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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[8316] アパート
詩人:どるとる [投票][編集]


線路沿いのアパート 電車が通るたび
がたがた窓が鳴って
共同トイレ 風呂なし 月8000円の暮らし

覚えたてのフォークギターで
歌ったのは吉田拓郎 の 今日まで そして明日から

幸せは 六畳一間のあの部屋にきっと あったのだろう

割れた窓から 眺める 星空のきれいなこと
夕暮れには 橙の空が 街を見下ろしてる

君が作る 美味しいカレーライス
遠慮もしないで何杯もおかわりした

去年取り壊されてしまった
線路沿いのアパート
久しぶりに 来てみたら
大家さんも 歳をとってずいぶん老け込んでいた

レコードをかけた 部屋で 二人は 夢を見てた

幸せは お金では買えないことを 知っているから

庭でみんなでやったささやかなバーベキュー

スーパーの特売日に買った 3割引の豚肉
野菜ばかりだったけど 美味しかった
ほっぺが落ちるほど

今は 自分の家を持って それなりに暮らしているけど
あの頃のような幸せは 今ではもう手に入らない
貧しさの中には今は忘れられた本当の 幸せがあったから

割れた窓から 眺める 星空のきれいなこと
夕暮れには 橙の空が 街を見下ろしてる

君が作る 美味しいカレーライス
遠慮もしないで何杯もおかわりした

そうやって 思い出は少しずつ
消えてしまうんだね
でも心の中には ちゃんと残されてる
あの日、食べたカレーライスの味も小さな痛みも。

2016/10/06 (Thu)

[8317] 初恋
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積み木を積み重ねるように
日々を 重ねて巡る季節を渡る風になる

見上げた空は 透き通り
青く広がるオクトーバー

日記にはさんだ栞
大好きな 花の押し花

あなたの 笑顔が 眩しくて
目を 背けたのは僕の
弱さなんだろう
でも 恥ずかしさに隠した
頬染める恋の色
ただ 一途に誰かを思った
若かれし僕の影

伸ばした手をすり抜けていく
光や風 見えないものにふれたくて

遠くから眺めていた 海を守る 灯台のように

ため息の数は百を越え
気づいたよ僕は恋をしている

目を合わせるだけで恥ずかくて
言葉も交わせぬ うちに
縺れほどけた
鼻緒の切れた下駄
生まれてはじめての恋
ただ 一途に誰かを思った
君だけを思った

立ち止まる 道の上
降り積もる 時間
永遠も足りないほどに
君を 見つめてるだけで
飽きることなく 僕は幸せだった

叶わぬ恋だけど それもまた味わい深い
だからありがとうと伝えたいのです

あなたの 笑顔が 眩しくて
目を 背けたのは僕の
弱さなんだろう
でも 恥ずかしさに隠した
頬染める恋の色
ただ 一途に誰かを思った
若かれし僕の影。

2016/10/06 (Thu)

[8318] 名前のない感情
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それは僕の中に 落ちてくる
名前のない感情
虹色 溢れだす 胸の真ん中へ

誰が決めたことなのか この世界には
決められたルールなんてないのさ

鼻で笑って さよなら

絵の具を こぼしたような
原色で 染められた街並みに降る旋律

明日からの君を 笑顔にする
LaLaLaLa それは幸せへの入り口

跳ね上がる キー
山の頂へ。

2016/10/06 (Thu)

[8319] 
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君をなくしてから 随分僕は変わったよ
必要になってから探すような体たらく

こんな僕でも君のこと 幸せにできたかな

君が知りたがったあの星の名前や花の色
寂しそうな遠くの町明かりが揺れた

言葉もなく 僕は恋に落ちた
手を 伝ってぬくもりは届いた

出来損ないの 紙飛行機
あの屋根を 飛び越えていく

少し背伸びして やっと見える幸せ
遅れてささやいた 愛してる

キスが下手くそねと君はよく笑った
桜も今年も終わりだねとごまかした

積み重ねたのは時間ではなく思い出

眠くなるまで言い合ったお互いの好きなとこ
嫌いなところもいつか好きになれたらいいな

陽射しにふれたような 暖かな手ざわり
僕を 君は軽々 幸せにしてしまった

人にはどうして終わりがあるんだろう
命があるために永遠を持てない

いつの間にか 隣には隙間が空いた
なくしてはじめて気づいたんだ

一秒にさらに 一秒が重なってゆく
膨大な時間の 連なりが
人の一生になっていくんだな
それは なんて凄いことなんだろう
僕は 面食らったようになる

言葉もなく 僕は恋に落ちた
手を 伝ってぬくもりは届いた

出来損ないの 紙飛行機
あの屋根を 飛び越えていく

少し背伸びして やっと見える幸せ
遅れてささやいた 愛してる。

2016/10/06 (Thu)

[8320] 道しるべ
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足元に引かれたスタートのライン
確かめたのなら そこが始まりの場所

