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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[8306] ストロボ
詩人:どるとる [投票][編集]


南十字星に 向かって歩いていくような
静けさに のまれた街の片隅で
段ボールで出来たギターを 抱えて歌う

メロディが 星ならば声は 空だろう
さながら言葉は 目には見えない
あなただけの 想いだ

そっと目を閉じるとき シャッターが静かに降りて

今というこの時を 記憶のネガに焼き付けるよ

消えないように かすれないように
色褪せることのない 思い出を

忘れることのないように 痛みと共に抱きしめよう

まばたきするたび 星が散らばるよ
七色の 星が 目の前でキラキラと
路地裏で 猫が 冷たくなって横たわる

生きる者に 課せられた 命の約束事
弱い者にも 強い者にも等しく与えられた死

生まれ来る 命の産声に どれひとつ 同じものはなくて

似ているというだけで 似て非なる 声と輪郭を持つ

笑ったり 泣いたりの繰り返しの中で
大切な思いにいつかは気づけるだろうか

優しいばかりでは忘れてしまうから 傷痕と共に 生きるよ

忘れたくない場面に シャッターを切るなら
ストロボを 焚いて 暗闇を照らして
その向こうにある隠してる悲しみごと形に残そう
嘘や偽りで ごまかさないで
それもまたひとつの思い出だから

そっと目を閉じるとき シャッターが静かに降りて

今というこの時を 記憶のネガに焼き付けるよ

消えないように かすれないように
色褪せることのない 思い出を

忘れることのないように 痛みと共に抱きしめよう。

2016/10/02 (Sun)

[8307] チェルシー
詩人:どるとる [投票][編集]


寝床を探して 夜の闇を駆け抜ける
チェルシー 赤い首輪の金色の鈴を鳴らして

国道を流して 終わりのないしりとり
退屈紛れに どうか?何度でも振り出しから

夜空の果てまで 伸ばした ホロスコープ
月のクレーターまでくっきり見える

裸足になって あの月面を歩きたいな
冷たいのかな 温かいのかな ふれたくて

伸ばした手 冷やす 意地悪な風が 噛みついたよ

大好きで でも大嫌いな思いなんだ
情けなくて 勇敢で 孤独な 思いなんだ

描いた 放物線 瞬く間に落ちた
小さな 石ころ 夜空のプレゼント

事典や図鑑にも書いてないことは
自分の目と耳で 確かめればいいや

まだ見ない宇宙の友達もできたらいいな
笑われるかな 笑われたってこの際いいや

ずっと大人になっても捨てないで とっておこう

僕も猫になって 夜の闇を駆け抜ける
風を切って 荷物なんて持たないで

計算なんか 最早何の役にも立たないや
磁石が示す方とは逆に行くのも手だ

夜空の果てまで 伸ばした ホロスコープ
月のクレーターまでくっきり見える

裸足になって あの月面を歩きたいな
冷たいのかな 温かいのかな ふれたくて

伸ばした手 冷やす 意地悪な風が 噛みついたよ

感覚をなくした 手が 少し赤く腫れて
遠くの街で 群れる光がざわめいた。

2016/10/02 (Sun)

[8308] PM
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夕暮れの町は 夜を待たせている
ため息をひとつ 風にくれてやる

あふれる人混みに 酔いそうになって
なぜか小説の一節を 思い出す

歩道橋の上で 落ちる夕日を眺めて
そのまま 夜が来るまで待ちぼうけ

忙しさから 少しでも抜け出せたなら
どこか遠くまで 行きたいのに

そんな時間もなく 家と会社の往復
家から帰って寝てすぐに次の日

くたくたに疲れはてるまで働いて
笑って泣いて 誰かを愛してまた愛されて。

2016/10/02 (Sun)

[8309] 春はそばにいる
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風にささやいた 誰かの悪口
胸を突き刺して えぐったよ
やっぱり僕には悪役は 似合わないな

