうよ

泣き疲れた頃にやっと 笑うよ
思えば いつも君に助けられている
今さら気づいた 君の空っぽのベッド。

2016/09/08 (Thu)

[8222] 路傍
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毎日が 流れていく
代わり映えのない景色のように

空と地平線を 映した瞳が
ページをめくるようにただ
移ろうように景色を変えてく

悲しみは彼を
あるいは彼女を
包み込んでく
人生を言い訳に

人混みの中にある孤独に 気づいた
僕らは一人 暮れてく空を見上げた

歩道橋の真ん中で思い出した笑顔は
いつか君がくれた 思い出に咲いた花

日に日に 忙殺されていく 永遠であるはずもない時間

フィクションの中で描かれた 無償の愛など偽物と笑うよ
血なまぐさい愛を
届けたいと叫べば忽ち非難される

絶望は人を
変えていく
化け物にも
空気にも

遠い国の戦争をテレビを通して
胸を撫で下ろす冷酷さは無理もないよ

他人の痛みに気づけない僕らは
無視をすることがせめてもの優しさだ

あなたに下手な
愛を与えるなら
僕はどこまでも
冷淡でいよう
路傍に咲いた
花のように
ただ 気配を消して
影に徹するよ

人混みの中にある孤独に 気づいた
僕らは一人 暮れてく空を見上げた

歩道橋の真ん中で思い出した笑顔は
いつか君がくれた 思い出に咲いた花。

2016/09/08 (Thu)

[8223] サンデー
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なんでもないいつもの日曜日
なんとなく君に会いたくなって
電話したよ たいした用もないのに

優しさに 救われるときがあるように
優しさが尖って 痛いときがある

おざなりの言葉で愛を騙って
同じ小説を何度も読み返すような毎日

今夜、君の部屋に星を降らせるから
窓を開けておいてね

使える魔法はあいにくひとつもない
だけど自由に動く手足がある
手をつないだり 重ねたりしながら
今は答えを出さないで探してるんだよ
叶えたい夢やたどり着きたい未来を

流れ星を 見たら願いをささやいて
ばからしいと思ってもいい
それが この世界を輝かせるんだ

夢と憧れだけではお腹は満たされない
でもお金だけではむなしくて仕方ない

好きなことだけをして生きていけたらいい
でもそれではだめだ

冷たい風に吹かれる意味を 考えてみる

今はまだ見えない未来は あとどれだけ歩いたら
たどり着けるのだろう
どんなに手を伸ばしても
届かない空は 遠くて
傍らにある夜が
昨日と同じ 言葉で
あざやかな今日を歌うから
僕はその声に 耳を傾けずにはいられない

使える魔法はあいにくひとつもない
だけど自由に動く手足がある
手をつないだり 重ねたりしながら
今は答えを出さないで探してるんだよ
叶えたい夢やたどり着きたい未来を

多分今日は飽きるほど繰り返した日曜日
ただひとつだけ 違うのは 色違いのサンデー。

2016/09/08 (Thu)

[8224] あくび
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笑うと一緒にあくびをすること
足の中指が親指より長いこと

くだらないことも 大切なことも
積み木みたいに 積み重ねた

風の中で笑った
こんな時間を 永遠にしたい

そう思ったときから愛は 輝いた

笑えずにいる君は
無理やり笑うけど
涙より悲しいね
鏡に映したように
心はありのままを
見つめてる

夜の中を 光が走る
時計を抱いて
僕は あてずっぽうで天気を占う

ありふれたことも特別なことも
すべてが思い出になっていく

いつもの景色に幸せが描かれている

猫のように忍び足で秋が迫る

誰かの引いたレールをなぞるばかりで
ちっともつまらない退屈な毎日なら
せめて 何か胸躍るようなニュースを

笑えずにいる君は
無理やり笑うけど
涙より悲しいね
鏡に映したように
心はありのままを
見つめてる

その先の世界を
一歩先の未来を
見つめてる。

2016/09/08 (Thu)

[8225] 夜明け前
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キーを回してエンジンをあたためて
助手席に座り犬を 膝に乗せた君
なだらかな坂道を ゆるやかに下ってく

裸足で砂浜を駆け回り爪先を 水面に浸したい

海鳥が すぐ目の前を横切ってく
カーステレオから流れる ラジオ
快晴を告げる 天気予報
この胸に生まれた小さな好奇心
夜明け前の 空に 夢を描いてる

夜になったら流れ星を 見よう
君の心に残したいよ 忘れられない景色
思い出という名前のかけがえない宝物

夜明け前にはもうすでにはやる心が うずき出してた

遮るものなんかない 果てしない世界
ずっと忘れてた気持ちを思い出す
ビーチサンダル脱ぎ捨てて駆けていく
見上げるほどに遠くなる 青い空
描いた夢を 未来に運んでいこう

ありふれた出来事も魔法みたいに君となら 輝いてく
今この瞬間を 抱きしめていたい
永遠よりも 大切なものを 僕らは知ってる

海鳥が すぐ目の前を横切ってく
カーステレオから流れる ラジオ
快晴を告げる 天気予報
この胸に生まれた小さな好奇心
夜明け前の 空に 夢を描いてる。

2016/09/08 (Thu)
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