ちょっと深呼吸 雨上がりの虹を
描いた空に 投げたスマイル

百あるうちの たったひとつの運命
手にした僕らは 幸せなんだろう

道しるべは落とした涙だ
迷わないで 帰れるように
また何度でもスタートラインを探す
明日の君に出会えるように

この街で一番高いビルにかけ上って
見下ろした街 橙に暮れていた

いくつの 分岐点を過ぎただろう
降りる駅を間違えないようにしなくちゃ

味の無くなったガムをまだ噛んでる
いつか味が出るかもなんて期待して

南南西に 舵をとれ あの星を見失わないように
瞬く光に 謎は暴かれて
そして再びスタートラインに 立ち返る
明日の君が 笑えるますように

目をつむった 瞬間
飛び込んできた
無数のイメージに
飲み込まれて
僕はがらんどう

道しるべは落とした涙だ
迷わないで 帰れるように
また何度でもスタートラインを探す
明日の君に出会えるように。

2016/10/07 (Fri)

[8321] まばたき
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そっと目を閉じて
暗闇の中に光を探した
窓の外では降りやまない雨が降ってる

何色でもない 色に染まって
どしゃ降りのなかを駆け抜ける
まばたきの合間に
見えた気がした 明日

町中が 明かりを消したような 真夜中
出会う人もなく ただ流れていく時間

一人さえも いなくなったような世界
なんならこの寂しさに 名前をつけようか

今ある そのすべては なんのためにある
幸せのすぐ傍で 平気で人が死んでいる

ため息を まとわせて 風切るように走る
睡魔に勝てずに 乗り過ごした電車

気づけば ここは見知らぬ駅だ
看板には 「未来」と書かれている

町中が 明かりを消したような 真夜中
出会う人もなく ただ流れていく時間

一人さえも いなくなったような世界
なんならこの寂しさに 名前をつけようか。

2016/10/07 (Fri)

[8322] オクトーバー
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舞い落ちる 枯れ葉に重ねた
今はもう いない 誰かさんの面影

街は 少しずつ暑さを忘れていくよ

言葉もなく ただ立ち尽くす景色に
僕は流されていく 人混みの中へ

降るような足音に紛れてる
小さな 泣き声を今日 見つけたよ

ずっと 探していたような気がする
優しさを 手にしたオクトーバー

庭でカラカラと風が笑えば
誰もいない 部屋に思い出が帰る

そして懐かしい肌寒さがよみがえる

夕暮れの街は どこかやっぱり寂しくて
だからつないだ手のぬくもりが有難い

今だけは強がらず弱さを見せていいよ
優しい人は すぐそば笑うのです

いつまでも ふれていたいから
時を計る時計なんていらない

忙しさから抜け出せず また一人
黄昏て 見上げた空に 一番星が ひとつ

言葉もなく ただ立ち尽くす景色に
僕は流されていく 人混みの中へ

降るような足音に紛れてる
小さな 泣き声を今日 見つけたよ

ずっと 探していたような気がする
優しさを 手にしたオクトーバー。

2016/10/09 (Sun)

[8323] メロディ
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踏み出した 僕の足が鳴らしたメロディ
ゼロから すべてが始まっていく

夜明け前の街は 少しばかり冷えるな
凍えないように 毛布にくるまった

描き出した 夢の果てに 何があっても
「諦め」という 選択肢に 屈したりはしない

ありままのイメージを形にしても
あやふやな 輪郭線をたどる あしあと

どこまで行けるかな それさえわからないままだ。

2016/10/09 (Sun)

[8324] 残り香
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見上げた瞳に 流れる星の あとを追って
風の行方を 人差し指で 占った

色とりどりの 色に染まったこの街で
僕も きれいな色に染まれるかな

アジサイの上の カタツムリは
言葉少なに 語った
大切なものは ここからでも十分見える

記憶の片隅に 静かに残る 一滴の涙
空に届いて 星を浮かべた海になったよ

すべての命が いつか帰る場所。

2016/10/09 (Sun)

[8325] 即興詩
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新しい風が 南の窓から 運ばれて
誰かが くれた言葉が ここに来て役に立つ

三毛猫は 日がな一日 縁側で光と埃に戯れて
僕はというとまだスタートラインにも立てずにいる

君の声を聞かせてよ 遠い春を 連れてくるあの歌
即興で 奏でた でたらめな歌
胸の隙間を 少しずつ埋めていく
ほらね もの凄い魔法みたいだ

頬にふれたときの柔らかな 手ざわり
包むつもりが 逆に包まれるような

名前も知らない 気持ちに出会う喜び
いつか 君にも伝えたいな 自分だけで楽しむなんて勿体ない

泣いて 笑って たまに怒って そんなことがきっと大切なんだ
気づいた僕は もう一人じゃない
つないだ手は ほどけないくらい頑丈だ
何でもない毎日が思い出ならば

離ればなれの思いをつなげていく 小さな約束
綴れ織る 日々の 途中で
僕は君の 名前を呼ぶよ
いつか 別れるその時も
与えられた 愛に 恥じぬように

君の声を聞かせてよ 遠い春を 連れてくるあの歌
即興で 奏でた でたらめな歌
胸の隙間を 少しずつ埋めていく
ほらね もの凄い魔法みたいだ

山ひとつ越えてひびく 山びこだ。

2016/10/09 (Sun)
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