脇役でも 優しさを捨てられない
ひたすらばかで 正直な人だよ

公園通りに 桜がずっとどこまでも
風に運ばれてきた春が ちょうど
土に落ちた綿毛がタンポポになるように

春は言葉もなくいつの間にか そばにいる。

2016/10/03 (Mon)

[8310] 夜明けの歌
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いくつになっても 調子っぱずれなメロディ
相も変わらずお人好しで
損得で生きられない
誰かのためを思うと いてもたってもいられない
涙を流す 人に 差し伸べる手を
いつでも持っていたいよ
たとえば 裏切られたとしても

道端に 吸い殻や空き缶が落ちてるような
すさんだ世の中でも ちゃんと愛はあって
新しい命が 今日もどこかで産まれてる
そんなささやかな喜びを一つずつ集めて
僕はこの世界にある良心を信じたいよ

今日も 世界は回っているのさ 僕らの足元で そして頭の上で
ゆっくり 気づかないくらいのスピードで
君を 明日に運んでいく 長い夜が明けて今日も 始まる

背丈ばかり 伸びました 身の丈に似合わず寸足らず
夕暮れの道に ひとつ影を落として
爪先で 蹴った石ころが 側溝に落ちた

上手に運べたならいいな 明日に今日の思い出を 残らず

夜明け前の街に 犬の散歩する人と
すれ違って 挨拶をしたら 挨拶が返ってきた
それだけで嬉しくなってしまう単純な僕だ
学校にも職場にも どんな世界の果てにでも
幸せはあって それに気づく目を持てるか

それに かかってるよ僕らの未来の行方は
東から 差した 日差しの光線 おはようで目覚める朝 今日が始まる

雑踏の中でふと目を閉じると
いろんな人の声が 聞こえる
そこには愛は あるかな
手をつなぐ恋人や並んで歩く親子の
手のなかには 小さな種がひとつ
未来を咲かせる 種さ

道端に 吸い殻や空き缶が落ちてるような
すさんだ世の中でも ちゃんと愛はあって
新しい命が 今日もどこかで産まれてる
そんなささやかな喜びを一つずつ集めて
僕はこの世界にある良心を信じたいよ

今日も 世界は回っているのさ 僕らの足元で そして頭の上で
ゆっくり 気づかないくらいのスピードで
君を 明日に運んでいく 長い夜が明けて今日も 始まる。

2016/10/03 (Mon)

[8311] プロポーズ
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君だけの幸せを 思いながら
費やしてきた日々
思い出が 増えていくたびに
僕の知らない君が まだこんなにいるよ

笑った顔が 一番好きで でも泣いた顔も 捨てがたくて
やっぱりどんな顔も好きで
何度でも抱きしめたくなる

君と出会えて よかったよ
いつか そんな言葉を 待ってるから
今は 情けない僕に呆れながらついてきてよ
長い時間をかけて二人 年をとったときに 何気なく
幸せだったと 気づければいいな
プロポーズの代わりに
この歌を 歌おう

思えば あなたに 面と向かって 好きって
言葉にしたことはなかったね
なんだか気恥ずかしくてさ
赤くなる顔を 隠せない

昔読んだ絵本のように
ハッピーエンドならいいな
悲しいことがあったとしても
君がいれば 何度でも立ち直れる

君が 僕を思う気持ちに負けないくらい
僕も君を思って いるから 見くびらないで
君が くれる言葉を 何一つ忘れたくない
君と過ごした時間 君と見た景色
君と聞いた浜辺の波の音
小さなことに 大袈裟に感動する君
言葉にするのは 難しいけど
ちゃんと幸せに させてもらってるから

僕ばかり 思ってもらってるみたいで
申し訳なくなるけど たまには
僕が 君をリードして 感謝されるような
そんな強い僕で 君の前を歩けたらいいなと 思ってるんだよ
少し生意気かな

君と出会えて よかったよ
いつか そんな言葉を 待ってるから
今は 情けない僕に呆れながらついてきてよ
長い時間をかけて二人 年をとったときに 何気なく
幸せだったと 気づければいいな
プロポーズの代わりに
この歌を 歌おう

この先も ずっと
世界で 一番
大好きな 君に。

2016/10/03 (Mon)

[8312] 無題
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答え合わせをするように
定まらない焦点を 合わしてく
照準を絞って 解き放つ理論

誰かの積み上げた理論を 片っ端から論破
ほんの少しのひび割れから崩していく

計算なんかしている暇はないぜ
次々に答えを出していかないと
とても間に合わない 急かされる 毎日だ

飛ばし読みして ページの先へ
たどり着いても 終わらない物語
ほらまた 凡ミスだ。

2016/10/05 (Wed)

[8313] その日、僕は死ぬつもりだった
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ワンルームの 部屋の隅に転がる猫
小さな悩みの積み重ねで死にたくなった

きっかけがつかめないだけで
もう何度も 死んでる

遠くのほうで工場のサイレンが 鳴って
抱えてるすべてはうやむやになって

いつの間にか 忘れたように 目覚めて
カーテンを 開く こぼれる陽射しは

悲しみなんかまるでないような
偽りの希望をちらつかせ 僕に優しく笑う

だから僕は死ねない
だから君も死ねない
だからみんな死ねない。

2016/10/05 (Wed)

[8314] 白い雪
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夜を待ち遠しくさせているのは
ずっと忘れていた寒さのせいだろう

かじかんだ手を こすりあわせながら
雪が降るのを君は 待っている

テーブルの上のスノードーム
君が去年くれたプレゼント

手にとって 眺めてみたよ
君は 今頃何をしているだろう
気になり出したら眠れない

夜の終わりを告げる 白い雪が
街を 覆いつくして夜が明ける頃には
膝まで 積もっているだろう

電話の向こうで 笑っていた君
何がそれほどまでにおかしいのだろう

カレンダーを一枚めくるたびに
季節の移ろいに どこか心は揺れて

仕事も うまくいってる訳じゃない
たまには失敗だってするけれど

恐れてばかりもいられない
強がりでも意地っ張りでも
勇気を持って 歩いて行くんだ

クリスマス間近の街は浮かれて
赤と緑の電飾で きらめいて
君は僕のためにマフラー編んでいる

立ち止まり見上げた夜空に
流れる星は 輝いて
光を 降らせる
言葉さえ 凍りついたように 口を閉ざして

夜の終わりを告げる 白い雪が
街を 覆いつくして夜が明ける頃には
膝まで 積もっているだろう。

2016/10/05 (Wed)

[8315] スタートライン
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ずっと 歩いてきた道のりが 走馬灯みたいに
よみがえってまぶたの裏に
まだ知らない 明日を 色々とイメージしながら
スタートラインに 立った僕は
空を見上げて ため息を吐いた

変わらないことの幸せと
変わってしまうことの悲しさの間で
僕はいつも 迷って悩んでいたんだ

僕には広すぎる街で 黄昏の風に吹かれ
宛もなく 歩いた

一番星を見つけた君が 指差す未来には幸せがあるのかな

今はただ ページをめくるだけだ
急かされるように 明ける夜
何度も繰り返した 後悔と挫折を
諦めという言葉で飾らないで
スタートラインに戻った僕は
初心ってやつを思い出そうとしてた

そばにある思い もう一度確かめた
つないだ手のぬくもり

人混みを避けて 生きてたら 笑いかたさえ忘れてしまった

なくしたものよりあの頃の僕が持ってないものを見つめよう

一つ一つ 消えてく明かり 不安げに 肩落とす夜の片隅で
理由もなく 寂しいのと君は泣いた
僕は何も出来なかった
僕は何をすべきだったのだろう
何ができたというのだろう

僕には広すぎる街で 黄昏の風に吹かれ
宛もなく 歩いた

一番星を見つけた君が 指差す未来には幸せがあるのかな

振り返れば 過ぎ去りし日々は輝いて見える
まぶしいほどに 僕は笑ってた。

2016/10/06 (Thu)
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